扉を開いて（2011.11.13号）

2011年11月13日（日）はれ

・アジアの頼れる相棒　〜かつての教え子、今や収益源。

　トヨタ　<7203> ［終値2454円］インドネシアの国民車と呼ばれる「キジャン」トヨタにとって同国の戦略車。
　今や時価総額2兆円超。いまアジアでの販売で救われる。

　岩塚製菓　<2221> ［終値2685円］5％出資旺旺（ワンワン）グループ、先生役の岩塚から技術やノウハウ吸収、
　二人三脚で中国市場開拓、事業拡大。岩塚当時出資した10億円が現在450億円に。

　ツルハHD　<3391> ［終値3990円］タイ・サハグループと業務提携。
　タイ南部でサハが計画するショッピングセンタ―内に1号店開く。

　セブン＆アイ　<3382> ［終値2121円］傘下
　インドネシアでコンビニエンスストア「セブンイレブン」運営モダン・インターナショナル。

　富士フイルム　<4901> ［終値1762円］
　インド後発医薬大手ドクター・レディース・ラボラトリーズ（DRL）幹部と熱く議論。合弁につなげる。

・M&Aの世界でも変化。日本-アジア間のM&A、2011年1〜10月に204件と過去最高（185件）の2010年上回る。
　ボリュームの拡大だけでなく、内容の変遷が注目。
　最近は力を付けたアジア企業が主導する「主従逆転」起きる。

　中国家電最大手のハイアール、今年7月パナソニック　<6752> ［終値689円］傘下の三洋電機の白物家電事業買収。

・ユーロ圏第三位イタリアが市場に追い詰められた。
　14日には国債入札予定、週末発足新政権に対する市場の最初の「信任投票」に。

・欧州の債務危機巡り、欧州企業に積極投資してきた中東湾岸産油国の対応分かれる。
　前向きなカタールに対してアラブ首長国連邦（UAE）やサウジアラビアは静観姿勢。各国の国家戦略の相違映す。

・中国金融引き締めの修正にジワリ動き始めた。5年に1度の共産党大会が1年後に迫っているという事情と無縁ではなく。
　最大政治イベントを控え、中国は成長加速へアクセル踏みこむ時期探る。来年利下げも。

・トヨタ　<7203> ［終値2454円］超円高で決めた覚悟。
　「国内生産300万台」を前提とした競争力の強化策を打ち出し、クルマつくりを抜本的に見直す。
　コスト改善は新段階へ。社内進行しつつある巨大プロジェクト示唆。　

・会社がわかる　特集アルパイン　<6816> ［終値907円］
　国内外自動車メーカー向けOEM（偲手先ブランド生産）ビジネスや高機能化への対応力で業界の中でも有利な位置に。
　OEMビジネスは拡大確実視。
　将来考える上で注目は親会社アルプス電　<6770> ［終値523円］との関係。アルプスのアルパインへの出資率は約40％。
　完全子会社化、持ち株完全売却などについても思惑も。

・国内企業2011年7-9月期決算発表ピーク越え。決算受けて株価上昇する業種や銘柄は限定的に。
　海外景気の不透明感や円高、タイの洪水などで主力銘柄の業績見通しは予想以上に厳しく。

　ネット・内需などテーマ性のある銘柄で業績の裏付けがついてきた企業や
　業績見通し下方修正も人員削減など明確な経営合理化方針打ち出したケースが買われる。

・ＯＵＴ　Ｌｏｏｋ:今週の株式相場は日経平均株価8800円を挟んだもみ合いか。
　海外の株式相場は戻り歩調にあり、日経平均株価は週初は上昇期待で始まりそう。
　ただ企業収益の先行きに失望して売られる場面も。
　日経平均先物は「夜間に買って日中に売るというのが最近の取引の主流」と。
　
　トヨタ　<7203> ［終値2454円］15年ぶり、ソニー　<6758> ［終値1354円］24年ぶり安値。
　オリンパス　<7733> ［終値460円］損失隠し問題も重荷。
　
　SQ決定後の6営業日のうち日経平均がSQ値を下回った日が多いほどその後1ヵ月間の終値は避け基調になりやすい。SQ値8542円。

　下値の節目年初来安値8374円、震災直後取引時間中（ザラ場）安値8227円、オプション建玉膨らむ8000円が意識。

・Ｗａｌｌ　Ｓｔｒｅｅｔ:今週の米株式相場は引き続き欧州情勢にらんだ動きに。
　しばらくはイタリアの長期金利と米株式相場は連動とも。
　10月米小売売上高（15日）年末商戦占う上で注目。

・プロの相場観　向こう１週間の【ブルベア調査】強気派38％（前回比-9）弱気派29％（同-3）中立派33％（同+12）
　世界的な金融緩和への期待が支えるとの見方。

・世界市場往来：先週の世界の株式相場はドイツなど欧州の株価回復した一方、香港・韓国などアジア諸国が値を下げる。
　週後半投資家心理は改善へ。

・放射性物質の除染、幅広い銘柄に関連。

　ハザマ　<1719> ［終値164円］アステック東京（東京・江戸川）と共同で
　汚染水溶液からセシウムを短時間にほぼ除去できる添加剤開発。

　大林　<1802> ［終値344円］英AMECと放射線モニタリングに関して技術提供、地図に表示する技術事業化へ。

　東レ　<3402> ［終値571円］「逆浸透（RO）膜」にもセシウムなど放射性物質取り除く効果。専用除去装置より低コスト。

　トプコン　<7732> ［終値391円］遠隔制御システム「マシンコントロール」1センチメートルの精度で表面を削る。
　転用する形で自治体に提案。

　ダイセキ環境　<1712> ［終値180000円］DOWA　<5714> ［終値511円］土壌汚染の調査や処理を手掛ける。

・ランキング：株価安定、株価変動率の小さい企業。時価総額500億円以上過去5年間の株価変動率。

　1位京阪電鉄　<9045> ［終値362円］月次60ヶ月ボラティリティー12.85％　株主の55％が沿線の個人や法人。
　乗車券・割り引き建等株主優待が充実。

　2位森永製菓　<2201> ［終値179円］12.97％　　

　3位スターバックス　<2712> ［終値45850円］13.02％　業績に大きな不安がなく。

　14位サカタのタネ　<1377> ［終値1100円］16.80％　国内に安定した顧客基盤持つ。景気の影響小さく。

　16位オリエンタルランド　<4661> ［終値8290円］17.12％　長期保有目的の株主多く。株主優待人気値強い。

・年金見直し。厚生年金保険料月収63.5万円から負担増。支給開始年齢引き上げ。
　現在65歳まで引き上げ途中にある開始年齢最終的には「68歳」に引き上げる案。（日経ヴェリタス）

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