
貿易戦争は怖いか
- 2018年08月05日
- 日経ヴェリタス
2018年8月5日(日)晴れ
・貿易戦争は怖いか 関連70社調査「悪影響」7割の実態
上場企業の足元の魚積は好調。4-6月期決算(3日時点、金融除く 802社)は8四半期連続で最終増益確保。
4社に1社が最高益。しかし株式市場の反応はさえず。
「今は晴れていても、貿易摩擦という黒々とした雲が見えるだけに、投資家は動きにくい」との指摘も。
日経ヴェリタスが米国・中国と関連が深い企業中心に72社に緊急アンケート実施。
「自社の受注・販売に悪影響を与えているか」との疑問には、「今後出る可能性はある」との回答68%。
「出始めた」と合わせて7割超。
・貿易戦争は怖いか 関連70社調査「悪影響」7割の実態
アンケート結果と、決算会見での発言から浮かぶ上がるのは企業の警戒感。
夏以降、企業が業績への影響を不安視する要因は大きく3つ。
まずは貿易摩擦の影響が特に大きい中国や米国での販売活動への懸念。
2つ目は米国の関税引き上げで、中国から米国への製品・部品供給が競争力失いつつある点。
3つ目は貿易摩擦による間接的な影響の懸念。
・貿易戦争は怖いか 関連70社調査「悪影響」7割の実態
貿易摩擦の核心は、その震度と広がり。
企業業績の影響は、現在の関税引き上げ前提とすると「経常利益を約1%押し下げる程度」とも。
だが、米国による高額関税の対象が2000億ドル相当分まで拡大し、さらに各国からの輸入自動車に及ぶと話は一変。
自動車に最大25%の追加関税が課せられた場合、
トヨタ <7203> [終値7220円]は日本からの輸出分だけで約4700億円の負担増となる見込み。
大和総研は、日本車と自動車部品のコスト負担は2兆円超と試算。
米中関税引き上げが本格化したのは7月から。
追加関税がさらに拡大するようだと、その影響は7-9月期以降に本格的に表れることになる。
・貿易戦争は怖いか 企業、先行きに身構え
米中貿易摩擦の長期化想定し、現地での受注・販売活動に対する悪影響を懸念する企業が増えている。
米国が自動車に追加関税を発動すれば悪影響は避けられず、日米の通商協議の行方に注目集まる。
・貿易戦争は怖いか 企業、先行きに身構え
自社にどう影響? 米中の受注・販売減 消費減や円高も警戒。
アンケートでは「米国での受注・販売活動」への悪影響を警戒するとの回答が24社。
米国経済は4-6月期の実質国内総生産(GDP)が4.1%増(前期比年率換算)となるなど、足元では好調。
だが国際通貨基金(IMF)は、貿易戦争によって受ける打撃は米国が最も大きく、
国内総生産(GDP)を0.8ポイント押し下げる可能性もあると予測する。
今後、関税引き上げの品目が広がり、食料品なども値上がりすれば米国の個人消費を冷やしかねない。
次が、「中国での受注販売活動」への影響で、23社。
「関税引き上げコスト上昇につながる」との回答も23社。
貿易摩擦で円高が進むとの懸念も広がる。
「貿易戦争のリスクが増すと、相対的に安全とされる円が買われる可能性がある。円高が進むと輸出採算が悪化する」。
製造業にとっては頭の痛いシナリオ。
相場の変動リスクは、足元の業績が好調でも通期予想の上方修正を見送る要因になっている。
このほか、「原材料・部品調達などサプライチェーン」への影響が想定される、との回答が18社あった。
・貿易戦争は怖いか 企業、先行きに身構え
貿易摩擦はいつまで続く? 「長期化する」5割に迫る。
アンケートでは「米大統領選がある2020年まで続く」と答えた割合が33%。
「常態化する」も合わせると、5割近い企業が長期戦覚悟している結果に。
一方で、「11月の米中間線までで収束する」との回答は16%にとどまる。
度重なるトランプ氏の強硬姿勢に楽観ムードは後退。
アンケートでは、日本経済や企業業績に貿易摩擦がどこまで影響するのか?
最多は「一定の悪影響が出る」で78%。「大きな悪影響を及ぼす」も含めると。9割に迫る。
・貿易戦争は怖いか 企業、先行きに身構え
どう対応する? 「サプライチェーン見直す」14社
企業の対応策については、「原材料や部品調達などサプライチェーンの見直し」の検討で、14社。
「生産・販売などのコスト削減」(12社)。
「製品価格の引き上げ」(10社)。「その他」が10社。
また「動向を注視している」(建設資材)「現状は影響度合いを見極めているところ」(産業用装置)との回答。
景気への影響が無視できないのは、「設備投資の先送り・見送りや見直し」(3社)。
貿易摩擦が深刻化すると影響はグローバル企業にとどまらず、間接的な影響が広がる可能性がある。
・貿易戦争は怖いか 企業、先行きに身構え
最大の焦点は?自動車関税25%なら2兆円のコスト増。
米穀発の貿易戦争が拡大。3月に鉄鋼・アルミニウムへの追加関税を発動。
中国は報復し、豚肉など30億ドル分の輸入品の関税上乗せに動いた。
7月には米中が340億ドル分の輸入品に追加関税を発動し貿易戦争が本格化。500億ドル分まで拡大する見通し。
さらに米国は2000億ドル分、中国も600億ドル分の追加関税策を準備する。
加えて米国は、各国からの自動車輸入にかかる2.5%の関税を、25%へと引き上げることを検討。
実現すれば世界経済に深刻な悪影響が及びそう。
自動車業界全体では約2兆円のコスト増となる。
日本は9日から米国と新たな枠組みでの通商協議開始。
「自動車への関税引き上げは何としても避けなければならない」(商社)との切実な声も。
・日銀 <8301> [終値41000円]7/31の金融政策決定会合で1年10カ月ぶりに金融政策の修正に動いた。
金融緩和の副作用に配慮して長期金利の小幅な上昇容認する一方で、
超低金利水準の当面維持を約束する「玉虫色」の内容に。
政策修正が緩和縮小と受け止められて円高・株安に振れるのを防ぐ工夫に、日銀の苦渋がにじむ。
「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」。
これを受け、債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは低下。
対ドルの円相場は発表から10分程度で60銭ほど円高・ドル安が進んだ。日経平均株価も小幅に上昇。
・3日の7月米雇用統計(速報値)、非農業部門の雇用者数が予想下回ったものの、
失業者は3%台に低下し、総じて労働市場の堅調さを示す内容となった。
米経済の強さが改めて確認され、米連邦準備理事会(FRB)は想定通り9月に利上げをする見通し。
ただ市場では、貿易戦争の影響等と共に「トランプ米大統領」がリスクと認識され始めている。
米国は夏のバカンスシーズンに入ったが、市場関係者は休暇中もトランプ氏の動きから目が離せそうもない。
・イノベーション ブロックチェーン
仮想通貨の根幹をなす技術「ブロックチェーン」。
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・イノベーション ブロックチェーン
主なブロックチェーン関連銘柄
カイカ <2315> [終値52円] 金融機関向けにシステム開発 時価総額187億円
セレス <3696> [終値1525円]仮想通貨を使ったゲームなど 173億円
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・注目企業ここが知りたい 東海カーボン <5301> [終値2190円]黒鉛電極バブル、どう生かす。
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・MARKETS STOCK
先週の株式相場は日銀が金融緩和政策の一部修正を決めた7/31を堺に一変。
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・MARKETS STOCK COMMODITY
金相場が約1年ぶりの安値圏で推移。
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・MARKETS STOCK 仮想通貨
インターネット上の仮想通貨ビットコインの価格が下落。
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・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち9指数が上昇。
貿易問題巡る米中間の報復の応酬が警戒され、人民元の対米ドル相場の下落が売り材料視された。
上位1位ベトナム週間騰落率2.57% 2位ブラジル1.96% 3位フィリピン1.53% 4位マレーシア0.62% 8位米国0.05%
下位25位中国▲4.63% 24位香港▲3.92% 23位ドイツ▲1.90% 22位シンガポール▲1.78% 19位日本▲0.83%
日経ヴェリタスを含め、日経新聞、日経産業新聞、日刊工業新聞
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