
日経ヴェリタス 7/4日号読んでみて・・・
- 2010年07月04日
- 株式投資・経済ニュース全般
2010年7月4日(日)独立記念日
・リスク告げる先行指標、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)投資に生かす。
6月上旬三井物産 <8031> [終値1022円]のCDS保証料率急上昇。4月下旬0.4%台が6/10までに1%超一時1.3%へ。
株価が損害賠償リスク織り込み始めたのは6月になってから。CDSは株式市場より前に危機「余震」察知。
ギリシャ危機もギリシャのCDS保証料株価下落の約半年前の昨年11月から上昇。
・CDSの第一の特徴:株価との逆相関の関係。
2008年以降指標上昇すると日経平均株価下落。指標低下すると日経平均上がる傾向鮮明。
第二の特徴:ニュースへの感応度が高い。
CDSはプロ同士で取引するため発生材料を保証料率に織り込むスピード速い。
第三の特徴:企業や国が破綻した時、売り手の損失が膨らむ可能性がある点。
・個人投資家CDSに関する情報をどこで入手?
国内指標に関して「J-CDS」サイトでチェック。
サイトの「CDS価格情報」の中の「CDS参考値」で個別企業の保証料率、前日比、チャート検索。
保証料率が上昇基調にあれば信用力低下、株か売られやすくなる。
逆に保証料率低下しているのに株価反応してなければ割安に放置されている可能性。
「Market iTraxx」では日本の主要企業の保証料率を平均して算出した代表指標アイ・トラックス・ジャパンの動きチェック
CDS市場での取引残高多い銘柄調べる場合「DTCC(デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション)」
「Top 1000 Reference Entities」サイトから「Products&Service CDS Date」→「OTC Derivatives」
→「Warehouse CDS Date」→「Section1」のなかの「Table6」に想定元本残高掲載。
残高が1週間で急増すれば破綻が近いとの情報を誰かが入手し、CDSを買い増ししている可能性もゼロではなく。
・国の信用力、CDSの保証料率(7/1時点)高リスク国の上位には財政基盤が脆弱な南欧・南米・東欧諸国が並び、
財政問題が国の信用リスク大きく左右。
1位ベネゼエラと2位アルゼンチンは国債の保証料率ともに10%台。3位のギリシャ9%台。
低リスク上位には北欧諸国、北米、欧州主要国が並び日本も「安全圏」といえる21位に。
米国は経済赤字国ではあるが、世界中の投資マネーを集め、米国債に対する信頼があり、保証料率は上がりにくい。
中国、シンガポールなどアジアでも金融危機後の立ち直りの早い国が低リスク国に入る。
・日本CDS保証料率の高い銘柄:武富士 <8564> [終値254円]44.4%。日本ビクター <6632> [終値34円]31.2%
アイフル <8515> [終値109円]24.8%。NISグループ <8371> [終値20円]19.1%。
ベスト電器 <8175> [終値235円]13.8%。
・米国モノラインと呼ばれる金融保証会社アムバック保証料率61.7%とMBIA41.1%の2社が突出。エナジーフーチャー19.2%。
・日米欧、同時デフレの足音、米欧では失業率が10%前後と高水準で推移。
食料とエネルギー除くコアの消費者物価指数(CPI)の上昇率は1%を下回り、経済の体温の低下が止まらない。
悲観相場がいつまでも続くとは限らないが反動の手掛かりはまだ見えない。
・商社に「会計リスク」浮上。
国際会計基準(IFRS)の導入で石油が鉄鉱石などの資源権益の持ち分を時価評価したり、
発電プラント事業などで収益計上の見直し迫られる可能性。
・鉄鋼大手株2日相次ぎ年初来安値更新。中国景気の減速リスクが急激に意識され始めた格好。
中国経済の浮沈は日本の鉄鋼株の命運も握る。
・百貨店の業績底入れが鮮明。
高島屋 <8233> [終値693円]2010年3-5月期決算連結営業利益前年同期比87%増39億円。
Jフロント <3086> [終値414円]同7%増30億円。株安で景気の先行き不透明感強まる。差別化求められる。
・日経ヴェリタスランキング:欧州の営業利益額ランキング
1位国際石油開発帝石 <1605> [終値491500円]欧州での営業利益2453億円。中東・アフリカでの利益が大半。
2位アステラス <4503> [終値2950円]493億円。製薬大手の中で欧州比率が高く、4月以降株価下落率13%へ。
3位武田 <4502> [終値3890円]309億円。
5位オリンパス <7733> [終値2082円]222億円。内視鏡で世界首位。欧州でもシェア7割握る。為替相場ユーロが1円安くなると6億円の営業減益要因(年間ペース)。想定レート1ユーロ=120円。
22位DIC <4631> [終値135円]78億円。食品向け包装資材に使われるインキの需要が回復傾向へ。
想定為替レート1ユーロ=117円。
32位アルプス電 <6770> [終値757円]48億円。欧米の自動車販売に減速など景気の先行きへの懸念も株価の足を引っ張る。
想定レート1ユーロ=120円。ユーロ1円安くなると2億4000万円減益要因。
35位サンリオ <8136> [終値1005円]41億円。欧州の営業利益2年で2倍強へ急増。
日本発キャラクターグッズ「Kawaii(かわいい)」ブーム。
ユーロ想定レート1ユーロ=122円。1円の円高・ユーロ安は3000万円程度の減益要因も現地通貨建ての収入は拡大。
・日本の宇宙産業のすそ野どこまで広がる。「はやぶさ」帰還で注目。
「はやぶさ」の動力源イオンエンジン注目。NEC <6701> [終値228円]開発主導。
人工衛星分野では三菱電 <6503> [終値696円]先行。国内では最大手。
衛星用太陽電池パネルやリチウムイオンバッテリーでは世界シェア3割強占める。
多層断熱材製造、宇部興産 <4208> [終値211円]
セ氏300-400度の高温に耐えられるほか放射線や紫外線で劣化しにくい特徴。
IHI <7013> [終値142円]の子会社IHIエアロスペース、ロケット製造。
今後固定燃料搭載小型衛星ロケットに力入れる方針。
三菱重工 <7011> [終値142円]日本初金星探査機「あかつき」載せた大型ロケット「H2A」17号機発射。
浜松ホトニクス <6965> [終値2500円]光を電子に変換する光電変換技術得意。光技術は医療や遺伝子解析などにも応用。
明星電気 <6709> [終値69円]「はやぶさ」関連で「エックス線分光装置」担当。重さ50kg級小型衛星事業に参入する計画
ゴールドウイン <8111> [終値170円]においの成分を消すことができる素材をJAXAなどと共同開発し宇宙飛行士の下着に。
この素材で作った加齢臭抑制下着「MXP」を一般向けに2月発売。
北電工 <6989> [終値168円]チップ抵抗器がJAXAの認証受ける。高い技術力評価される。
・カネコ種苗 <1376> [終値700円]農家のための「総合問屋」戦略。タネ以外の部門が利益の半分以上稼ぐ。
効率の良い「儲かる農業」を農家に提案。効率経営意識、5期連続増収。
・11日投票の参院選、有権者にとって何のための選挙か。有権者から見ると衆院選こそ政権選択する機会。
参院で多数を制することは政権維持の十分条件とも言える重み持つ。菅政権への有権者による初めての審判の機会。
連立与党で参院の過半数を維持できるかどうかが「政権審判」の分かれ目。
・OUT Look: 今週の株式相場は自律反発の展開か。
米国や中国景気の減速を示す経済指標の発表が一巡し、下落に歯止めが掛りそう。
世界景気の「二番底」懸念は悲観的過ぎるとの見方も多く、買戻しが先行すると見られる。ただ上昇しても小幅との見方優勢
日経平均株価9000〜9500円の範囲の動きに。「9000円を下回るとすぐには下値のメドが無く、下げが深くなる」との声も。
2009年11月に付けた9081円や7月の9050円が当面の下値のメドに。
今週は経済指標の発表も限られ、円高ドル安の傾向が落ち着けば日経平均は自律的な反発となりそう。
参院選も売買手控えの要因になりそう。
・Wall Street: 今週の米株式相場は上値の重い展開か。
市場は景気が二番底に陥る可能性が低いものの、回復の勢いが弱まったとの認識が広がる。
今週は5日米国独立記念日の振替休日。米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数注目。
週間の新規失業保険申請件数の動向も関心向く。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派62%(前回比+19)弱気派21%(同-7)中立17%(同-13)
日経平均株価が9000円を下回らず、下値は底堅いとの見方広がったよう。業績面から株価は売られすぎとの声は多い。
昨年6月以降9000円を割れたことは無くチャート面から反発期待。
・株式相場は買い手不在の様相を強めている。
直近の戻り高値をつけた6/21から2週間足らずで1割強の下げは本来「逆張り」姿勢で下支えとなるはずの個人投資家さえも
あきらめに覆われたことを映す。見切売り広がりつつある。
日証金融資残高、相場下落と融資残高の減少が共存しているのはドバイ・ショック以来の変調。
信用評価損益率、一斉に見切売りが出る目安とされるマイナス20%より手前。
「投げ売りが終わっておらず、損失を抱えたまま耐えている向きも多い」と。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場はほぼ全面安となる。景気減速懸念が強まり、欧州は2週連続で下落。
金融引き締めへの警戒感や資源価格の急落背景に、中国・ロシア・ブラジル株の下げ幅5%超える。(日経ヴェリタス)
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