DXの巧拙で明暗

2020年6月4日（木）晴れ

・デジタル・トランスフォーメーション（DX）の巧拙が企業の明暗分けている。
米ウォールマートやウォルト・ディズニーは店舗やテーマパークでの集客の落ち込みをネット販売や動画配信事業で補う。
日本でもニトリ　<9843> ［終値20040円］日本マクドナルド　<2702> ［終値5810円］などデジタル対応強化。
デジタル対応力が企業の「コロナ耐性」を左右し始めた。
DXの遅れは致命的な経営リスクになる。米百貨店大手JCペニー、アパレル大手レナウン　<3606> ［終値19円］実店舗への依存があだに。

・日本電産　<6594> ［終値6894円］中国に駆動モーターの開発拠点を新設する。
成長の柱と位置づける電気自動車（EV）用が中心で、2021年に稼働させる計画。
人員規模は約1千人と日本中核拠点と同規模になる見通し。
米国も含めた複数の拠点整備で現地の需要取り込む。

・レオパレス21　<8848> ［終値273円］1千人規模の希望退職を募ることが3日判明。希望退職は全体の15％強。
管理するアパートの施工不良で入居率が低迷、2020年3月期連結最終損益700億円を超える赤字（前の期は686億円の赤字）に。
資産の売却も進めて損益の改善を目指すが、入居率の低迷が続いており、先行きは晴れない。

・中国政府3日、香港政府トップ林鄭月娥行政長官を北京に呼び、
香港で反中国共産党などの活動を禁じる「香港国家安全法」の施行への準備を加速すると伝達。
香港の高度な自由を保障する「一国二制度」を揺るがしかねないとして国際社会の批判を集めている同法だが、
6月中の施行も視野に強行突破する構え。

・欧州連合（EU）がコロナ復興に向けた7500億ユーロ（約90兆円）規模の基金創設打ち出す。
市場が注目するのが、巨額の資金を賄うために初めてEU一体で実施する5千億ユーロの債券発行。
歴史的な一歩は、これまで豊かな国から貧しい国への財政移転につながるとかたくなに反対してきたドイツのメルケル首相の本気が背景。
メルケル氏は厳格な財政規律を棚上げすることで欧州復興を加速させる考え。
コロナ禍の先に強く団結した欧州が実現できれば、それが21年秋の引退を表明しているメルケル氏の花道となる。

・トランプ米政権は欧州や新興国など10カ国・地域がそれぞれ独自に導入・検討進める「デジタルサービス税」に対し、
不当に米企業を狙い撃ちしているとして、報復関税の検討に入った。
早期の国際合意を避けたい米国と、しびれを切らせた独自課税を探る欧州や新興国との摩擦は激しさを増しており、米当局は孤立を深めている。

・3メガバンクやJR東日本　<9020> ［終値8569円］NTTグループ　<9432> ［終値2454.0円］3日、
デジタル通貨の基盤整備を目指す協議会を作ると発表。
協議会はまず事業者が相互乗り入れしやすくしたり、ブロックチェーン（分散型台帳）で安全性を高めたりする方法を検討する。
KDDI　<9433> ［終値3165.0円］セブン銀　<8410> ［終値309円］など参加。
金融庁や財務省、日銀　<8301> ［終値29800円］などもオブザーバーで加わる。

・川崎重工　<7012> ［終値1762円］シスメックス　<6869> ［終値8412円］折半出資するメディアロイド（神戸市）3日、
新型コロナウイルスの感染の有無調べるPCR検査を自動化するロボットを開発し、10月メドに売り出す。
感染リスクを抑え、現場の人員を減らすことができる。熟練者がいない施設でも検査の精度を確保できる。

・国内の新型コロナウイルス感染者数　国内の確認例　16772人（新たな感染者＋26人　3日午後8時半）死者907人（＋4）
北海道1085人（+3）東京都5295人（+12）神奈川1371人（+2）千葉904人（+1）埼玉1001人（+2）大阪1789人（0）福岡781人（+6）

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・中国当局が民主化を求める学生らを武力鎮圧した1989年の天安門事件から4日で31年となる。
香港の反政府デモによる混乱、新型コロナウイルスの発生と世界への拡大、そして米中対立の激化。
再び共産党の一党独裁を揺るがす内外の難局に直面した習近平指導部は、戦時のように全体主義化を加速、世界の不確実性が一層増しそう。

・白人警官による黒人男性暴行死を受けた大規模抗議デモは、
2日も首都ワシントンや東部ニューヨーク、西部ロスアンゼルスなど全米主要都市で行われた。
29州とワシントンで計約1万8千人の州兵が動員され、暴徒の破壊行為や略奪に対して厳戒態勢が敷かれた。

・新型コロナウイルスの感染拡大のピークを過ぎた米東部ニューヨーク市では、暴動で破壊される店が続出、8日からの経済再開計画に影響も。
抗議デモでは人々が密集する状況が生まれていることから、感染の再拡大も危惧されている。

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※記事の後ろの記号は、◎（好材料大）〇（好材料）▲（悪材料）×（悪材料大）など。
ただし、好材料も目先買い物が強すぎるとか、織り込み済みの場合は寄り付き後売られたり、売り気配になる場合も。
同様に悪材料も同じような状況になる場合もございますので注意が必要です。

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（今日の一言）

海外ＮＹ株式市場は続伸。
市場予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、米景気が回復に向かっているとの見方が広がった。
金融や資本財など景気敏感とされる銘柄を中心に幅広く買われた。

金融株や工業株、ハイテク株などが買われる。
ナスダック総合株価指数は史上最高値（9838.37　20年2/19）に130ポイント（1.4％）までにに迫った。

雇用サービス会社ADPが発表した5月の全米雇用リポートでは、
非農業部門の雇用者数が前月比276万人減と減少 幅は市場予想（875万人減）を大きく下回った。
米サプライマネジメント協会（ISM）が発表した5月の非製造業 景況感指数は45.4と、市場予想（44）を上回った。

白人警官による黒人暴行死事件を巡る抗議デモは2日夜も続いたが「報道などから判断すると抗議デモの 緊張感はいくぶん和らいだ」との声も。

アップル（+0.55%）グーグル（-0.20%）フェイスブック（-1.10%）アリババ（+2.00%）エヌビディア（-0.63%）
ネットフリックス（-1.25%）アマゾン・ドット・コム（+0.24%）バイオジェン（-0.09%）バークシャー（+2.62%）
マイクロソフト （+0.24%）ズーム（+7.59%）ラッセル2000（+2.39%）HTG(ハイイールドファンド)（+0.47%）
（米国株の下落の予兆は小型株やハイイールドファンドからの資金流出から始まる傾向もあり価格追加）

3市場（NYSE、MKT、ナスダック取引所）出来高は約126.2億株、過去20日間平均約114.5億株。

欧州株式市場の主要3指数は続伸。
経済規模で世界1,2位の米中貿易交渉統計が市場予想を上回り、経済が新型コロナウイルスの打撃から持ち直していることを示唆。
ギリシャ(アテネ総合)株価指数（+0.46％）、イタリア（MIB）株価指数（+3.54％）と続伸。

3日の東京株式市場で日経平均（+1.29％）は大幅3日続伸。
東証株価指数（TOPIX）（+0.72％）も3日続伸。

東証マザーズ（-1.15％）は4日ぶり反落、日経ジャスダック平均（-0.27％）は14日ぶり反落、東証2部（+0.28％）は3日続伸で終了。

直近連騰で短期的な過熱感もあり、利益確定売りに上げ幅を縮小し、
後場終盤には一時2万2462円（前日比137円高）まで押し戻されたが、切り返し2万2600円台で終了。

マザーズ市場は4日ぶり反落、日経ジャスダック平均は14日ぶり反落。
中小型材料株が利益確定の売りに押された。

東証1部出来高は15億5248万株、売買代金は2兆7736億円。
東証1部騰落数は値上がり1,177(54％)銘柄、値下がり896(41％)銘柄、変わらず96(4％)銘柄に。

業種別ランキングでは28業種上昇、5業種下落に。
値上がり上位は、輸送用機器、非鉄金属、ゴム製品、ｶﾞﾗｽ土石製品、空運業、鉱業、倉庫運輸関連、・・・
値下がり上位は、電気・ガス業、食料品、パルプ・紙、証券商品先物、情報・通信業。

東証1部値上がり上位は、DLE　<3686> ［現在315円　+80円］ダブル・スコープ　<6619> ［現在567円　+80円］
グローバルリンク　<3486> ［現在698円　+97円］GMOクラウド　<3788> ［現在7670円　+780円］

値下がり上位は、anfac　<7035> ［現在1120円　-181円］ジェイリース　<7187> ［現在365円　-39円］
システムソフト　<7527> ［現在105円　-9円］サインポスト　<3996> ［現在2062円　-147円］

三菱UFJ　<8306> ［現在444.6円　+1.6円］みずほ　<8411> ［現在135.1円　+0.8円］三井住友　<8316> ［現在3173.0円　+4.0円］

野村　<8604> ［現在485.9円　-7.2円］大和　<8601> ［現在462.3円　-1.4円］ソフトバンクグループ　<9984> ［現在5121円　-64円］

海外市場は大幅上昇。本日も買い優勢の始まりになりそうです。

続きの個別銘柄等は【コロ朝プレミアム】に掲載済
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今日は、昨日利益確定売りもあった中小型材料株に買い物が来るかどうか・・・

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【コロ朝セミナー】6月特別篇　藤本誠之氏登壇（東京・飯田橋駅前）

2020年6月6日（土）開催　14：20～16:50（開場　14：10）

2020年6月の相場展望と有望注目銘柄。

アフターコロナの市場展望

ハロー貸会議室飯田橋駅前　第7田中ビル　9階　RoomA（会場に注意してください）

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【コロ朝セミナー】櫻井英明氏（ダウンロード配信）

2020年6月13日（土）配信（6/12収録予定）

『2020年株式劇場　今後の見通し』

「因果応報」こそ滅多にないが「諸行無常、盛者必衰」。
この呪縛からは市場はきっと逃れられない

日経が「日経平均のＰＥＲあるいはＥＰＳは異常値」と言う。
ならば「そこは市場の隙間あるいは市場のひずみ・ゆがみ」と見ることも可能。
株は下げなきゃ上がれない。
株は上げなきゃ下がらない。
この心理は重要。

プロフェッショナルだからこそ考えたこと。
それは「アフターコロナは最高の料理、最高のおもてなしで迎えたい」。

櫻井英明さんの取材力と推理・想像の合わせ技、ご期待ください。

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