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扉を開いて(日本企業、ここに強さ)

2015年11月8日(日)曇り一時雨

・日本企業、ここに強さ。決算で見えた逆風下の成長力。
 4-9月期決算発表が相次ぐなか、上方修正ラッシュが続いて市場に驚き与えたのが、大手化学メーカー。
 東ソー <4042> [終値647円]石油化学製品の原材料である国産ナフサ価格が期初の想定より15%下がり、
 ウレタンなど石油化学製品の採算改善。経常利益は前回予想比4%増の700億円にまで膨らむ。

 日本経済新聞社6日時点集計、3月期決算企業の今期経常利益予想は前期比8%増にとどまる。
 石油や商社などは原油安や資源安の影響で業績下方修正、中国の過剰な粗鋼生産が鋼材市況の悪化につながる鉄鋼などの不振が響く。

 3月期企業約1300社、売上高と経常利益の予想をいずれも上方修正した「好調組」は約100社。医薬品や鉄道など内需関連が目立つ。

 決算で見えた強さは大きく3つ。
 1つはスマートフォン(スマホ)の高機能化の恩恵受ける企業群。
 村田製作所 <6981> [終値19080円]東京エレク <8035> [終値7466円]
 2つ目の強さは「値上げ効果」
 森永製菓 <2201> [終値601円]キッコーマン <2801> [終値3840円]
 3番目は「訪日外国人需要」
 JR東日本 <9020> [終値11560円]京王 <9008> [終値957円]阪急阪神HD <9042> [終値774円]TOTO <5332> [終値4230円]
 
 一方、売上高予想は下方修正するなど逆風引きながらも増益予想据え置いたのがトヨタ <7203> [終値7502円]。 
 安川電機 <6506> [終値1502円]制御機器需要伸びずも、増益予想は変えず。

・日本企業、ここに強さ。銘柄選別の秋 2016年3月期の業績予想修正した企業に注目。
 利益上振れ期待:製薬や化学 稼ぐ力 経常利益の進捗率が高い主な銘柄

 参天製薬 <4536> [終値1783円]経常利益進捗率 88.2% 第一三共 <4578> [終値2407.0円]79.0%
 森永乳業 <2264> [終値539円]78.8% 東映アニメ <4816> [終値4660円]76.0% 日東紡 <3110> [終値367円]71.2%
 持田製薬 <4534> [終値7420円]70.6% 三井化学 <4183> [終値489円]トリドール <3397> [終値1830円]67.9%
 ニューフレア <6256> [終値5470円]67.1% ソディック <6143> [終値937円]66.6%
 コメリ <8218> [終値2696円]64.8% バンダイナムコHD <7832> [終値2772円]63.9% 
 天馬 <7958> [終値2034円]63.7% テレビ東京 <9613> [終値5880円]62.2% 帝人 <3401> [終値412円]61.8%

・日本企業、ここに強さ。銘柄選別の秋 2016年3月期の業績予想修正した企業に注目。
 売上上積み:車関連、北米需要がけん引 売上高見通しを引き上げた主な経常増益銘柄

 エレマテック <2715> [終値2804円]売上高上方修正率 14.3% 科研薬 <4521> [終値8180円]9.5%
 日本調剤 <3341> [終値4970円]6.2% 富士重工 <7270> [終値4856円]5.9% 田辺三菱 <4508> [終値2110円]5.6%
 カルソカンセイ <7248> [終値1008円]5.0% ミネベア <6479> [終値1457円]4.6%
 ニフコ <7988> [終値4895円]4.2% アイチコーポ <6345> [終値802円]3.8% プリマハム <2281> [終値354円]3.8%
 マツダ <7261> [終値2447.0円]3.7% JR西日本 <9021> [終値8147円]3.3% ジェイテクト <6473> [終値2172円]2.9%
 太平洋工 <7250> [終値1328円]2.5% JR東海 <9022> [終値21985円]2.5%

・日本企業、ここに強さ。銘柄選別の秋 2016年3月期の業績予想修正した企業に注目
 資本効率高める:自己資本利益率(ROE)改善、株価の注目材料 今期の予想ROEが過去3期平均上回る主な企業

 スクエニHD <9684> [終値3175円]予想ROE125% 過去3期平均 0.7% 東京エレク <8015> [終値2786円]12.2% 3.3%
 トヨタ紡績 <3116> [終値2716円]11.9% 5.8% 住友化 <4005> [終値676円]11.4% 2.1% 
 日水 <1332> [終値395円]11.1% 5.1% カプコン <9697> [終値2593円]10.9% 6.8%
 日本写真印 <7915> [終値2508円]10.7% 6.4% 日本ユニシス <8056> [終値1365円]10.7% 7.0%
 島津 <7701> [終値1903円]10.4% 6.6% 味の素 <2802> [終値2756.5円]10.2% 7.3% 
 スズキ <7269> [終値3939円]10.1% 7.7% フォスター <6794> [終値3015円]9.6% 7.9%
 牧野フライス <6135> [終値982円]9.6% 7.2% 太陽誘電 <6976> [終値1824円]9.5% 5.3%
 ALSOK <2331> [終値5790円]9.5% 6.9% 

・日本企業、ここに強さ。銘柄選別の秋 2016年3月期の業績予想修正した企業に注目
 将来投資前向き:スマホ向けやIoT活発 期初計画から先行投資の上積み発表した主な企業

 トヨタ <7203> [終値7502円]今期予定額1兆600億円(期初予想比増減率 1%)ホンダ <7267> [終値3988円]7350億円(2%)
 アステラス <4503> [終値1786.5円]2380億円(4%)第一三共 <4568> [終値2407.0円]1920億円(1%)
 日本電産 <6594> [終値9342円]900億円(25%) 東京エレク <8035> [終値7466円]780億円(5%)
 村田製作所 <6981> [終値19080円]740億円(3%)アルプス電気 <6770> [終値 3875円]550億円(16%)
 日立 <6501> [終値717.1円]540億円(8%)三井化学 <4183> [終値489円]530億円(20%)
 テイ・エス・テック <7313> [終値3310円]238億円(11%)

・日本企業、ここに強さ。上方修正、目立つサービス業。
 鉄鋼・建機・海運、中国・新興国で苦戦。

 2016年3月期の主な業績予想修正した企業
 売上高・経常利益とも上方修正した企業
 日産自 <7201> [終値1259円]売上高前期比増減率8% 経常利益前期比増減率14% 
 JR東日本 <9020> [終値11560円]3% 11% 村田 <6981> [終値19080円]15% 16% 
 アステラス <4503> [終値1786.5円]11% 28% マツダ <7261> [終値2447.0円]11% 8% 
 豊田織機 <6201> [終値6580円]3% 9% 阪神阪急 <9042> [終値774円]4% 17%
 コーセー <4922> [終値11400円]13% 34% NTT都市 <8933> [終値1204円]18% 54%

 売上高は据え置いたが、経常利益を上方修正した企業
 スズキ <7269> [終値3939円]売上高前期比増減率3% 経常利益前期比増減率5%
 住友化 <4005> [終値676円]▲5% 8% 味の素  <2802> [終値2756.5円]25% 7%
 富士通ゼネラル <6755> [終値1574円]9% ▲14% オークマ <6103> [終値1022円]8% 54%

 売上高は下方修正したが、経常利益を上方修正した企業
 東ガス <9531> [終値596.1円]売上高前期比増減率▲17% 経常利益前期比増減率▲4%
 東ソー <4042> [終値647円]▲6% 16% 野村不HD <3231> [終値2446円]1% 5% 
 TOTO <5332> [終値4230円]7% 6% 日清粉 <2002> [終値1866円]7% 

 経常利益は据え置いたが、売上高を上方修正した企業
 ホンダ <7267> [終値3988円]売上高前期比増減率10% 経常利益前期比増減率0%
 豊田合成 <7282> [終値2939円]4% ▲4% フジクラ <5803> [終値624円]4% 19%
 小林薬 <4967> [終値9320円]6% 0% 日医工 <4541> [終値3105円]10% 26% 丸文 <7537> [終値909円]4% 16%

・日本株の先高観が徐々に強まる。6日の日経平均株価は1万9265円まで上昇。8月下旬以来2か月半ぶりの高値を付けた。
 4日上場した郵政3社の株価上昇で個人の投資余力が回復しつつあるほか、
 企業の4-9月期決算はほぼ市場予想通りに着地しそうなことも安心感につながる。
 日本郵政 <6178> [終値1755円]ゆうちょ銀行 <7182> [終値1718円]かんぽ生命 <7181> [終値3730円]の株価は、
 5日までに2〜7割上昇。6日は反落したが下落率は小さく、痛手を負った個人は少ない。
 郵政3社の利益懐に買いに向かったのは、
 通期見通し上方修正した住友大阪セメント <5232> [終値513円]や太陽誘電 <6976> [終値1824円]などの好業績銘柄。
 大和証券アナリストが業績見通し修正、上方修正の件数が下方修正の件数をほぼ2か月ぶりに上回る。
 業績見通しに対する過度の悲観が和らいできた。
 日経平均株価は2万円を当面のターゲットとみる楽観派が増えている。

・6日発表10月の雇用統計、非農業部門の雇用者増加数が市場予想大きく上回る27.1万人に。
 イエレン議長筆頭に米連邦準備理事会(FRB)高官による「12月利上げ」認める発言が相次いだ後に
 力強い内容の雇用統計が出たことで、FRBが年内に利上げに踏み切るとの見方が市場の大半を占めるようになった。
 失業率も前月より0.1ポイント低下の5.0%で、リーマン・ショック前の2008年4月と並ぶ7年6か月ぶりの低水準まで改善。
 米シカゴ・マーカンタイル取引所が算出、政策変更の市場予想映し出す「Fedウオッチ」を見ると、
 市場関係者が今、12月利上げを本命視。
 12月利上げの確率は、雇用統計発表前は58%、発表後は70%に達した。
 10/28の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明文で、12月利上げの可能性強調する前には30%台で、市場の景色は一変。

・発掘実力企業:ネット社会を支える(20)オプティム <3694> [終値4610円]
 自社開発したMDM(モバイルデバイス管理)と呼ぶソフトは、
 クラウド技術で何百台というスマホの初期設定やアプリケーションの使用制限など一括で管理。
 独創的なソフトが競争力の源泉で、国内外での特許出願数は2015年5月時点で322に上る。
 14年にはMDM分野の国内市場でシェアが約44.5%とトップ。
 今後力を入れるのは、すべての機器がネットとつながる「IoT(インターネット・オブ・シングス)」分野。
 医療や建設、製造などで開発進めている。センサーなどで得た情報をビッグデータに蓄積。解析するサービスも提供目指す。
 10/22東証1部に上場。業績「上振れする可能性はある」(菅谷社長)。

・会社がわかる 特集ライオン <4912> [終値1203円]業績拡大。
 2015年12月期連結経常利益が3期連続で過去最高となる見通し。
 「利益のある成長」目指す戦略が奏功。アジアでも成長する中間所得者層をターゲットとした市場開拓が進む。
 18〜20年に実行する「V-3計画」の当初案では、最終年に売上高5000億円、営業利益500億円目標。
 今期の営業利益予想(142億円)の3.5倍に相当。
 浜社長「V-3計画に向けて成長のタネをまいている」と強調。

・株式市場で配当に着目した買いが広がっている。
 先週は増配発表したJT <2914> [終値4400円]や大和ハウス <1925> [終値3232.0円]など大きく上昇。
 半面、ミツミ電機 <6767> [終値629円]をはじめ配当減らした銘柄の下げはきつい。
 背景には投資家が海外発の不安から安全志向を強めていることがある。投資家の選別姿勢が鮮明になっている。
 日経平均は9月末から一気に値を戻し、上値の重さも意識されてきた。
 銘柄選別の物差しの1つに「配当」を加えれば、投資戦略の幅が広がりそう。

・ニューヨーク外国為替市場では6日、
 米労働省が同日朝発表した10月の雇用統計が市場の事前予想大きく上回ったことで、円相場が下げ幅急速に拡大した。
 対ドルでは一時、123円27銭まで下落、8/21以来およそ2か月半ぶりの円安・ドル高水準に。
 市場では米連邦準備理事会(FRB)が12月利上げするとの見方が70%に達し、日米の金利差拡大注目したドル買い・円売りが膨らむ。
 株式市場はもみ合いの様相が強かった。

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は上値を試す展開となりそう。
 株式市場が注目する「節目 200日移動平均線」を超えたことで値動きが軽くなったとの見方が強まっている。
 円安が進み企業業績が改善するとの期待も膨らんでおり、市場では「強い相場」との声が強まっている。
 早期の2万円台乗せも視野に入ってきた。

・Wall Street:今週の米株式相場は堅調な経済指標好感し、緩やかに上昇していく可能性が高い。
 6日発表の10月の雇用統計が市場予想上回る内容から、市場は米景気に対する自信が強まっているため。
 ただ12月実施の観測が強まった利上げによる資金流出やドル高などマイナス面への懸念も根強く、上値は限られそう。
 今週発表される経済指標では、13日の小売売上高に注目。米国民の消費マインドの盛り上がりが確認できれば、利上げには追い風。
 12日にはニューヨーク連銀の陀ドリー総裁、シカゴ連銀のエバンス総裁、リッチモンド連銀のラッカー総裁の3人がスピーチ。
 ダドリー、エバンス両総裁は利上げに消極的な「ハト派」、ラッカー氏は「タカ派」で知られる。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち19指数が上昇。

上昇1位上海週間騰落率6.1%(14年末比騰落率11.0%)2位アルゼンチン3.5%(50.4%)3位トルコ3.2%(▲4.4%)
 10位米国1.4%(0.5%)14位日本1.0%(10.4%)
下位25位ギリシャ▲3.4%(▲18.0%)24位南アフリカ▲1.6%(8.1%)23位インド▲1.5%(▲4.5%)22位オーストラリア▲0.4%(▲2.2%)

 2014年末比騰落利率 1位アルゼンチン50.4% 2位フランス16.6% 3位ベトナム12.2% 4位ドイツ12.1% 
 5位上海11.0% 6位日本10.4%
 
 最下位ギリシャ▲18.0% 24位インドネシア▲12.6% 23位カナダ▲7.4% 22位台湾▲6.6% 21位ブラジルタイ▲6.2%
 21位タイ▲5.6%

(日経ヴェリタス)

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