最新の経済ニュース・最新株式情報はコロ朝経済ニュース・株式掲示板で!

扉を開いて()

2016年6月5日(日)雨のち曇り 梅雨入り

・ニッポンの電機逆襲、新御三家に見る復活の条件。
 時価総額で不動の首位だったキヤノン <7751> [終値3117.0円]、
 キーエンス <6861> [終値69020円]に抜かれる。
 工場の製造ラインが正常に動いているか等監視するセンサーが主力で、売上高は3000億円規模。
 時価総額約4兆2000億円とおよそ10年前の05年末比約2.7倍、電機内順位も13位から躍進。

 電機セクターの誓う変動が鮮明。シャープ <6753> [終値141円]が台湾鴻海精密工業に買収され、
 会計不祥事引き金に東芝 <6502> [終値271.6円]は事実上「解体」に向かう。
 ITバブル期の1999年末に東証1部時価総額の約2割占めた電機は今や約1割と半減。

 電機セクターの地盤沈下の中新たな主役も誕生。市場が選んだ新たな「御三家」。
 キーエンスに加え、村田製作所 <6981> [終値12340円]と三菱電 <6503> [終値1296.5円]。
 時価総額が大きく伸び、順位は三菱電が9位から5位、村田は10位から6位へ浮上。

・ニッポンの電機逆襲、勝敗のカギは「位置取り」
 東芝 <6502> [終値271.6円]やシャープ <6753> [終値141円]などの苦境象徴する電機業界の低迷。
 東証1部時価総額の約2割占めた電機は今や約1割とITバブル期から半減。
 だが、世界市場でしっかり存在感示す日本の電機もある。

・ニッポンの電機逆襲、勝敗のカギは「位置取り」
 次の主戦場「車載」に照準。世界で進む水平分業、勝敗探る日本勢。
 日本の電機産業は携帯電話の米アップル、液晶テレビや半導体は韓国サムスン電子に敗れた。
 今後の成長の原動力となる事業どう育てるか。それではどこへ向かうべきか。 
 川上の研究開発・設計から川中の組み立て、川下のサービスまでそれぞれに勝ち組が並ぶ。

 例えば携帯電話の半導体では最上流の設計に特化する英アームの営業利益率は2015年度で5割強と付加価値大。
 アームの設定使ってチップに仕上げる米クアルコムの利益率も3割に近い。
 製品組み立てでは台湾鴻海精密工業が売上高15兆円と巨大化。
 川下では米IBMが人工知能(AI)「ワトソン」基盤に新たなサービスを展開。
 米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスはIoT(モノのインターネット)技術活用し
 航空機エンジンや医療機器の稼働効率高めるサービス展開するなど「製造業のサービス化」も顕著。

・ニッポンの電機逆襲、勝敗のカギは「位置取り」
 かたや日本勢。電機の「新御三家」比較的いい位置取り。
 キーエンス <6861> [終値69020円]顧客ニーズの先を読む開発力が付加価値の源泉。
 村田製作所 <6981> [終値12340円]電子部品でサムスンの追随かわすほど技術力磨く。
 三菱電機 <6503> [終値1296.5円]は事業の取捨選択にいち早く取り組み、IoTに焦点合わせる。

 日立 <6501> [終値491.6円]はサービシシフト打ち出すが、インフラ事業の成長性がなお見えにくい。
 ソニー <6758> [終値3072.0円]も画像センサーは強いが、デバイスで付加価値生んでいくのかまだ揺らぐ。

・ニッポンの電機逆襲、勝敗のカギは「位置取り」
 次の焦点は自動運転など自動車向けの位置取り。
 どの企業がデファクトスタンダード(事実上の標準)を握るかがカギ。
 ルネサスエレク <6723> [終値629円]車体やエンジンなどの制御用マイコンに強いが、
 自動運転車やインターネット常時接続する「コネクテッドカー」向け半導体で主導権握っているとはいいがたい。
 オランダNXPセミコンダクターズは買収でルネサスを追い越して車載マイコン世界首位に。位置取り合戦は激しい。

 位置取りさえしっかりとれば、必ずしも規模は問わない。
 抵抗溶接機OBARAGROUP <6877> [終値4070円]売上利益率20%超。
 シュア首位の製品もち、研究開発力が付加価値生む。
 マブチモーター <6592> [終値5100円]車載向けへの転身で復活。
 「家電向けはコスト競争だったが、車載は信頼性にお金を払ってもらえる」といい、営業利益率も16%と高い。

・ニッポンの電機逆襲、勝敗のカギは「位置取り」
 村田製作所 <6981> [終値12340円]革新力が生む高収益。得意分野に特化、開発期間短縮。
 2016年3月期連結営業利益が前の期比28%増、2754億円と4年で約6倍に拡大。
 市場推計では売上高の7〜8割を世界シェア首位の製品が占め、高い価格支配力維持。
 スマートフォン(スマホ)向けの電子部品など製品のライフサイクルが短い分野で、常に先端的な製品投入。
 その「革新力」が高収益を生んでいる。同社の潜在的な成長力に期待する声がもっぱらと。

・ニッポンの電機逆襲、勝敗のカギは「位置取り」
 キーエンス <6861> [終値69020円]「課題解決策」売る。強い営業と企画力、需要堀り起こす。
 2016年3月期を12カ月ベースに換算すると連結売上高は実質14%増、3792億円、純利益は同13%増、1371億円。
 いずれも過去最高水準となる。特に稼ぐ力示す売上高営業利益率は53%と
 業界平均の1〜2割超、ファナック <6954> [終値16180円]の35%(前期)も上回る。
 顧客の製造現場に深く入り込む営業部隊と、潜在需要具体化する製品企画力が高収益実現。
 15年6月時点平均年収は1600万円。高い報酬が優秀な人材引き付ける。
 今後も成長の局面続きそう。全世界で自動化ニーズ高まる。
 海外の直販体制支える現地営業マンの採用進め、地場メーカーへの売り込みを強化する。

・ニッポンの電機逆襲、勝敗のカギは「位置取り」
 三菱電機 <6503> [終値1296.5円]IoTの覇者目指す。FA機器、顧客特化型で欧米勢と差別化。
 工場の高度化に必要な機器や技術の大半を自前で抱えていること。
 IoTに必要な製品を網羅するだけでなく、各機器でトップないしは上位シェア握る。
 三菱電は顧客企業の生産現場寄りの「特化型」。
 「導入のしやすさや対応の早さなど顧客の要求に徹底して応じてシーメンスなどtrと差別化する。」考え。
 IoT分野では5月末時点で富士通 <6702> [終値418.0円]NEC <6701> [終値251円]米IBMなど約320社と提携。
 顧客の要望によっては国内外の工場や物流センター、本社間をクラウドでつなぐことで
 海外勢のような「一体型」も提供できる体制に。
 株式市場では「日本企業ではIoTの勝ち組に一番近い。約14倍のPER(株価収益率)は割安感がある」との声。

・ニッポンの電機逆襲、電機時価総額ランキング。

 1位(15年末13位)キーエンス <6861> [終値69020円]時価総額4兆1965億円 2005年末比伸び率2.7倍
 2位(1)キヤノン <7751> [終値3117.0円]4兆1573億円 ▲32.2% 
 3位(3)ソニー <6758> [終値3072.0円]3兆8785億円 ▲19.6%
 4位(5)ファナック <6954> [終値16180円]3兆3321億円 39.0%
 5位(9)三菱電機 <6503> [終値1296.5円]2兆7838億円 55.3%
 6位(10)村田製作所 <6981> [終値12340円]2兆7798億円 63.2%
 7位(16)日本電産 <6594> [終値8146円]2兆4287億円 68.8%
 8位(4)日立 <6501> [終値491.6円]2兆3761億円 ▲11.3%
 9位(2)パナソニック <6752> [終値964.5円]2兆3660億円 ▲57.6%
 10位(11)京セラ <6971> [終値5243円]1兆9799億円 20.3%

・ニッポンの電機逆襲、「ジャパンストライクゾーン」見極めよ。
 強み生かす時間軸・規模軸カギ。
 特に電機メーカーの適性領域は時間軸が「5〜10年」、規模軸が「1000〜数千万個」(ジャパンストライク)。

 昨年10/1、東京証券取引所が業種区分を「電気機器」に変更した老舗企業日清紡HD <3105> [終値1083円]
 この業種変更は時間の問題とも言われていた。同社の連結売上高(約5300億円)、
 ここ数年は4割を無線機、日本無線 <6751> [終値274円]などエレクトロニクス製品が稼ぐ。
 次に3割を占めるのが自動車関連(特にブレーキ)。祖業のお繊維は全体の約1割。
 「日本の得意な時間軸と規模軸で横串を指しつつ、様々な業種に事業広げていく経営の手法が日清紡」と。

 電機新御三家の中で三菱電機 <6503> [終値1296.5円]が「ジャパンストライク」にすっぽり収まる。
 一方、日立 <6501> [終値491.6円]は原子力や火力、あるいは注目される鉄道などで時間軸が20〜40年と長い。
 東芝 <6502> [終値271.6円]も原子力が長い他、
 半導体メモリーのNAND型フラッシュメモリーで逆に時間軸が半年〜1年と日本企業としては短すぎる可能性がある。
 電機メーカーにとってはまさにジャパンストライクゾーンを徹底して突き詰めるときが今なのだろう。

・ニッポンの電機逆襲、新御三家を追う企業は・・・

 ソニー <6758> [終値3072.0円]復活鮮明。スマホ用堅調、車向けの注力。
 世界シェア首位CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーが収益を底上げしており、
 「デバイスメーカー」としての様相強まった。
 2014年にルネサスエレク <6723> [終値629円]の山形工場、
 今年3月に東芝 <6502> [終値271.6円]の大分工場も買収、能力増強進める。 

 デンソー <6902> [終値4124円]カーエアコンなど自動車の電装品から始まった事業領域は
 センサーや電子制御ユニット、無人飛行機(ドローン)にまで広がる。
 時価総額は約3兆6000億円と
 2兆4000億円程度の日立 <6501> [終値491.6円]やパナソニック <6752> [終値964.5円]をしのぐ。
 自動運転に対応した技術を開発する体制を急ピッチで整えており、自動運転でライバル各社を迎え撃つ。

・外国為替市場では先週、円買い・ドル売り膨らみ、円相場は3日には1ドル106円半ばまで急騰。
 5月の米雇用統計が予想外の低調ぶりだったため。
 市場には14〜15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切るとの観測も、
 結果受けて揺らいでいる。
 日本株への影響も懸念。
 国内企業の多くは想定為替レートを1ドル110円程度に設定、106円台に突入したことで業績不安広がりそう。
 「海外投資家の売り圧力が強まり、当面の日経平均株価は1万6000円巡る攻防」との声も。

・「優待利回り」脚光、権利取り活発。12月期決算企業の中間配当の権利付き最終売買日(27日)。
 「例年以上に優待狙いの買いが目立つ」。6月末に優待のある銘柄には株価堅調な企業目立つ。

 配当と優待合わせた利回りに関心集まる。

 スタジオ・アリス <2305> [終値2707円]
 優待内容株数に応じ1万1000円相当の写真撮影券 優待利回り4.06% 配当+優待利回り5.90%

 チムニー <3178> [終値3015円]株数に応じ食事優待券 4.15% 4.91%

 GMOインターネット <9449> [終値1298円]年2回、2000円相当のギフト券。
 系列証券の売買手数料キャッシュバック。3.08% 4.62%

 すかいらーく <3197> [終値1300円]年2回、株数に応じた金額の食事券 1.54% 4.46%

 ヤマハ発 <7272> [終値1840円]6月末自社カレンダー 0.54% 4.34%

 マクドナルド <2702> [終値2941円]株数に応じ6枚つづりの優待券シート 2.90% 3.93%

 JT <2914> [終値4434円]自社製品 0.45% 3.33%

 アース製薬 <4985> [終値4910円]防虫剤など自社製品 0.81% 3.15%

 ALサービス <3085> [終値3370円]「かつや」食事券 1.31% 2.05%

 ブロンコビリー <3091> [終値3035円]食事券か魚沼産コシヒカリ 0.99% 1.71%

 カゴメ <2811> [終値2798円]野菜ジュースなど自社商品 0.71% 1.49%
 
 ロイヤルHD <8179> [終値2080円]「ロイヤルソフト」などで使える食事券 0.48% 1.44%

・年央の利上げ目指してきた米連邦準備理事会(FRB)が戦略の修正迫られている。
 3日発表5月の米雇用統計が市場予想大きく下回る予想外の展開、利上げ観測が大きく後退。
 14〜15日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げは困難な情勢となり、
 今後の利上げ戦略練り直す必要がでてきた。

・会社がわかる 特集ヤマトHD <9064> [終値2211.5円]次の成長に向けてシフトチェンジ。
 けん引役は物流拠点で顧客から請け負った加工・修理作業も手掛ける法人向けビジネス。
 主力の「宅急便」は電子商取引(EC)拡大で単価が下がる「豊作貧乏」に陥り、経常最高益は10年間更新できず。
 
・日経平均株価が1万7000円台から遠ざかりつつある。
 先週は今年初の5連騰fで1万7200円台に乗せたがその後の2日間で672円下げ、1万6000円台に再び戻った。
 国内外の重要イベント巡る不透明感背景に、短期筋が急な下げ演出。
 相場全体の上昇が見込めない中、投資家は配当利回りに加え、成長力にも目を向け始めている。
 短期筋の動きは空売り比率に表れている。2日には42.9%と過去3番目の水準にまで上昇した。
 直近の業種別の空売り比率で最も高いのが電気・ガス業の51.3%、海運と非鉄の51.1%が続く。
 資源価格や新興国景気、為替相場などの外部要因に左右され安い業種。
 株価の予想変動率示す日経平均ボラティリティー・インデックスもやや上昇。
 背景にあるのは重要イベントへの警戒感。
 最大は14〜15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、3日米雇用統計受け、利上げ観測は遠のいた。
 投機筋の円売り圧力は弱まっており、6月の米利上げが見送られれば円高が進みやすいとも。
 もう一つは英国の欧州連合(EU)離脱決める23日の国民投票。
 外部イベントに左右されない業種重視の流れが一層強まりそう。

・金の国際価格が神経質な動きに。
 ニューヨーク市場の先物価格は米国の早期利上げ観測が強まった5月末に約3カ月ぶりの安値となる
 1トロイオンス1210ドル前後まで下げていたが、5月の米雇用指標の弱さ受け1240ドル台に急反発。
 当面の焦点は、FRBイエレン議長の週明けの講演。

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万6000円割れを意識した攻防に。
 米雇用統計が予想外に弱い結果となり、為替相場の円高・ドル安受けシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)では
 日経平均先物6月物(円建て)の清算値が1万6300円台と大阪取引所の日中取引清算値を300円以上下回った。
 東京市場も週明けは売り優勢で始まるとみられる。
 雇用統計を受けて米株の下げ幅は限定的も「日本株にとっては厳しい環境になってきた」とも。
 2017年3月期の想定レートを1ドル110円とする輸出企業が多く、
 円高による業績圧迫への懸念が広まりかねないため。
 来週は米国の米連邦公開市場委員会(FOMC)、日本は日銀金融政策決定会合と重要イベントが多い。
 売買が手控えられる要因となる一方、「日銀プレー」への期待もある。
 23日には英国の欧州連合(EU)離脱問う国民投票も控える。
 6/10は株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出日。
 相場の地合いに目を凝らしつつ、翌週以降の波乱に備える1週間になりそう。

・Wall Street:今週の米株式相場は早期の利上げ観測の後退が下支えしそう。
 市場では米連邦準備理事会(FRB)は6月だけでなく7月の利上げを難しくなったとの見方が急速に強まっている。
 今週週初6日にイエレンFRB議長の講演。発言がまず注目。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち13指数が上昇。

上位1位中国週間騰落率4.17% 2位ブラジル3.20% 3位ベトナム2.26% 4位香港1.80% 5位タイ1.68%
下位25位イタリア▲3.80% 24位ポーランド▲2.49% 23位フランス▲2.06% 18位日本▲1.14% 21位米国▲0.37%

・盟主なき原油相場。検証、価格シナリオ 石油輸出機構(OPEC)総会、再び合意なし。
 シナリオ1(60%):年内、50ドル前後で推移。需給ギャップ改善も上値重く。
 シナリオ2(25%):35ドルまで下落。中国減速・米利上げ懸念。
 シナリオ3(15%):60ドル台乗せ。燃え上がる地政学リスク。

(日経ヴェリタス)

———————————————————————–

株式会社アスリーム
INTERNET MEDIA OF INVESTMENT NEWS             
  〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2-14-5      

URL : http://koronoasa.com/
———————————————————————–

記事の続きはコロ朝プレミアムで!

コロ朝プレミアム入会はこちらから