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扉を開いて(2012.6.10号)

2011年6月10日(日)はれ

・世界各国で国債の利回りが史上最低更新し続ける。
 金融危機や欧州債務危機を経て安全な資産が急減、国格付け国債に投資家が群がる。
 英国先週1.5%台と記録の残る1703年以降300年間で最低水準。米国1929年株価暴落で始まった世界恐慌をしのぐ。
 ドイツ2年国債利回り5日「-0.006%」に。理論上は説明しにくい水準まで国際は買われている。

 各国中央銀行利下げ余地がないため、国債購入による量的緩和の頼らざるを得ず。
 「世界の債券市場はターニング・ジャパニーズ(日本化)」との声。

・マネーの一極集中と同時に歪みを増す市場今後どうなる。「安全神話」の裏で出口戦略描けぬ不安くすぶり始める。
 仮に景気が順調に回復しh締めて金融緩和終えようとしても膨大な金額の国債を売却すれば国債価格は暴落しかねず。
 金利急騰は景気の腰を折る。反対に市場崩落恐れ過ぎると過剰な金融緩和がやがてインフレを招く。「前門の虎、後門の狼」と。
 
・銀行が国債購入に傾斜する背景は企業の余剰資金。稼いだカネをリスクを取って設備投資に回すのを避け、銀行に預ける。
 銀行にとって預金は集まるばかりで融資増えず。やむを得ず超低金利に目をつむって国債に投資する。
 企業家精神旺盛な米国企業1940年以降投資が貯蓄を上回る「資金不足」普通も2009年に「資金余剰」に転換。
 余剰額11年まで3年間で平均4000億ドル(約30兆円)と「異常な水準まで膨らんでいる」収益よりも安定性重視に。

・米連邦準備理事会(FRB)はゼロ金利の期限を「2014年末まで」としており
 金融緩和の解除に伴う将来的な金利上昇が織りこまれてもおかしくないはず。
 だが足元では欧州債務問題が再び深刻化し、米景気にも減速懸念が強まる。欧米経済に対する期待成長率が低下。

・欧州金融機関の資金調達環境、緊迫の度合い増す。
 欧州中央銀行(ECB)による大量の資金供給が市場の不安を抑え込み調達環境落ち着きを取り戻したが、スペイン金融不安など雲行き怪しく。
 金融機関の「ドル転コスト」期間長めの取引に上昇目立つ。ドル転コストの上昇は昨年後半欧州を覆った流動性不安の再来しさとも。

・日銀14、15日に金融政策決定会合開く。ギリシャ選挙17日に控え、選挙後の世界経済の動静を見極めるため今回追加緩和見送る公算。
 ただ、週明け以降円高や株安がさらに進めば前倒しで追加緩和を決断する可能性も。

・日本株の転機 私はこう見極める。相場歴40年超のベテラン証券マン 経験に基づく極意披露。

 荒野浩氏(みずほ投信投資顧問顧問 相場歴41年)座右の銘 「相場は相場に聞け」

 足元の株式相場はひとまず底値つける。2つの指標改善に転じる。
 東証1部新高値銘柄数20日移動平均から同新安値更新銘柄数の20日移動平均差し引いた値。
 東証1部騰落レシオの60日移動平均線、どちらも先週前半に底打ち、反転に転じる。

 問題はここから上昇が期待できるかどうか。
 日経平均株価の20日移動平均が上向くかどうか。日経平均8600円程度の水準を保てば、10営業日程度で上向く。
 5日移動平均が20日移動平均をした川上にぬくゴールデンクロス形成すれば2、3ヵ月は株価の戻り試す局面に入ったとの判断していい。

 伊藤嘉洋氏 (岡三オンライン証券 相場歴50年)「相場は悲観の中に生まれ懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し幸福感の中で消えていく」

 株式相場はひとまず底入れ。米景気腰折れ懸念やスペイン金融システム問題受け悲観論が極端に高まった。
 市場警戒するような最悪シナリオが実現する可能性は低い。
 相場の方向感を読む貸借倍率も5/24の3.07をピークに下げに転じ、株価底入れ示唆。

 欧州問題は今後もくすぶり日経平均は当面8400円を挟んだ狭いレンジでのもみ合い続く。8月中ごろ再び下値模索の展開となり、8135円試す
 デットクロス(5/10)後、約100日は下げ局面が続くことが多い。今回のケースだと8月半ばとなる。

 2010年以降下げトレンド続いており単純にトレンドライン引けば安値7700円も市場平均PBR(株価純資産倍率)が1倍割れでそこまでは無い。

 平野憲一氏 (立花証券執行役員 相場歴42年「人の行く裏に道あり花の山」
 
 足元の相場を見る限り目先は下げ止まる。売買エネルギーは低迷したままで、相場が上値を追うような状況ではない。
 相場の流れを読むにはトレンドに対し目配り欠かせず。コツは3ヶ月程度で見た変化の方向性に注意。
 集積回路国に生産高に注目。これからの日本の経済・産業の姿にマッチした統計で株価連動性も高い。
 テクニカル分析では「移動平均」が軸。「3・5・7の法則」25日移動平均の株価かい離率3%で普通のルール。中波乱で5%、大波乱なら7%。

・欧州中央銀行(ECB)定例理事会、6日、利下げや大量の資金供給などすべて見送る決定下す。
 28〜29日欧州連合(EU)首脳会議に「切り札」投入した方が得策と。

・7日にバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長による議会証言、議長ヒント与えず市場は肩透かし。議長の苦悩と深謀遠慮にじみ出る。
 混乱が深まる可能性を見据えてQE3は温存。「沈黙は金」と考える。

・中国人民銀行(中央銀行)7日、リーマン・ショックへの対応以来温存していた利下げカード、3年半ぶりに切る。
 自国経済の先行きににじむ危機感。欧州動乱の波及を最小限に食い止める狙いのほか、国内に渦巻く銀行批判をしずめる思惑も。
 利下げ以上の注目は預金貸し金利規制の一部緩和、預金基準金利(3.25%)から1割以内なら銀行が自由に金利決められる。
 「もうけ過ぎ」批判のある銀行の利ザヤ圧縮、資金繰りに苦しむ企業調達コストを抑え込む。国民にも預金金利の引き上げという恩恵も。

・マカオ、経済けん引役である「カジノ」に暗雲。5月賭博業収入は約3年ぶりに伸びが1ケタに低下。汚職事件も表面化。

・会社がわかる 特集ブラザー工業 <6448> [終値847円]さらなる多角化急ぐ。
 5年間で1500億円の「戦略投資枠」活用、M&A(買収・合併)通じ収益基盤強化。同社の強みは変化への対応力。
 世界景気低迷やユーロ安・円高など経営に逆風吹く中、新たな返信に挑む。
 昨年12月米ウェブ会議システム開発ネフシココーポ(カリフォルニア州)の全株式取得。SOHO向け狙う。
 2013年3月期前期比3割増359億円と過去最大規模の設備投資実施。アジアでの生産拠点の拡充が中心。健全財務が支える戦略。 

・HIS <9603> [終値2402円]2012年10月期は売上高、純利益とも2期連続で過去最高となる見通しも株価2768円(5/9)ピークに下落。
 「格安航空券販売の旗手」として業績伸ばしてきただけに海外顧客呼び込むという「次の成長シナリオ」見えない限り資金振り向けにくく。

・非鉄4社電子材料部門の損益が改善も本格回復には時間も。

 住友鉱 <5713> [終値863円]収益回復見込めない半導体実装装置材料ボンディングワイヤから撤退。材料事業で選択と集中急ぐ。

 三井金属 <5706> [終値170円]利益率の低い汎用品の銅箔生産の大半を埼玉上尾市拠点からマレーシアに移管。
 上尾ではスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けなど高機能品生産に絞る。

 三菱マテリアル <5711> [終値211円]持ち分法適用会社SUMCO <3436> [終値690円]の業績がシリコンウェハーの需要増で改善想定。
 電子材料部品の経常損益で黒字化見込む。

 DOWAホールディングス <5714> [終値460円]スマホの近接センサー向け発行ダイオード(LED)で利益拡大。

・クックパッド <2193> [終値1865円]利益成長加速させるための施策矢継ぎ早に打ち出す。
 ヤフー <4689> [終値23280円]と業務提携、ヤフーのトップページを見た人がクックパッドのサイトに誘導できるように。
 プロのレシピを購入できる新サービスも始める。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)普及で有料会員順調に伸びる。
 数少ない「非ゲーム」のSNS(交流サイト)関連として注目集める。
 株価の持続的上昇には会員事業以外の市場を納得させる戦略必要とも。

・世界各地で経済の先行きに警鐘鳴らす信号が点滅してるだけに市場のリスク回避志向が強くなりがちに。
 6/4、日経平均株価は8295円まで下落、年初来安値更新。そのご3日間で344円上昇、3日間の東証1部の売買代金1日平均は1兆円強。
 商いが増えない中での上昇が物語るのは買い戻し主導の相場と。
 4日から7日までの上昇率、トップは日本板硝子 <5202> [終値81円]25%高 マツダ <7261> [終値99円]16%高と続き、
 3/27から6/4までお下落率が3〜5割と日経平均(19%安)を上回っている。
 市場全体東京・大阪・名古屋の3市場の瀋陽売り残の合計は13年ぶりの低水準、ショートカバーが燃え尽きるまでそう時間はかからずと。

・OUT Look:今週の株式相場は日経平均株価が8400円を挟み200円程度でもみ合う展開か。17日ギリシャ再選挙控え、売買手控えに。
 米欧の追加金融緩和への期待や投資指標から見た株価の割安感が相場を下支えし、どちらかに一方に大きく振れる展開は考えにくい。
 先週の日経平均株価は0.2%高と週間ベースで10週ぶりに上昇に転じる。投資家の過度の不安心理はいったん後退。
 東証投資主体別売買動向5月第5週に7週ぶりに外国人買い越しに転じる。
 指標面ではPBR(株価純資産倍率)が8日時点で0.88倍、予想PER(株価収益率)11.4倍と低水準続く。
 今週は海外で13日米小売売上高、15日ニューヨーク連銀景気指数など発表予定。17日ギリシャ再選挙。
 国内では13日に機械受注統計、14-15日日銀金融政策決定会合。
 波乱含みは政治に。15日までに消費税増税の関連法案巡る与野党協議合意至らなければ野田佳彦首相求心力低下、政局流動化も。

・Wall Street:今週の米株式相場は不安定な値動きか。スペインの銀行支援やギリシャ再選挙など欧州情勢が株価を左右も。
 米銀大手の格下げ観測も浮上。神経質な動きになる公算大きい。
 先週ダウ工業株30種平均は中国の突然の利下げやスペインの銀行救済への期待感で週間では435ドル高と今年最大の上げ幅に。
 市場心理はやや改善も、材料一つ一つ消化する過程で相場が揺れ動く場面も。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派40%(前回比-4)弱気派28%(同-1)中立派33%(同+6)

・日本ガイシ <5333> [終値805円]週間で0.4%上昇。電力貯蔵用ナトリウム硫黄(NAS)電池事業の再開発表。
 今月中にNAS電池の回収始め、安全な構造に改良して再出荷。
 NAS電池含む電力事業は2013年3月期3期連続営業赤字見込むも電池事業再開で業績改善期待高まる。

・セルシード <7776> [終値664円]政府「再生医療」について実用化までの手続き緩和検討へ入る。現段階では業績への寄与が未知数。
 再生医療事業は成長分野ながら競争も激化懸念も。

・ <> [終値円]

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は欧米中心に株価の上昇が目立つ。
 欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁6日、「行動に備える」と今後の追加金融緩和に含みを持たせる。
 中国人民銀行(中央銀行)が7日、2008年以来の利下げ発表。各国景気テコ入れ策が相次ぎ打たれるとの期待感~も買い戻し入る。
 上昇率1位はスペイン、金融システム不安がいったん後退。2位インドはシン首相景気対策で空港、道路など整備方針打ち出し好感。

・ランキング:信用取引の買い建玉の残高を売り建玉の残高で割った信用倍率(6/1現在)低い順位(売り建玉の残高高い)ランキング。
 東証1部上場(金融政策決定会合・証券除く)時価総額1000億円以上。今期営業増益見通し。PBR(株価純資産倍率)1倍以下。

 1位オートバックス <9832> [終値3965円]信用倍率0.010倍 PBR0.89倍 エコカー補助金などによる新車市場拡大が営業利益伸ばしそう。
 信用倍率低いのはさらに上値を追うだけの買い材料は乏しいと市場が判断しているためとみられる。

 2位青山商事 <8219> [終値1573円]0.028倍 0.46倍  

 3位博報堂DY <2433> [終値4810円]0.038倍 0.91倍 世界景気の先行き不透明で投資家広告収入の動向読みづらく。

 19位ハウス食品 <2810> [終値1248円]0.305倍 0.71倍 
 成長分野と期待は海外事業。売り上げへの具体的な取り組み見えれば株価反転の可能性。

 24位コムシスHD <1721> [終値854円]0.364倍 0.71倍 信用取引の売り残は57万株。1日売買高が100万株超える日多く影響限定的。
 予想PER(株価収益率)は15倍前後で必ずしも割安といえず。 (日経ヴェリタス)

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