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企業VS.トランプ


2017年3月11日(日)はれ
・企業VS.トランプ ルール激変、したたかに稼ぐ。
船井電機 <6839> [終値984円]「メキシコ工場は撤退も選択肢だ」と前田哲宏社長は苦渋の表情。
売上高の8割を北米で稼ぐが、生産のほとんどは米国外。
昨秋稼働メキシコ工場は「今はメキシコ国内向けをつくっている。トランプ政策の行方を見極めないと本格稼働できない」。
環太平洋経済連携協定(TPP)は離脱、北米自由貿易協定(NAFTA)は再交渉。
「米国第一」を掲げ、通商ルールを次々書き換えるトランプ米大統領に企業が翻弄されている。
第1波はツイッターによる「口撃」でメキシコ新工場を計画する企業が標的になった。
米空調大手キャリア、米フォード・モーター、そしてトヨタ <7203> [終値6520円]。
「米国に工場を建てるか、高い関税支払え」。日清紡HD <3105> [終値1186円]はブレーキ摩擦材メキシコ新工場を白紙に。

・企業VS.トランプ ルール激変、したたかに稼ぐ。
そして目下最大の懸念は法人勢の国境調整。
米国からの輸出は課税を免除、輸入は20%課税される案が有力。
SMBC日興証券では国境調整が導入されると日本の対米自動車輸出は年170万台強から80万台強にほぼ半減すると予想。
今週にも予算教書(簡略版)の発表控え、車大手は様々なルートで米政権内の情報収集を急ぐ。
市場でも「潜在リスクを抱えた日本の自動車株への投資は慎重にならざるを得ない」
(英フィデリティ・インターナショナル、デイル・ニコルス氏)との見方広がる。
最近まで利益、時価総額で全体の1割程度占める「自動車」低迷が日本株上値抑える。
保護主義強める国家と折り合いつけるにはしたたかな企業戦略も必要だ。そのかじ取りの成否が成長力を左右する。

・米利上げ観測が市場を揺らす。
日米金利差の拡大意識した円安・ドル高が再加速、円相場は10日に一時1ドル115円半ばと約1カ月半ぶり水準まで下落。
米雇用統計は市場予想を上回り、3月の米利上げはほぼ確実。今後の利上げペースが早まれば、米景気を失速させかねない。
原油相場はそのリスク警戒し、大きく値を下げている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーが昨年12月時点で17年の利上げ回数は3回。
これが4回に増えるようなら、市場で米景気の失速懸念が強まる。
注目のFOMCは14~15日。
利上げが加速した場合、世界経済はそれに耐えられるか。
市場はリスクを見極めようとしている。

・企業VS.トランプ 企業戦略「ディール」が翻弄。
2/28のトランプ米大統領演説、注目されたのがトランプ氏が雇用や投資拡大を表明した企業をたたえたくだり。
米ビッグスリーは名を連ねたのに1兆円超の投資表明したトヨタ <7203> [終値6520円]の名はなく。
もう一つの焦点は税制改革のくだり。「企業が事業をしやすい環境を整え、米国から離れにくくする必要がある」。
共和党で検討される輸出への税を免除し、輸入に課税する法人税の国境調整意識した発言と見られ「導入に積極的」と。
税の国境調整が米国を収益源とする車各社の経営に与える影響は甚大。
輸入税率20%と仮定すると、2018年3月期予想純利益がトヨタは39%、日産 <7201> [終値1158.0円]54%、
ホンダ <7267> [終値3595円]は44%押し下げられる試算も。
かといって米国生産を増やすのは簡単ではない。
車各社は新興国など最も競争力のある地域での調整や生産を組み合わせて世界最適生産構築へ。

・企業VS.トランプ 企業戦略「ディール」が翻弄。
アルパイン <6816> [終値1715円]はメキシコからの輸出が多い。
「メキシコ立地のリスクは承知しているが、納入先の車会社を差し置いて当社が先に生産見直すわけにはいかない」とも。
市場も国境調整や北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉などに身構える。
昨年末から株価騰落率では北米依存が高く、米国に工場のないマツダ <7261> [終値1674.0円]は12%安、
米国販売に占める現地生産比率5割のトヨタ <7203> [終値6520円]は5%安。
半面、北米依存度は高いが現地生産比率が7割のホンダ <7267> [終値3595.0円]は5%高、
北米依存の低いスズキ <7269> [終値4761円]も株価は堅調。

・企業VS.トランプ 法人減税で6800億円増益効果も。
税の国境調整が日本企業の経営を圧迫しかねない反面、追い風として期待集めるのが大幅な法人減税。
野村証券 <8604> [終値767.0円]試算、法人税率が10ポイント下がると、日本企業の純利益を1%程度押し上げる効果。
現状の35%から20%に引き下げ目指す共和党案なら1.5%、15%に引き下げるトランプ氏案になれば2%に。
この場合、上場企業の純利益(34兆円)で計算すると約6800億円の増益効果が期待できる。
国境調整の影響受けにくく、減税メリットをフルに享受しやすいのは、地産地消型の企業。
その代表格はダイキン <6367> [終値11070円]。子会社などの工場生かし米国で売る製品の75%程度を現地生産、
5月にテキサス新工場も稼働。従業員は8千人規模で雇用創出効果もアピール。

・企業VS.トランプ 日本企業インフラ投資も恩恵大きく。
大規模なインフラ投資の恩恵も大きい。鉄道や橋梁、道路などの建設・更新需要が拡大すれば日本企業にも商機となる。
例えばコマツ <6301> [終値2910.0円]は鉱山機械を米国でつくり、全世界に輸出。
大橋徹二社長は「米国が国内も世界も経済を引っ張ってくれれば勝機は広がる」と話す。株価は10日に昨年来高値更新。
「米国第一主義」背景とする製造業回帰の動きが広がれば工場の自動化ニーズ取り込める。
ダイフク <6383> [終値2812円]倉庫や工場で荷物や製品を運ぶ自動化システム手掛ける。米国現地生産比率は8割と高い。
ファナック <6954> [終値22320円]キーエンス <6861> [終値45090円]は米国で生産しておらず、
法人税の国境調整が逆風になる恐れもあるが、米国に日本の工作機械と競合する会社は少ない。
「日本メーカーの優位性は保たれる」との見方も。

トランプ氏はドット・フランク法(金融規制改革法)見直しなど規制緩和掲げる。
日本でも三菱UFJFG <8306> [終値769.6円]は米銀傘下に持ち、邦銀の中でも注目集める。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は「インフレ期待による米金利上昇も金融株に追い風になる」と。
ルール変更に対応しうまく身構えを変える企業こそが成長力を底上げできる。

・世界の経済・金融の関係者が注目するイベントが15日に集中。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、3カ月ぶりの利上げが検討される。
今年選挙が相次ぐ欧州では最初となるオランダ総選挙が実施。
米国では政府の債務上限の引き上げ期限が15日に到来。

・「内紛」、三越伊勢丹 <3099> [終値1345円]なお晴れぬ霧。
7日の取締役会で大西洋社長の3月末での退任決まった。突如表面化した内紛劇に株式市場は動揺、株価は週間で6%下落。
新経営陣は社内からの反発も予想される痛みを伴う改革を迫られる。
大西氏を辞任に追い込んだ「反大西」の筆頭格は労働組合。

・任天堂 <7974> [終値24735円]3日発売した新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」が好調な滑り出し。
特に欧米では「任天堂の歴代ゲーム機で最高の出足」で発売前の懐疑論を覆した。
これを好感、株価は発売後4営業日連続で上昇。任天堂は今回、勢い継続させるため強力な手札を逐次投入する作戦。
ゲーム情報誌「ファミ通」、スイッチの発売後3日間の国内推定販売台数は約33万台。
発売後2日間で約31万台を販売したWii Uと同水準。国内以上に海外が好スタート。
「スーパーマリオ オデッセイ」「マリオカート8」「スプラトゥーン2」といった人気シリーズの最新作を
春、夏、冬と時期ずらして順次投入。
このリレー作戦に、スイッチの命運も託されている。

・英フィナンシャル・タイムズなど、ソフトバンクグループ <9984> [終値8365円]昨年完全子会社化した
英半導体設計大手アーム・ホールディンクスの持ち分の25%相当を、
サウジアラビア政府系ファンドなどと立ち上げる1000億ドル(11.5兆円)規模のファンドへ移管すると報じた。
実現すると、ソフトバンク本体とファンドとの利益相反に焦点が当たりそう。
利益相反の懸念をどう払しょくするのか。アーム株の移管観測は試金石になる。

・注目企業ここが知りたい ミネベアミツミ <6479> [終値1543円]
旧ミネベアが株式交換で旧ミツミ電機を統合して誕生したミネベアミツミ。
得意分野が異なる2社の経営資源生かし、優勝劣敗が激しい電子部品の荒波をどう乗り切るか。
統合先を速効改革、当初ミツミは17年3月期に60億円の営業赤字を見込んでいた。
だが統合後の17年2-3月だけ見れば、ミネベアミツミの営業利益を20億円押し上げる要因に。
一方、新分野ではミツミの技術にかける期待大きく。
投資銀行業界で「M&A巧者」との評判もある貝沼社長が、ミツミとの統合が一段落した後にどんな次の一手打つのか注目集まる。
今後、ミツミの不採算事業の見直しや、両者の技術活用した新製品などの追加の統合効果が見えて来れば、
さらに株価上昇に弾みがつく可能性もある。

・労働時間削減などの「働き方改革」進める企業が市場の注目集める。

働き方改革銘柄:
ヤマトHD <9064> [終値2477.0円]株価騰落率(10日時点の昨年末比)4.2%
いなげや <8182> [終値1579円]6.7% イオン <8267> [終値1648.0円]▲0.5%
スタートトィデイ <3092> [終値2406円]19.2% 三越伊勢丹 <3099> [終値1345円]6.8%
阪急阪神 <9042> [終値3790円]1.1% JR東日本 <9020> [終値10035円]▲0.6%
ロイヤルHD <8179> [終値2102円]12.5% すかいらーく <3197> [終値1742円]

改革支援銘柄
ダイフク <6383> [終値2812円]12.8% キーエンス <6861> [終値45090円]12.4%
テンプHD <2181> [終値1949円]7.5% リクルートHD <6098> [終値5670円]20.9%
アマノ <6436> [終値2337円]13.6%

同期間の日経平均騰落率 2.6%

・日経ジャスダック平均の連騰記録は10日で21営業日に伸ばした。
13年ぶりの長さで、1989年につけた22連勝という過去最長記録に並ぶまであと1日に迫った。
欧米の政治ススクなどの影響を受けにくい新興株に個人投資家のマネーが流れ込んでいる。
だが市場では過熱感を指摘する声も目立ってきた。
10日は1ドル=115円台前半まで円安が進み、日経平均が昨年来高値が2カ月ぶりに更新。
「新興株から主力株に資金を移す個人が目立った」(カブドットコム証券)。
先物のないジャスダックは一方通行の値動きになりやすい。
「主力株が上昇基調を取り戻せば、ジャスダックは急落するかのうせいがある」との指摘も。

・OUT Look:今週(13~17日)の株式相場、日経平均株価は1万9000円台後半での推移となりそう。
海外の注目イベントが相次ぐが、市場の予想通りに進めば、為替の円安や欧州政治リスクの後退が日本株に追い風となる。
ただ想定外の波乱リスクもくすぶる。
15日に注目イベントが集中する。
まず米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果。利上げ実施はほぼ既定路線で、今後の利上げペースが注目。
15日には米予算教書の基本方針の発表も重なる可能性がある。
法人減税などに注目が集まるなか、「トランプ政権は従来通りの主張を展開し、市場の期待をつなぎ留める」との見方が多い。
また同日、オランダ下院議会選挙が予定。極右の自由党が過半数の議席獲得する可能性は低く、
同党首ウィルダ―氏が首相に選出され、欧州連合(EU)離脱の国民投票に発展する事態にはならなそう。
個別株では東芝 <6502> [終値208.3円]が波乱の芽。
「再び決算発表延期となれば内部管理体制への疑いが強まり、上場廃止の可能性は現実味を増す」。

・Wall Street:今週の米株式相場は小確りの展開か。
14、15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。
先週末2月の雇用統計で雇用情勢の堅調さが確認され、市場では今回のFOMCでの利上げはほぼ確実と見られている。
予想通り利上げを決めれば、金融株を中心に買いが入りそう。
今週は2月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高が発表される。ガソリン価格の下落がCPIの下押し要因。
ただエネルギーと食品除くコアCPIは緩やかな上昇傾向続ける見込みで、FRBの利上げ継続を下支えする材料に。
3月のミシガン大消費者信頼感指数も小幅ながら2カ月ぶりに上昇するとみられており、
消費者マインドが堅調に推移していることは、株式相場には好材料になりそう。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち7指数が上昇。
資源価格の下落への警戒感が強まり、資源国株が振るわず。
また、欧州の政治情勢めぐる不透明感がやや後退して前の週に上昇していた欧州株の買い戻しが一服。

上位1位韓国週間騰落率0.89% 2位日本0.70% 3位豪州0.62% 4位マレーシア0.54% 5位インド0.39%
下位25位ロシア▲4.72% 24位ブラジル▲3.16% 23位タイ▲1.68% 22位ポーランド▲1.48% 17位米国▲0.49%

・米投資ファンド、ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は7日、
同ファンドのホームページに掲載した動画で、「米連邦準備理事会(FRB)は利上げを継続的に進めるだろう」と見立て示す。
昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利すると事前に予見した数少ない市場関係者の一人。
FRBは米景気が後退するなど「何かが壊れるまで」利上げを続けてきた歴史があると指摘。
今月14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、こうした「伝統的な」利上げ政策が始まると見通した。
今年は2~3回の追加利上げが実施されるとも予測。米10年債利回りはいったん下落した後「3%に向かって上昇する」と。
トランプ大統領の就任1期目が終わるまでに、米国債利回りは6%に達する可能性も。
米国株については、景況感の改善やインフレ圧力の高まり受けて「じりじり上昇する」と分析。
その一方、米国株には割安感はないとも話し、長期金利上昇によって相場が崩れる可能性があると指摘。
日本やインドといったアジア株割安だとする一方、欧州の株式や債券への投資は避けるべきと主張。

・英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit=ブレグジット)が、条件や今後の貿易関係の構築巡り2年間の交渉に入る。
メイ首相は3月末を期限に、欧州理事会にEU離脱を通告する。今後の離脱シナリオや経済、市場に与える影響探る。

シナリオ1:可能性75% 何らかの合意、内容は見えず。
英国とEUは交渉期限の2019年3月までに、離脱の条件や新しい貿易協定、離脱までの経過措置などで合意すること目指す。
双方とも経済に甚大な影響が及ぶ交渉決裂は避けたいのが本音で、何らかの合意に至るのがメーンシナリオ。
どのような内容になるかは見えない。

シナリオ2:可能性15% 交渉が決裂、英企業に打撃。
「バッドディールを結ぶくらいなら、ノーディールがまし」。メイ首相はEU離脱の交渉に背水の陣で臨む考え。
英国側は交渉決裂のシナリオちらつかせEUの譲歩引き出す構えも、脅迫的ともいえる姿勢にEUでは反発多く。
交渉過程で信頼崩れれば「ノーディール(交渉決裂)」が現実味帯びる。

シナリオ3:可能性10% 期限を延期、「再投票」も?
2年の交渉期間は短すぎると「交渉期限の延長」もありうる。
交渉期限の延長には残留する27カ国すべての承認必要。
現状ではほとんど可能性はないが、交渉が行き詰まれば、英国民投票のやり直しという選択肢も浮上しそう。

(日経ヴェリタス)

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