
扉を開いて(ディーゼルが消える日)
- 2015年10月25日
- 株式投資・経済ニュース全般
2015年10月25日(日)はれ
・ディーゼルが消える日 クルマ地殻変動 VW不正で拍車
トヨタ <7203> [終値7522円]10/14、
2050年にガソリンエンジンやディーゼルエンジン単独の比率を限りなくゼロにする長期目標うちだした。
代わってすべてを占めるのが燃料電池車(FCV)やハイブリッド車(HV)。
独フォルクスワーゲン(VW)排ガス試験不正にクリアしていた問題は、
環境と安全を巡る批判への対応迫られてきた自動車産業で、地殻変動起きる契機になりそう。
環境対応でエコカーへのシフトが進む中、欧州はディーゼル車が当面の選択肢とされてきた。
VWが不正でその信頼性を傷つけ、ディーゼル退潮に拍車がかかるとの見方も。
安全性の向上でも動き相次ぐ。国内大手3社は20年を視野に自動運転車の開発急ぐ。
米ゼネラルモーターズ(GM)とFCVの開発で提携するホンダ <7267> [終値4063円]は、
自動運転にもその範囲広げる検討へ入った。
グーグルなどIT(情報技術)企業の参入の動きも盛ん。
・ディーゼルが消える日 環境車レース波乱。ディーゼル関連製品、日系も打撃。
独フォルクスワーゲン(VW)問題発覚後、日本ガイシ <5333> [終値2564円]発覚前比一時14%下落。
フジクラ <5803> [終値578円]ワイヤーハーネス取引の半分がVWグループ向け。
仮にVWが大規模な減産に踏み切った場合「一部工場の閉鎖も視野」。
IHI <7013> [終値340円]自動車用ターボチャージャーの世界大手でVW向け取引が3割占める。
アイシン・エィ・ダブリュー(AW) <7259> [終値4665円]VW向けAT(自動変速機)販売が全体の4分の1。
世界で「ディーゼル離れ」が広がるようなら、影響はさらに広がりかねず。
デンソー <6902> [終値5781円]はディーゼル特有の燃料噴射システム「コモンレール」で、
独ボッシュ、独コンチネンタルと並ぶ世界3大メーカーの1社。
カルソニックカンセイ <7248> [終値943円]
今年度から欧州車メーカー向けにディーゼル用EGRクーラー売り込む予定がVW不正で
「環境規制の変化など状況が変わる恐れもあり、当面様子見」。
完成車メーカーでは、ディーゼル車で国内シェア7〜8割のマツダ <7261> [終値2338.0円]。
ディーゼルのイメージ悪化すれば大きな逆風に。
販売台数の足かせになれば、取引多い西川ゴム <5161> [終値1881円]、
ダイキョーニシカワ <424> [終値6470円]といった主要部品供給メーカーにも響く。
影響は商品市場にも及ぶ。
ディーゼル車の排ガス浄化する触媒に使うプラチナ。指標となるニューヨーク先物は10/2に6年9か月ぶりの安値。
対照的にガソリン車の排ガス触媒に使うパラジウムのニューヨーク先物は、
VW問題発覚前1トロイオンス610デル前後から700ドル強へ上昇。
・ディーゼルが消える日 HVやEV追い風、日本勢に優位か。
日本電産 <6594> [終値9100円]「強烈な追い風になる」と。
VWの不正問題機に規制強化や環境意識の高まりが進み、自動車の電動化に拍車がかかるようなら、
モーター軸に自動車事業を拡大する同社には大きな商機。
ディーゼル車の退潮が進めば、
2025年ごろとみられる電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)など次世代エコカーの普及期も早まりそう。
トヨタ <7203> [終値7522円]日産 <7201> [終値1240.5円]など日本勢が相対的に優位に立つ可能性も。
関連業界の幅も広がり、伝統的な自動車部品メーカーだけでなく、
明電舎 <6508> [終値437円]安川電機 <6506> [終値1463円]といった電機各社にも商機。
マツダ <7261> [終値2338.0円]には意外な追い風も。
燃焼条件の工夫で排出する窒素酸化物(NOx)事態を減らす、VWと全く異なる構造のディーゼルエンジンが注目。
・ディーゼルが消える日 VW不正発覚した9/18から直近までの株価騰落率。
完成車メーカー:マツダ <7261> [終値2338.0円]18.7% 日産 <7201> [終値1240.5円]8.8%
ホンダ <7267> [終値4063円]7.0% トヨタ <7203> [終値7522円]4.0%
部品:アイシン精機 <7259> [終値4665円]9.5% 三菱重工 <7011> [終値619.4円]8.8%
カルソニックカンセイ <7248> [終値943円]6.7% ティラド <7236> [終値202円]4.1%
日本ガイシ <5333> [終値2564円]▲0.2% IHI <7013> [終値340円]▲4.8%
電機:GSユアサ <6674> [終値527円]16.1% 明電舎 <6508> [終値437円]12.6%
安川電 <6506> [終値1463円]12.6% NEC <6701> [終値406円]4.9%
・日経平均株価に騰勢戻りつつある。
欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁が、追加金融緩和示唆、
中国人民銀行による追加利下げ発表によって投資家心理が強気になっている。
23日の米シカゴ市場では日経平均先物(12月物)の清算値が1万9140円に上昇、大阪取引所の終値を340円上回る。
「今度1か月の日経平均は上値を追う展開続く」カブドットコム河合達憲氏の声も。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7/31以来、約3か月ぶりの高値、1万7646ドルまで上昇。
中国人民銀行が追加緩和を決めたのは景気のてこ入れが目的。
先週の日経平均は533円高と2週ぶりに上昇。中国の追加緩和で、景気減速への不安感はさらに後退しやすい状況に。
株式市場をはじめ世界の金融市場は中央銀行の動向に敏感に反応しやすくなっている。
日経平均の構成銘柄の予想PER(株価収益率)は15倍台と米欧と比べて比較的割安に。
今週は日米で金融政策の発表控える。結果に対する注目度は一段と高まりそう。
・日銀 <8301> [終値44700円]30日、当面の金融政策の運営不振決める金融政策決定会合開く。
半年に一度公表する「経済・物価情報の展望(展望リポート)」とりまとめ、
物価上昇率や経済成長率の見通しを下方修正する。
最大の焦点は、1年前の「サプライズ緩和」の再現があるかどうか。
欧州中央銀行(ECB)が12月緩和を強く示唆、中国人民銀行(中央銀行)が利下げに踏み切ったことから、
市場の一部では期待が高まっている。日銀内ではなお慎重な意見が多い。
・日本電産 <6594> [終値9100円]2015年4-9月期連結決算、純利益476億円(前年同期比30%増)と過去最高更新。
通期予想は900億円で据え置き。「慎重決算」に成長の芽。
伸びしろ隠し持ち、通期の純利益は永守社長がかねて節目とする1000億円の達成も視野に。
・発掘実力企業:ネット社会を支える(19)ジェネレーションパス <3195> [終値1487円]
大手インターネット通販サイトで家具やインテリア、家電など幅広い商品を販売する「リコメン堂」運営。
400社以上の企業から100万点以上の商品の提供受け、
どのような層の顧客がどの商品に関心示したかをビッグデータとして蓄積。
その解析から、企業に「インターネット通販でモノを売るにはどうしたらいいか」を助言できるのが強み。
岡本洋明社長は「リコメン堂は単なる通販サイトではなく、提供しているのはネットでの商品の売り方」と語る。
「3年後売上高を前期の11倍、500億円に引き上げる」とも語る。
・会社がわかる 特集キリン <2503> [終値1722.0円]「王者復活」の債務背負い、磯崎功典社長登板して半年。
本業の国内ビール類は需要減とシェア低下、海外事業はブラジルでの収益低下と「内憂外患」跳ねのけられるか。
高コスト覚悟で新規客開拓。個性はビール投入で反転攻勢、シェア積み増す。
将来、医薬部門をどう生かすのかも課題。
海外マネー引き付けるためにも、自己資本利益率(ROE)の引き上げが課題。
・夏場の調整後、膠着感強めていた日本株相場が上値を試す展開へ。
先週(19〜23日)の日経平均株価は上げ幅533円(2.9%)、
23日終値は1万8825円と、8/31以来ほぼ2か月ぶりの水準回復。
本格的に始まった日本企業の4-9月期決算で、中国の経済情勢が悲観するほどではないとの見方が出ている。
ロボット事業が中心の安川電 <6506> [終値1463円]は中国向けでも売上伸ばす。
株価の変動見通し示す「恐怖指数」も8月末には日米とも急進も、10月に入って低下が顕著に。
今週は27日にファナック <6954> [終値20460円]28日コマツ <6301> [終値2035.5円]など
中国で事業展開する企業の決算発表相次ぐ。
・欧州中央銀行(ECB)による追加緩和期待でドイツ金利急低下。日本の債券市場も神経質な展開になってきた。
長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは23日、
前日比0.010%低い0.300%をつけ、4/28以来、約6か月ぶりとなる0.2%台への低下も視野に入る。
一方で中国人民銀行による利下げに伴う株高で、金利上昇圧力もかかりやすい。
今週は日銀 <8301> [終値44700円]の金融政策決定会合控え、様子見ムードが強まりそう。
・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万9200円前後まで上昇。
欧州中央銀行(ECB)が12月にも追加緩和に踏み切るとの観測が急浮上、市場環境は好転。
ただ日米の金融政策巡るビッグイベントには警戒感があり、4-9月期企業の決算発表にも注目が集まる。
200日移動平均(1万9166円)を確実に超えれば相場の転換を意味し、2万円台への道が見えてくる。
今週はファナック <6954> [終値20460円]27日、コマツ <6301> [終値2035.5円]、
ソニー <6758> [終値3420.0円]パナソニック <6752> [終値1337.5円]29日など決算発表。
27〜28日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ見送りの可能性高い。
今回は生命だけ公表し、イエレン議長の記者会見はない。
30日は日銀が金融政策決定会合開く。市場では追加緩和実施するとの見方は後退、現状維持でも影響は限られそう。
・Wall Street:今週の米株式相場は上値を試す展開か。
先週は中国が追加緩和を決め、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も追加緩和の可能性示すなど、
金融緩和材料に世界の株式市場が上昇。この流れを引き継ぐ公算大きい。
今週は7〜28日米連邦公開市場委員会(FOMC)開かれるが、利上げ実施見込む声はほとんど聞かれず。
声明文が年内利上げの姿勢弱めるような内容になれば、米株式市場では買いが一段と優勢になりそう。
ダウ工業株30種平均は先週2.5%上昇。
マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなどIT(情報技術)企業の好決算受けハイテク株中心に大きく上昇。
27日アップル、フォード・モーター、ファイザーなどの主要企業が決算発表。
29日は7-9月期べ実質国内総生産(GDP)速報値発表、
予想平均は前期比年率1.6%程度と、4-6月期3.9%から減速見通し。
・ランキング:「アナリストの強気率」東証1部時価総額500億円以上の3月期決算企業。
1位牧野フライス <6135> [終値907円]予想PER9.2倍 会社予想に対するアナリストの強気度合い11.1%
株価は6月高値から3割強下げ、アナリストの強気予想の前提が崩れることへの懸念根強い。
2位東京製鉄 <5423> [終値807円]10.0倍 17.6% 3位トヨタ <7203> [終値7522円]10.4倍 11.2%
6位日本航空 <9201> [終値4295円]10.8倍 21.8% イベントリスクに敏感と。
10位NIPPO <1881> [終値2157円]11.7倍 14.7% 公共工事減少を懸念。
21位東洋ガス <9531> [終値615.4円]14.6倍 21.0% 原料安、来期利益に影響か。
27位ダイセル <4202> [終値1584円]15.9倍 12.6% 増産余地なく伸び悩み。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち23指数が上昇。
上昇1位ドイツ週間騰落率6.8%(14年末比騰落率10.1%)2位フランス4.7%(15.2%)3位ギリシャ3.9%(▲13.8%)
4位日本2.9%(7.9%)5位インドネシア2.9%(▲11.0%)8位米国2.5%(▲1.0%)
下位25位ロシア▲0.9%(10.4%)24位タイ▲0.2%(▲5.4%)23位香港0.4%(▲1.9%)22位韓国0.5%(6.5%)
2014年末比騰落利率 1位アルゼンチン32.1% 2位フランス上海15.2% 3位南アフリカ11.3% 4位ロシア10.4%
5位ベトナム10.3% 6位ドイツ10.1%
最下位ギリシャ▲13.8% 24位インドネシア▲11.0% 23位台湾▲6.8% 22位トルコ▲6.5%
21位タイ▲5.4% 21位ブラジル▲4.8%
・メガ投資家、日本株に視線。
長引き緩和相場で利回り確保すべく金融機関は引き続き日本株に注目。
欧州中央銀行(ECB)の追加緩和期待で市場心理はリスクオンにシフトし、日本株への強気論は加速しそう。
生損保は8月に3年ぶりに日本株買い越し、国内金融機関の8〜9月の買い越し額は合計で1兆円超に。
背景には中期的な「円安・株高は続く」との見方。
(日経ヴェリタス)
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