
扉を開いて(世界同時マイナス金利)
- 2015年02月15日
- 株式投資・経済ニュース全般
2015年2月15日(日)晴れ
・世界同時マイナス金利 ゆがむ市場とさまようマネ―。
欧州中央時間午後4時(日本時間午前0時)北欧小国中央銀行に注目。デンマーク国立銀行、1月中旬以降4回利下げ実施。
先週は見送られたが、金利はマイナス0.75%。そのデンマークの住宅ローン市場で異変。
大手銀行グループのノルデア・クレジットが、住宅ローンにマイナス金利適用。
「お金を借りたら金利もらえる」世界が実現。
フィンランドでは5年物国債がマイナス金利で発行された。
スウェーデン12日、同国中央銀行は量的緩和策に踏み切ると同時に、政策金利をマイナス0.1%に引き下げ発表。
「欧州は(金利低下で先を行っていた)日本を通り越した」と
英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、ジャイル・ゲール氏指摘。
年明け以降、金融緩和に踏み切った国・地域は20近く。通貨安競争の傾向も強まっており、冷凍金利はさらに広がる勢い。
マネ―は押し出されるように金利のあるところ、金利代替資産へと向かう。
米国10年物国債利回りが2%前後で推移。日本の地方銀行から新興国の投資家まで、金利がなお残る米国債に世界中が注目。
株式市場にもマネーが染み込む。スウェーデン株式相場は12日、過去最高値更新、日経平均株価も7年7ヵ月ぶりの高値。
買いが目立つのは利回りの高い高配当銘柄。投資家も新たな対応求められている。
・世界同時マイナス金利 利回りはどこに消えた。
利回り求めマネ―は世界をさまよう。金利の下限が見えない中、市場はどこへ向かおうとしているのか。
先進国国債、4分の1がマイナス。デンマークの銀行は預金者に手数料。
機関投資家にはかつてない逆風。運用担当者は従来のやり方では仕事がなくなるところまで追い込まれている。
年金や投信などの運用悪化通じ、個人にも響く。資産運用には新たな発想が必要だ。
・世界同時マイナス金利 ディフェンシブ株にマネー流入。
国内外の機関投資家や個人投資家は利回り確保できる運用先を探す。
PER(株価収益率)武田 <4502> [終値6063円]73倍、ファンケル <4921> [終値1673円]48倍、
ハウス <2810> [終値2381円]34倍、安定して配当利回り得られるこうした銘柄のPERは軒並み高い。
高配当銘柄狙う傾向は日本国内の投資信託の売れ筋見ても顕著。
小野薬 <4528> [終値11340円]予想PER(株価収益率)100.1倍 配当利回り1.58%
武田 <4502> [終値6063円]73倍、2.96% ファンケル <4921> [終値1673円]48倍 2.03%
キリン <2503> [終値1541.5円]35.1倍 2.46% 協和キリン <4151> [終値1406円]41.5倍 1.77%
大日本製薬 <4506> [終値1255円]39.8倍 1.43% ピジョン <7956> [終値7930円]40.5倍 1.22%
・世界同時マイナス金利 不動産投資信託(REIT)も過熱、債券からシフト。利回り偏重、相場の乱高下招く。
少しでも高い利回り求めるイールドハンティングの波は不動産にも向い、
欧州最大の不動産投資信託(REIT)、仏ウニベイル・ロダムコ、年初からの上昇率は一時2割に達した。
日本のREIT[市場もこうしたマネーの流れと無縁ではない。
新たな投資家とは主に債券に投資していた地方の金融機関など。REITにも投資マネーを回し始めた。
・世界同時マイナス金利 日本、思わぬ金利反転警戒。20年債急落、どこまで続く「日銀トレード」。
債券から株式へのシフトを進める年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も昨年末以降、
債券の本格的な削減に動き出しているとの観測が市場に出回った。
日銀 <8301> [終値46000円]総資産のBDP比は昨年末に60%台まで上昇。3年後には100%に達する。
どこまで行けば中央銀行の健全性に影響が生じるか、決まった答えがあるわけではないが、
今後、日銀による債券購入が膨れるほど、そうした懸念が強まるのは間違いない。
・日本株再び高値試している。日経平均株価は前週12日、1万8000円台に一時上昇。
同日終値でも昨年来高値更新、2007年7月以来、7年7ヵ月ぶりの水準に回復。
米労働市場の力強い改善を受けて円安・ドル高が進行。業績拡大への期待も重なり、海外マネー流入。
ギリシャの金融支援継続に向けた協議は進展乏しく、先ゆく流動的。為替相場も不安定。模様眺めの投資家も少なくない。
・内閣府16日、2014年10-12月期の国内総生産(GDP)発表。2014年10-12月期の成長率は、15年度の日本経済占う貴重な指標。
民間エコノミストによる実質成長率の予測中央値は前期比年率3.8%と、比較的高い。
前回のGDPでエコノミストの見通しを大きく狂わせた在庫の動きは今回もかく乱要因。
ネガティブ・サプライズが生じる可能性は依然として残る。
14年10-12月期の成長率の発表後、1.2%から2.5%と大きく分かれた15年度の日本経済への見通しが収れんするかが次の焦点に。
・中国、18〜24日、春節(旧正月)連休迎える。春節は中国人にとって最も重要な祝日。
政府機関や企業などは従業員に賞与支給することが通例、一年で最も消費が盛り上がる。
ただ習近平総書記が推進する反腐敗運動や倹約令が影響し、
政府の公費や企業の経費による派手な支出はすっかり影を潜め、「新業態(ニューノーマル)」は春節消費にも及ぶ。
一方、所得の上昇に伴い海外旅行熱は高まる一方で、日本含む周辺国が受ける恩恵はますます大きく。
中国人の訪日が急増する春節シーズンを商機にしようと、日本の小売店も力入れる。
ドンキホーテ 7532> [終値8330円]9日、旅行前に商品の予約が出来る中国語サイト開設。
客が指定した店舗で商品受け取れる仕組みで、旅行中の買い物時間限られる中国人観光客の売り逃し防ぐ。
三越伊勢丹HD <3099> [終値1735円]春節に合わせ、三越銀座店の婦人服売り場などでタブレット導入。
客と店員が中国語と日本語の文章を指して意思疎通が出来るように。
・ギリシャ政府と欧州連合(EU)など債権者との金融支援巡る交渉ヤマ場迎えている。
現行の支援が2月末で期限迎えるのを控え、ギリシャ政府や金融機関の資金繰りは一段と厳しさ増す.
16日のユーロ圏財務相会合で新たな支援の枠組みへの移行で合意し、ギリシャが当面必要資金を手当てできるかが最大の焦点。
・キヤノン <7751> [終値3812.5円]
オフィスの防犯などに使われるネットワークカメラで世界最大手アクシスコミュニケーションズ(スウェーデン)を買収。
成長領域と位置付けるネットワークカメラ事業で一気に世界首位に躍り出るため、過去最大規模のM&A(買収・合併)に。
・楽天 <4755> [終値1770.0円]業績拡大。2014年12月期連結営業利益前期比18%増の1063億円と過去最高更新。
国内のネット通販や金融が好調、海外中心とした新規事業の赤字幅が縮小した効果も大きい。
今後は海外などをどのように黒字転換させるかが焦点となる。
・ソフトバンク <9984> [終値7058円]米携帯電話3位スプリントの立て直しに苦戦。
スプリント自体は2014年10-12月期決算で巨額の減損処理に踏み切ったが、
ソフトバンクは会計基準の違い理由に子会社の減損を14年4-12月期連結決算に反映せず。
市場は先行き不透明感を意識し、株価はさえない展開になっている。
孫正義社長表情終始厳しく、スプリントの減損計上を「厳粛に受け止めている。長い戦いになりそうだ」と繰り返した。
・会社がわかる 特集日本ユニシス <8056> [終値1121円]医療・エネルギー関連などの社会インフラ関連の需要開拓積極化。
来季からの中期経営計画ではインフラ関連中心とした新規分野を拡大。
2018年3月期売上高3200億円(今期見通し16%増)、営業利益170億円(7割増)目指す。
・日本株相場が再び騰勢取り戻している。円安が再び進んだのに加え、自社株買いや増配など株主還元を強化する銘柄が多く。
自社株買いは息の長い株高につながりやすい。増配を発表した企業も堅調。
・ばら積み船のスポット(随時契約)運賃下落に歯止めかからず。
総合的な値動き示すバルチック海運指数(BDI)11日過去最低更新、12日も続落。この3ヵ月でおよそ6割下落。
反転の兆し見えず。2014年11月ごろから、中国など世界経済の減速懸念背景に鉄鉱石や石炭など主要貨物の荷動き鈍る。
・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万8000円前後でのもみ合いか。
国内経済統計は堅調、投資家に買い安心感与えている。
ギリシャの金融支援問題など、外部環境の不透明感は引き続き重荷に。
今週の最大の注目点は、16日発表の2014年10-12月期国内総生産(GDP)速報値。
昨年4-6月期、7-9月期と2四半期連続でマイナス成長続いただけに
「プラス成長が確認されれば、市場はポジティブに反応」とも。
19日全国百貨店売上高、18日から始まる中国の春節休暇に合わせて訪日外国人に関する話題にも関心が集まりそう。
17-18日の金融政策決定会合は無風と。
リスクは海外要因。2月末に期限迎えるギリシャの金融支援巡り、
欧州連合(EU)とギリシャは16日ユーロ圏財務相会合で新たな合意目指す。
ウクライナの停戦がなされるかも懸念材料に。
・Wall Street:今週の米株式相場は最高値圏での取引が続きそう。
ギリシャ債務問題巡る進展に加え、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始時期が改めて憶測呼びそう。
先週はS&P500種総合指数が昨年12月以来の最高値更新。ダウ工業株30種平均も最高値更新まで30ドルあまりに迫った。
ギリシャ問題巡るユーロ圏財務相会合は16日に買越額される予定。その日、米国の株式・債券市場は祝日で休場。
18日米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月開催分)の公表。
注目決算は19日ウォルマート・ストアーズ。ガソリン安の低所得者層の購買力への波及の有無がポイント。
・ランキング:2016年3月期、アナリスト予想で営業増益率が大きい会社ランキング 時価総額1000億円以上
1位ソニー <6758> [終値3220.5円]来期営業増益率961.87% アナリスト予想の来期営業利益3841.09億円
2位住友商事 <8053> [終値1243.0円]411.46% 2213.62億円
3位ジャパンディスプレイ <6740> [終値466円]349.48% 260.70億円
6位日本ペイント <4612> [終値3700円]108.83% 740.67億円 アジア事業の子会社化で成長
10位LIXIL <5938> [終値2635円]68.20% 941.50億円 住宅エコポイント再開で弾み
15位ミクシィ <2121> [終値4070円]46.38% 709.50億円 スマホゲーム人気がけん引
35位新日鉄住金 <5401> [終値2968.6円]30.29% 4587.93億円 生産トラブル収束など寄与。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち24指数が上昇。
上昇1位ギリシャ週間騰落率11.3%(13年末比騰落率▲23.1%)2位ロシア10.6%(▲36.6%)3位アルゼンチン6.1%(77.4%)
4位上海4.2%(51.4%)9位日本1.5%(10.0%)13位米国1.1%(8.7%)
下位25位ノルウェー▲0.1%(11.5%)24位香港0.0%(5.9%)23位韓国0.1%(▲2.7%)22位タイ0.1%(24.4%)
2013年末比騰落利率 1位アルゼンチン77.4% 2位上海51.4% 3位インド37.4% 4位フィリピン32.0% 5位トルコ26.5%
最下位ロシア▲36.6% 24位ギリシャ▲23.1% 23位韓国▲2.7% 22位ブラジル▲16.4% 21位英国▲1.8%
・あらゆるものがネットワークにつながる時代。サイバー攻撃の脅威増している。
新たな手口が次々登場するサイバー攻撃。
米情報セキュリティー大手マカフィーによると、世界で発見されたマルウエア件数は昨年9月末時点で3億件突破。
これからは発電所やダム、交通システムなどのインフラや企業の工場までがネットワークにつながる時代。
ハッカーの脅威にさらされ、大きな社会不安につながるリスクは否定できない。
インターネットバンキングもサイバー攻撃の格好の標的。警察庁12日、2014年の被害件数1876件、被害額は約29億1000万円。
13年比約2倍。地銀、信用金庫、信用組合の口座にまで被害が広がっている。
・成功する10のルール
1.投資後は長期保有する、という時代は終わったとの認識を持つ。
2.全ての資金を投資に回さず、常に手元に現金を残す。
3.「含み益」は幻、「含み損」こそ現実のもの、と心得る。
4.逆債子注文で「損失限定」と「利益拡大」を実行する。
5.パフォーマンスの悪い銘柄を切って、良い銘柄を伸ばす。
6.新安値銘柄は買わない、新高値銘柄は売らない。
7.投資をしてはいけない企業に近寄らない。
8.休み時間など片手間にディトレ―ドをしても結果は望み薄。
9.株や債券など資産だけでなく投資のタイミングも分散させる。
10.長期における投資成績は下落局面の対処が成否を決める。 (日経ヴェリタス)
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株式会社アスリーム
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