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トランプという現実


2017年1月22日(日)はれ
・トランプという現実。政権始動、「米国第一」の光と影。
世紀の瞬間、にわかに小雨が降り始めた。トランプ大統領の誕生という「まさか」はついに現実に。
約2カ月前の大統領選後、市場は浮かれた。
米ダウ工業30種平均は2万ドルに迫り、1ドル118円台までドル高が進行、米長期金利は2.6%まで上昇した。
トランプ氏の目標通り「年4%成長」を遂げれば、問題なく世界経済を力強くけん引する。
だが、年明けからトランプ相場は一服。米国株は2万ドルを前に足踏み続け、ドルは一時112円台まで売られた。

・トランプという現実。政権始動、「米国第一」の光と影。
市場はトランプ氏の政策の負の側面を警戒。「米国第一」の影にあるのは、強烈な保護主義。
「環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱、北米自由貿易協定(NAFTA)は再交渉」。
就任演説直後に示した6つの施政方針の1つに自由貿易体制の見直し掲げた。
その矛先は米国にとって最大の対貿易赤字国である中国にも向かう。

・トランプという現実。政権始動、「米国第一」の光と影。
「国境税」にも注目集まる。関税の強化策唱えてきたトランプ氏と歩調合せ、米議会共和党は法人税の「国境調整」の議論始めた。
輸入企業にメリット与えて、国内生産を増やしやすくする。
「市場の最大のリスクは保護主義」。バンクオブアメリカ・メリルリンチ1月実施、
ファンドマネージャー向けアンケート調査で、29%がこう答え、欧州連合(EU)の分裂や中国情勢の悪化などしのぎトップに。
国際通貨基金(IMF)も「内向きの政策と保護主義は経済を下振れさせるリスクがある」と警鐘ならす。

・トランプという現実。政権始動、「米国第一」の光と影。
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)19日セッションで、著名投資家ジョージ・ソロス氏は「トランプ氏は失敗する」と。
光と影が入り交じる新政権の政策や評価。だが肝心な中身や詳細が出てくるのはこれから。

・トランプという現実。政権始動、「米国第一」の光と影。
注目は2月上旬にも示される大統領予算教書。トランプ氏が予算案の大方針を示す。
日本にとって気がかりなのがドル高への姿勢。
17日掲載米紙インタビューで「(ドル高は)我々に激しい打撃を与えている」と発言。
一方、財務長官に指名されたムニューチン氏は「長期的には強いドルが重要」と述べ、早くも政権内で意見の不一致露呈。
新政権の評価見極めるときがやってくる。

・トランプという現実。改革公約、問われる実行。
「buy American,hire American(米国製品を買い、米国人を雇う)」。
トランプ新大統領は就任演説で経済政策の基本ルールを示し、攻撃の矛先を貿易に向けた。
米大統領は通商政策で大きな権限を持つ。
施政方針では選挙公約通り、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉掲げた。
関税の時期上げは、日本企業の打撃も大きい。メキシコには自動車産業中心に950社程度進出する。
住友電工 <5802> [終値1670.5円]では、「関税が1%引き上げられると、1%の営業減益要因」との分析も。
トヨタ <7203> [終値6801円]カナダ工場で売れ筋の多目的スポーツ車(SUV)「RAV4」を生産・輸出する。
日本企業は清算場所やサプライチェーン(調達網)見直す必要が出る可能性も。
米国のTPPからの撤退は、日本にとって大きな機会損失。

・トランプという現実。今後の政治日程。
1/20 トランプ大統領就任 2/6 ? 大統領予算教書提出 3月 上下両院の予算委員会が決議案作成
3/15 債務上限引き上げ期限 4/15まで 本会議で予算決議案を決議 4月 米財務省が為替報告書提出
4月末 「最初の100日」が終わり 5月以降 財務調整法や歳出法案など審議 10/1 2018年度予算開始

・トランプという現実。
トランプ米政権の目玉政策の1つ、法人税改革巡って早くも不透明感が浮上。
大型減税掲げて財政面からの景気刺激狙うトランプ大統領に対し、共和党主流派はあくまで財政規律重視したい考え。
2つの税制改革案の差異は政策思想の根本的な食い違いによるもの。
市場では税制改革の議論が17年内にまとまらないリスクさえ意識し始めた。

・トランプという現実。インフラ投資1兆ドル、財源は民間頼み。
「We will build new roads, and highways, and briges, and aurpirts, and tunnels, and railways
(我々は新たな道路、高速道路、橋、空港、トンネル、鉄道を建設する)」。
様々な公共インフラ列挙、投資拡大強調。
トランプ氏10年間で1兆ドル(約115兆円)の公共インフラ投資は国内総生産(GDP)の0.5%に相当、
金額では過去最大級の規模とみられる。
トランプ氏が新たにGDPの0.5%を追加投資する意義は大きい。
東京市場でも三菱マテリアル <5711> [終値3825円]コマツ <6301> [終値2755.5円]など恩恵受けそう。

財源は民間の投資に頼る。
民間主導の投資だと、投資を回収できるような通行料徴収できる都市部の道路の新設などなら投資するが、
既存の道路の修復といった事業にはお金が回らず。収益性の高い事業にばかり投資集中する弊害も起きかねず。
共和党もインフラ投資に後ろ向き。そもそも、インフラ投資は、クリントン候補が掲げた2750億ドルの投資の大綱案として出てきた。
一方、6つの施政方針にはエネルギー開発が1つの柱として入った。
環境問題で認可下りていないカナダとメキシコ湾繋ぐパイプライン「キーストンXL」は、直ちに認める見通し。
開発促進期待感から、20日の米株式市場ではエネルギー関連株が買われた。

・トランプという現実。米景気、足もとでは堅調。
トランプ氏大統領の就任機に、米経済は金融危機後の低成長打破できるか。
それは新政権が議会との調整など早期に進め、
2017年後半以降、大型減税やインフラ投資、規制緩和などを着実に実現できるかどうかにかかる。
2016年7-9月期実質成長率は前期比年率で3.5%増と、2%弱とされる潜在成長率を大きく上回る高成長示した。
米経済の成長は加速しつつあり、トランプ氏がよほどの失策をしない限り、当面は堅調。
だが、任期中に4%成長への道筋をつけるとなると、話は別。勇ましい言葉を並べるだけでは、到達達成できない。

・トランプという現実。
最も経済政策にたけた米大統領は誰か。
第2次世界大戦後、12人対象に、株価騰落率からランキング。
1位クリントン氏(民主党)ダウ工業株30種平均3.4倍(株価騰落率240%)経済成長率35%
2位ロナルド・レーガン氏(共和党)2.3倍(132%)33%
3位ドワイド・アイゼンハワー氏(共和党)2.1倍(116%)28%
4位バラク・オバマ氏(民主党)69% 12% 5位ハリー・トルーマン氏(民主党)52% 22%
10位ジョージ・W・ブッシュ氏(共和党)▲1% 18% 11位ジミー・カーター氏▲4% 12%
12位リチャード・ニクソン氏(共和党)▲20% 18%
ニクソン氏は2期目の途中、カーター氏は1期で退陣。

・先週のドル円相場は上下に3円動き、日経平均株価の高値と安値の差は600円超。
市場の視点は米国トランプ新大統領の政策への期待から見極めにシフト。
英国の欧州連合(EU)離脱への不安に加え、トランプ氏が「ドルは強すぎる」と発言、円高・株安につながった。
米連邦準備理事会(FRB)イエレン議長は18日講演で
「2019年末まで年2~3回の利上げ続ける」との見通し示し、米長期金利は2.5%に迫った。

・2016年4-12月期決算発表が今週、本格化。昨年11月からの「トランプ相場」で円安・ドル高が進み、商品市況も上向く。
輸出企業に一転追い風が吹き、石油や商社など資源関連企業も恩恵受けており、
上場企業の16年10-12月期は最終増益に転じるとの見方もある。
17年3月期通期の上方修正の期待は強いが、慎重な予想になる可能性も。
決算発表社数のピークは2/10と。判明している限り約480社が予定。
今週は23日に安川電 <6506> [終値1971円]24日日本電産 <6594> [終値10780円]が決算発表。

・主要企業の決算発表日とテーマ

円安が追い風:日立 <6501> [終値658.6円]2/1 マツダ <7261> [終値1813.0円]2/2
トヨタ <7203> [終値6801円]2/6 日産自 <7201> [終値1150.5円]2/9

原油・金属資源高で恩恵:三菱商事 <8058> [終値2557.5円]2/2 DOWA <5715> [終値228円]2/6
JX <5020> [終値525.0円]2/7 三井物産 <8031> [終値1649.0円]2/8

ブレグジットの影響:日立キャピタル <8586> [終値2885円]1/27 富士通 <6702> [終値684.9円]1/31
板硝子 <5202> [終値905円]2/2 電通 <4324> [終値5400円]2/14

・信越化 <4063> [終値9655円]株価上昇。18日に約9年半ぶりとなる上場来安値更新。
昨年11/9から今年1/20までの上昇率は29%と日経平均株価(18%)上回る。
原動力は主力事業の1つ半導体ウエハーの値上げ。
今後の焦点は、信越化がいつウエハーの増産投資に踏み切るかだ。
ウエハー各社は今後も需給ひっ迫が続けば供給責任果たすため、新工場建設に乗り出すとみられる。
信越化は8000億円超える手元資金を持ち、財務体質が最も健全。

・発掘実力企業:連続増配(10)セントケア・HD <2374> [終値1670円]関東中心に介護サービス展開する。
高齢化による需要増追い風に、2017年3月期純利益は前期比21%増の10億円と、過去最高更新する見通し。
配当年35円(うち5円は記念配、前期は28円配)と、9期連続増配する方針。
同社の主力事業は、職員が利用者の自宅に訪れて食事などの支援する訪問系サービス。
今期は21カ所の複合介護サービス拠点を新設する。人材確保にも注力。
今期から100株保有につき、1000円分のQUOカード贈呈。

・注目企業ここが知りたい デジタルガレージ <4819> [終値2016円]「第2のカカクコム <2371> [終値1970円]」どう育てる。
ブロックチェーン技術への投資に賭ける。
ツイッターはDガレージが投資に成功した典型例。
米ベンチャー、ブロックストリーム(カリフォルニア州)、企業などがブロックチェーン利用するインフラ提供目指す企業。
昨年2月、他のベンチャーキャピタル2社と共に60億円出資。
Dガレージは出資先の弁護士ドットコム <6027> [終値725円]との連携など通じ、日本進出支援する考え。
企業評価額10億ドル(約1150億円)超の通称「ユニコーン」に育つ可能性も。

国内でも布石打つ。昨年7月、カカクコムとクレディセゾン <8253> [終値2076円]が共同で
新技術の開発進める研究組織「DG Lab」設立。
ブロックチェーンと人工知能(AI)、バイオテクノロジー、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)、
セキュリティーの5つを重点分野として興味を持つ企業にオープンに参加呼びかけつつ、関連するベンチャー企業への投資うかがう。

・円安になれば輸出企業は為替差益で潤い、企業業績が上向いて株価が上がる。
こうした円相場と日経平均株価の連動性が、足もとで急速に高まっている。
今後も連動性の高い相場展開が続くとみられる。
トランプ相場が始まった昨年11/8以降をみると3つのキーワードが浮かび上がる。

1つ目は「輸出企業」。トヨタ <7203> [終値6801円]富士重工 <7270> [終値4817円]の株価と円の連動が強い。
トヨタは1円の円安進行が約400億円の営業増益要因となる。
村田製作所 <6981> [終値15095円]デンソー <6902> [終値5040円]などトランプ相場で日本株のけん引役に。

2つ目は「インバウンド関連」。三越伊勢丹HD <3099> [終値1335円]高島屋 <8233> [終値987円]が連動性の上位に入る。

3つ目は「不動産・鉄道関連」。三井不動産 <8801> [終値2646.5円]NR東日本 <9020> [終値10410円]など。

・OUT Look:今週(23~27日)の株式相場、日経平均株価は上昇か。1万8800~1万9500円程度で推移。
市場が注目する一大イベントの20日のドナルド・トランプ氏の第45回米大統領就任式は大きな波乱なく終了。
様子見姿勢を強めていた投資家の間にひとまず買い安心感が広がりそう。
米景気回復に加え、国内外で本格化する決算発表も株価の押し上げ要因となる。
就任式では「特定の国を攻撃するなどの過激発言はなく、無事に通過したことで戻りを試す展開となるだろう」
(三菱UFJモルガン・スタンレー藤戸則弘投資情報部長)。
日米の決算発表も支えに。芸国では前週発表された金融機関などの決算が好調だった。
今週はJ&J、インテル、マイクロソフト、フォード・モーターなどグローバル企業の決算が相次ぐ。
日本でも3月期企業の16年4-12月期決算の発表が本格化。
日本電産 <6594> [終値10780円]アドバンテスト <6857> [終値2018円]信越化 <4063> [終値9655円]など決算発表予定。

・Wall Street:今週の米株式相場は、再び上値を追う展開になりそう。
20日トランプ氏の大統領就任式当日のスピーチは政策の内容に対する具体策や目新しさに欠け、
市場の焦点はひとまず2016年10-12月期決算の内容に移った。
今週も前週末の地合いを引き継ぎ、ダウ平均は再び2万ドルの大台目指すとみられる。
24日ジョンソン・エンド・ジョンソン、25日ボーイング、26日アルファベット、キャタピラーなど重要企業の決算相次ぐ。
経済指標では27日、16年10-12月期国内総生産(GDP)速報値にも注目集まる。
トランプ氏の言動により、市場が振れやすい状況は今後も続く。

・ランキング:2月期決算企業対象に、通期予想で見た売上高営業利益率の改善度合いランキング

1位ローツェ <6323> [終値2196円]営業利益率改善度4.42ポイント

2位フロイント産業 <6312> [終値1509円]2.43 ジェネリック向け機器好調。

3位東宝 <9602> [終値3245円]2.34 4位TOKYOBASE <3415> [終値3160円]2.16

5位西松屋チェーン <7545> [終値1392円]1.72 好採算な プライベートブランド(PB 自主企画)伸びる。

8位セントラル警備保障 <9740> [終値1980円]1.41 買収した警備会社の収益寄与

12位久光製薬 <4530> [終値5990円]0.93 米子会社の販促費など削減。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち6指数が上昇。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が米利上げぺースの加速示唆、米長期金利が再び上昇基調となった。
これを受け、新興国市場の一部で資金流出の懸念が台頭、株価の重荷になった。

上位1位トルコ週間騰落率1.89% 2位ブラジル1.37% 3位中国0.33% 4位メキシコ0.32% 5位ベトナム0.18%
下位25位スイス▲2.09% 24位英国▲1.90% 23位ロシア▲1.66% 19位日本▲0.77% 10位米国▲0.29%

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