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扉を開いて(グレート・ローテーション)

2013年2月10日(日)晴れのち曇り

・グレート・ローテーション(大転換)「債券から株へ」マネー大移動
 株式型の投資信託(ETF含む)への純資産流入額、1月に774億ドル(7兆2000億円)に急拡大。
 2000年2月の記録(537億ドル)大幅に上回る。

・世界の株式相場が熱い。インドネシアやフィリピンの株価指数過去最高値更新。
 タイも含めて2008年のリーマン・ショック直前の2倍から2.5倍のお水準。

・グレート・ローテーション(大転換)には懐疑的な見方も少なくない。
 「株式への資金流入が増えたことはここ数年に何度かあったが、新しい潮流のシグナルではなかった」とも。

・「There Is No Alternative」「他にはないだろう」との意。米市場で語られる「リスク資産以外ないだろう」という意味合い。
 米国、ダウ工業株30種平均最高値にあと171ドルに迫る。10年物国債利回り2%前後まで上昇(価格は下落)。
 日米欧を中心に強力な金融緩和が続く中、投資家は世界経済の先行きに心地よさ感じ始めている。

・政策もリスク投資を刺激。上海株式市場が息を吹き返したのは昨年12/14。
 中国では「都市化率1%上昇で7兆元(約105兆円)の経済効果」とされる。都市化率はまだ50%、投資家の期待は膨らむ。

・グレート・ローテーション(大転換)の実現性を左右する要因の一つが年金基金などの長期マネーの動向。
 今後の資産運用を考えるなら「新興国」という存在は無視できず。

・グレート・ローテーションとは株式を買って債券を売る動きだけを指すのではない。
 実体経済や金利動向、資産配分などの正常化が進むもっと大きな現象。
 この先2〜3年の株式相場は堅調に推移するだろうが、ただ短期的には調整局面もある。
 もし今月中に調整が起これば世界の株式相場は5%程度下落するとみる。調整が4月にずれ込めば下落率は10%程度へ広がりそうとも。

・マネー大移動を妨げるリスクは「金利水準の急変動。世界経済の回復が進まず金利低下すれば、株式への資金移動は続きにくい。
 逆に景気が急回復して金利水準が急上昇すれば金融市場の混乱招く」

・東京株式市場大商い続く。東証1部売買代金週間で13兆1802億円と東日本大震災直後で売買が急伸した2011年3/14〜18日以来の高水準。
 前週の日経平均株価は週間で0.34%下落。週間の連続上昇記録は12週で途切れた。
 トヨタ <7203> [終値4895円]週間で8.9%高、マツダ <7261> [終値306円]19.1%高、三菱自 <7211> [終値113円]9.7%高。 
 出来高伴って上昇した点が目を引く。高水準の売買が続けば、調整局面が長引くリスクは小さいかも知れない。

・2013年新規株式公開(IPO)今週からスタート、医薬品製剤開発のメドレックス <4586> [公募1000円]はじめ3銘柄上場。
 IPO企業で初値が公募・売り出し価格を上回った企業は10年で46%、11年58%、12年には80%まで上昇。投資家の資金が好循環する環境。
 14日ビューティガレージ <3180> [公募2300円]買取王国 <3181> [公募900円]日本プロロジスリート <3283> [公募55万円]

・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁7日の定例理事会後の記者会見で追加緩和か出口戦略かのどちらへも肩入れせず。
 信用不安が沈静化し、欧州景気には明るい兆しも出てきたが予断は禁物。身動きは取りづらい。
 欧州では景気も政治も金融政策も、次の一手が読みにくくなった。

・トヨタ <7203> [終値4895円]株価が5000円に迫り、2008年秋のリーマン・ショック前の水準を回復。
 円高修正を追い風に業績拡大期待高まる。コスト削減効果は引き続き収益の下支え要因に。1ドル1円動くと利益350億円変動。
 トヨタ株を占う2つのポイント。一段の収益力の向上と株主還元。

・富士通 <6702> [終値434円]半導体事業の再編を柱とする構造改革計画発表。
 2013年3月期連結最終損益950億円の赤字に転落する見通し。市場はひとまずリストラを好感。
 来期からの業績回復のためには半導体よりもIT(情報技術)部門の押し上げがカギに。

・ソニー <6758> [終値1365円]2012年10-12月期連結決算で本業のエレクトロニクス事業の販売不振が鮮明に。
 年初からの急騰を一過性に終わらせないためにはスマホなど主力商品の販売回復が絶対条件に。

・世界景気の回復期待の高まりや中東などの地政学的リスクへの懸念を背景に商品市況回復。素材各社の収益下支え要因に。
 石油元売り各社にとって、原油価格上昇は収益の上乗せに働く。石油や鉄鋼、在庫の評価損益改善に期待。

・三菱商事 <8058> [終値1915円]2013年3月期通期の連結純利益上振れする可能性高く。
 非資源分野好調。12年4-12月期実績2836億円と進捗率86%に達する。株高・円安も追い風。

・会社がわかる 特集フロイント産業 <6312> [終値1300円]製薬向け造粒装置国内シェア断トツのトップ。世界で3強の一角。
 業績のけん引役は後発医薬品向けの製造装置。2015年までは後発医薬向けの装置の需要は旺盛と。

・外国為替市場で円の先安観一段と強まる。
 海外の投機筋が先行きの円安を主導していくとの観測広がっており1ドル=100円を下値のめどとする見方も出始めた。
 オプション市場で円プットの需要が高まる。海外勢が円プットを買っている。 

・OUT Look:今週の株式相場は1万1000円台前半の水準でもみ合いか。
 週末に20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、国際協調の面から急激な円安進行を警戒するムードも。
 円安一服、日本株の上値が重くなる展開も。主要企業の決算発表が先週まで一巡し、今後2014年3月期の増益率の見通しに移る。
 東証1部の一日あたり売買代金2兆3000育円〜2兆8000億円と高水準。個人投資家の売買シェア2013年に入って平均31.4%に。
 今週は13-14日に日銀金融政策決定会合予定。

・Wall Street:今週の米株式相場は上値の重い展開か。ダウ工業株30種平均は6週ぶりに前週比で下落。
 ナスダック総合指数は前週比の上昇を維持。週末終値2000年11月以来の高い水準に回復。
 今週13日1月の米小売売上高発表。15日2月の米消費者態度指数、市場予測は割れている。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派29% (前回比-15)弱気派45%(同+19)中立派26%(同+4)
 弱気派が強気派を上回ったのは昨年12/14の調査以来。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25指数の株価指数のうち15指数が下落。

上昇1位ギリシャ週間騰落率4.6%(11年末比50.3%)2位フィリピン2.2%(47.7%)3位ベトナム2.2%(40.5%)14位日本▲0.3%(31.9%)
 下位25位アルゼンチン▲7.1%(33.2%)24位フランス▲3.3%(15.5%)23位ブラジル▲3.1%(3.1%)22位ロシア▲2.3%(15.1%)

・ランキング:低PBR(株価純資産倍率)銘柄。時価総額500億円以上。今期最終増益予想。自己資本比率30%以上。

 1位ATグループ <8293> [終値1435円]PBR0.39倍 トヨタ系ディーラー。名証2部で投資家の目に留まりにくい。

 2位関電工 <1942> [終値437円]0.51倍 

 3位富士フイルム <4901> [終値1795円]0.54倍 収益性の悪化懸念が株価の重荷に。課題は医療事業などの動向。

 5位青山商事 <8219> [終値1887円]0.55倍 円安による仕入れコストの上昇が来期以降の懸念材料に。

 18位テレビ朝日 <9409> [終値1599円]0.66倍 PBR低迷は「キャッシュ溜め込み、資産効率が悪いから」

 30位高島屋 <8233> [終値659円]0.72倍 百貨店事業がやや苦戦。高額品は株式相場に連動する傾向も。

・安倍政権の国防重視受け、市場が防衛産業に注目。

 2年に一度の大規模航空ショーに世界各国の防衛関連産業の関係者集まる。
 新明和工 <7224> [終値597円]初参加。
 水陸両用の救難飛行機「US-2」インド政府に売り込む。1機約100億円で新明和の連結売上高(1089億円)の約1割占める。

 川崎重工 <7012> [終値297円]防衛省向けに開発中の大型輸送機「XC-2」の輸出を進める方針。

・防衛省との取引上位ランキング。

 1位三菱重工 <7011> [終値509円]契約額2888億円 2位川崎重工 <7012> [終値297円]2099億円

 3位三菱電機 <6503> [終値788円]1153億円 4位NEC <6701> [終値525円]1151億円 5位富士通 <6702> [終値434円]529億円 

(日経ヴェリタス)

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