
VS.アマゾン
- 2017年10月01日
- 日経ヴェリタス
2017年10月1日(日)晴れ
・VS.アマゾン 迎え撃つニッポン流通業
ドイツ、日本、英国、米アマゾン・ドット・コムの売り上げの4分の1を稼ぐ3国で、
生鮮品の宅配「アマゾン・フレッシュ」が静かに始まる。
スーパー優位が揺らがないはずの存在感が増している。
米英で電子商取引(EC)の3割占める巨人は、百貨店などリアルの小売業をなぎ倒し、
消費者の買い物だけでなく、動画や音楽を楽しむ「生活を丸ごと」呑み込もうとしている。
・VS.アマゾン 迎え撃つニッポン流通業
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると2016年、
アマゾンは日本のECシェアの20.2%おさえ、楽天 <4755> [終値1227.0円]20.1%を逆転。
現在15兆円強のECの規模は「22年度には26兆円に拡大する」(野村総合研究所)。
ファーストリテイリング <9983> [終値33190円]柳井正会長兼社長はECを「世界最大の倉庫を持つビジネス」と呼ぶ。
ネットとリアルの店舗が「相互に補完するのが一番良い」と話す。
日本のECの比率はようやく5%を超えたところ。
アマゾンは北米で稼いだカネを人工知能(AI)やデータセンター、日本など海外への投資につぎ込んでくる。
・前週の外国為替市場で円相場は1ドル113円台前半と2か月半ぶりの安値になるも、ほどなく円高方向に戻す。
円安一服を受け、前週の日経平均株価は週前半は解散総選挙で盛り上がったが、週間で59円(0.3%)高と上げ幅は限定的。
トランプ米大統領の税制改革案は連邦法人税率を現行の35%から20%に引き下げる内容。
ただ遺産税(相続税)の廃止も盛り込み、富裕層の優遇に反対する野党・民主党の同意を得るのは難しいとみられる。
「財源など越えなければならないハードルは多い。」との指摘は多い。
円安・ドル高は続かず、持ち高調整の円買い・ドル売りが優勢となった。
もっとも米税制改革は中長期的に米景気回復の追い風になるとの声もある。
具体的な議論が進めば、米経済への好影響を意識する投資家が増える可能性も。
米追加利上げ観測も高まっている。
株式市場では「好業績と米景気の回復で日本株は堅調な推移が続く」との強気な見方は多い。
北朝鮮リスクはくすぶるが、再び株高の方向に振れるとの期待は高い。
・VS.アマゾン 日の丸EC圏、真っ向勝負。対策は待ったなし。
のべ4000万人が使うサイトのビッグデータをネット通販に使い始めたヤフー <4689> [終値534円]。
小沢隆生執行役員は「転換率が2倍に上がった」と。
転換率とは、通販サイトを訪れた人のうち、実際に品物を購入した人の割合を指す。
ビッグデータを基に商品を薦めるなど設計を変えたところ、3年前比購入割合が2倍に高まった。
もう一つの切り札は親会社ソフトバンクグループ <9984> [終値9084円]の協力。
2月からソフトバンクのスマホ利用者がヤフーのECを利用すればTポイントを10倍付けるようにした。
2017年4-6月期のECの取扱高は1398億円と前年同期比で4割増。
ヤフーのECシェアは9%とアマゾン・ドット・コム、楽天 <4755> [終値1227.0円]に続く3位に甘んじる。
「19年度には取扱高で首位を取る」と強気。
・VS.アマゾン 日の丸EC圏、真っ向勝負。対策は待ったなし。
ネット通販「楽天市場」を中心にECの取扱高を3兆円まで高めた楽天 <4755> [終値1227.0円]は、
膨張するアマゾンの圧力に常にさらされてきた。
三木谷浩史会長兼社長は「楽天経済圏」の別の価値を探っている。
三木谷社長が重視するのは「ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)」という考え方。
1人の顧客がサービスを解約するまでどれだけ利用したかを示す。
今後は「楽天スーパーポイント」軸に、旅行予約やネット銀行の住宅ローンといったサービスを使ってもらい、
グループ全体の収益につなげていく。
・VS.アマゾン 日の丸EC圏、真っ向勝負。対策は待ったなし。
国内最大のファッション通販サイト「ゾゾタウン」運営するスタートトゥデイ <3092> [終値3565円]
2018年3月期まで3年連続で年率3割強の増収増益を目指す。
時価総額は1兆1100億円とローソン <2651> [終値7450円]を超え、
高島屋 <8233> [終値1054円]と三越伊勢丹HD <3099> [終値1175円]を合わせた額よりも大きい。
そのスタートトゥデイもアマゾン対策に余念がない。
今期中には自社で企画・製造するプライベートブランド(PB)の販売始める方針。
・VS.アマゾン 日の丸EC圏、真っ向勝負。対策は待ったなし。
交通網と宅配ネットワークが発達した日本では、EC勢もネット販売強化し始めたリアルの国内流通業も、
同じ人手不足の壁にぶつかっており、解は見つかっていない。
世界で急拡大するECで覇権を握るアマゾンは投資家の期待を一身に集め、時価総額は売上高の3ッ倍を超えた。
かたや日本勢はセブン&アイHD <3382> [終値4345円]の時価総額は売り上げの7割、
イオン <8267> [終値1662.5円]は2割弱にとどまる。
顧客の流出を食い止め、アマゾンに対抗できる事業モデルを作り上げることが出来れば、
市場の国内流通業への評価が変わる局面が訪れるかもしれない。
・VS.アマゾン 日の丸EC圏、真っ向勝負。対策は待ったなし。
7月上旬、セブン&アイHD <3382> [終値4345円]とネット通販事業で業務提携したアスクル <2678> [終値3170円]、
岩田彰一郎社長はアマゾンへの対抗意識にじませた。
主婦層や働く女性向けに加工食品や日用品に強みのあるネット通販「ロハコ」運営するアスクル。
累計利用者は300万人を超え、強固な顧客基盤を持つ。
このロハコに「セブンプレミアム」やカット野菜、加工肉、魚の切り身などを供給する。サービス開始は11月下旬。
食料品は書籍、家電、衣料品と異なり、買い物の頻度が極めて高い。消費者との太いパイプも築ける。
・VS.アマゾン 日の丸EC圏、真っ向勝負。対策は待ったなし。
「これは流通革命ではない。あらゆるモノが変わる革命だ」。
ファーストリテイリング <9983> [終値33190円]柳井正会長兼社長が目指しているのが、
消費者が自分仕様の福をネットで注文し、翌日受け取れるような仕組み。
「ユニクロの世界観を理解し、体験するには店舗は必要」。
店舗に行かないと味わえない雰囲気、価格や同質化競争に巻き込まれない独自商品こそがカギとなる。
ファストリだけでなく海外展開を積極化している良品計画 <7453> [終値33150円]が
投資のかさむ店舗による進出形態にこだわるのは「MUJI」 の世界観の体験に他ならない。
裏を返せば世界観を打ち出せない流通企業はアマゾンのようなネット通販に駆逐されても仕方のない存在ということに。
・VS.アマゾン 日の丸EC圏、真っ向勝負。対策は待ったなし。
「頑張らない(無理をしない)」経営で知られるケーズHD <8282> [終値2493円]。
全国に約500店ある店舗網は、自宅から自動車で30分の圏内に店がある計算になる。
同社はネット通販を手掛けているが、専用の物流センターは持たない。
注文主から最も近い店舗から配送し、過大な投資を避ける。ここでも頑張らない。
・VS.アマゾン 新興勢、狙うは大手のスキマ。家具や靴に「特化」、サイト運営の黒子も。
ECサイト運営、支援
ベガコーポ <3542> [終値1615円]家具をネット販売「LOWYA」予想PER 28.8倍
エニグモ <3665> [終値1112円]海外在住の出品者から海外ブランドを購入できる「バイマ」42.9倍
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://info.koronoasa.com/
越境EC支援
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://kabushiki.koronoasa.com/
低価格ファッション
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://kabushiki.koronoasa.com/
フリマアプリ
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/koroasamembers/
・衆院9/28に解散。市場のムードは解散観測が強まった前々週から様変わり。
野党が、小池百合子東京都知事が立ち上げた新党に合流し始め、
「与党勝利=政権安定・アベノミクス継続」の楽観論が吹き飛ぶ。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://info.koronoasa.com/
・注目企業ここが知りたい日本精工 <6471> [終値1517円]創業100周年の老舗ベアリング(軸受け)メーカー。
クルマの※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://kabushiki.koronoasa.com/
・衆院選にらみの市場、関連銘柄を物色。
幼児教育:幼児活動研 <2152> [終値1814円]15日比騰落率 21.7% 幼稚園などで体育指導
JPHD <2749> [終値391円]10.8% 子育て支援大手
りたりこ <6187> [終値1676円]7.4% 発達障害の子どもに学習支援
学習塾:京進 <4735> [終値1034円]46.1% 京都・滋賀地盤の学習塾
早稲田アカ <4718> [終値1716円]11.2% 難関校進学塾
明光ネット <4668> [終値1595円]7.7% 個別指導塾
ベネッセHD <9783> [終値4060円]5.1% 通信教育大手
選挙関連:イムラ封筒 <3955> [終値592円]11.9% 選挙通知向け封筒
ムサシ <7521> [終値1997円]5.1% 投票用紙分類機器
電通 <4324> [終値4940円]5.0% 選挙関連広告
プラップJ <2449> [終値1622円]広報活動支援
電力:関西電力 <9503> [終値1439.5円]▲5.3% 高浜原発など稼働
中部電力 <9502> [終値1397.0円]▲1.3% 浜岡原発の再稼働目指す
日経平均株価 2.2%
・OUT Look:今週(2~6日)の株式相場、日経平均株価は2万0300円前後でもみ合う上値の重い展開になりそう。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/koroasamembers/
・Wall Street:今週の米株式相場は税制改革を巡る議論の一進一退を見極めつつ高値推移か。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://info.koronoasa.com/
・ランキング:2017年上期東証1部株価上昇率ランキング(時価総額50億円以上・金融・電力除く)3月末と9月末終値比較
ゲームやアパレルけん引。
1位ペッパーフード <3053> [終値4740円]株価上昇率431.7% 「いきなり!ステーキ」好調
2位enish <3667> [終値2198円]296.0% 3位石川製作所 <6208> [終値2957円]237.9%
4位トーセ <4728> [終値2331円]188.5% 「ドラクエ」開発、急騰の契機に。
16位KLab <3656> [終値1618円]118.6% ゲーム「キャプテン翼」で黒字化。
21位丸和運輸 <9090> [終値2634円]105.8% ヤマト値上げで顧客流入。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち12指数が上昇。
新興国では通貨安懸念が再燃して、株価を押し下げた。
上位1位ドイツ週間騰落率1.88% 2位ロシア1.20% 3位フランス0.92% 4位タイ0.85% 7位日本0.29% 8位米国0.25%
下位25位インド▲2.00% 24位ブラジル▲1.45% 23位フィリピン▲1.33% 22位香港▲1.17% 21位トルコ▲1.17%
日経ヴェリタスを含め、日経新聞、日経産業新聞、日刊工業新聞
そして産経新聞を元証券マンの目でいいとこ取り!?
ディトレード・スイングトレードの種が満載。市場の噂も好評です。
忙しい朝の時間と手間の短縮と費用の縮小に『コロ朝プレミアム』
こちらをクリック http://info.koronoasa.com/
記事の続きはコロ朝プレミアムで!