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扉を開いて(激流相場の攻略法)

2016年1月17日(日)曇り 夜中弱い雨も

・激流相場の攻略法 リスク共振、選別眼を鍛える。
 世界最大運用会社、米ブラックロック、ローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)
 「今の市場には血液が足りない。米株はあと10%下がる可能性がある」と警告。
 ダウ工業株30種平均は前日比2%安、1万5988ドルと節目とされる1万6000ドル割り込む。4か月ぶりの安値。
 上海株式市場は総合指数が昨年来安値更新、原油安も加速、低調な小売指標が米国の市場心理さらに冷え込ませた。
 シカゴ日経平均先物(3月物)も清算値は1万6795円に急落。

 機関投資家は「質への逃避」強めている。先週は日米で長期金利低下。
 少しでも安全な資産から収益狙おうと、
 ビール世界1位アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)今月発行する社債には、発行額の2倍超える資金が殺到。
 一方、米国で低格付け債に投資する上場投信(ETF)は下げ足強め、15日に6年半ぶりの安値を記録。

 1月4〜8日には現物株を個人が5814億円買い越した。
 海外勢の売りに買い向かった格好で2014年1月以来、2年ぶりの買越額。
 「日経平均ボラティリティー・インデックス」は15日33.05と3か月ぶりの高水準。

 15日のニューヨーク為替市場では急速に円高が進み、昨年8月以来となる1ドル116円台に。
 日本企業の増益支えてきた円安効果の剥落が現実味増す。「市場は来期の減益を織り込み始めた」との指摘も。
 だからこそ、銘柄選別がますます重要になる。

・激流相場の攻略法 手堅い銘柄、狙い目は。 
 足元では低ボラティリティー 守りの基本、割安感も重視。

 高ROE(自己資本利益率)で割安感のある銘柄
 富士重工 <7270> [終値4392円]予想ROE35.7% 長谷工 <1808> [終値1194円]27.2% 
 JAL <9201> [終値4347円]21.2% ミネベア <6479> [終値931円]18.5% 日野自 <7205> [終値1261円]17.4%

 β値(絶対値)が低い(ボラティリティーが低い)銘柄
 アルバック <6728> [終値2929円]β値0.01 森永乳 <2264> [終値508円]0.02 
 安藤ハザマ <1719> [終値576円]0.02 SFOODS <2292> [終値2262円]0.02 科研薬 <4521> [終値7320円]0.03

・激流相場の攻略法 手堅い銘柄、狙い目は。
 長年にわたり連続増益。「長期保有向き」投信や指数も登場。

 連続増配続けている主な銘柄
 花王 <4452> [終値5645円]連続増配期間26期 配当性向41.9% USS <4732> [終値1712円]18期 45.1%
 SPK <7466> [終値2110円]18期 26.9% 明光ネット <4668> [終値1050円]18期 70.6%
 小林製薬 <4967> [終値9520円]17期 28.8% 三菱UFJリース <8593> [終値563円]17期 18.5%

・激流相場の攻略法 手堅い銘柄、狙い目は。
 海外事業拡大の消費関連銘柄 食や住、市場開拓の余地。

 海外で売り上げを大きく伸ばしている主な消費関連銘柄。
 ファーストリテイリング <9983> [終値37000円]海外売上高の平均成長率39.7% 
 良品計画 <7453> [終値24030円]34.2% アリアケ <2815> [終値6030円]30.3% 
 デサント <8114> [終値1607円]29.2% ワコールHD <3591> [終値1390円]20.3%

 最近になって海外事業の比重が高まった主な消費関連銘柄
 ソフトバンク <9984> [終値5548円]海外売上高4兆8214億円 LIXILグループ <5938> [終値2488円]3934億円
 王子HD <3861> [終値459円]3073億円 アサヒ <2502> [終値3594.0円]2371億円 

・激流相場の攻略法 手堅い銘柄、狙い目は。 
 株式以外の資産、個人はここに着目。有事の金、円高で買い場に。日米金融政策にらみドル高意識。
 
・激流相場の攻略法 リスク資産、中国株と相関高まる。期待収益率低下、運用受難の時代に。
 世界銀行昨秋、「リーマンショック後に中国経済に深く依存するようになった結果、
 アジア太平洋諸国の経済は、中国の景気次第でぶれやすい「脆弱性」が生じた。」とのリポート。
 中国経済の存在感が高まる中起きた今回のチャイナショックの再来。
 混乱は資源国はもちろん世界中の金融市場に及び、先進国のリスク資産価格は中国株と共振。が大きい局面が続く。
 各資産クラスの期待リターンが下がる一方、運用リスクが高止まりして収益のブレ
 こんな地合いでは、市場平均並みの収益を狙うインデックス投資だけでは運用資産の目減りを防ぎにくい。
 全体の成長が見込めない今、厳しい選択眼が無くては、運用収益の下振れを免れなくなっている。

・激流相場の攻略法 機関投資家はどう動く。
 ファンド運用者が長期的な運用を確実に手にするためのセオリー「下落局面は守りに徹し次の投資機会に備える」。
 優良社債などで「守り」振れ抑える。
 金価格やVIX指数などリスク回避局面で上昇しやすいものを機動的に組み入れる手法も。

・原油価格の急落が世界の金融市場揺さぶる。
 米国指標WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)15日、期近物として一時、約12年2か月ぶりの安値。
 原油価格に引きずられ、ダウ工業株30種平均は週間で約2%下落。
 15日はシカゴ日経平均先物(3月物)も、一時1万6500円台付けた。
 投資家はリスク回避姿勢強めており、なお先行き不透明感が強い。
 原油安主導しているのはコンピューターで自動取引するヘッジファンド、商品投資顧問(CTA)と呼ばれる。
 流れに追随して売りを出し、売りが売りを呼ぶ展開になりやすい。
 ニューヨーク市場では投機筋の売り持ち高が過去最高の水準に積み上がっている。
 1〜3月、WTIの平均価格は30ドル割り込むと予測。

・今週から日本企業2015年4-12月期の決算発表が本格化。
 中国景気の減速、原油・資源安の影響が引き続き注目される。
 円安が足元で反転、円高に急速に触れている点も見逃せず。
 中国景気減速の影響見るうえで試金石となるのは20日に発表される安川電機 <6506> [終値1430円]の決算。
 4-9月期連結営業利益は前年同期比27%増と上期としては過去最高。
 売上高全体に占める中国の割合が23%と高く、同国の景気減速が業績に与える影響が注目される。
 鉄鋼各社は人民元安の悪影響を受けそう。

・中国国家統計局は19日、2015年10-12月期国内総生産(GDP)成長率発表。
 市場予測によると、実質成長率は前年同期比6.9%と7-9月期と同水準になる見通し。 
 年間成長も同率で、政府が目標としてきた7%の大台を割り込む公算が出てきた。

・発掘実力企業:ニッチで稼ぐ(2)エイジス <4659> [終値3550円]店舗の棚卸し、シェア8割。
 小売業の売上高上位100社のうち80社と取引実績。代行手数料が収益源。
 海外は韓国や中国、タイなどに進出。16年3月期には黒字化する見通し。年間配当は45円続けている。

・金融とIT(情報技術)融合した「フィンテック」技術関連とみなされている銘柄の株価が乱高下。
 さくらインターネット <3778> [終値1555円]株は昨年12月中旬から急上昇、
 昨年来高値付けた1/13までの約1か月で一時7倍になった。15日は利益確定で20%安と急落。
 インフォテリア <3853> [終値940円]やアイリッジ <3917> [終値4570円]も荒い動き。
 フィンテックはスマートフォン(スマホ)での決済やクラウドファンディングなど、
 既存の金融機関が提供していなかった金融サービスを指す。

 株価材料視されているのは、仮想通貨取引所運営するITベンチャー、
 テックビューロ(大阪市)が進めている決済技術「ブロックチェーン」の実証実験。

 さくらネットは12/16、実証実験用のクラウドシステムを参加企業に無料提供。
 6月から有料化し、100社への導入目指す。「来期以降には関連事業を収益に貢献させたい」と
 アイリッジも12月にテックビューロと「金融系アプリを共同開発する」と発表。
 インフォテリアも同月に協業発表、個人など短期投資家の売買が膨らむ。
 上昇が急なだけで利食いも出やすく。損益への影響が見込める段階になれば商いは沈静化するとも。

・一般住宅に有料で旅行者らを泊める「民泊」の日本での解禁に向けた議論が盛り上がり、
 関連事業への参入表明する企業が相次ぐ。
 「経済効果は10兆円超」とも言われ、年初から相場が乱高下する中でも株価上昇目立つ銘柄もある。
 意外な民泊関連銘柄が京王電鉄 <9008> [終値997円]。
 民泊予約仲介サイト運営する百戦錬磨(仙台市)に10%出資、関連事業に参入する方針。 
 シノケングループ <8909> [終値1882円]大田区で民泊対応型マンションの開発計画。社有物件を民泊で運用検討中。
 アパマンショップ <8889> [終値1196円]も民泊物件紹介するサイト立ち上げ。
 民泊は米Airbnb(エアービーアンドビー)が火付け役、世界で需要拡大。
 政府の普及後押しになる話題が増えれば関連銘柄も注目されそう。

・会社がわかる 特集オートバックス <9832> [終値1995円]変革の時。
 業界トップを走り続けてきた「不動の王者」だが、若者の車離れで市場は頭打ちの状況。
 打開策として「車検・整備」などサービスをテコとした成長戦略描く。
 狙うはワンストップで何でも解決できる店づくり。海外展開も積極策にかじを切る。
 囲い込み策として期待はエンジンオイル交換やタイヤの取り付けなど基本工賃無料の「メンテナンス会員」。
 15年3月末に約200万人だった会員数を18年3月期までに300万人に増やす計画。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)中心に出店加速していく。

・株式相場の値動きが荒い。
 短期的な売買を繰り返す海外ヘッジファンドが乱高下主導、オイルマネーなど実需の売りも継続的に出ている。
 乱高下で大半の投資家は売買に動けず、薄商いが増幅をさらに激しくする悪循環。
 押し目を買ってきた個人投資家も息切れしてきた。
 先週(12〜15日)の日経平均株価は週間で550円(3%)安の1万7147円と、2週連続の下落。
 米原油先物相場が一時節目の30ドル台割り、人民元も対ドルで下落。
 株安を加速させたのが投機筋。商品投資顧問(CTA)と呼ばれる海外ヘッジファンドなどが
 「短期的な値幅取りを目的に先物の売買を膨らませ、値動きが激しくなった。」
 現物株では「時価総額の大きな銘柄にオイルマネーとみられる売りが目立つ」といい投資家心理悪化させている。
 地合いの弱さから空売りで稼ごうとする動きも顕著。
 下落時に買い向かう多くの個人投資家も、投資余力が低下。
 1月第1週(4〜8日)には5814億円買い越したが、さらに株安が進んだ。
 「1日の値幅が大きく、追証が発生しつつある」。
 日経平均採用銘柄の予想株価収益率(PER)は14倍台に低下し、割安との見方も多い。
 それでも、値動きが激しいために長期投資家は動けない。
 市場の不安は、中国景気や原油安から、米国景気に広がってきた。
 オイルマネーにとどまらず、年金基金など長期投資家にもリスク資産圧縮する動きが広がりつつある。
 様子見だった長期投資家が売りの列に加わるのか。株式相場は正念場迎えつつある。

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は弱含みか。
 原油先物相場の下落や米国景気への警戒感から15日の米国株が大幅下落、投資家のリスク回避姿勢が強まっている。
 15日のシカゴ市場では日経平均先物が一時1万6575円と約1年ぶりの安値を付け、3月物の清算値は1万6795円に。
 19日の中国国内総生産(GDP)、21日の欧州中央銀行(ECB)理事会など
 株価の材料となりやすい指標の公表やイベントが相次ぐ。
 4〜8日の投資部門別売買状況、海外投資家が大きく売り越し。先週も「海外投資家の売り圧力が続いた」。
 下値として意識されるのが、昨年6月の高値から9月までのチャイナショック局面での下落率19%。
 直近高値12/1起点にすると1万6000円台前半になる計算。
 売られ過ぎのサイン、騰落レシオ(東証1部 25日移動平均)は約6年ぶりに60%切る低水準。
 日経平均の25日移動平均線からのかい離率も。割安とされるマイナス7%を下回る。
 株価反転のきっかけとして注目は企業業績。今週から4-12月期決算発表本格化。
 決算発表と同時に自社株買い公表されるかも、株価の押し上げ材料になりそう。

・Wall Street:今週の米株式相場は不安定な展開も。
 原油先物相場がどこまで下がるかや、中国の景気・株式相場。10-12月期の米企業決算の内容が米株相場の方向左右と。
 ダウは年初から8%超の急落。投資家はリスク回避姿勢鮮明、株式を売って米国債を買う動きも。

・ランキング:業績予想は好調でも年初からの下落率が大きい銘柄ランキング(東証1部 時価総額1000億円以上)
 年初からの下落率は15日終値と2015年12/30終値比較。

 1位トプコン <7732> [終値1579円]年初からの下落率23.31% 予想PER15.8倍 

 2位神戸物産 <3038> [終値2993円]22.56% 14.8倍 3位サイゼリヤ <7581> [終値2381円]21.81% 26.2倍

 5位チヨダ <8185> [終値2974円]21.22% 21.6倍 寒さ盛り返せば持ち直しも。

 9位村田製作所 <6981> [終値14360円]18.27% 15.0倍 中国スマホ向け拡大が下支え。

 17位パイロット <7846> [終値4150円]16.92% 19.3倍 海外不安一服すれば復調も。 

 18位ジャパンディスプレイ <6740> [終値292円]16.81% 9.2倍 原価低減で収益力改善。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち23指数が下落。

上昇1位トルコ週間騰落率0.6%(15年末比騰落率▲0.9%)2位タイ0.1%(▲3.3%)
下位25位ロシア▲11.4%(▲13.7%)24位アルゼンチン▲11.4%(▲14.2%)23位上海▲9.0%(▲18.0%)
 22位ブラジル▲5.0%(▲11.0%)21位ノルウェー▲5.0%(▲12.4%)

2015年末比騰落利率 1位トルコ▲0.9% 2位インドネシア▲1.5% 3位タイ▲3.3 4位韓国▲4.2% 
 5位ベトナム▲6.2% 6位台湾▲6.9%
 
 最下位上海▲18.0% 24位アルゼンチン▲14.2% 23位ロシア▲13.7% 22位ノルウェー▲12.4%
 17位日本▲9.9%11位米国▲8.2%

・黒田バズーカ3、発動の条件。
 株安と円高背景に、日銀 <8301> [終値40600円]追加金融緩和が現実味。
 「株1万6000円、為替115円」越えれば発動が視野に入るとの見方が多い。

 2014年10月に導入した追加緩和「バズーカ2」の時、株価1万5658円、円高1ドル110円まで進んでいた。
 円相場が115円を上回れば、前回の追加緩和の効果が完全に消えてしまう。 
 物価想定外の原油安響く。
 追い詰められた日銀。月末までに金融市場の動揺が収まらなければ、
 1年3か月ぶりの追加緩和へ「躊躇なく」(黒田総裁)動いてもおかしくない。

・日銀 <8301> [終値40600円]いつ「バズーカ3」に踏み切るのか。
 日本経済研究センターによる1月のESPフォーキャスト調査では、
 追加緩和の実施時期を4月とする回答が9人(26%)と最も多く、
 次回の金融政策決定会合開く「1/28〜29」が6人(17%)で続く。
 急激な円高と株安、原油安で外部環境が大きく変わる中、4月までの追加緩和を実施するとの予想が48%。
 「米追加利上げや春闘見極め、4月に緩和に動く可能性がある」
 「円相場1ドル115円割れ、春闘の賃上げ率が前年比0.5%増を下回るという2条件に合致すれば踏み切る」とも。
 多くのウォッチャーが「日銀は限られた緩和カードの切り時を慎重に見極めている」との見方で一致。

・日銀 <8301> [終値40600円]2013年4月から2度にわたり量的・質的緩和(QQE)実施も、
 年2%という物価上昇の目標達成は遠い。
 過去2回の緩和がもたらした円安や資産増大の効果は、急激な相場変動の前に消えつつある。
 「黒田バズーカ3」の効力発揮するには「年 100兆円増」の大台がバズーカ3の一つの目安。
 上場投信b(ETF)の買い入れも年3兆円から年5兆円程度に増額する必要があるとの見方も。
 大規模なバズーカ3を放ったとしても本当の効果を上げられるか疑問視する声も。

・2015年時価総額ランキングトップ1000 中国勢トップ10から姿消す。

 1位(14年1位)アップル(米国) 時価総額70.66兆円
 2位(5)アルファベット(グーグル)(米国)66.63兆円 3位(3)マイクロソフト(米国)53.36兆円
 4位(4)バークシャー・ハザウェイ(米国)39.16兆円 5位(2)エクソンモービル(米国)39.07兆円
 6位(42)アマゾン・ドット・コム(米国)38.14兆円 7位(12)ゼネラルエレクトリック(米国)37.91兆円
 8位(19)フェイスブック(米国)35.64兆円 9位(7)ジョンソン&ジョンソン(米国)34.22兆円
 10位(8)ウェルズ・ファーゴ(米国)33.43兆円 11位(18)JPモルガン・チェース(米国)34.22兆円
 12位(10)中国工商銀行(中国)29.20兆円 13位(17)ロッシュHD(スイス)28.68兆円
 20位(21)トヨタ <7203> [終値6759円]25.01兆円。

 米国370社(381)中国130社(117)日本91社(75)英国47社(50)フランス42社(36)ドイツ32社 カナダ29社

(日経ヴェリタス)

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