
【今週の相場展望】今週は米国感謝祭前の・・・(11/23〜11/27)
- 2009年11月22日
- 株式投資・経済ニュース全般
■今週の注意点
・今週の相場は、引き続きリスク選好の過熱調整による相場展開となりそうだ。
26日の米国感謝祭に向けて、文字通り1年間の収益の「刈り取り」による利益確定へ。
これまでのドル調達キャリー取引による世界的な株高・資源高・欧州通貨高・資源通貨高の反転逆流が意識される。
クロス円を中心として、外貨安・円高の材料になる。
もっとも今回の世界株安とリスク回避の円高では、クロス円での円高に対し、ドル/円では対円以外でのドル全面高によってドルの下値がサポートされている。
今後はユーロ/ドルなど対円以外でのドル下げ止まりに、ドル/円も追随していく可能性を秘めている。
・日本株については短期的には売られ過ぎのシグナルが見られ始めたが・・・
日本政府は20日にデフレ宣言を行っており、政府と日銀のアコード強化によるデフレ克服策の思惑が浮上。
物価下落の一因となっている円高を食い止めるため、来年1-3月にかけて日銀が追加の量的緩和に追い込まれるという観測もくすぶり始めている。
今後は日本の当局による円高・株安の悪循環阻止策が、ドル/円、クロス円での円高抑制要因として新たに注目されてきそうだ。
・今週のテーマは23-25日の米国債入札と24日の米7-9月期国内総生産(改定値)
順調に消化されるようなら、米債金利の低下(債券価格は上昇)とドル安を支援、反対に不調に終われば金利上昇とドル高という動きが想定される。
さらに来週の為替相場については、米欧の指標で現在のリスク回避の心理が払拭されるか、日本の物価指標で政府・日銀のデフレ対策が本格強化されるか、欧州要人の中国訪問で人民元の切り上げ圧力が再燃するか(ユーロ安・円高材料)、国内での投信設定などでボーナス資金の外貨買いが盛り上がるか、といった材料が焦点になりそうだ。
24日の米7-9月期国内総生産(改定値)はGSによると貿易収支を受けて下方修正の見通し。速報値発表前にGSが発表したGDP予想のほうが正しい可能性が非常に高い。ただし市場では既に織り込みも?
■年末にかけての材料と注意点
国内ボーナス資金による外貨建て資産投資が円安・外貨高要因
米国の多国籍企業や金融機関、機関投資家の年末決算に向けた本国送金のドル転がドル高要因として注目
来年度の日本の国債発行額が44兆円を大幅に上回ると国債増発による格下げリスク
(来年度の予算編成作業は、11月後半から12月にかけて続く、翌年度の予算案の最終的な閣議決定は07年が12月25日、08年が12月24日)
11月26日は米国がサンクスギビングデー
11月27日はブラック・フライデー
12月の14日からはクリスマス休暇に入り徐々に商いが閑散
※例年、11月は感謝祭前に12月はクリスマス休暇前に手仕舞い売りなどが活発化する
・事業仕分けによる悪影響が企業業績を打撃も
ある外資系ファンドの外国人によると、最近話題の事業仕分けにおいて、簡単に宇宙開発や次世代スパコンなどの予算を削ろうとする現政権の行為や考え方が日本企業の業績や雇用などに与える影響が懸念されるとのこと。
今後、広告費などは真先に削られ広告代理店に与える影響は大きいだろうとのこと。
このように無駄を無くすという行為は必要なことだが、削減基準などの考え方に疑問を感じるようだ。
■今週の注目イベント予定と解説
※時間は日本時間
23日(月)
東京市場は勤労感謝の日の祝日で休場
09:30 豪10月新車販売台数
(利上げによる影響にらむ。悪化の場合は豪ドルの続落を助長)
18:00 ユーロ圏11月製造業購買担当者指数[暫定値]
(基本的には改善が継続。ただし、強弱いずれでもユーロの利食い材料にも)
22:00 トリシェECB総裁、マドリードで講演
(出口戦略への踏み込みや、ユーロ高・ドル安・人民元安への牽制焦点)
24:00 米10月中古住宅販売件数
(税控除策の当初の打ち切り期限前に伴う駆け込みで上振れも)
米決算発表=ヒューレット・パッカード
(ハイテク株は好材料織り込みで反落傾向。デルの決算が大幅な減益となったことでHPの決算にも注目が集まる)
米2年債入札440億ドル
(順調消化なら米債金利低下でドル安、不調なら金利上昇でドル高)
24日(火)
08:00 豪9月コンファレンスボード景気先行指数
(9月段階では景気回復のモメンタムに勢い)
18:00 独11月Ifo景気動向指数
(底堅さが続く見通し。発表段階でのユーロ高の調整進ちょく度合いが反応左右)
22:30 米7-9月期国内総生産[改定値]
(GSによると貿易収支を受けて下方修正の見通し。速報値発表前にGSが発表したGDP予想のほうが正しい可能性が高い。ただし市場では織り込みも?)
23:00 米9月S&Pケースシラー住宅価格指数
(9月段階では住宅回復の基調が持続)
24:00 米11月消費者信頼感指数
(株高による資産効果の追い風と雇用不安の綱引き)
28:00 米連邦公開市場委員会議事録[11月3、4日分]
(利上げ慎重姿勢を再確認でドル全面安、タカ派意見があれば株安・ドル高にも)
米5年債入札420億ドル
(順調消化なら米債金利低下でドル安、不調なら金利上昇でドル高)
25日(水)
08:50 日10月貿易収支[通関統計]
(輸出の回復確認なら株高・円安、為替需給面では潜在的な円高要因に)
22:30 米10月個人所得/個人支出
(10月の小売売上高は改善、株高による資産効果などが支援)
22:30 米10月耐久財受注
(自動車支援策の終了などで息切れ懸念、悲観論が再燃しているだけに上振れは波乱)
24:00 米10月新築住宅販売件数
(中古販売は良好も新築は伸び悩み。10月段階では税控除の延長にも不透明感)
米7年債入札320億ドル
(順調消化なら米債金利低下でドル安、不調なら金利上昇でドル高)
26日(木)
08:50 日銀政策委員会・金融政策決定会合、議事要旨[10月30日分]
(10月段階でのデフレに対する危機感焦点)
09:30 豪7-9月期民間設備投資
(反応は豪ドル高の過熱調整の進捗度合い次第、下振れの場合が続落波乱)
米感謝祭(サンクスギビングデー)で米国は祝日
(NY株式・NY為替市場はともに休場)
27日(金)
06:45 NZ・10月貿易収支
(通貨高による赤字拡大がNZドル安のリスク、深刻な財政赤字も懸念されている)
08:30 日10月完全失業率、日10月全国消費者物価指数
(いずれも低迷なら政府・日銀の円高デフレ対応策がどうなるか?)
19:00 ユーロ圏11月消費者/鉱工業/サービス業信頼感
(最近の米国では指標伸び悩み。刺激策息切れやユーロ高の影響警戒)
トリシェECB総裁、アルムニア欧州委員、ユンケル・ユーロ財務相会合議
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