扉を開いて（2011.12.4号）

2011年12月4日（日）快晴

・深きメルケルの悩み　盟主ドイツ財政規律の持論曲げず。

　国民は「豊かなドイツ」を謳歌、それゆえ南欧には厳しい現実。
　海外各国からもドイツの対応の鈍さを批判、大胆な行動を求める圧力強まり続けている。
　「心変わり」を周囲はメルケル氏に期待。
　メルケル首相が「決断」に及び腰なのは、規律重視という原則を揺るがせば国民の支持が離れ、
　しかも与党内勢力の離反も招きかねないという政治的なリスクと無縁ではなく。

・中国人民銀行（中央銀行）11/30夜に3年ぶりの預金準備率引き下げ。
　舞台裏2013年春に引退する温家宝首相の後継人事を巡る駆け引きが浮かぶ。
　「人民銀の準備率下げと6中銀の協調行動が偶然の一致であるわけがない」と中国エコノミスト言い切る。
　事前連絡受け、それから準備率引き下げ決めたとも。
　
　来年秋の共産党大会まで残り時間は1年を切り、最高指導部の人事巡り綱引きは激しく、すべての政策はその余波を受ける。

・「ブラックフライデー」に続く「グリーンマンデー」年末商戦好調受けて、上昇銘柄示すグリーンのランプ一斉に点灯。
　今年は感謝祭当日（24日）が事実上スタート。滑り出し意外にも好調。
　年末商戦全体の売り上げ予想は前年比2.8％増（昨年は5.2％増）序盤戦ピークの4日間（24〜27日）売上高前年同期比16％増。

・ブラジル当局、景気刺激策を相次ぎ打ち出す。政府1日、個人向け融資や家電販売の促進を目的にした減免税策発表。
　中央銀行1日、今年3日目となる政策金利の引き下げ実施。当局インフレ抑制にも配慮せざるを得ず、両立に苦心も。

・インド政府11/30発表、2011年第2四半期（7-9月期）実質国内総生産（GDP）成長率前年同期比6.9％にとどまる。
　インフレとその対策としての金融引き締め策が背景で、インド経済の減速傾向が鮮明に。

・東レ　<3402> ［終値581円］2012年3月期繊維事業の部門営業利益が450億円と前期比39％増、8期ぶりに稼ぎ頭に返り咲く。
　「ヒートテック」素材伸び、事業改革の成果も。

・太平洋セメント　<5233> ［終値151円］住友大阪セメント　<5232> ［終値227円］
　2011年度第1〜3次補正予算でインフラ関連の復旧事業でのセメント需要に追い風。

・会社がわかる　特集業界分析　工作機械　

　超円高でもびくともしないファナック　<6954> ［終値13160円］多くのアナリストも下を膜連結業績。
　
　対ユーロの感応度高い森精機　<6141> ［終値752円］
　想定為替レート1ユーロ＝約110円と期初から5円円高見直しで10億円以上営業減益要因。
　独ギルデマイスターとの取引を為替対策に生かす。ギルデ製工作機械500台販売、森精機の1か月分の生産数に相当。

　牧野フライス　<6135> ［終値589円］とアマダ　<6113> ［終値486円］「国内重視派」日本での競争力高いモノつくり。

　東芝機械　<6104> ［終値429円］
　「一番の懸念要因は中国経済の減速」と警戒。アジア売上高比率が4割超で収益へのインパクトは大きい。

　オークマ　<6103> ［終値614円］通期純利益見通し前期の9.5倍、58億円（従来予想は45億円）に上方修正。
　人件費日本比で安い台湾で部品・ユニット生産、日本で完成品に組み立てる。調達コスト引き下げ分で円高のマイナス吸収。　

　ハードディスク駆動装置（HDD）用駆動部品の仕上げ加工用高精度機ほぼ100％のシェア、ツガミ　<6101> ［終値509円］
　同社タイに納めている約6000台のうち、少なくとも1000台以上水没、すでに代替機の需要一部で出始めている。

　森精機　<6141> ［終値752円］
　タイ納入約4000台のうち4分の1の1000台が浸水、復旧需要見込み部品生産強化。被災企業への「配慮」から値引き販売も。

・日米欧主要中銀ドル資金供給へ協調策打ち出したのを受け、欧米主要金融機関の株価急回復。
　資金繰り懸念後退、株式買い戻す動き。一方、欧州債務危機の抜本的解決にはつながらず、上昇余地限られるとの見方が大勢。
　市場ではECBによる重債務国国債の購入拡大やIMFによる金融支援の拡充など抜本的な対策が不可欠との見方が大勢。

・ＯＵＴ　Ｌｏｏｋ:今週の株式相場は8700円への戻りを試す展開か。売られすぎの反動から買戻しの動き続きそう。
　一方、週後半に開かれる欧州中央銀行（ECB)理事会や欧州連合（EU）首脳会議で危機収束に向けた有効策示されない場合、
　投資家が再びリスク回避姿勢に転じる可能性も。
　先週日経平均は週間で5.9％上昇。　
　12/2、11月米雇用統計で失業率8.6％と事　前予想より大幅に改善、「空売りしていた株を買い戻す動き広がる可能性も」
　新興国の金融緩和も強材料。国内10月の機械受注統計、11月の景気ウォッチャー調査8日発表。
　先物主導で現物株は振れやすい展開が続きそうと。

・Ｗａｌｌ　Ｓｔｒｅｅｔ:今週の米株式相場は値動きの荒い展開か。投資家の悲観心理はやや和らぐも予断許さず。
　8〜9日の欧州連合（EU）首脳会議などで欧州債務危機の回避に向けた抜本策が示されるか。
　期待空振りなら相場が再び下振れするリスクも残る。
　市場の期待はユーロ共同債の創設やECBによるユーロ国加盟国の国債買い入れの拡大などの抜本策。

・プロの相場観　向こう１週間の【ブルベア調査】強気派54％（前回比+17）弱気派20％（同-6）中立26％（同-11）
　強気派が過半数を超すのは10/28以来1ヵ月ぶり。

・世界市場往来：先週の世界の株式相場は総じて反発。
　米クリスマス商戦好調な滑り出しや日米欧など主要中央銀行によるドル資金の供給策、
　中国中央銀行による預金準備金引き下げを好感、欧州株価指数は急騰。
　タイとブラジルも利下げ発表。アジア・新興国しっかり。上海市場唯一マイナス。

・来年7月導入、再生エネルギー買い取り制度で市場拡大見込め、ソーラーパワー日本の産業を明るくできるか。

　三菱電　<6503> ［終値750円］東芝　<6502> ［終値349円］昭和シェル　<5002> ［終値522円］雪国仕様新潟にメガソーラー。

　コスモ石油　<5007> ［終値211円］西日本中心に全国10ヵ所近くでメガソーラー事業への参入検討。

　山梨県大型プロジェクト、メガソーラー事業者に、
　三井物産　<8031> ［終値1233円］東京海上アセットマネジメント、明電舎　<6508> ［終値201円］3社連合選出。

　国際航業HD　<9234> ［終値202円］群馬館林市の住宅地や宮崎リニアモーターカー実験線跡地で太陽光発電所稼働。

　ソフトバンク　<9984> ［終値2405円］日射量多い好立地囲い込み急ぐ。
　200ヵ所以上のメガソーラーの候補地が寄せられ、100億〜200億円規模の投資枠用意。

・ウエストHD　<1407> ［終値659円］今後産業用も伸びると判断。福岡東峰村でメガソーラーの建設計画進めてノウハウ獲得急ぐ。

・キャラクタービジネス、景気には左右されにくく、企業収益下支えする力も。

　東映アニメ　<4816> ［終値1698円］アニメ「ワンピース」関連好調で上半期過去最高売上高。

　創道　<3711> ［終値1270円］
　「機動戦士ガンダム」の商品化版権持つ。今期大手出版社と共同でガンダムを用いた商品を企画予定。

　サンリオ　<8136> ［終値3875円］
　「ハローキティ」ほか多くの版権所有。キャラクター許諾料収入得る事業重視。商品売れ残りリスク軽減。

　凸版印　<7911> ［終値569円］非上場子会社フレーベル館（東京・文京）「アンパンマン」の出版版権保有。

　ベネッセHD　<9783> ［終値3545円］人気キャラクター「しまじろう」を活用、前面に出した宣伝。　

・上場地銀・第二地銀84行・グループ　2011年4-9月期決算ランキング。

　不良債権率の低さ：

　上位1位沖縄　<8397> ［終値3410円］1.64％　2位池田泉州　<8714> ［終値117円］1.81％　3位京葉　<8544> ［終値379円］1.91％
　
　下位1位高知　<8416> ［終値77円］7.33％　2位南日本　<8554> ［終値156円］6.51％　3位東和　<8558> ［終値97円］6.03％

　実質債務純益増減率：

　上位1位東和　<8558> ［終値97円］347.8％　2位福岡中央　<8540> ［終値385円］61.2％　3位青森　<8342> ［終値239円］23.6％

　下位1位みちのく　<8350> ［終値148円］▲52.8％　2位八千代　<8409> ［終値1951円］▲42.8％　3位福島　<8562> ［終値38円］▲42.6％

　連結自己資本比率：

　上位1位山陰合同　<8381> ［終値554円］18.02％　2位八十二　<8359> ［終値448円］17.32％　3位静岡　<8355> ［終値782円］17.15％

　下位1位豊和　<8559> ［終値92円］8.36％　2位福島　<8562> ［終値38円］8.42％　3位南日本　<8554> ［終値156円］8.77％

　貸出金増減率：

　上位1位東邦　<8346> ［終値215円］8.07％　2位宮崎　<8393> ［終値180円］7.55％　3位フィデア　<8713> ［終値206円］5.03％

　下位1位長野　<8521> ［終値167円］▲3.44％　2位山梨中央　<8360> ［終値320円］▲2.07％　3位阿波　<8388> ［終値530円］▲1.75％

・ランキング：安定的に利益稼ぐもPBR（株価純資産倍率）低い企業。
　直近5期黒字、直近自己資本利益率（ROE）10％以上、ネット有利子負債の自己資本に対する倍率（DEレシオ）1倍以下。

　1位ダイハツディーゼル　<6023> ［終値353円］PBR　0.505倍　環境規制に対応した新製品が好調。

　2位ミライアル　<4238> ［終値1005円］0.653倍　直径300ミリ半導体シリコンウエハー製品で高いシェア。　

　3位ケーヒン　<7251> ［終値1230円］0.742倍　独ダイムラーから新規受注獲得。あhンロ開拓に積極的。

　6位日本合成　<4201> ［終値447円］0.800倍　液晶ディスプレー偏光板用フィルムと食品包装用樹脂競合少なく収益安定。

　12位インフォコム　<4348> ［終値93000円］0.892倍　自社データセンター利用してソフトの機能を提供するサービス事業に軸足。

　23位セゾン情報　<9640> ［終値1005円］1.161倍　好採算のデータ連携ソフトが既存顧客からの更新需要に支えられる。

　33位ハイディ日高　<7611> ［終値1217円］1.329倍　テレビ番組で紹介され、認知度高まり既存店復調傾向。（日経ヴェリタス）

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株式投資セミナー株のお姉さんコラボ第3弾
12月10日（土）14：30〜16：45（開場14：15）

【餅つき相場の投資法と来年の展望】
雨宮京子氏（経済コメンテーター）

『相場の転換を見極める』
ミョウジョウ・アセット・マネジメント
代表（CEO&CIO）　菊池真氏　(ヘッジファンド運用)

会場：東京・水道橋ハロー会議室6階
受講料：5,000円
※ビデオ撮影禁止（かなり際どいお話のようです）

第一回の概要　http://www.koronoasa.com/blog2/?p=340第二回の概要 http://www.koronoasa.com/blog2/?p=349
お申込み・詳細⇒　https://www.directform.info/form/f.do?id=1890
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