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扉を開いて(賭けに出た黒田日銀)

2016年1月31日(日)晴れ

・賭けに出た黒田日銀 マイナス金利、市場崩壊回避に先手。
 日銀 <8301> [終値38800円]29日昼過ぎ、初の「マイナス金利」導入発表。
 2014年10月に次ぐ追加の金融緩和。
 日経平均株価は後場寄りから乱高下、長期金利は史上初の0.1%割れ。
 黒田東彦日銀総裁は直前までマイナス金利導入を表向きは否定していた。
 だが23日に出席したスイス世界年次総会(ダボス会議)に旅立つ前、事務方に施設の検討指示。
 ダボス会議のディスカッションでは中国人民元について「資本規制が為替相場の管理に役立つ可能性がある」と言及。
 すでにハラは決まっていたのかもしれない。

 度重なる物価見通しの引き下げ背景。
 経団連榊原定征会長が25日、ベースアップ「慎重姿勢示す会社が出てくるかもしれない」との警戒感示した。
 今こそ追加緩和を企業の力水にするタイミングと黒田総裁が考えても不思議ではない。
 芸利上げをきっかけとした市場の混乱も背景。「3月危機」再来の回避へ先手を打つ必要があった。

 今回の政策は「量」の緩和に「金利」加える転換点となる。
 「もし日銀がいま何もせず円高・株安を傍観していたから
 『アベノミクスの失敗』という認識が投資家の間で広がりかねなかった」。
  日本株の底割れや一段の円高を防ぐためには不可避の施策だったとも。
 背水の陣で脱デフレに挑む。

・賭けに出た黒田日銀 脱デフレへ背水の陣。
 第三の緩和、効果未知数、マイナス金利、銀行収益には逆風。
 黒田東彦日銀総裁日本初のマイナス金利政策の導入の狙い「実質金利を引き下げ、消費や投資に好影響を与える」。
 先行する欧州ではマイナス金利の導入が広がっている。
 スイスでマイナス0.75%、スウェーデンマイナス1.1%、デンマークマイナス0.65%、
 欧州中央銀行(ECB)もマイナス0.3%。
 マイナス金利導入発表受け日本の長期金利は0.1%を割り、史上最低金利更新。
 内外金利差意識され、円相場も大幅に下げた。
 今回3段階での金利設定。
 1.これまで積み上げた日銀への預金については0.1%の金利付ける。
 2.実施中の異次元緩和の一環で、国債の大量購入で自然に増えていく分についてはゼロ金利にする。
 3.2/16以降に預け入れるお金に対し、マイナス金利は0.1%とする。
 1.の部分が大きく、日銀への預金全体でならせば当面はプラスの利確保できると日銀は説明。
 マイナス金利なら貸し出し・投資が増える、と単純にいかないことは日銀も承知の上。

・賭けに出た黒田日銀 発表当日、株価は乱高下。
 マイナス金利導入公表、日経平均株価は前日終値比600円近く上げた。
 そのご収益悪化懸念浮上した銀行株が大きく下げ、日経平均も270円安まで売り込まれた。
 「マイナス金利は従来の異次元緩和のように株式需給に直接影響もたらす政策ではなく、
 効果を発揮するまで時間もかかる」との指摘も。
 債券市場、短期金利のマイナスが幅広い機関の長期金利に波及するとの見方から、長期金利は史上初の0.1%割れ記録。
 日米金利差拡大への思惑で外国為替市場では円安・ドル高が進み、
 これを受けて株式市場でも自動車などの輸出株が買われた。
 終値時点(日経平均4766円高)では輸出株に加え「金利低下メリット」銘柄の上昇が目立った。
 代表は不動産株、東急HD <3289> [終値605円]15%高、日経平均採用銘柄で上昇率トップ。
 下げが目立ったのは銀行株。メガバンクに比べ貸出先が限られる地銀の下げきつく。
 ふくおかFG <8354> [終値504円]は4%下落。
 法人・個人向け貸し出しが原則認められず、国債運用比率高いゆうちょ銀 <7182> [終値1472円]7%下落。
 大和証券投資信託委託は2/1から、円建てMMF(マネー・マネージメント・ファンド)など3つの公社債投信募集中断。
 静岡銀行 <8355> [終値1038円]年0.33%の金利付けたネット専用定期預金の受付30日から一時停止。

・賭けに出た黒田日銀 米利上げ、想定外に副作用。世界の市場、緩和頼み脱しきれず。
 黒田総裁「新興国・資源国の先行き不透明感が、企業や人々の心理に影響するリスクがあった」と語る。
 米連邦準備理事会(FRB)の利上げからおよそ1か月が経過。当初市場は利上げ織り込んでいたため、
 混乱は少ないとみられていたが、新興国中心に株価や通貨が下げ、資源安も進んだ。
 世界の金融市場はまだ混乱のさなかにあるといえる。
 米ダウ工業株30種平均は利上げ前比1割弱下落。
 世界の株価全体の動き示すMSCI世界株指数は20日、2年3か月ぶりの安値付け、新興国株指数は09年の水準に。
 「欧州中央銀行(ECB)の追加緩和示唆と日銀のマイナス金利でひとまずはリスクオンになるかもしれないが、
 調整局面が再びやってくる」と身構える。
 日銀のマイナス金利政策、29日こそ日米欧の株価は大幅上昇も、現時点では実体経済への波及効果は未知数。

・賭けに出た黒田日銀 円高・株安阻むも波乱相場は続く。
 日銀のマイナス金利政策導入はひとまず円高・株安の動きにブレーキ。
 ただ、年初からの市場動揺の根っこにある、
 中国景気減速や原油安、米国の利上げペースの行方といった不透明要素は変わらず。
 神経質な相場は当面続きそう。
 日銀がゼロを下回る水準の「追加利下げ」可能にしたことで、金融緩和の自由度を一定程度取り戻せた。
 「スイス国立銀行の例にならえば、6回ほどマイナス幅の拡大余地がある」との分析も。

・賭けに出た黒田日銀 世界経済、なお残る火種。
 人民元・資源安、リスク増幅に耐えられるか。
 黒田日銀総裁、ダボス会議で人民元ショック抑えるには、規制やむなしとの見方しめした。
 規制とは資本移動の抑制などを指すとみられる。
 「自由な資本移動」「為替相場の安定」「独立した金融政策」のすべてを同時に実現することは難しい。
 投機的な元売りに中国は介入で立ち向かう。
 2014年6月に4兆ドル近くまで膨らんだ外貨準備は15年末には3兆3300億ドルと2割減。
 外貨がさらに減り、投機筋の標的になった時、中国政府や世界経済は耐えられるのか。
 
 世界を覆うもう一つの火種は資源安。これも中国の景気減速が密接に関連する。
 米国市場の原油先物価格は1バレル30ドル台で推移。
 ロンドンの銅先物も1月に約7年ぶりの安値に沈み、石炭も低迷続く。
 資源関連融資の焦げ付きが金融システム不安を誘発する、というシナリオも看過できなくなる。

・賭けに出た黒田日銀 「孤高の利上げ」FRBの狭き道。景気減速の足音、「今年は夏以降1回」。
 日銀のマイナス金利導入は、米連邦準備理事会(FRB)の孤高の利上げの道を狭めそう。
 日欧が追加緩和に動く中でFRBが利上げを続ければ、ドル独歩高による景気減速招きかねず。
 FRB27日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で「昨年終盤に米経済は減速した」と表明。
 市場が見込む16年の利上げ回数も大勢が「夏以降1回」どまり。
 FRBは早めの資産圧縮したいのが本音。
 利上げを繰り返し、資産圧縮という新たな引き締め圧力にも耐えられる金融環境を作り上げる必要がある。
 米経済の減速が「年4回」の利上げシナリオの修正求める。
 10-12月期の成長減速は、輸出と設備投資にブレーキかかったため。いずれもドル高と原油安が一因。
 大元はFRBの利上げ観測が原因でもある。
 中国など新興国の減速で、米国はいまや世界経済の唯一のエンジンといえる。
 失速ではなく一時的な減速にとどめられるか。イエレン議長、再び大局的な判断求められている。

・原油価格反発。米国指標WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)1バレル35ドルに迫る場面もあり、
 20日に付けた12年4か月ぶりの安値(26ドル台)から約3割上昇した。
 石油輸出国機構(OPEC)とロシアが協調減産模索していると伝わり、需給が引き締まるとの見方で反発。
 投機筋が減産観測を材料に買い戻しに動いており、原油価格の変動幅は大きくなっている。
 現状は思惑先行の反発で、実際には上値は限られる、との見方が多い。
 中央銀行の政策をにらみ変動が大きい相場が続きそう。 
 
・トヨタ <7203> [終値7200円]2/5、2015年4-12月期決算発表。
 主力市場の北米での好調や円安ドル高が追い風になり、10-12月期は増益決算となる可能性が高い。
 営業利益で前期比2%増の2兆8000億円見込む16年3月期通期業績の上方修正に踏み切り、
 初の3兆円超える見通し出せるかどうかが焦点。

・米国で今週相次ぎ発表される重要指標は、原油価格の下落の影響によって強弱入り混じる内容になろそう。
 昨年12月に米連邦準備理事会(FRB)は9年半ぶりの利上げに踏み切ったが、
 その背景にあったはずの米国経済の先行きに対する強い自信は早くも揺らぎ始めている。

・ロシア通貨ルーブルは年明けから下げ足速め、1月下旬には2014年12月に付けた過去最安値更新。
 主力輸入品である原油の価格急落が背景、大半の市民は平静保っている。
 金融機関の窓口の混乱も見られず、耐乏呼びかけるプーチン大統領への市民の支持が揺らぐ兆しもない。
 背景にはソ連崩壊を経験したロシア市民は欧米に比べて苦境への耐性が高いこともあるよう。

・発掘実力企業:ニッチで稼ぐ(4)ショーケース・ティービー <3909> [終値2903円]
 利用者の購買意欲失わせないホームページにする技術で強み持つ。
 企業がパソコン向けに作ったサイトをスマホで見やすい画面に変え、急速に増えているスマホ利用者取り込む。
 経済産業省、インターネット通販が小売売上高全体に占める割合は2014年時点で4%程度だが、
 家電通販では10%超との調査もあり、市場は急速に拡大。
 スマホ経由のネット通販利用者増加目立つ。スマホでストレスなく買い物できるよう、あらゆる不便や面倒取り払う。
 森雅弘社長は「こうしたサービスでEC(電子商取引)サイトは約10%の収益向上望める」と話す。
 使い勝手をよくするソフトはECサイトや金融業界からの需要高い。
 同社が提供したサイトは累計6200件と、2015年の1年で1000件増。同社1件につき月額平均7万円を料金として得る。
 毎月の継続率は約98%で「既存事業のみで売上高は年率20%成長する」。
 スマホの最適化技術の特許を国内外で9種類取得し海外進出も視野に。
 また、ネットセキュリティー分野への進出もにらむ。クレジットカード不正利用対策で、2月から新サービス始める。
 金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」関連銘柄としても注目。
 15年12月期の売上高前期比26%増の12億円、税引き利益は12%増の1億7100万円見込む。
 前期20円の配当をし、成長投資と株主還元の強化両立させる。

・会社がわかる 特集コーセー <4922> [終値11040円]新たな成長ステージに立とうとしている。
 訪日客に化粧品が人気で「インバウンド銘柄」と注目されてきたが、
 中国ではリストラによる販売体制の効率化進め、ネット通販にも取り組むなど成長持続の布石打っている。
 ブランド力と「日本製」への信頼武器にアジアだけでなく米国などでも展開加速、
 世界的な化粧品メーカーとして地位確立目指す。
 中国での販売、自社製品の3割はネット経由で売り上げている。

・米アップルの業績拡大が変調来している。
 米国時間26日に発表した1-3月期の売上高は13年ぶりの減収予想で、新興国の減速が響く見通し。
 スマートフォン(スマホ)「iPhone」に収益依存してきたもろさがここへきて露呈。
 減収要因の一つに世界経済の減速挙げた。
 2015年10-12月期iPhoneの販売台数は7477万台で、前年同期比0.4%増にとどまる。
 中国での売り上げも10-12月期は14%の伸びで、7-9月期の99%と比べ大幅に鈍化。
 決算発表後アップルの株価は28日には92ドルまで下げ、15年8月以来の安値に。
 アップルの今後と株価浮揚のカギはiPhone以外のヒット商品の育成。

・米アップルの減速は部品供給などで関係の深い企業の業績にも影響し始めている。
 アルプス電気 <6770> [終値2338円]27日、2016年3月期連結純利益予想を従来の495億円から400億円に引き下げ。
 日東電工 <6988> [終値6821円]はアップルが最大顧客、16年1-3月期スマホ向け販売は計画より減る見通し。
 16年3月期連結純利益従来様相を27億円下回る860億円に下方修正。
 LGディスプレー15年10-12月期連結決算は最終損益が赤字転落。
 アップル関連でも「脱iPhone依存」に成功している銘柄は堅調。
 台湾積体電路製造(TSMC)や日本電産 <6594> [終値8102円]。

・OUT Look:先週は2016年に入って初めて週間で日経平均株価が上昇。
 欧州中央銀行(ECB)による追加緩和の観測に加え、日銀によるマイナス金利導入と付随した円安進行もあり、
 株価を支える材料は多い。
 チャート上の節目となる25日移動平均(29日1万7683円)超えも視野。
 海外の経済指標が予想を大きく下回るといった波乱がなければ、1万8000円を試す展開に。
 米国経済の動向は米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ占う意味で市場の注目度が高い。
 日本時間5日夜に米雇用統計控え、週末にかけて投資家の様子見姿勢強まり値動きが落ち着いてくる可能性も。
 今週は日立 <6501> [終値586.4円]パナソニック <6752> [終値1114.0円]トヨタ <7203> [終値7200円]などの
 15年4-12月期決算発表相次ぐ。
 焦点は金融市場の混乱が及ぼす16年3月期業績の方向性占ううえで、米中景気への経営者の発言にも注目。
 
・Wall Street:今週の米株式相場は米経済指標や企業決算の発表にらみながら、一進一退の転換に。
 週明け以降も日本やアジアの株価が上昇すれば、米国でも投資家心理が改善し、相場を下支えそう。
 ダウ工業株30種平均は日銀の決定好感して急伸。上げ幅は前日比396ドルで、約5か月ぶりの大きさ。
 週間ベースでは先週まで2週連続で前の週から上昇。
 今週の焦点は5日の1月の雇用統計。非農業部門雇用者増加数がポイント、市場予想は20万人程度。
 先週に引き続き、主要企業の決算も目白押し。
 注目は2日エクソンモービル、
 4日のコノコフィリップス、オクシデンタル・ペトロリウムなどエネルギー関連企業の決算。
 原油安の影響が顕著となれば、エネルギー株全体に売りが広がりそうだ。

・ランキング:2月決算企業の配当利回りランキング 時価総額100億円以上、20116年2月期営業損益、最終損益黒字予想。

 1位マックハウス <7603> [終値895円]配当利回り4.47% 昨年末比騰落率▲6.3%

 2位スター精密 <7718> [終値1300円]3.54% ▲18.1% 2円増配計画据え置き

 3位東京個別指導学院 <4745> [終値705円]3.40% 7.8% 

 19位DCMHD <3050> [終値771円]2.31% ▲1.5% 自社ブランドで利益率改善

 21位コーナン商事 <7516> [終値1720円]2.31% 1.2% レジャー用など季節商品伸び 

 33位乃村工藝社 <9716> [終値1556円]1.93% ▲16.8% 4期連続増配。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち24指数が上昇。

上昇1位アルゼンチン週間騰落率9.4%(15年末比騰落率▲3.2%)2位ロシア7.8%(▲1.6%)3位フィリピン7.7%(▲3.8%)
 4位ブラジル6.2%(▲6.8%)5位トルコ4.6%(2.4%)11位日本3.3%(▲8.0%)17位米国2.3%(▲5.5%) 
下位25位上海▲6.1%(▲22.6%)

2015年末比騰落利率 1位トルコ2.4% 2位タイ1.0% 3位インドネシア0.5% 4位カナダ▲1.4% 
 5位ロシア▲1.6% 6位英国▲2.5%
 
 最下位上海▲22.6% 24位ギリシャ▲12.4% 23位香港▲10.2% 22位ドイツ▲8.8% 21位日本▲8.0%
 21位スペイン▲7.6%

(日経ヴェリタス)

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