
扉を開いて(「消費大国」中国の試練)
- 2016年03月21日
- 株式投資・経済ニュース全般
2016年3月21日(月)はれ
・「消費大国」中国の試練 軟着陸への光明を探る。
中国政府の需要喚起策で、自動車販売持ち直し、
日本精工 <6471> [終値1012円]中国工場週末休み返上でフル稼働。
注目すべきは、旺盛な消費意欲を持つ中間層の台頭。
世帯月収1万2000〜2万2000元(21万〜38万円)の「上位中間層」現在5000万世帯が今後10年で1億世帯に。
彼らは「高級」「便利」「安全・安心」といったキーワードに敏感。
全国人民代表大会(全人代 国会の相当)で第13次5カ年計画、
設備投資の解消進める一方、産業の高度化や雇用創出進める方針。
製造業のイノベーションと並行しながら、リストラなどを乗り越えて消費を伸ばす。
・「消費大国」中国の試練 中間層の消費に潜在力。
成長に急ブレーキがかかり、大調整期に入った中国経済。
急速な高齢化、過剰設備に伴うリストラなど不安要素は多い。だが中間層の消費には潜在力がある。
・「消費大国」中国の試練 教育サービス熱気。地方に商業施設相次ぐ。
楽器メーカーヤマハ <7251> [終値1587円]中国国内で50カ所ほどの教室を持ち、
2015年末までに生徒数1万5000人と前年比4割近く増加。
ヤマハが年間に販売する10万台のピアノのうち、6割が中国向け。
中間所得層が厚み増し、子供への教育熱は高まる一方。
旺盛な個人消費は地方の中核都市にも及ぶ。
ショッピングモールの建設が相次ぐ地方の中核都市はモール中心に個人消費喚起する。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)試算、
現在世帯の月収1万2000〜2万2000元(21万〜38万円)の上位層が、今後10年で1億世帯まで増える見通し。
都市部では、20年までに2兆ドル(230兆円)の消費市場が生まれる見込み。
その消費のツールとして欠かせないのがスマートフォン(スマホ)通じたインターネット通販。
大都市圏やモール建設が遅れる地方中心に急速に広がり、
15年の売上高は約3兆2000億元(約60兆円)と前年比32%増え、小売売上高全体の伸びを超えた。
今や米国を抜き、世界最大のネット通販大国になった。
・「消費大国」中国の試練
商業施設運営で好調なのはイオンモール <8905> [終値1660円]。
中国の専門店売上高は2015年1〜11月期に前期比26%増。
ネット通販が勢い増す中でもショッピングモールへの来店客が順調に伸びている。
ヤマハ <7951> [終値3470円]株価は15日まで4日続伸、連日上場来高値更新。
楽器は世界景気に左右されにくく、16年3月期は中国などで楽器販売が伸びそう。
カシオ計算機 <6952> [終値2224円]デジタルカメラと腕時計「G-SHOCK」は中国で売れ行き好調。
小林製薬 <4967> [終値9390円]日本ならではの配慮の行き届いた商品で業績伸ばす。
「熱さまシート」が好調。
亀田製菓 <2220> [終値4470円]
「亀田の柿の種」を上海など都市部のスーパーで販売し、順調に売り上げ伸ばす。
現地航空会社と組み、1月までに約10路線の機内食で採用。
・「消費大国」中国の試練
ユーザー数4億人、取扱商品11億点。中国のアリババ集団(浙江省)は自社サイトだけで
巨大な「商圏」築き上げる。決済システムが発達、消費者と企業つなぐ。
「中国には農民が6億人いる。この農民を消費者としてどう掘り起こすか。
そして安全や安心、より高品質なものを求める中間富裕層の要望も満たしていく。」
・「消費大国」中国の試練 豊かになる前に迫る高齢化リスク。
「可能なものから先に豊かになれ」。鄧小平氏はかつて経済成長最優先する先富論唱えた。
急速に進む高齢化に供給過剰の解消によるリストラ対策・・・。
中国が直面する構造問題の解決にはいずれも財政負担の拡大が必要。
「豊かになる前に老いる」ことを回避できるのか、世界が不安を持って見守る。
・「消費大国」中国の試練 業績、消費財でも頭打ち。サービス・省エネには勢い。
資源、素材メーカーの苦境は、鮮明。
原油・天然ガスの中国石油天然気、石炭の中国神華能源、鉄鋼最大手宝山鉄鋼は軒並み5割超の最終減益。
一方、ネットサービスや環境関連企業は好調維持。
・日米欧「金融政策ウィーク」終了。
世界の株式市場では「ミニリスクオン」が進んだが、
同時に円高が進んだため日本株は売りに押され、株高に取り残される結果に。
ドル安は米企業収益の悪化懸念が和らぎ、米ダウ工業株30種閉域んは18日に6日続伸、週間で2%強上昇。
欧州株はまちまちの動きもドイツ株式指数(DAX)が1%上昇、一方、日経平均株価は4日続落、週間で1%下落。
円高進み、日本の企業業績に重荷になるとの見方が広がったため。
大和証券は「1ドル108円が上場企業が2017年3月期に増益を保てるかの境目」とみる。
日本では17年4月に予定する消費税率の引き上げを再延期する観測も浮上。今後の焦点に。
・米連邦準備理事会(FRB)は15〜16日、米連邦公開市場委員会(FOMC)開き、
事前の予想通り政策金利の据え置き決めた。
注目されていた今年の利上げペースは「年4回」から「年2回」と昨年12月時点の見通しよりスローダウン。
一方、イエレン議長は会見で米経済について「引き続き好調だ」との自信示す。
米国内の堅調な経済指標だけを見れば6月の利上げ再開が本命視されるが、引き続き海外リスクが懸念材料に。
・発掘実力企業:ニッチで稼ぐ(9)エス・エム・エス <2175> [終2079円]
高齢社会と情報インフラに特化した事業展開。介護や医療向けの人材紹介サイト運営が売り上げの7割強。
約15の求人関連サイトを持つ。全国の病院の6割の求人情報を網羅しているとみている。
今後は海外に力。現在の海外事業は赤字、25年には日本以外のアジアの営業利益比率を5割まで高める考え。
国内外での事業拡大の余地は大きいとみている。
・外国為替市場で、日米欧の金融政策の違いが相場に効きづらくなってきた。
市場関係者の関心は、各国中央銀行の次の動きに移る。
今後も円高・ドル安・ユーロ高が定着するのか。
市場関係者の間では、4月の金融政策決定では動きなくとも、6月ごろには動きがあるとの見方も。
緩和しても通貨高になったしまったECBは一段の対応迫られそう。
・米国指標WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は17日に1バレル40ドルを上回り、
約3カ月半ぶりの高値。
産油国が4/17にカタールで会合開く方針示し、増産凍結に向け協議が進展するとの思惑広がった。
外国為替市場で進むドル安も、ドル建てで取引される原油相場を押し上げている。
下値不安はひとまず後退。WTIは二番底を付けた2月の安値からの上昇率は5割超。
投機筋は産油国の戦略転換意識。米国のシェールオイルも息切れ目立つ。
ただ原油価格の上値は限られるとの見方が多い。
イランは欧米による経済政策で失った市場シェアの回復優先、増産凍結に向けた協議は難航が予想される。
WTIは当面35〜45ドルとの見方多い。
・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は3週ぶりに上昇しそう。
米国景気の空き全期待が強い上、足元では「一人負け」の日本株に対しても、
過度な悲観の修正で見直し買いが入る可能性も。
安倍晋三首相が消費税の引き上げ延期決断するとの観測も浮上、政策期待から1万7000円台回復予想。
今回FRBが米景気回復という「お墨付き」与えたことで、市場に安心感が広がっている。
米国株は続伸しており、リスクオンの色合いは濃くなっている。
25日移動平均(1万6497円)から上振れしていることもあり、
力強さには欠けるものの、買い直しの流れに乗り、ジワリと上昇する展開が見もめそう。
・Wall Street:今週の米株式相場は上値を試す展開か。
米連邦準備理事会(FRB)が先週、年内の利上げ見通しが4回ではなく2回にとどまると示唆、
緩和的な金融政策が長引くとの見方が引き続き株式相場の押し上げ要因となりそう。
ダウ工業株30種平均は5週続伸、年初来と騰落率がダウ平均、S&P500種株価指数ともプラスに転じた。
今後、投資家は米景気や原油先物相場の動向見ながら、一段の買いのタイミング見極める展開に。
・ランキング:2/12終値からの上昇率ランキング。日経平均採用銘柄、今期の経常損益、黒字予想企業対象。
1位IHI <7013> [終値222円]2/12からの上昇率43.2% 業績下方修正で売り込まれた銘柄。
2位三井造船 <7013> [終値174円]40.3% 3位神戸製鋼所 <5406> [終値107円]35.4%
5位東京建物 <8804> [終値1402円]34.9% 増資懸念後退で安心感。
12位日東電工 <6988> [終値6704円]28.6% 自社株買い好感。
17位商船三井 <9104> [終値294円]27.2% リストラ効果、来期に期待。
26位JFEHD <5411> [終値1530.5円]23.4% 鋼材価格上昇で市況改善。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち19指数が上昇。
上位1位中国週間騰落率5.15% 2位ロシア4.68% 3位トルコ4.49% 4位南アフリカ4.48% 10位米国2.26%
下位25位スイス▲2.31% 24位イタリア▲1.98% 23位日本▲1.26% 22位タイ▲0.75% 21位フランス▲0.67%
(日経ヴェリタス)
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