貿易戦争激化は当面回避

2018年12月3日（月）曇り

・米中両国は1日午後（日本時間2日朝）首脳会談で、米国が年明けに予定していた中国への追加関税を猶予することで合意。
米中は知的財産保護など中国の構造改革巡り協議続けるが、
米側は90日内と期限区切り、合意できなければ関税引き上げる方針。
交渉決裂による貿易戦争の激化は当面回避、抜本的な解決につながるかは不透明感も。

・20カ国・地域（G20）首脳会議は1日（日本時間2日未明）、首脳宣言採択して閉幕。
合意にこぎつけたものの、米国の反対などにより「保護主義と闘う」との文言を盛り込めず。
保護主義が国際協調の枠組みを揺さぶり続けている。
首脳宣言には世界経済が抱える様々なリスクへの指摘や、国際協調の枠組みの機能改善なども盛り込まれた。
「金融の脆弱性や地政学上の懸念などいくつかのリスクが顕在化した」と明記。
世界貿易機関（WTO）中心とする多国間の貿易制度については
「貢献は認識するが目的の達成には及ばず、改善の余地がある」と指摘。
来年、大阪で開催されるG20首脳会議で、WTO改革の進捗を検証することも盛り込んだ。

・20カ国・地域（G20）首脳会議、反保護主義の精神を確かめることに失敗。
米国と中国の二大国が高関税という拳を振り上げてにらみ合い、ややこしい作業に多くの時間とエネルギーを費やした。
2週間前のアジア太平洋経済協力会議（APEC）が史上初の首脳宣言出せなかった衝撃の中で開かれたG20会議。
首脳宣言に「保護主義と闘う」という17年の会議と同じフレーズを盛り込むことを最後まで認めず。
19年は日本がG20の議長国として、取りまとめ役にまわる。

・安倍晋三首相1日午後（日本時間2日未明）、アルゼンチン首都ブエノスアイレスでロシアプーチン大統領と約45分間会談。
平和条約締結交渉を加速させるため河野太郎、ラブロフ両外相を交渉責任者とする新たな枠組みを作ることで合意。
来年1月に予定する首相のロシア訪問前に外相会談を調整し、新枠組みでの協議開始する。

・トランプ米大統領1日、
北朝鮮金正恩委員長との2回目の首脳会談の開催時期が2019年1月か2月になる可能性があるとの見通し示した。

・20カ国・地域（G20）首脳宣言では、温暖化対策を巡っても米国とその他の各国で立場の違いが残った。
2017年7月にドイツのハンブルクで開かれたG20首脳会議ではっきりした「1対19」の構図は変わらず、
後退させなかったことが今回の成果と。
国際的な枠組みである「パリ協定」に関して、米国は離脱するとの決定を改めて表明。

・米中首脳は1日、追加関税の発動を90日猶予する薄氷の合意にこぎつけた。
双方とも貿易戦争の激化による国内景気の悪化を避けるために一時休戦で折り合った格好も、
知的財産の保護など巡って両国は「短期決戦」に突入する。
両国の覇権争いが和解に向かう期待はかけにくい。

・メキシコで新興左派政党、国民再生運動のロペスオブラドール新大統領（65）が1日就任。
汚職や治安悪化が続く中で変革求める国民の期待は強い反面、
建設中の新空港工事の中止表明する等大衆迎合的な政治手法巡り経済界との対立も深刻に。

・家庭用蓄電池のビジネスチャンスを探る動きが広がっている。
伊藤忠商事　<8001> ［終値2016.0円］米国で蓄電池を提供する企業に出資。
欧州では蓄電池を使い家庭間で電力を融通するサービスが始まった。
背景には世界中で太陽光発電の優遇策が期限切れや廃止となること。
余った電力を高値で売れなくなった個人が、蓄電池にためて自宅向けに回すため、需要が拡大するとみられている。

・日揮　<1963> ［終値1658円］太陽光由来の電力を直流電流のまま蓄電池にためる技術開発。19年秋にも国内で販売する。

・ナブテスコ　<6268> ［終値3140円］と凸版印刷　<7911> ［終値1828円］自動ドアに映像を投影する技術開発。
ドアの動きに合わせて映像を変化させることで、ドアを通る通行者がまぶしさを感じないようにした。
ドアを集客用のディスプレーや広告スペースとして活用、新たな需要の開拓目指す。
利用料は映像制御システムが月30万円、システムの保守運営費が月10万円を予定。20年中に10億円の売上高めざす。

・三菱電機　<6503> ［終値1498.0円］と神戸大貝原俊也教授、
ネットワークでつながり多品目を少量生産する次世代工場へのサイバー攻撃を素早く検知する技術開発。
ロボットなどに命令する動き方の複雑な順番を予測。実際の命令と異なれば攻撃を受け改ざんされたとみなす。
食品や医薬品、衣類、自動車などの生産現場で5～10年後の実用化目指す。

・12/5（水）、ブッシュ元大統領死去追悼で株式市場休場に。

・ソフトバンク（SB）　<9424> ［IPO］12/19（水）上場。12/3（月）～7日（金）ブックビルディング期間。
10日（月）売り出し価格決定（概ね1500円）、11日（火）～14日（金）申込期間。

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・20カ国・地域（G20）首脳会議では、国境を越えて活動するIT企業が「課税逃れ」と批判されている問題も議論。
グーグルやフェイスブック、アップル、アマゾン・ドット・コムなど「GAFA（ガーファ）」と呼ばれる
巨大IT企業を抱える米国や、ネット通販大手アリババ集団など擁する中国は課税強化に反発。
一方、英国は10月に大手ITに対する独自の「デジタル課税」の導入方針示すなど各国の間には溝がある。
来年のG20議長国務める日本は着地点示す橋渡し役となり、存在感を高める狙い。

・11/30に行われた日中首脳会談は、経済含む関係の改善進める方針で一致。
少子化による国内市場の縮小に苦しむ日本企業にとって、中国への輸出や進出の後押しとなり、商機拡大にもつながる。

・政府が「プラットフォーマ―」と呼ばれる巨大IT企業の規制強化に向け、独占禁止法違反に伴う課徴金を引き上げる検討へ。
罰則強化で、公正な取引環境の確保につなげる考え。

・スルガ銀行　<8358> ［終値538円］30日、業務改善計画提出。
計117人処分、「創業家本位の企業風土」を抜本的に改めると明記。

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※記事の後ろの記号は、◎（好材料大）〇（好材料）▲（悪材料）×（悪材料大）など。
ただし、好材料も目先買い物が強すぎるとか、織り込み済みの場合は寄り付き後売られたり、売り気配になる場合も。
同様に悪材料も同じような状況になる場合もございますので注意が必要です。

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第三者割当

田中化研　<4080> ［終値1139円］370万7200株

公募・売り出し価格

アクティビア・プロパティーズ投資法人　<3279> ［終値477000円］6万7320口

田中化研　<4080> ［終値1139円］321万1200株

アル―　<7043> ［IPO］1370円

ピアラ　<7044> ［IPO］2550円

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（今日の一言）

週末の海外ＮＹ株式市場は、そろって反発。
週末に予定されている米中首脳会談で、貿易摩擦解消に向けた進展があるとの期待が追い風と。
トランプ米大統領と中国習近平国家主席は12/1に、夕食会を開き会談する。
中国当局は「コンセンサスが着実に高まってる」との認識示し、期待高まっている。

アップル（-0.54%）グーグル（+0.56%）フェイスブック（+1.39%）アリババ（+2.93%）エヌビディア（+3.86%）
ネットフリックス（-0.91%）アマゾン・ドット・コム（+0.99%）バイオジェン（+2.18%）バークシャー（+0.25%）
ラッセル2000（+0.52%）HTG(ハイイールドファンド)（-0.19%）NBI（バイオテクノロジー株指数）（+1.48%）
（米国株の下落の予兆は小型株やハイイールドファンドからの資金流出から始まる傾向もあり価格追加）

3市場（NYSE、MKT、ナスダック取引所）出来高は約83.9億株、過去20日間平均約76.3億株を上回る。

週間ベースでは、ダウは5.2％高、ナスダック総合指数は5.6％高、S&P500種指数は4.8％高、それぞれ3週ぶり反発で終えた。

月間ベースでは、ダウは1.7％高、3カ月ぶりの反発、ナスダック総合指数は％0.3％高、3カ月ぶりの反発、
S&P500種指数は1.8％高、2カ月ぶりに反発で取引を終えた。

欧州株式市場の主要3指数は下落。
20カ国・地域（G20）首脳会議に合わせて行われる12/1の米中首脳会談控え、投資家は慎重な姿勢をとる。
中国指標が軟調なことも、中国経済の減速懸念が高まり、より慎重姿勢に。
ギリシャ(アテネ総合)株価指数（+1.95％）、イタリア（MIB）株価指数（+0.15％）と上昇して終了。

月末週末30日の東京株式市場で日経平均（+0.40％）は6日続伸。
東証株価指数（TOPIX）（+0.48％）も6日続伸。

東証マザーズ（+0.05％）、日経ジャスダック平均（+0.03％）は6日続伸、東証2部（-1.75％）は4日ぶり反落で終了。

東証1部出来高は18億1925万株、売買代金は3兆6637億円。
商いはけっこうできましたね（TOPIXのリバランスの売買とも）。

G20カ国・地域（G20）首脳会議、米中首脳会談控えての月末・週末であり、
手仕舞い・手控え懸念もありましたが、それなりに堅調な引け味。
米中の対立緩和を読んでいるようにも感じられますが、ちゃぶ台返しも得意技でもあるトランプ外交は怖いところも。

東証1部騰落数は値上がり1,311(61％)銘柄、値下がり737(34％)銘柄、変わらず69(3％)銘柄に。

業種別ランキングでは25業種上昇、8業種下落に。
値上がり上位は、石油石炭、鉱業、医薬品、精密機器、陸運、サービス業、保険、情報・通信・・・
値下がり上位は、証券商品、電気・ガス、不動産、空運、その他製品、銀行、海運、鉄鋼。

東証1部値上がり上位は、鳥居薬品　<4551> ［現在2630円　+326円］Gnosy　<6047> ［現在3380円　+335円］
ラクーンHD　<3031> ［現在705円　+64円］多木化学　<4025> ［現在9670円　+850円］

値下がり上位は、ブレインパッド　<3655> ［現在7370円　-830円］Klab　<3656> ［現在1188円　-101円］
NTT都市開発　<8933> ［現在1679円　-115円］東邦システム　<4333> ［現在905円　-60円］

3メガバンク三菱UFJ　<8306> ［現在624.5円　-3.7円］みずほ　<8411> ［現在188.3円　+0.1円］
三井住友　<8316> ［現在4183円　-3円］

新興市場の大幅に上昇した銘柄に利益確定売りが出ていました。

週間ベースでは、日経平均株価は3.3％高、東証株価指数（TOPIX）2.4％高、ともに3週ぶりの反発。
東証マザーズ指数は5.4％高、2週続伸（累計6.7％上昇）、日経ジャスダック平均は1.4％高、2週続伸（同1.7％上昇）、
東証2部指数は0.3％安、3週続落（同3.0％下落）で終了。

日経平均の11月は7年連続で陽線になったと・・・
東証マザーズ指数は週間終値で1000ポイント回復は、10/5の週以来の8週間ぶり。

月間ベースでは、日経平均株価は2.0％高、東証株価指数（TOPIX）1.3％高、ともに2カ月ぶりの反発。
東証マザーズ指数は11.4％高、日経ジャスダック平均は0.4％高、東証2部指数は1.1％高、それぞれ2カ月ぶりの反発で終了。

空売り比率が39.1％（前営業42.0％）と43営業日ぶり40％割れ。
10/1～11/29まで40％超で過去最長、同期間中最大50.8（10/23）でした。

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