
【今週の相場展望】ドバイの債務は想定以上との噂?ボラティリティ指数の動きは、ブラックフライデーの客足は前年を、今週はイベント山積
- 2009年11月29日
- 株式投資・経済ニュース全般
■今週の注意点
今週の相場は引き続きドバイショックの影響と根強い円全面高とドル全面安のリスクと、短期的な円高の達成感による円の売り戻しや商品相場をにらんだ相場。
基本的には根深いドルの先安見通しがドル円での円高、ドバイ・ショックや海外決算対応による手仕舞いがクロス円での円高という、円全面高の継続に警戒感が強い。
ドル円については急激な円高・ドル安を受けて国内輸出企業などのドル売り手当てが大きく遅れており、「88円にかけては待ったなしのドル戻り売りが出てくる」とのこと(米系銀行筋)。
ドル円については大手米系ヘッジファンドの関係者は年末に向けた戦略を10月上旬に下記のように私に言っていた
参考記事URL:http://www.koronoasa.com/blog/?p=2180
ドル円は27日の85円割れにより、「ドル急落を誘発させる大規模なストップロスは消化された」模様。
その下のドル安波乱をもたらすストップロスは80円前半とちょっと距離がある、しかも「87円や85円などのケースに比べて規模は小さい」とされている。
反対に27日の85円割れ局面では、「国内機関投資家によるヘッジ外しのドル買い戻しが大量に観測された」(国内銀行筋)。
保有外債の為替差損を回避させるため、これまで先物で手当てしてきたヘッジのドル売りを、利益確定やドル安余地(差損)の低減判断などにより、買い戻しに出てきているという。
結果として、これまでのような急ピッチのドル安リスクは緩和された。
しかも日本政府はようやく円高デフレのリスクに危機感を強めており、次なる円高局面(80円割れ)では日銀の追加緩和措置や財務省のピッチ制御的な介入が警戒される。
また、日本では年末年始の海外旅行シーズンを迎えつつある。
今週は材料面では注目イベントが山積なので日替わりメニューの形で個別材料に一喜一憂するという動きが続くだろう。
■週末の注目ニュース
・ドバイの債務、投資家想定を上回る公算
UBSはドバイ首長国の債務が、投資家が想定している800億-900 億ドル(約6兆9000億-7兆8000億円)を上回っている可能性があるとの見方を示した。
UBSのアナリスト、ザウド・マスード氏は26日のリポートで、
「恐らくドバイの債務には相当額の簿外債務が含まれている。従って負債総額は現時点までに想定されている800億-900億ドルを上回っているとみられる」
「これは、ドバイ政府の最近数週間 のソブリン債発行は今後の償還期限に対応するのに不十分だということを示唆する」と分析。
ドバイは最大200億ドルの債券発行の計画を示していた。
25日には590億ドルの債務を抱える政府系投資会社ドバイ・ワールド が社債償還期限の延期を交渉する間の「スタンドスティル(停止)」 合意を債権者に求めた。
ドバイ・ワールドの債務のうち、傘下の不動産開発部門ナキールのイスラム債35億2000万ドル相当は12月14日に返済期限を迎える。
・ドバイ危機、ドルと米金融システムには恩恵?
ロッチデール・セキュリティーズ のアナリスト、リチャード・ボーブ氏は27日、ドバイ首長国政府系 持ち株会社の債務危機からドルと米金融システムは恩恵を受ける可能性があると述べた。
ボーブ氏は顧客向けリポートで「ドルは安全資産としての地位にとどまっているため恩恵を受ける」と述べ、
「投資マネーは厳しい規制を受けた金融機関を資金の避難先として注目しているため、米金融システムも実際には恩恵を受けるかもしれない。米銀の直接的 なリスク債権は最小限だと考えられている」と指摘。
・【米年末商戦】ブラックフライデーの客足は前年を
米年末商戦は感謝祭翌日でブラックフライデーと称される27日に本格的にスタートした。
家電量 販店ベスト・バイやディスカウントストアのターゲット、玩具小売りのトイザラスの全米各地の店舗には、テレビやノート型パソコン、ハムスターのロボットなどのブラックフライデーの値引きを狙う買い物客が早朝から押し寄せた。
世界最大の小売り会社ウォルマート・ストアーズは午前5時から 298ドル(約2万5800円)のヒューレット・パッカード(HP)製ノート型PCなど特売品を売り出して客を集めた。
ベスト・バイのブライア ン・ダン最高経営責任者(CEO)によると、早朝の来店客数は前年を上回るペースで、店頭の買い物客の列は前年より長く、ウェブサ イトの閲覧者数も多いとのこと。
米小売各社はブラックフライデーの開店時間を早め、早朝来店 客に大幅値引きを提供しているが、消費者の間では今年は昨年よ りもギフト購入の出費を抑える予定だという声も聞かれる。
全米小売業協会(NRF)の発表資料によると、米小売業者の報告ではブラックフライデーの客足は好調で、予算を気にする消費者が家電製品や玩具、衣料品の特売品目当てに来店しているという。
■今週もっとも注目する経済指標やイベント
・月曜
中国・欧州連合首脳会議(北京)
・火曜
豪中銀の政策金利
ユーロ圏財務相理事会(ブリュッセル)
・水曜
米ADP雇用統計
・木曜
欧州中銀の政策金利
トリシェECB総裁、定例会見
・金曜
米11月雇用統計
■今週の経済指標・注目イベント予定と解説
※時間は日本時間
・30日(月)
06:45 NZ10月住宅建設許可
(改善ならNZドルの買い戻し地合いが持続)
08:00 ロート・スイス中銀総裁、講演[フランクフルト]
(スイス・フラン高への牽制に警戒感)
08:50 日10月鉱工業生産
(10月貿易統計では輸出が改善。株価反発と円安の材料にも)
09:30 豪7-9月期企業営業利益
(改善なら豪ドルの買い戻し地合いが持続)
10:00 白川日銀総裁、名古屋市での金融経済懇談会で講演
13:45 白川日銀総裁、名古屋市で記者会見
(円高・株安への配慮発言が焦点に。新味なければ失望の円高・株安)
23:45 米11月シカゴ購買部協会景気指数
(1日ISM指数の参考指標に。緩やかな回復傾向は持続)
中国・欧州連合首脳会議[北京]
(欧州サイドの人民元切り上げ圧力が円高・ユーロ安材料にも)
・1日(火)
09:30 豪10月住宅建設許可件数
(利上げを受けた回復鈍化に警戒感)
10:00 中国11月製造業購買担当者指数
(底堅い数字がリスク選好の株高と資源国通貨高・欧州通貨高を支援も)
12:30 豪中銀、政策金利発表
(利上げ織り込み進展。材料出尽くしの豪ドル安と強気見通しの豪ドル高の両にらみ)
※1月は金融政策決定会合が無いので2月までは利上げ材料出尽くしのと手仕舞いの豪ドル安か?
18:30 英11月CIPS製造業購買担当者指数
(改善持続への期待感は根強い)
24:00 米11月ISM製造業景況指数
(株高が景況心理を支援。ドル安や金利低下、リストラ進展も製造業には支援材料)
25:00 ユーロ圏財務相理事会[ブリュッセル]
(ドバイ・ショックの深刻さの度合いを探る判断材料に)
・2日(水)
10:00 須田日銀政策委員会審議委員、甲府市での金融経済懇談会で講演
13:30 須田日銀政策委員会審議委員、甲府市で記者会見
(日銀内のタカ派。追加対応の否定発言が円高・株安リスク。追加策示唆ならサプライズ)
17:00 藤井財務相、定例記者会見
(円高阻止への具体的な対応策や各国との協調の進捗状況が焦点に)
22:15 米11月ADP雇用統計
(新規失業保険申請件数は昨年8月以来の改善を示す)
28:00 米ベージュブック[地区連銀経済報告]
(根強い慎重見通しが低金利長期化とドル全面安のリスク。強気判断ならサプライズ)
・3日(木)
08:50 日7-9月法人企業統計調査[法人季報]
(設備投資に注目集まる。回復の兆候見えれば株価の反発と円安支援)
09:30 豪10月小売売上高
(利上げによる悪影響に神経質)
18:30 英11月CIPS非製造業購買担当者指数
(回復傾向の持続に期待感が根強い)
21:45 欧州中銀、政策金利発表
22:30 トリシェECB総裁、定例会見
(ドバイ・ショックに対する判断や来年の出口戦略についての発言焦点)
24:00 米11月ISM非製造業総合指数
(株高が景況心理を支援。小売関係も最近は持ち直し傾向)
・4日(金)
21:00 加11月雇用統計
(金融危機の影響軽微で回復期待が根強い。伸び一服がリスク)
22:30 米11月雇用統計
(新規失業保険申請件数は昨年8月以来の改善を示す。地方公的部門の削減が下振れ要因)
24:00 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、同行主催のフォーラムで金融危機の教訓について講演。
27:15 ブラード・セントルイス連銀総裁、パネル討論に参加[フィラデルフィア]
(低金利長期化の示唆やドル安の是認発言がドル全面安のリスク)
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