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扉を開いて(2012.11.11号)

2011年11月11日(日)曇りのち雨

・日の丸医療の逆襲。

 「ホウ素中性子補足療法(BNCT)」ステラケミファ <4109> [終値1407円]と傘下のステラファーマ、住友重機 <6302> [終値300円]
 世界初の臨床試験(治験)に着手。BNCT用のホウ素化合物を量産できるのは世界でステラファーマだけ。
 住友重機は病院に設置できるサイズにまで加速装置を小型化。

 富士フイルムHD <4901> [終値1273円]2008年富山化学買収、医薬品事業来年度黒字化見えてくる。
 

・夢の治療技術すぐそこに。iPS細胞に続く「日本のオンリーワン」は何か。先端医療の現場をルポしその課題を探る。

 【再生医療】細胞から皮膚を培養して移植。

 ジャパン・テッシュ・エンジニアリング(J・TEC) <7774> [終値73000円]再生医療製品として唯一健康保険が適用される「ジェニス」製造。
 ジェイス以上の収益源と期待が自家培養軟骨「ジャック」患者から軟骨組織を取り約4週間かけて培養、欠損した部分に移植。
 2012年7月に製造販売承認取得、14年3月期中に販売する見込み。線材患者数は約1万人とジェイスに比べ大幅に増加する。

 スリー・ディー・マトリックス(3DM) <7777> [終値3960円]細胞の再生促す材料扱う。
 あごの骨歯槽骨の再生を助ける促進剤「ペプチド」手掛ける。ペプチド作製、米国で臨床試験(治験)進め、3年後の販売目指す。

 セルシード <7776> [終値779円]患者の細胞をもとに作製した細胞シート使い、これまで治療が難しかった士官を改善に取り組む。
 角膜の損傷や心臓病など5つの分野で研究進めている。 

 武田薬 <4502> [終値3605円]
 山中教授代表とする「iPS細胞医療応用加速化プロジェクト」に参加し、患者由来のiPS細胞を使って病気の仕組み解明へ。

 【治療機器】世界初の臨床試験(治験)始まったホウ素中性子補足療法(BNCT)日本御技術力の結集として注目集める。

 三菱重工 <7011> [終値327円]がんの放射線治療装置で世界初の機能を搭載した製品を2010年発売。
 強みは「加速管」。他社製品比格段に軽く同社製装置の照射位置の後さ0.1ミリ以内と世界最高レベル。

 オリンパス <7733> [終値1265円]東大と難度の高い心臓バイパス手術が出来る内視鏡手術支援ロボットの試作機開発。
 実用化までは5〜6年かかるも昨日の高さで勝負する考え。

 【創薬】抗体の特徴生かし、がんを攻撃。

 富士フイルム <4901> [終値1273円]「武装抗体」という抗体医薬品を開発。
 がん細胞に反応する抗体に放射線物質を加え、細胞の働きを抑えるだけでなく、放射線で細胞を壊す武器を持った抗体医薬品。
 抗体とは病気を引き起こしている物質(抗原)と結びつき作用を抑える。この特徴活用したのが抗体医薬品。 

 中外薬 <4519> [終値1619円]
 治療薬の効果や副作用を事前に調べる診断薬(コンパニオン診断薬)を同時開発する動きロッシュグループで国内抜きんでる。
 「研究開発している薬の7割以上の診断薬との同時進行」と。

 シスメックス <6869> [終値3500円]コンパニオン診断薬への参入意欲見せる。治療薬の開発会社など提携先を模索。

・主な医療関連銘柄の昨年末比株価騰落率ランキング(9日時点時価総額30億円超 132社 昨年末比)

 1位ナノキリア <4571> [終値120000円]騰落率380.6% 創薬ベンチャー 2位3DM <7777> [終値3960円]241.4% 再生医療用部材

 3位リニカル <2183> [終値円]188.6% 臨床試験関連サービス 4位メディSP <2182> [終値2310円]145.2% 臨床試験関連サービス

 5位テラ <2191> [終値978円]136.8% 創薬ベンチャー 6位エスエムエス <2175> [終値158000円]129.0% 介護医療向け人材紹介

・米国株式市場調整。オバマ大統領再選後2日間でダウ工業株30種平均は430ドル超下落。週間ベースで約3ヵ月半ぶりに1万3000ドル台割り込む。
 大型減税の失効と歳出削減が同時に起こる「財政の崖」問題への懸念が重荷となった。
 ドイツの景気悪化の懸念が強まり、日本株にも下落圧力がかかった。
 米国株の下げを主導したのは「ロムニー関連銘柄」。銀行株選挙後に急落。
 公的医療保険改革の後退観測から買われていた保険会社の株も売られた。エネルギー関連株も下落。

・ユーロ圏財務相会合12日開催。ギリシャの金融支援を巡り滞っていた第2次支援315億ユーロ(約3兆2000億円)の扱いが焦点。
 今回会合では合意に至らない可能性高い。国債利回りの低下で「安心」したスペインも財政支援要請には踏み切らない見通し。
 またしても「問題先送り」ムード広がる欧州に対して市場には警戒感も出ている。

 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁7日、
 「ユーロ圏諸国が見舞われた困難から切り離されていたドイツ経済に(欧州債務危機の)影響が及び始めている」と警戒感示す。
 15日には同国の7〜9月期の国内総生産(GDP)が発表される。ドイツ経済が減速すれば更なる先送り余儀なくされる恐れも。

・3メガバンク14日、2012年4-9月期決算発表。最終利益3グループ合計8000億円程度と前年同期比約4割減に。
 各行保有する電機や鉄鋼、電力といった取引先の「持ち合い株」の下落で5000億円越す減損処理迫られたため。
 ただ「今期業績は想定通りの巡航速度で進んでいる」(メガ銀首脳)と。3グループ合算最終利益見通し1兆6500億円。

 三菱UFJ <8306> [終値355円]最終利益は6割減の2900億円程度。

 みずほFG <8411> [終値123円]約2割減2000億円程度。

 三井住友FG <8316> [終値2395円]既に業績予想5%増3300億円に上方修正済み。

・オバマ大統領再選の余韻に浸る暇もない。
 近く招集するレームダック(死に体)議会で待ち受けるのは「財政の崖」回避に向けた共和党との険しい交渉。
 2期目もオバマ氏と民主党主導の上院が共和党主導の下院とにらみ合う構図変わらず。
 行きつく先は「さらなる量的緩和でドルの競争的な切り下げに動くしかない」とアジア通貨当局が懸念。

・「オバマ大統領再選や上下両院のねじれ議会」は想定内のシナリオのはずが、投資家は選挙後に崖問題の重大さに改めて気づかされた。
 ギリシャ支援巡る不透明感など欧州問題も追い打ちに。投資家心理冷え込む。
 米国債市場はマネーを吸い寄せている。年末にかけて金融市場も不安定な値動きを強いられそううと。

・会社がわかる 特集マンダム <4917> [終値2100円]海外戦略が転換点に。
 インドネシア事業収益性低下、P&Gやユニリーバなど欧米勢との競争激化。インドや中国市場新たな収益源の確保に向け開拓急ぐ。
 今期連結純利益前年同期比3%増の34億円の見通し。過去最高(35億円)に近い水準も株価は06年の高値(3290円)下回る。
 インドネシア偏重から真のグローバル企業に脱皮できるかが株価のカギに。 

・米大統領選でのオバマ再選、前週の外国為替市場ではドル売り優勢となり、円の対ドル相場は一時1ドル=79円台前半と3週間ぶりの水準に上昇。
 オバマ大統領の基本姿勢は製造業を重視する事実上のドル安政策。米連邦準備理事会(FRB)が大規模な量的緩和政策を維持しやすくなったとも。
 一方日銀の追加金融緩和への思惑などから円の上昇余地は限られるとの見方も根強い。
 FRBは早ければ12月に追加緩和に踏み切るとの見方も強まる。
 「財政の崖」問題はいずれ解決に向けて進展すれば市場は「中長期的な円安材料を強く意識し始める」との指摘も。

 市場が意識する円安材料の1つは為替相場の需給構造の変化。
 財務省8日発表した2012年上期(4-9月)の経常収支は2兆7214億円の黒字と年度上期としては現行統計を始めた1985年以来、最小限となった。
 日本企業が海外企業を相次ぎ買収し、ドル資金の需要が強まったことも意識されている。
 海外M&A(買収・合併)を含め対外直接投資は今年に入り約7兆円(9月末時点)。昨年上回るペースで伸びる。

・米株安を受けて日本の株式相場も軟調な展開となっている。
 日経平均株価は先週末にかけて2日間に215円下落。終値は8757円と10/16以来約3週間ぶりの安値に。
 一方大幅な株安を警戒する声は少ない。円高修正期待が根強いことが下支え要因に。年内下値のめどは8500円前後との声が市場では出ている。

・OUT Look:今週の株式相場は下値を探る展開か。米国の「財政の崖」問題に対する警戒感や円高修正の一服など、外部環境悪化が重荷。
 リスク回避で売りが先行しやすい地合いが続きそうと。日経平均株価は8500円近辺まで下げると予想する市場関係者も少なくない。
 先週は日経平均は約2ヵ月ぶりの5日続落。週間で293円(3.2%)下落。25日移動平均や75日移動平均など下値抵抗線割り込む。
 テクニカル分析の観点からは調整入りが濃厚に。市場の関心は「一にも二にも米国株の戻り」と。
 株式市場では裁定解消売りへの警戒感も漂う。11/2時点現物株の買い残高(期近・期先合計)1兆9783億円とほぼ6ヵ月ぶりの高水準。
 中国の景気減速ペースが鈍ってきたのは明るい材。需要の回復映し、企業間取引が活発になり始めている可能性も。

・Wall Street:今週の米株式相場は不安定な展開に。
 大統領選挙終結し市場の不透明要因が払しょくされたかと思いきや、年明けにかけて「財政の崖」問題が相場の重しに。
 しばらく投資家のリスク回避姿勢が強まりそうと。
 「財政の崖」については「富裕層への課税強化に共和党が妥協すれば、民主党も何らかの歳出削減で妥協」と
 ねじれ議会の中で両党の妥協が不可欠との見方。
 懸念材料としてはは欧州債務問題、米雇用情勢、米北東部襲ったハリケーンと吹雪の後遺症、中国指導者交代なども。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派40% (前回比-17)弱気派36%(同+15)中立派24%(同+3)
 米大統領選後のダウ工業株30種平均の大幅下落でリスク回避姿勢が強まる。ギリシャ支援問題では悲観的見方も。円相場の強まりも弱気増加に。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場はほとんどで下げた。
 米国で上下院議会のねじれが解消されず「財政の崖」が改めて警戒され米市場下落。欧州連合(EU)が2013年の成長率見通し下方修正も響く。 

上昇1位ベトナム週間騰落率3.1%(年初来騰落率10.0%)2位台湾1.1%(3.1%)3位フィリピン0.8%(25.1%)4位トルコ0.6%(40.1%)
 下位25位スペイン▲4.2%(▲10.9%)24位香港▲3.3%(16.0%)23位日本▲3.2%(3.6%)22位ロシア▲3.2%(1.2%)21位ドイツ▲2.7%(21.4%)

・ランキング:3月決算企業の4〜9月期決算発表本格化してから株価上昇した企業。(10/19起点)

 1位イー・アクセス <9427> [終値83300円]10/19比上昇率27.36% ソフトバンク <9984> [終値2754円]買収。 

 2位富士重工 <7270> [終値794円]10.74% 北米販売好調。中国の影響少なく。 3位レンゴー <3941> [終値378円]9.88% 

 4位日野自 <7205> [終値623円]8.73% 業績上方修正。前期の2倍の年16円はいへ増配。東南アジアのトラック需要好調。

 11位東芝テック <6588> [終値390円]7.44% 米IBMからPOS(販売時情報管理)端末事業買収した効果に加え、国内事業も堅調。 

 12位塩野義 <4507> [終値1343円]7.35% 
 不振が続く米国子会社の業績が回復。今後は高脂血症薬「クレストール」の販売動向株価の行方左右しそう。

 44位東洋水産 <2875> [終値2103円]3.55% 国内で新製品袋麺「マルちゃん正麺」ヒット。各利益2割弱増加。(日経ヴェリタス)

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