日経ヴェリタス　5／16日号読んでみて・・・

2010年5月16日（日）はれ

・新興国や資源国、リーマン・ショック後の危機対応モードからの出口相次ぎ模索。
　豪州、インド利上げ。中国も利上げ近く。金利や物価の上昇は経済の体感温度の上昇物語る。

　豪州：住宅価格上昇、住宅ブーム豪州景気の好調さを象徴。金利引き上げによる家計負担増懸念。

　マレーシア・シンガポール：外食産業出店ラッシュ。背景に急速な景気回復。中国向け輸出急伸。

　ブラジル：景気回復に加え、所得全体の底上げや労働市場の変化も消費後押し。国内にはバブル懸念も。

　インド：中間層の拡大で消費を拡大。3,4月連続利上げ。

・新興国の死角は中国の金融引き締め。金融引き締め短期的には株価の下落要因。

・欧州財政問題、日本企業の業績に水さす懸念。ユーロでの円高懸念。
　欧州向け売上高比率高い銘柄、

　ソニー　<6758> ［終値2950円］対ユーロで１円円高に進むと利益への影響70億円減益、想定レート125円。　

　キャノン　<7751> ［終値4045円］41億円減、125円。リコー　<7752> ［終値1456円］15億円減、120円。

　エプソン　<6724> ［終値1464円］12億円減、125円。日板硝子　<5202> ［終値278円］4千万円減、130円。

・20日発表1-3月期の実質国内総生産（GDP）速報値、2四半期連続のプラス成長へ。
　民間調査機関24社予測中心値5.5％増。設備投資も2四半期連続の増加見通し。　

・日経ヴェリタスランキング:2011年3月期予想営業利益の伸び率高い会社ランキング。　

　1位新日鉄　<5401> ［終値334円］営業増益率775％。アジアで鋼材需要急回復。在庫に評価益。　

　2位エルピーダ　<6665> ［終値1856円］459％。3位ソニー　<6758> ［終値2950円］404％。

　12位カプコン　<9697> ［終値1693円］168％。今期大型ソフト相次ぎ投入。「iPａd（アイパッド）」にソフト配信。

　16位新光電工　<6967> ［終値1483円］148％。米インテル向け主力ICリードフレームの出荷伸びる。

　24位シャープ　<6753> ［終値1090円］131％。液晶パネル当初予定より3ヶ月早く7月からフル生産。
　パネル月間生産枚数現行の2倍7万2000枚へ。

　31位特殊陶業　<5334> ［終値1302円］101％。主力点火用プラグやセンサーなど自動車関連事業拡大。

・人材サービス会社、派遣ビジネス依存からの脱却模索。

　テンプHD　<2181> ［終値784円］
　子会社テンプスタッフ、民間企業や官公庁から経理・総務部門アウトソーシング事業本部新設。　

　ヒューマンHD　<2415> ［終値43250円］アウトソーシング事業への転換を模索中。
　労働者派遣法違反で業績への打撃必至、事業転換。

・トヨタ　<7203> ［終値3530円］決算、会社予想2800億円に対し、株式市場予想5722億円。「3000億円のズレ」
　連結販売台数729万台（前期比1％増）、固定費削減株式市場3800億円見込むも1600億円と記載。
　アナリスト「この2000億円近い差額、利益の上ぶれ」

・旭硝子　<5201> ［終値1092円］新興国ビジネスのテコ入れ急ぐ。
　今後10年で5000億円を投じ連結ベースの売上高に占める新興国比率現在の15％から30％へ。

・アスクル　<2678> ［終値1886円］「SOLOEL（ソロエル）」サービス。「卸の顔もつ小売業」へ変身中。
　中国上海数年内には収益性の確保にメド付け、他のアジア地域の都市にも展開へ。　

・野村HD　<8604> ［終値607円］海外企業調査体制拡充。米国で20-30人アナリスト採用。
　約600社の米企業カバーし世界で2400社の企業調査対象となり欧米投資銀行と匹敵するリサーチ体制整う。

・みずほFG　<8411> ［終値165円］2010年3月期決算連結最終損益2394億円の黒字転換。
　併せて上限8000億円の増資計画打ち出し、3会長退任へ。収益・財務・経営体制各面で失地回復へ向けた挑戦始まる。　

・ＯＵＴ　Ｌｏｏｋ:　今週の株式相場はも見合う展開か。欧州信用不安がくすぶり、ユーロ安画輸出企業に影を落とす。
　国内要因はしっかりしており一方的に下落する懸念は小さい。
　日経平均株価1万300円から1万500円中心とした動きに。
　日本株上昇引っ張った外国人5月第1週は売り越しに転じる。
　17日3月の機械受注。20日は1-3月期の国内総生産（GDP）速報値発表。　

・Ｗａｌｌ　Ｓｔｒｅｅｔ:　今週の米株式相場は不安定な展開か。
　欧州発のソブリンリスク（政府債務の信認危機）に対する市場の動揺おさまらず、値動きが大きくなる。
　為替相場の動向に注意が必要。米国内には株安を招く要因は今のところ見当たらず。
　
　経済指標では 18日に4月の住宅着工件数発表。予想では年率65万件前後と前月から増加見通し。
　19日米連邦公開委員会（FOMC）の議事要旨が公開。

・プロの相場観　向こう１週間の【ブルベア調査】強気派52％（前回比変わらず）弱気派23％（同-7）中立15％（同+7）
　強気派が2週連続で過半数占めたのはギリシャ支援の枠組み合意により、欧州財政不安がひとまず和らいだため。

・ユーロ安歯止めかからず、14日海外市場一時約1年半ぶりに1ユーロ＝1.23ドル台に急落。
　市場「心理的な抵抗線」と見られていた1.25ドルをあっさり割り込む。
　「カンフル効果」長続きせず、ユーロは週後半失速。
　市場が催促しているのは目先の資金繰り対策ではなく財政再建への確かな道筋。

・信用リスクのない「無国籍通貨」である金への投資マネーが流れ込む動き止まらず。
　市場「ユーロ国の不安が続く限り金価格は堅調に推移する」との見方多く。年内1400ドル程度試す可能性も。

・世界市場往来：先週の世界の株式相場はギリシャ財政危機きっかけに前週急落の反動で欧州始め多くの市場で上昇。
　週末にかけ欧州株は売られ、中国株も反発したものの小幅な上昇にとどまり。金融引き締め警戒へ。

・米国商業用不動産ローンの焦げ付き増加に歯止めかからず。今後3年間で満期を迎える商業用不動産ローン1.4兆ドルあまり。
　借り手が借り換えに必要な資金を調達できるか、米経済は「時限爆弾」の懸念。

・「業績1強」時代、限られた「勝ち組」がより大きな成長を手にする構図。

　ユニプレス　<5949> ［終値円1378］合理化スタート10年前。
　損益分岐点切り下がり、新車販売が上向いた局面で一気に利益が戻る体質になる。
　国内営業利益危機前の2008年3月期（53億円）に並ぶ今期50億円強。　

　ゼンショー　<7550> ［終値784円］店舗網拡大で値下げ効果増幅。
　2010年3月期決算、リーマン・ショック前08年3月期記録したピーク（152億円）一気に上回る勢い。
　
　旭化成　<3407> ［終値526円］事業ポートフォリオに幅広さ、分厚さが強み。本業でも確実に稼ぐ。（日経ヴェリタス）

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