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扉を開いて(異次元緩和3つの誤算)

2013年6月9日(日)はれ

・黒田日銀、試練の夏。荒れる市場、信認を取り戻せるのか。
 日銀の狙いとは逆に長期金利上昇、異次元緩和の実効性に不安強まる。
 脱デフレ期待から「日本株買い・円売り」進めてきた海外ファンド勢。
 金利上昇でデフレ脱却遅れることへの懸念深め、日本株売り・円買いに転じる。

・異次元緩和 3つの誤算。

 長期金利の上昇:金利が高止まりする理由は変動率(ボラティリティ―)の上昇。
 長期金利が過去最低の0.315%から1%に上昇するなど急変動したことで、本来なら安全資産の代表の国債が高リスク資産とみなされる。
 ボラティリティ―拡大すると証券会社が大口の売り注文をうけなくなる。以前は1000億円規模受けるも最近は100億円程度に。
 売りたいときに売れない資産は投資対象としての魅力低下。

 「ポートフォリオリバランス」が機能せず:4月末時点都市銀行の国債保有残高前月比11兆6900億円減、1年10ヵ月ぶり100兆円割れる。
 一方、現預金は8兆円増加。国債手放したもののその資金の大半が現金として眠る。新たなリスク資産買うことが難しく。

 期待インフレにも陰り:緩和によってインフレ期待醸成し実質金利押し下げ、設備投資など促す狙いも失敗に終わりかねず。

 10-11日の金融政策決定会合で債券市場を落ち着かせる一手打てるか注目度高く。

・日銀 <8301> [終値57500円]金融政策決定会合(10-11日)銀行に低利で融資する固定金利オペの期間延長が議論になりそう。

・先週日経平均株価は6.5%下落。政府示した成長戦略が小粒だったとの見方が売り誘う。
 日銀異次元緩和で日経平均5月下旬まで約3200円上げ、先週まで2週間でその8割失う。
 株安と同時に円相場も急上昇。米雇用統計直後円相場94円台に上昇も97円台へ下落するジェットコースター状態。市場の混乱は続く。

・株式市場、先物・オプションの最終売買日(期近もの)13日に控え、相場が一段と荒れやすくなるのではないかとの見方。
 昨年11月以降の相場上昇と今年5月23日以降の相場急落局面で、先物・オプションが相場変動増幅。
 ヘッジファンドや証券会社など市場参加者の持ち高は膨らんでおり、思惑的な取引きっかけに相場乱高下しやすい地合い続きそう。
 欧州系ニューエッジ・ジャパン証券、買い残高7日時点、約3万8000枚(1枚約1300万円)「巨額の規模に積み上がっている」
 経験則ではSQ算出日に日経平均株価が上がると翌週、相場は強含む。反対の場合は相場は弱含むことが多い。

・景気回復ピッチが鈍る中国、信用市場が急速に膨らむ。「社会融資総量」は名目国内総生産(GDP)の伸び4四半期連続で上回る。
 膨らむマネーの行き先は設備投資ではなく、相当分が「負債の元利金払いに向かう」との指摘も。

・景気回復が遠のくユーロ圏で欧州中央銀行(ECB)6日「なにもしない」ことを決めた。
 「不透明な景気」「加盟国への圧力」「切り札温存」
 9月最大政治イベント、ドイツ議会選。「もやもや感」払拭することになるか。ECBが動くのはそれを見極めてから。

・発掘実力企業:瑞光 <6279> [終値5350円]紙おむつや生理用ナプキンの製造機で国内シェア約8割握る。
 製造機の需要拡大に加え、部品の共通化などコスト削減にも取り組み経営効率高めている。
 ユニ・チャーム <8113> [終値5750円]など日系メーカーの海外進出と生産増強に伴い、業績伸ばしてきた。
 純利益4期連続で過去最高更新。世界標準機導入により全ての機種に共通で使える部品の割合、従来の3割前後から5割超に高めた。
 納期の短縮にもつながる。今秋にはブラジル工場稼働。国内はフル稼働状態。

・フィットネス大手、運動など通じて高齢者の健康維持する介護予防、生活習慣病対策に関連した事業強化。
 セントラルスポーツ <4801> [終値1424円]ルネサンス <2378> [終値648円]

・会社がわかる 特集綜合警備保障(ALSOK) <2331> [終値1520円]
 ここ数年力入れるのがコンビニエンスストア・銀行のATMや飲食店の現金管理業務。 今や国内ATMの4台の1台はALSOK管理。
 現在ATMや飲食店の現金管理業務中心とした警備輸送事業が売上高に占める比率は約2割。
 センサーなどで監視する機械警備事業(54%)警備員配備する常駐警備事業(27%)に比べると小さいも10年で1.4倍増。
 高収益の機械警備、契約件数鵜の伸びに対する利益率の伸びはセコム <9735> [終値5060円]に比べても高くなる。

・足元の乱調相場の中でも高い運用成績保っている投資信託は何か。

 1位日本新興株オープン 運用会社日興 異次元緩和後(4/3〜5/31)上昇率35.4%(5/22〜5/31 ▲4.6%)
 企業の成長性と収益回復力重視。組み入れ上位銘柄ヤフー <4689> [終値46050円]楽天 <4755> [終値1107円]

 2位日興グローイング・ベンチャーファンド 日興 33.2%(▲9.1%)3位楽天日本株トリプル・ブル 楽天 30.0%(▲34.9%) 

 12位ピクテ・バイオ医薬品ファンド ピクテ 20.8%(0.3%)世界のバイオ医薬品企業の株式に投資。組み入れ45銘柄、米企業8割超。

 29位JPMザ・ジャパン JPモルガン 16.5%(▲9.9%)1999年設定日本株ファンド。アベノミクス相場以降資金急激に流入。
 規定上限2000億円に達し現在募集停止。組み入れ上位Jトラスト <8508> [終値1899円]ナノキャリア <4571> [終値244500円]

・株式相場の下落止まらず。5/23に端を発した調整は投資家心理萎縮招き、新興市場では株価急落する銘柄相次ぐ。
 そんな中でも業績期待大きい輸出株など底堅く推移、業種間で明暗分かれる。
 「5.23ショック」境に潮目変化。5/22〜6/7までに日経平均18%下落。4/4の日銀「異次元緩和」受けた上昇が8割がた帳消し。
 新興市場はさらに下げきつく、東証マザーズ指数14日につけた直近高値から36%下落。
 日経ジャスダック平均異次元緩和前の水準1%下回る水準に。
 連日の大幅安は業種間の格差も浮き彫り。異次元緩和直前から7日までの日経平均採用銘柄の業種別騰落率、
 「精密」16%高「機械」「自動車」など主力株も高い。保有資産の含み益拡大期待「倉庫」「鉄道」などは下げ目立つ。
 投資指標面でも割高感薄れ、5月半ばに約17倍だった日本株の予想PER(株価収益率)は約14倍まで低下。

・OUT Look:今週の株式相場はもみあいか。7日発表5月の米雇用統計受けて米量的緩和の早期縮小はひとまず後退。
 米国株上昇、為替が円安に振れ、日本株にとって好材料。米シカゴ市場では日経平均先物6月物7日の大証日中取引ね540円上回る。
 週初は買い先行で始まる可能性が高い。裁定取引に伴う現物株の買い持ち高は依然高く、生産価格(SQ)14日に向けて不安定な動きも。
 日経平均株価1万3000円挟んだ点秋となる公算大きい。
 日経平均相場の方向感示す25日移動平均線下回り7日かい離率マイナス9.8%「下げ過ぎ」の目安5%を超えるマイナス幅。
 今週10-11日に日銀が金融政策決定会合開く。

・Wall Street:今週の米株式相場は神経質な展開か。
 19日に3ヵ月ぶりとなるバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見。
 今週13日発表小売売上高(5月分)と14日鉱工業生産(5月分)市場予測(0.2%上昇)が注目。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派49% (前回比+8)弱気派22%(同-2)中立派29%(同-5)

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は25の株式指数のうち23指数下落、ほぼ全面安。
上昇1位ベトナム週間騰落率1.8%(12年末比騰落率27.6%)2位米国0.9%(16.4%)3位スペイン▲0.6%(1.2%)4位ドイツ▲1.1%(8.4%)
 下位25位トルコ▲8.9%(0.2%)24位日本▲6.5%(23.9%)23位フィリピン▲4.6%(15.3%)22位インドネシア▲4.0%(12.7%)

・セブン&アイ <3382> [終値3305円]
 競争力の源泉となっているのはプライベートブランド(PB=自主企画)などを巻き込んだ巨大「経済圏」。
 取扱い規模10兆円に迫る。「セブンゴールド」と名付けた高付加価値品に力入れる。切り札に25日発売される「プレミアムビール」
 
 わらべや日洋 <2918> [終値1402円]セブン&アイに製品ほぼすべて供給。15億円台三者割当増資で調達。工場の総経に充てる。

・東京株式市場、衆院解散決まった昨年11月から本格的な上昇始まり、東証REIT指数3月、その他の株価指数は5月に高値。
 先週末の下げ幅が上げ幅の率、REIT指数62.0%、東証マザーズ指数56.8%、日経ジャスダック平均51.7%、
 日経平均と東証株価指数(TOPIX)ともに39%台。普通上げ幅の3分の1程度を失うと一巡感も。
 次は半値押し水準、日経平均で1万2144円前後とも。高値からの下落率は22.3%、1971年ニクソンショック8営業日間の下落率21.1%。
 黒田東彦日銀総裁打ち出した金融緩和策は日本経済に全身麻酔施したようなもの。安倍首相が手術するなら株式市場は上昇基調に。
 手術ためらえば株価は上げ幅の半値押し水準まで下げても底入れ感が出ない恐れも。(日経ヴェリタス)

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