
扉を開いて(2011.5.15号)
- 2011年05月15日
- 株式投資・経済ニュース全般
2010年5月15日(日)五月晴れ
・震災決算からの挑戦。
リーマン・ショック後ニッポン株式会社は戦後最大のリストラと新興国需要の取り込みでドン底から這い上がるも
震災で一本調子の回復シナリオは崩れる。
「1社購買でコスト削減」「豊富な電力」「安全な日本」という前提崩れる。
「速い者が遅い者に勝つ」「安心を与える会社」「海外への歩みを止めない会社」
リーマン・ショックと震災の2度の危機経て「W字」回復に挑む企業に迫る。
スピードが勝負を分ける:
トヨタ <7203> [終値3400円]下期休日稼働。通期4000億円(下期5400億円)の黒字も。
ヒロセ電 <6806> [終値8400円]震災後即座に生産を長野県などの協力会社や中国の工場に振り替え休日返上で増産。
上期経常減益から一転下期前年同期比43%増の急回復シナリオ描く。
日本郵船 <9101> [終値308円]利益を下支えするのは「海」と相乗効果のある「陸」と「空」の物流事業。
村田 <6981> [終値5430円]
震災の影響をスマートフォン(高機能携帯電話) やタブレット端末向け積層セラミックコンデンサーの重要増で補う。
4月中国新工場稼働が効果大きく。
内にこもらず海外に根を張る:
島精機 <6222> [終値2176円]2011年3月期、中東の売上高日本を上回る。
アパレル業界では中国依存の生産体制見直す動きの潮流に乗る。
住友化 <4005> [終値411円]社運を賭けたサウジアラビア石油化学事業「ペトロ・ラービグ」が利益に貢献し始めた。
セイコーエプソン <6724> [終値円]発想転換、プリンター本体価格高めに設定。
インクの内蔵量大幅増、純正インクの価格抑える戦略。
ユニ・チャーム <8113> [終値1390円]2012年3月期中国内陸部100都市に進出。今期の販売促進費は過去最大の計画。
情報や生活必需品など安心を与える:
ヤフー <4689> [終値28570円]今何が必要か、次に何が必要か常に考えアイデアを出す。
野村総研 <4307> [終値1667円]アンケート調査、震災関連情報提供で重視する情報源としてNHK、民法放送に次ぎ3位に食い込む。
楽天 <4755> [終値78600円]「楽天市場」では震災直後からスーパーで欠品相次いだ水や米、防災関連商品の注文増加。
新規ユーザー増、リピート率も高まる。
MonotaRO <3064> [終値1099円]電池や土のう袋の注文急増。月1万件の新規登録が4月は2割増に。
・ソニー <6758> [終値2241円]インターネット配信サービスから1億件超の顧客情報流出問題尾を引く。
株価東日本大震災前から22%下落。ネットワーク事業に打撃。下支えはPBR(株価純資産倍率)
13日時点のPBRは0.78倍と低水準でチャートから2200円が下値支持線に。
・東日本大震災の衝撃測る最初の機会が19日発表1-3月期国内総生産(GDP)速報。予測中央値前期比年率で1.8%減。
続く4-6月期も震災の影響がフルに表れるため、一段の落ち込みが避けられず。
・インタビュー:茂木友三郎キッコーマン <2801> [終値827円]会長。日本の伝統の味、利益の半分以上は海外で稼ぐ国際企業。
「必要以上の自粛はそれこそ自粛しないといけない。なるべく早く通常の生活に戻ったほうがよいと」
米国しょうゆ好調。米国では必需品でないため景気の影響受けやすい。
・東芝 <6502> [終値439円]4年ぶり、日立 <6501> [終値457円]20年ぶり最高益も高揚感全くなく。
震災後の主力事業の行方に様々な不安定要因が待ち受ける。
東芝は原発、日立は自動車関連が業績にどう影響あるか見極められず。
・アコム <8572> [終値1279円]プロミス <8574> [終値715円]アイフル <8515> [終値108円]
消費者金融大手3社2011年3月期大幅な最終赤字。過払い金返還請求問題収束なお見えず。
・「会社がわかる」特集、富士通ゼネラル <6755> [終値435円]
省エネエアコン、欧州やオセアニアなど世界中で売り、2012年3月期連結純利益3年連続最高になる見通し。
エアコンに資源集中、在庫減らしキャッシュフロー(現金収支)生み出す債権のお手本のような変身。
次のテーマは新興国戦略。PER(株価収益率)9.5倍と低水準。民生電機平均(PER11倍)水準まで買われる可能性充分。
・ランキング:新興市場除く上場企業対象3/11震災を境に前後2か月間の1日平均売買代金のランキング。
1位不動テトラ <1813> [終値166円]増加率99.3倍。津波で破壊された海岸線の復旧需要見込まれる。
2位廣済堂 <7868> [終値219円]80.9倍 3位ダイセキ環境 <1712> [終値円]79.3倍
9位森組 <1853> [終値円]39.5倍 震災で損壊した道路や橋梁などの復旧需要。値動きの軽さに着目。
12位若築建 <1888> [終値111円]38.4倍 太平洋側の港湾インフラ復旧需要見込んだ買い入る。
14位岩崎電 <6924> [終値229円]36.3倍 15%節電目標で発行ダイオード(LED)照明に着目した取引膨らむ。
18位高島 <8007> [終値214円]34.9倍 太陽光パネル販売手掛け、注目集める。
・OUT Look:今週の株式相場は弱含みの展開か。
国際商品価格の下落で東日本大震災後も日本株を買い続けてきた海外投資家の買い余力を不安視する声広がる。
東電 <9501> [終値円]に融資する金融機関に債権放棄求める動きも懸念材料。
米国では商品相場の過熱抑制の目的で先物の証拠金を引き上げて短期資金を締め出そうという流れ強まり、
ヘッジファンドをはじめとする海外投資家の投資余力の減退が懸念。
円高進行も懸念材料。ユーロ圏ではギリシャの財政問題が再燃。
1段の円安が進むようだと1年前にユーロ危機時の円高進行で株価が大きく値下がりした展開が再現されかねない。
経済指標、国内では16日に3月の機械受注の発表。市場前月比10%前後下落とみる。18日4月の首都圏新規マンション販売。
テクニカル面では日経平均株価13日に25日移動平均(9686円)を下抜け。200日移動平均(9822円)も下回ったことが気がかり。
・Wall Street:今週の米株式相場は上値の重い展開か。
商品相場が不安定な値動きを続けているほか、欧州財政問題への不安が再び高まる。
16日ユーロ圏財務相会合が開催、ギリシャへの追加金融支援について協議される見通し。
米国の経済指標は強弱入り混じった内容が予想される。4月の住宅着工件数は水準低いながらも前月よりは改善が期待。
4月の鉱工業生産指数は前月比0.5%前後の上昇と前月の0.8%上昇から鈍化へ。
NY連銀やフィラデルフィア連銀発表景気指数は前月から低下予想。4月下旬開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨も公開
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派22%(前回比+5)弱気派41%(同-17)中立派38%(同+13)
自動車メーカーが相次ぎフル生産の期待前倒し公表も投資家の不安感やや後退に。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場はロシアやブラジルなど資源国の株価下落が目立つ。
乱高下する国際商品相場をにらみながら、リスク回避の動き続いており欧米の株価指数も値動きが荒い展開。
中国やインドでも金融引き締め懸念が上値を抑えた。
・東電 <9501> [終値453円]
「無配」「必要な投資などを差し引いて残った利益を賠償に回す」ことになり上場企業としては極めて異例な姿になると予想される。
長期間フリーキャッシュフローが事実上ゼロ。企業価値はゼロといえる。
今後も短期な材料への思惑だけで乱高下する可能性がある。(日経ヴェリタス)
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