世界金融危機より「はるかに悪い」状況と警告

2020年4月5日（日）晴れ一時雨

・新型コロナウイルスは世界の市場を混乱させ、各国の金融政策や財政政策の総動員につながった。
日経平均株価が1日で1000円を超えて上下するような値動きは収まったものの、市場関係者は再び急落しかねないと身構えている。
世界の金融市場はどこにリスクをかぎ取っているのか。
社債や新興国通貨、再度の急落警戒。

・政府が7日に決定する緊急経済対策の原案が4日判明。
新型コロナウイルスに対する治療効果が期待されている抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の増産を支援し、
2020年度中に現在の最大3倍にあたる200万人分（インフルでは600万人分）の備蓄を確保する。
中国に集中した部品の生産拠点などを国内に戻す企業に費用の最大3分の2を補助する。
事業規模はリーマン・ショック後の56兆8千億円を上回る過去最大とする方針。
需要が急減した航空会社に対しては、日本政策投資銀行による危機対応融資を検討する。
感染収束後には経済のV字回復を目指し、観光やイベント事業で官民挙げたキャンペーンを展開する。

・東京都4日、新型コロナウイルスの感染が新たに118人確認。
1日の確認数としては初めて100人超えた。
このうち81人の感染経路が4日時点では不明。都内で感染確認されたのは累計900人に迫った。

・米ジョンズ・ホプキンズ大集計、4日午後10時時点、新型コロナウイルスの死者数は世界全体で6万人超えた。
感染者数は113万人を上回った。

・新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の動きが、企業の業績に与える影響の大きさが明らかになってきた。
レナウン　<3606> ［終値66円］店頭売り上げが42.5％減と「過去にない落ち込み」となった。
ユナイテッドアローズ　<7606> ［終値1465円］24.2％減と、東日本大震災があった2011年3月の落ち込みを上回った。
串カツ田中　<3547> ［終値867円］22.6％減と過去最大の減少率。3月中旬から都心部店舗で夜間の客数が減少、下旬に土日の家族客も減少。　サイゼリヤ　<7581> ［終値1719円］も21.5％減とデータのある08年9月以降で最大となった。

・週明けに迎える新学期について、新型コロナウイルスの影響で、東京都心部や大阪、横浜など大都市部の公立小中学校が休校措置を軒並み延長へ。
東京23区のうち21区は最下位を5月の連休明けにする。

・国内の新型コロナウイルス感染者数　国内の確認例　3320人（新たな感染者274人　4日確認分）死者81人、退院患者数559人（4日午後8時半現在）

・世界各国・地域の新型コロナ感染者数（死者数）4/4午後4時現在、米ジョンズ・ホプキンズ大まとめ　世界全体111万人（58937人）
米国278458（7159）イタリア119827（14681）スペイン119199（11198）ドイツ91159（1275）フランス83029（6520）中国81638（3326）

・3日の米株式相場は反落。
ダウ工業株30種平均は前日比360ドル91セント安、2万1052ドル53セントで終えた。
新型コロナウイルスの感染者数の急増が続き、同日発表された3月の米雇用統計で雇用者数が9年半ぶりに減少。
米景気への懸念が強まり、幅広い銘柄に売りが優勢となった。

・国際通貨基金（IMF）ゲオルギエバ専務理事3日、
新型コロナウイルスの感染拡大によって世界景気は後退しており、2008年の世界金融危機より「はるかに悪い」状況だと警告。
IMFが緊急対応策として用意した1兆ドル（約108兆円）の融資は「必要なだけ使う」と表明。
世界銀行などと協力し、あらゆる経済対策を打つ方針。
・欧米でマスクの着用を推奨する動きが急速に広がっている。
世界を猛スピードで覆う新型コロナウイルスに、欧州や米国の専門家から「マスク着用が定着しているアジアで感染拡大が抑えられている」
「無症状者からの感染を防ぐ効果が期待できる」との見解が出され、
マスクの効果に懐疑的なトランプ米大統領ら各国の首脳も「不要論」を見直し始めた。

・新型コロナウイルスの感染が急拡大する東京都内で経路不明の感染者が膨らみ続け、
潜在的な感染者集団を見つけて封じ込める追跡調査がひっ迫しつつある。
新規感染者のうち経路不明が5割を超える日も少なくなく、4日には118人中過去最多の81人で7割近くに上った。
調査の破綻はオーバーシュート（爆発的な患者急増）の引き金になりかねず、
専門家からは人的交流を極力減らすため、外出自粛以上の強い措置求める声も。

・感染が収まらない欧米各国で特に注目されているのが4～6時間で感染の有無を判定できる韓国製キット。
韓国にキットなどの輸出や支援求める国は100カ国を超える。
医療崩壊につながるとの懸念も指摘される中、「トリアージ」と呼ばれる重症度に応じた患者の選別がますます重要となっている。

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