
扉を開いて(日本株再浮上への道)
- 2016年03月27日
- 株式投資・経済ニュース全般
2016年3月27日(日)くもり
・日本株、再浮上への道。新年度相場、逆風はね返す3条件。
日経平均株価は2015年3月末(1万9206円)と比べると2200円ほど安い。
アベノミクス相場が始まった12年度以降、年度ベースで初の下落ほぼ確実で、失速感は否めない。
逆風は円相場の上昇。足元1ドル113円台と1年前比7円ほど高い。
円安終息でアベノミクスの限界もささやかれるなか、新年度が始まる。
再び上昇軌道描けるか。クリアすべき3つの条件が浮かび上がる。
最初の条件は企業の成長投資の加速。
第2の条件は政府の動き。
海外投資家の日本株回帰も再浮上には重要な条件。
・日本株、再浮上への道。相場回復のけん引役は。
企業:海外M&A・設備投資が焦点。資金に余力、自社株買いにも期待。
海外売上高が伸びていてM&Aなど成長投資に動きそうな主な企業
ネクソン <3659> [終値1892円]主な事業内容 オンラインゲーム ネットキャッシュ2869億円
総資産に占めるネットキャッシュの割合 67.4%
ヒロセ電機 <6806> [終値12670円]コネクター 1827億円 57.8%
ファナック <6954> [終値17585円]NC装置や産業用ロボット 8769億円 57.7%
ホシザキ電機 <6465> [終値9540円]業務用製氷機や冷蔵庫 1478億円 54.4%
マブチモーター <6592> [終値5160円]小型モーター 1170億円 45.7%
シマノ <7309> [終値18000円]自転車部品 1801億円 42.0%
・日本株、再浮上への道。相場回復のけん引役は。
海外勢:資本効率の改善がテーマ。世界景気が左右、不安薄らげば買い戻しも。
海外勢の日本株回帰ではどんな銘柄が選ばれそうか。
「外国人株主比率が高く、この1年の下落率が大きかった銘柄」。
日立 <6501> [終値528.5円]住友重機 <6302> [終値476円]国際石油帝石 <1605> [終値886.4円]
・日本株、再浮上への道。相場回復のけん引役は。
政策:10兆円規模の補正予算に期待。労働市場改善につながる関連銘柄も注視。
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)や参院選前の選挙活動踏まえ、「5月にも成長戦略の方向性は決まる」と。
企業価値を高める投資促進などコーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化、
遠隔操作や自動走行などロボット関連の支援策などがまとまるとみられる。
・不透明な景気 プロが見る指標はPER(株価収益率)ではなく・・・
ROE(自己資本利益率)・配当利回り・低リスク。
収益性指標の評価が高い中小型銘柄
イントランス <3237> [終値236円]不動産 総合点3.85
アパマンショップ <8889> [終値1435円]不動産 3.79 OSJHD <5912> [終値253円]建設 3.73
ディップ <2379> [終値2645円]サービス 3.65 ゲオHD <2681> [終値1999円]小売り 3.62
・日本株、再浮上への道。国内外に潜むリスク再点検 懸念は・・・
日本経済の「再デフレ化」:円高起点に、企業業績が一段と落ち込めば、
賃上げも限られ、消費減速につながるといった負のスパイラルが起きかねない。
中国発「アジア通貨危機」:人民元が急落すればアジアや中南米諸国に幅広い悪影響もたらす。
可能性は低いとはいえ、最悪の場合には中国発の「アジア通貨危機」を招きかねない。
影響はアジアにとどまらず、世界的な金融危機につながる恐れもf出てくる。
ギリシャの債務問題再燃:ギリシャは16年半ばまで毎月30億〜50億ユーロ前後の債務返済しなければならない。
最大のヤマ場は7/20が満期の国債23億ユーロの償還だが、ギリシャ単独での対応は難しい。
「6月はギリシャ問題が市場のリスク回避ムードを高めそう」とも。
6/23に英国が実施する欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票も予断許さない。
・2016年度の日本株相場には様々なリスクがある。
リスク小:日本経済の再デフレ化(内需企業の業績が悪化)
参院選での与党敗北(投資家の政策期待が後退)
アジア通貨危機(新興国経済ショックが発生。株価急落も)
ギリシャ危機再燃(ユーロ売り膨らみ、リスクオフを誘発)
リスク中:原油価格再び下落(資源関連株やハイ・イールド債投信が下落)
米国で追加利上げなし(ドル安進行、日本企業の業績に逆風)
円、対ドルで100円突破(輸出企業の業績悪化)
企業不祥事の多発(海外投資家の不信感が増大、日本株離れに)
米大統領選でトランプ氏勝利(対日強硬策で株安、円高も誘発か)
リスク大:訪日外国人の失速(消費関連企業の業績に影響)
国内不動産の市況低迷(不動産株や不動産投資信託(REIT)下落)
・日本株が膠着感強めた1週間。
日経平均株価は前週3週間ぶりに上昇、1万7000円台回復も、週間値幅は156円にとどまる。
値幅は今年に入って最小で、相場の方向感欠く展開続く。
投資家の不安感は、日経平均の予想変動率示す「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」にも表れる。
2月中旬から下げてきたものの、25日時点で23.06となお「警戒水準」の20を上回る。
為替水準が落ち着くまで投資家は警戒モードを解けず、相場の上昇に弾みがつきにくい状況が続きそう。
・4/1、未成年向けの少額投資非課税制度「ジュニアNISA」の運用始まる。
祖父母世代からの贈与資金の受け皿としても期待がかかる。浸透には時間も。
・発掘実力企業:ニッチで稼ぐ(10)共和電業 <6853> [終値381円]ひずみ感知、耐久性計測の要。
「ひずみゲージ」センサーで国内シェア首位の4割誇る。
足元の業績、自動車関連がけん引し、2016年12月期の連結純利益前期比2%増の13億円と4期連続で最高益見込む。
株価が本格的に出直るには、インフラ向けなど逆風の外部環境に強い事業が育つことがカギになる。
・東芝 <6502> [終値208.3円]再建への道筋見え始めてきた。
昨年11月以降、人員削減や事業売却、拠点再編などを矢継ぎ早に進め、市場の想定上回る対応の早さ見せている。
その成果として18日には2017年3月期事業計画示し、業績回復強調。来期営業損益は1200億円の黒字見込む。
今期想定する4300億円の赤字からは5500億円の改善。為替は1ドル110円と足元より円高想定。
1カ月半後の本決算と、7月に予定される投資家説明会で東芝が打ち出す「次の一手」が注目される。
・クックパッド <2193> [終値1839円]で突如起きた「退任劇」に株式市場では動揺広がる。
同社株主総会後穐田誉輝社長の退任発表。
創業者で取締役の佐野陽光氏の意向受けた人事、新体制は異例の社長交代でスタート。
先行き不透明感強まる。
・会社がわかる 特集TDK <6762> [終値6410円]構造改革を一段落させたTDKが成長シナリオ書き直そうと。
相次ぐM&A(合併・買収)で事業の中身は今後、大きく入れ替わる。
車載や産業機器、ICT(情報通信技術)の3分野に経営資源注ぎ、「スマートフォンの次」で価値残り目指す。
収益の柱だった磁気ヘッド事業苦戦、テコ入れ急務。
・個人投資家の資金が新興市場に流入。売買代金は今年の最高水準にまで膨らみ、活況鮮明。
25日、MRT <6034> [終値7800円]ブランジスタ <6176> [終値3100円]サン電子 <6736> [終値1006円]
ストップ高水準まで上昇。
日経平均株価が年初から10%超下落する中、東証マザーズ指数は24日に8カ月ぶりの高値。
目立つのが、金融とIT(情報技術)融合したフィンテックやバイオ、人工知能(AI)などのテーマ物色。
ただ3月末の権利落ち以降は「(新興株のなかでも)配当や優待銘柄には注意」とも。
・ロンドン金属取引所(LME)の銅相場は前週1トン4945ドルで引け。4カ月ぶり高値を付けた3月中旬比5%安。
LME公表、建玉(未決済残高)報告では、生産者売りが拡大。ファンドは一本調子で買い。反発基調に黄信号。
・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万7000円台で根固めか。
円高進行にはひとまず一服感、株価が一段の戻りを試すにはやや手掛かり材料難。
新年度入り挟み、国内機関投資家の株式需給や為替動向にらみながら、一進一退の値動きが続きそう。
今週は28日に3月期末の配当権利付き最終売買日迎える。
翌29日の配当権利落ちの影響額は日経平均で127円程度。
配当落ち分をすぐに埋めて1万7000円台維持できるかどうかは、年金基金や金融機関など国内勢の動き次第。
4/1は重要経済指標や統計発表集中。国内では3月の日銀企業短期経済観測調査(短観)に注目。
海外でも3月の米雇用統計など予定。
・Wall Street:今週は注目の米景気指標の発表相次ぐ。
雇用や消費、製造業関連の統計にらみながら米国の株式相場も上値を試す展開も。
4/1、3月の米雇用統計では、雇用者数が前月比20万人前後の増加と予想。
賃金の増加ペース、事前予想では前月比0.2%増。
3月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数が3/29に公表、
米サプライマネジメント協会(ISM)製造業指数も3月分が4/1公表。
3/29予定イエレン米連邦準備理事会(FRB)技調の講演も注目度高い。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち6指数が上昇。
上位1位日本週間騰落率1.66% 2位インド1.54% 3位タイ0.85% 4位中国0.82% 5位フィリピン0.7%
下位25位南アフリカ▲3.06% 24位フランス▲2.98% 23位ロシア▲2.59% 22位イタリア▲2.39% 9位米国▲0.49%
(日経ヴェリタス)
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