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扉を開いて(2012.11.18号)

2011年11月18日(日)快晴

・終わりなき食料危機。

 パリの国際金融先物取引所では次なるマーケットイベントを予兆するような不気味な相場が続く。小麦が異例の高値水準に張り付いたまま。
 今夏、米国や旧ソ連圏の穀倉地帯が「50年に一度」の大干ばつに襲われる危機は今も尾を引いている。
 夏にトウモロコシや大豆が史上最高値を付けたのは異常気象のせいだけでなく、新興国の人口増がもたらす需要の急増による爆食。
 バイオエタノール燃料との穀物争奪戦は構造的な価格上昇圧力に。

 食料高の本当の怖さはインフレとともに、民心をざわめかせる政情不安を引き起こす点。

・世界でジワリ広がる食料高。新興国ほど食料の占める割合高く、食料価格が上昇した時の家計負担が先進国以上に重くのしかかる。

・日本の食料価格は横ばいで推移。価格安定の1つの大きな要因は円高。
 円は金融危機前の2007年末に比べ対ドルで4割上昇。小麦やトウモロコシなど国際商品価格はドル建て。
 もう一つの要因は原材料コストの価格転嫁が進まない点。小売り業界の低価格路線が結果として食料価格の上昇を抑えている。
 本格的な円安に転じれば輸入価格は上がる。

・穀物相場の先行きをどう読むか。商品市場の「主要3穀物」はトウモロコシ、大豆、小麦。相場を読むには「生産サイクル」を把握と。
 トウモロコシと大豆は春に作付けし秋に収穫する。北半球は6〜9月が生育期間。
 この間が「天候相場」産地の天候次第で価格が変動しやすく、収穫前の品薄期で値上がり圧力が強まりやすい。
 秋に収穫始まり価格は落ち着きやすく。秋に相場が下げることを「収穫期のハーベスト・プレッシャー」と呼ぶ。

 市場が注目する2つの指標。米農務省(USDA)が毎月10日前後に発表する「穀物需給報告」と投機筋の動きを示す投資ファンドのポジション。
 毎週金曜日発表米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細。

 米トウモロコシ在庫、来夏も低水準予想。大豆は南米の天候が波乱要因。小麦旗が止まり顕著。 
 
・豊田通商 <8015> [終値1014円]近畿大と組み長崎県五島列島でクロマグロの完全養殖する世界初の事業に取り組む。
 2011年度1万5000匹の幼魚出荷。2-3年後には5万匹に増やし、黒字化目指す。卵から育てたクロマグロの養殖は養殖場の拡大禁止の規制対象外に。

・長谷川香料 <4958> [終値1120円]中国現地大手飲料メーカーに人工的にミルク風味作り出せる食品材料売り込む。
 中国飼料価格の高騰などで乳製品値上がる可能性。原料代替できる機能材料の潜在需要は大きいと。

・味の素 <2802> [終値1085円]うま味調味料「味の素」の原料を多様化するため藻から取り出した糖分使う斬新的プロジェクト。
 

・外国為替市場で円売り進む。野田佳彦首相衆院解散表明したのがきっかけ。
 衆院解散の報に敏感に反応したのはヘッジファンドなど海外勢。
 自民党安倍晋三総裁は無制限の金融緩和やマイナス金利にまで言及し、金融緩和圧力強めている。

・「安倍相場」の持続力は。株式・債券市場では早くも安倍晋三新政権の誕生をにらんだ売買が活発化。当面「安倍相場」が続くと。
 14日から2日間で日経平均株価は359円(4.1%)上昇。海外株軒並み下落する中日本株独歩高。
 解散総選挙は株高につなが利やすいという経験則。1980年以降過去10回のうち解散日から投票日まで日経平均が上昇したのは9日。
 さらにさかのぼって52年以降では20回中15回が上昇している。閉塞感が打破されるという期待感高まるため。
 過去10回の選挙後1ヵ月の日経平均は6回が下落に。

・米景気の行方を左右する年末商戦が今週末の大セールから幕開けする。夏場堅調な個人消費はハリケーン「サンディ」の影響で10月は減速。
 年末にかけては「財政の崖」など懸念要因待ち受ける。米経済を支える消費が底堅さ保てるかは年末商戦にかかる。
 注目は感謝祭翌日(今年は11/23)に実施される大セール(ブラック・フライデー)の行方。

・ローム <6963> [終値2201円]苦境に陥る。2013年3月期2期連続の連結最終赤字計上する見通し。株かは13日2157円と約19年ぶりの安値更新。
 来年1月には創業以来初となる希望退職募集。
 09年の金融危機による業績不振から抜け出せないまま、国内のテレビやパソコンなどのデジタル機器市場の低迷が響く。
 「ロームはもともと日本の電機メーカーとともに成長してきた会社。日系大手が崩れれば厳しくなる」との見方示す。
 デジタル化が一段と進む中で従来のビジネスモデルも通用しにくくなる。
 
・会社がわかる 特集日本光電 <6849> [終値2718円]
 「ADK(自動体外式除細動器)」で国内シェア4割握る。センサー技術を武器に独自製品開発、病院にとって不可欠な企業に。
 技術と営業がかみ合い2013年3月期の連結営業利益8%増の130億円と3期連続最高益見込む。今後の課題は「海外市場の開拓」 

・共産党大会が終えた中国の政治情勢が日本株の不安材料に浮上。日経平均株価15日から2日間で約360円上昇した。
 自民党安倍晋三総裁がデフレ脱却への強う姿勢、円高・ドル安修正の動き受け、東京市場自動車など輸出関連株に海外勢と見られる買いが入る。
 一方下げ足を速めたのが上海株。「党大会前に個人投資家間で広がっていた経済成長路線の継続期待が薄れた」と。
 香港市場でもハンセン指数が2週連続で下落。市場では複数の経済指標が足元の中国景気の底打ち示すとの見方も増える。
 習近平総書記の経済政策が不透明なため中国情勢への不安高まる。尖閣問題で悪化した日中関係がさらに悪化し、日本製品不買運動長引くとも。
 解散・総選挙を好感する熱気の陰で不安要因が膨らみつつあると。

・金価格伸び悩む。NY先物1トロイオンス1700ドル強で推移。直近高値10月上旬比約5%低い水準。崖問題ではまだ動きづらく。

・OUT Look:今週の株式相場は9000円を挟んでもみ合いか。
 来月衆院選で金融緩和に積極的な政権誕生期待と欧米や中国の景気の先行きに不透明感増して上値を抑える可能性も。
 「相場を強気にするシグナル2つ出る」1つは日経平均週足チャートに現れた「陽線包み足」(株価に強い上昇圧力がかかってる時に現れる)
 2つ目は東証1部の売買代金が活況の目安とされる1兆5000億円を上回ったこと。特別清算指数(SQ)除いて今年度で最高水準。
 新政権への期待と不透明な海外材料との綱引きと。

・Wall Street:今週の米株式相場はもみ合う展開が予想される。22日が感謝祭の祝日、市場には休暇ムードが漂う。
 「財政の崖」問題巡る調整は感謝祭明け以降と。ダウ工業株30種平均は週間ベースでは4週連続下落。
 今週は10月米中古住宅販売や住宅着工件数鵜など。21日11月の消費者態度指数(確報値)20日バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長講演。
 23日感謝祭で全市場休場、24日株式、債券、商品各市場短縮取引に。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派67% (前回比+27)弱気派17%(同-19)中立派17%(同-7)

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は日本を除いてほぼ全面安。

上昇1位日本週間騰落率3.0%(年初来騰落率6.7%)2位インドネシア0.4%(13.8%)3位ベトナム▲0.3%(9.7%)4位フィリピン▲0.5%(24.4%)
 下位25位アルゼンチン▲4.5%(▲7.3%)24位ブラジル▲3.4%(▲2.4%)23位スイス▲3.1%(9.6%)22位ドイツ▲3.0%(17.8%)

・放射性物質の除染新技術が続々。

 鹿島 <1812> [終値236円]7月に福島県田村市の本格除染作業、大林組 <1802> [終値379円]同県川内村の本格除染作業受注。

 レンゴー <3941> [終値377円]フレコンバック(汚染土を収納する袋)に加え、汚染された廃棄物にかぶせて放射能を遮断するシート開発。

 東洋紡 <3101> [終値96円]仮置き場のがれきから放射性物質を拡散させないシート開発。 

 トーカロ <3433> [終値1350円]鉛の板に比べ1.4倍の放射線遮断効果を発揮するコーティング技術生み出す。

 ユニチカ <3103> [終値38円]土の中で自然に分解される素材原料にした防護服を開発。ゼネコンなどに販売。

 重松製作 <7980> [終値369円]アゼアス <3161> [終値340円]の防護服など堅調な需要。

 戸田建 <1860> [終値201円]樹皮の微細な穴に入り込んだ放射性物質を除去する技術開発。

 前田建 <1824> [終値351円]植物の細胞や年度に入り込んだ放射性物質を高い割合で除去できるプラント開発。

 高砂熱学 <1969> [終値601円]汚染されたがれきから放射性物質を分離させる技術考案。 

 三菱重工 <7011> [終値340円]宇宙航空研究開発機構、名古屋大と共同で
 放射線量を目で見られるカメラを開発。「ホットスポット」一目で確認。省庁や自治体向けに数千万円で販売見通し。

 堀場製作所 <6856> [終値2209円]京都大、キヤノン <7751> [終値2697円]と共同で
 放射性物質から出る線量の強さをカメラで撮影して画面表示できる装置の開発にメド。2014年中に投入。(日経ヴェリタス)

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