円は格好の売り対象

2022年4月14日（木）雨

・13日の外国為替市場で円相場は対ドルで一時1ドル＝126円台前半まで下落。
約20年ぶりの安値となった。
止まらない下落は資源高によるマネーの海外流出を、輸出増加でカバーできない経済構造に変化したことが大きい。
経常収支の赤字が定着するとの見方も浮上。
金融緩和を止められず、国内外の金利差拡大も続く。
エネルギー価格が高止まりし円安も続けば、個人消費への打撃となる恐れがある。

・13日午後に円安が加速したのは、同日信託大会で
日銀　<8301> ［終値26400円］黒田東彦総裁が「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言したことが切っ掛け。
2015年6月につけたアベノミクス後の最安値を下回り、02年5月以来の安値に。
2月末の1ドル＝115円から1カ月半で10円超下落。

・韓国尹錫悦（ユン・ソクヨル）次期政権が5月下旬に日本で開く
日米豪印の「Quad（クアッド）」首脳会合へオブザーバー出席を非公式に打診。
尹氏側が米国や日本との連携強化を重視した。

・ウクライナ侵攻で米欧などの制裁を受けたロシアによるウクライナ侵攻が資源輸出を増やしている。
相手先は中国など制裁に慎重な国だけでない。
米欧に歩調合せる韓国や台湾も調達額が拡大した。
エネルギー庁他圧の多様化などで各国がロシア産にも頼ってきたことが背景で、制裁の弱点になっている。
中国3月の貿易統計（ドル建て）、ロシアからの輸入額は前年同月比26％増、韓国44％増、台湾9％増。

・ロシア軍がウクライナ東部への攻撃に向けて戦力集結。13日、最新の衛星画像で明らかに。
大規模作戦開始が迫っている。
ロシアは苦戦した首都キーウ近郊などウクライナ北部から部隊を再配置し、東部に戦力を集中させている。

・SMBC日興証券の相場操縦事件をめぐる東京地検特捜部の捜査は13日、
副社長だった佐藤俊弘容疑者（59）を起訴し、事実上終結。

・外国為替市場では3月以降、円の独歩安の様相が強まっている。
マネーの流れが急変した背景には世界的なインフレ。
ウクライナ危機が資源高に拍車をかけ、各国は金融引き締めを急いでいる。
マネーは資源国や金利の高い国の通貨に動き、資源を持たず低金利を続ける円は格好の売り対象になっている。

・国際通貨基金（IMF）13日公表、4月の石油市場リポートで、
ロシア産の石油供給量が5月以降に3月比で日量300万バレル減る可能性があると指摘。
ただ、中国の需要鈍化や消費国の備蓄放出などで国際的な需給のひっ迫には歯止めがかかるとの見方を示した。
IMFは「急激な供給不足の拡大は避けられるはずだ」との見解を示した。

・日揮HD　<1963> ［終値1497円］川崎汽船　<9107> ［終値6890円］
中古の液化天然ガス（LNG）タンカーを再利用し、洋上に浮かぶLNG生産基地を造る。
新造に比べ3割ほど建設費を減らせる。欧州に近いアフリカ沿岸などに生産地が広がる可能性がある。

・北朝鮮が7回目の核実験に踏み切るのではないかとの懸念が強まってきた。
故金日成主席の生誕記念日が15日に迫るため。
ロシアは、かつての戦勝を祝う5/9を節目として意識している可能性がある。

・ロシアが外貨準備の運用で、ウクライナ侵攻前に巨額の資金を中国に振り向けていたことが分かった。
ロシア中央銀行、1月時点の外貨準備高に占める通貨シェアはドルが1割程度に急低下。
中国の人民元が全体の2割弱まで拡大し、逆転。
制裁の抜け穴封じが改めて課題が浮かぶ上がった。

・英統計局13日、3月の英国の消費者物価指数（CPI）前年同月比で7.0％上昇。
伸び率は2月の6.2％から0.8ポイント高まり、1992年3月以来30年ぶりの歴史的水準が続いた。
4月には電気・ガス料金の大幅な値上げでさらに加速するとみられ、
賃金の伸びを大きく上回るインフレが個人消費を下押す懸念が増している。

・政府は上場企業など約4000社が四半期ごとに公表する決算書類で、
法律で開示を義務付けている四半期報告書を廃止する検討へ入った。
証券取引所の規則に基づき開示する決算短信に一本化する。
投資家が企業価値を正当に評価するため、四半期ごとの決算開示そのものは維持。

・投資信託協会13日、3月の投資信託概況、3月末の公募投信の純資産残高は2月末比8兆5674億円多い163兆827億円に。
増加は3カ月ぶりで、過去最高だった2021年12月末に次ぐ高水準となった。
株価回復、円安で残高が押し上げられた。

・米国で未公開株市場に逆風が吹いている。
2022年1－3月期のベンチャーキャピタル（VC）などによる未公開企業への投資額は前年同期比ベースで2年ぶりのマイナス。
金融引き締めやウクライナ危機で株式相場が調整し、未公開企業の評価額も切り下がっている。
市場環境の悪化で新規株式公開（IPO）にも失速感が出ている。
未公開企業の投資が減速しているのは、2年に及ぶコロナ下の金融緩和が企業に資金需要を先食いしたとの見方もある。

・世界のIT（情報技術）景気の占う台湾の主要19社の3月の売上高集計、
合計額は前年同月比17％増、1兆3243億台湾ドル（約5兆7000億円）。
世界的に供給不足が続く半導体各社が好調。

・学研HD　<9470> ［終値929円］
ベトナムで幼稚園の情報サイト手掛けるキディハブ・エデュケーション・テクノロジー（KH）と資本提携。
3年後めどにKHの過半の株式を取得し、傘下に収めることを目指す。
科学実験など通じて考える力を育む「非認知教育」を広げる。

・世界各国・地域の新型コロナ感染者数前日比（死者数）4/13午後4時現在、
米ジョンズ・ホプキンズ大まとめ　世界全体115.5万人（3583）
米国28667（582）インド802（19）ブラジル22377（165）フランス187020（157）ドイツ138651（361）英国38583（289）
ロシア10730（273）韓国195370（184）イタリア84056（169）トルコ6635（25）スペイン0（0）ベトナム74728（45）

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・円安、20年ぶりに1ドル＝126円31銭。午後に欧州投資家が取引に参加したことも影響と。
今後は130円台を念頭に下値を試す展開も

・ロシア国防省13日、ロシア軍が包囲してきた東部マリウポリでウクライナ軍兵士ら1千人超が投降したと発表。
ウクライナ国防省報道官は「情報がない」として明言を避けた。

・欧州諸国で原子力発電への「回帰」が進みつつある。
原発増発を打ち出したフランスに続き、英国も2030年までに最大8基の原子炉を新設する方針を示した。

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※記事の後ろの記号は、◎（好材料大）〇（好材料）▲（悪材料）×（悪材料大）など。
ただし、好材料も目先買い物が強すぎるとか、織り込み済みの場合は寄り付き後売られたり、売り気配になる場合も。
同様に悪材料も同じような状況になる場合もございますので注意が必要です。

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（今日の一言）

海外ＮＹ株式市場は、大幅上昇。
米国債利回りの低下を受け、ハイテク株の比重が大きいナスダック総合が２％高で上げを主導。
半導体銘柄がアウトパフォームした。

デルタ航空は第1・四半期の損失が予想より小幅にとどまったほか、
旺盛な旅行需要を背景に今四半期の黒字化を見込み、株価は6.2％上昇。

S&P500の主要11セクターでは一般消費財の上昇率が2.5％で最大。

フィラデルフィア半導体指数(SOX)は4日ぶり反発。

ニューヨーク商品取引所（COMEX）の金先物相場は市場予想を上回ったインフレ関連指標を受けて買われ、5日続伸。

ニューヨーク商業取引所（NYMEX）の原油先物相場はロシアとウクライナの停戦交渉が停滞していることを受けて
供給不安が再燃し、大幅続伸。

アップル（+1.63%）グーグル（+1.49%）メタ（旧フェイスブック）（+0.40%）アリババ（+0.28%）エヌビディア（+3.25%）
ネットフリックス（+1.84%）アマゾン・ドット・コム（+3015%）バイオジェン（+2.85%）バークシャー（-1.01%）
マイクロソフト （+1.97%）ズーム（+7.80%）テスラ（+3.59%）ラッセル2000（+1.92%）HTG(ハイイールドファンド)（+0.60%）
（米国株の下落の予兆は小型株やハイイールドファンドからの資金流出から始まる傾向もあり価格追加）

3市場（NYSE、MKT、ナスダック取引所）出来高は約105.2億株、過去20日間平均約123.3億株。

欧州株式市場の主要3指数はまちまち。
RTSI指数（ロシア）は4日続落。

13日の東京株式市場で日経平均（+1.93％）は3日ぶり大幅反発。
東証株価指数（TOPIX）（+1.42％）も3日ぶり反発。

東証マザーズ（+4.18％）、東証スタンダード市場TOP20（+0.44％）、東証グロース市場Core指数（+5.69％）は3日ぶり反発で終了。

東証プライム出来高は11億6582万株、売買代金は2兆8239億円。
東証1部騰落数は値上がり1,516(82％)銘柄、値下がり279(15％)銘柄、変わらず44(2％)銘柄に。

東証スタンダード出来高は1億6861万株、売買代金は596億円。
東証スタンダード騰落数は値上がり842(61％)銘柄、値下がり363(26％)銘柄、変わらず130(9％)銘柄に。

東証グロース出来高は1億3101万株、売買代金1452は億円。
東証グロース騰落数は値上がり377(81％)銘柄、値下がり68(14％)銘柄、変わらず12(2％)銘柄に。

東証プライム業種別ランキングでは31業種上昇、2業種下落に。
値上がり上位は、鉱業、海運業、ゴム製品、サービス業、電気機器、機械、精密機器、卸売業、・・・
値下がり上位は、証券商品先物、銀行業。

東証プライム値上がり上位は、Eガーディアン　<6050> ［現在3235円　+504円］日置電機　<6866> ［現在7330円　+100円］
Sansan　<4443> ［現在1505円　+187円］ピアラ　<7044> ［現在1030円　+119円］

値下がり上位は、塩野義製薬　<4507> ［現在6611円　-829円］イズミ　<8273> ［現在2709円　-311円］
竹内製作所　<6432> ［現在2287円　-178円］アークランド　<9842> ［現在1585円　-116円］

三菱UFJ　<8306> ［現在746.7円　-10.6円］みずほ　<8411> ［現在1560.5円　-6.5円］三井住友　<8316> ［現在3900円　-6円］

野村　<8604> ［現在498.1円　-14.0円］大和　<8601> ［現在641.0円　-38.9円］
ソフトバンクグループ　<9984> ［現在5592円　+110円］トヨタ <7203> ［現在2119.5円　+50.0円］

日経平均株価は大幅（508円51銭）反発。
朝方は、12日の米国株式は値を下げたが、日経平均株価は大幅続落の反動からか買いが先行。
時間外取引では米株価指数先物が高く、支えとなった。

グロース（成長）株中心に上昇し、指数をけん引、大引け近くには2万6885円（前日比550円高）まで上伸。

為替市場では26年ぶりに126円をつける。

市場からは「グロース株がかなり戻している。短期筋の買い戻しとみられ、個人投資家の反発狙いの買いも入っているようだ。」と。

マザーズ指数は、大幅反発。
東京市場全般が買い先行となり、グロース市場も力強い値動きとなった。
主力級銘柄を中心に幅広く買いが入った。

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