
トランプインフレ
- 2018年06月10日
- 日経ヴェリタス
2018年6月10日(日)曇りのち雨 台風5号接近
・トランプインフレ ドル1強、新興国・南欧襲う
「インフレの前触れ」米国市場関係者がひそかに注目する指標が、
トラックの台数に対して、輸送街の貨物がどのくらいあるか示す「ロード・トゥ・トラック・レシオ」。
この数値が6月初め99.4を記録。1年前の40から急伸。
米国ではネット通販の急増背景にドライバー不足が深刻化。5月のスポット運賃は1年前比3割上昇、過去最高更新。
2008年世界金融危機から10年、いち早く景気回復局面に入った米国で物価が上昇し始めた。
トランプ米大統領の政策が物価指標を押し上げる「トランプインフレ」の姿透けて見える。
・トランプインフレ ドル1強、新興国・南欧襲う
トランプ米政権が鉄鋼とアルミニウムに追加関税課した結果、両製品の米国内価格は上昇。
6/1には欧州連合(EU)やカナダ、メキシコから輸入品にも追加関税発動。
企業が販売価格に転嫁すれば、消費者物価の上昇につながる。
大型減税・歳出拡大、対イランなど中東政策の変更が引き起こした原油高。
トランプ氏の政策はインフレ圧力を強めている。
米インフレ率の上昇が金利上昇招き、ドル高につながる。
このストーリーに短期筋反応。アルゼンチンやトルコが狙われた。
続いて南欧がイタリア政局の混乱をきっかけに売り込まれた。
・トランプインフレ ドル1強、新興国・南欧襲う
トランプインフレは「ドル1強」を生み、米国への資金還流促す。
5月の上場投資信託(ETF)の資金流出入額みると、米国株は263億ドル(約2兆9000億円)の資金流入超。
4月の6倍に拡大。半面、新興国からは40億ドル(約4300億円)の資金流出。
債券利回り上昇で株式の選別も進む。金融株が上昇する一方、配当利回りが高い電力などの公益事業株は下落。
米国発の物価上昇は世界の金融緩和環境が収束に近づいていることを示す。
投資家は以下に備えるべきか。
・トランプインフレ 忍び寄る米物価上昇
多くの物価指標は米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%に到達。
賃金上昇はなお鈍く、海運、小売業のインフレ局面と違い、じわじわと物価上昇が進むのが特徴。
物価上昇に伴う米金利高やドル高は新興国や南欧からマネーを流出させ、世界を動揺させた。
投資家や企業はトランプインフレの風圧に身構える必要がある。
・トランプインフレ 忍び寄る米物価上昇 FRBの利上げシナリオに影響
消費者物価指数(CPI)の総合が2.5%、コア(エネルギーと食品除く)が2.1%。
米連邦準備理事会(FRB)が目標の対象とする個人消費支出(PCE)物価指数の総合が2.0%、コアが1.8%。
FRBが掲げる「2%目標」に照らせば「3勝1敗」で目標達成。
FRB、賃金上昇による本格インフレの兆しを注視。
市場では賃金上昇率が3%台に達するかどうかが分岐点になるとの見方が浮上。
堅調な経済動向背景に、12~13日に開くFOMCでは、今年2回目となる追加利上げ決めるのは確実な情勢。
では今年1年の利上げ回数はFRBの標準シナリオである「3回」で終わるのか、「4回」に増えるのか。
FOMC後にはメンバーの新しい経済・金利見通しが公表される。
メンバー内では既に3回派と4回派が拮抗。
減税効果が出ている米経済が目先、崩れる可能性は小さく、4回派が主流になることが考えられる。
・トランプインフレ 忍び寄る米物価上昇 鉄鋼とアルミ規制、収益圧迫。
「コストプッシュ型インフレ」の懸念もくすぶる。
トランプ政権は3月、日本や中国など対象に輸入制限発動し、鉄に25%、アルミニウムに10%の追加関税をかけた。
すでに米国内の鉄鋼価格は年初から4割上昇。米産業界では、こうした流れに拍車がかかるとの懸念広がっている。
今回のガソリン高が消費には逆風。税制改革の個人減税が生む消費増効果の3分の1を打ち消すという試算もある。
貿易摩擦はもちろん、最近の原油高もトランプ政権のイラン核合意からの離脱表明が火をつけた。
米国自らがまいた「政治リスク」という火種が、米企業のコストを押し上げ、
好調な企業収益に水を差すという腐肉な構図が「トランプインフレ」の一面と。
・トランプインフレ マネー流出の動揺やまず
トルコ・アルゼンチン、通貨急落
米長期金利が4月下旬、約4年ぶりの3%台付けて以降、アルゼンチンペソは急落、対ドルで10%ほど下がる。
アルゼンチンは、国際通貨基金(IMF)への支援要請に追い込まれた。
国内総生産(GDP)比で5%近くに肥大化した経常赤字や、
約2300億ドル(約25兆円)に膨れ上がった対外債務が理由で狙われる。
24日に大統領選と国会総選挙控えて、バラマキ策で財政規律が悪化するトルコも市場の標的に。
通貨リラの対ドル相場は年初の1ドル=3.7リラ台から5月下旬には4.9リラ台まで急落。
リラ急落は、借入を外債に頼るトルコ企業を揺さぶる。
ブラジル、メキシコといった新興国の通貨にも下落圧力がかかっている。
金利を引き上げれば国内景気を冷やす恐れもある。
・トランプインフレ マネー流出の動揺やまず
イタリア政局混乱、市場に冷や水
トランプインフレの余波は欧州にも及ぶ。
イタリアの政局混乱きっかけに南欧の国債や株が売られ、金融市場に冷や水浴びせた。
米国への資金還流進む一方、リスクのある国・地域からマネーは容赦なく逃げていく。
市場はイタリアに神経質になる理由が2つ。
まず新政権への根強い不安。コンテ首相は5日の議会上院で所信表明演説で
「国民急進的な変革もたらす」と述べ、ポピュリズム(大衆迎合主義)批判を意に介さないと強調した。
一方、欧州中央銀行(ECB)のプラート専務理事は6日、資産買い入れを徐々に縮小するべきか、14日の次回理事会で判断。
強気発言はイタリア国債の買い手がしぼむリスクを想起させた。
連立政権の政策には大型減税や最低所得補償の導入、
全てを実現すれば、EUの財政健全化ルールに反するのは避けられない。
「自国第一」掲げるイタリア新政権がEUと対立するのは必至。
現時点で、新興国や南欧の動揺が世界に波及する兆しは乏しい。過去に比べて各国の財政状況なども改善している。
ただ動揺の連鎖が世界的な金融危機につながるリスクは警戒すべきと。
・トランプインフレ アクティブ投信なら長期成績、地域別リスクに分散を
米国発のインフレが波紋を広げる中、新興国に投資する上で何に注意するべきか。
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・ガバナンス総会本格始動 定款に仮想通貨関連を加える主な企業
アイフリーク <3845> [終値413円]「仮想通貨交換業」を追加
エイベックス <7860> [終値1511円]「仮想通貨交換業」など追加
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・年初来安値のマザーズ 好業績銘柄を物色。
東京株式市場で新興企業の株価がさえない。
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・インターネット上の仮想通貨ビットコインのドル建て価格が1ビットコイン=7500ドルを挟んだ動きに。
中長期的な値上がり期待が強い反面、
一部交換所が外部から大量のデータを送りつけられる攻撃を受けたのをきっかけに売りが増える場面もあった。
・OUT Look:今週(11~15日)の株式相場、日経平均株価は2万2500~2万3000円で推移する展開に。
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・Wall Street:今週の米株式相場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見ながらの神経質な展開か。
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・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち17指数が上昇。
上位1位ベトナム週間騰落率4.65% 2位米国2.77% 3位ポーランド2.73% 4位日本2.36% 5位メキシコ2.06%
下位25位ブラジル▲5.56% 24位イタリア▲3.41% 23位トルコ▲3.32% 22位ロシア▲1.84% 21位スイス▲1.24%
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