
されど上場
- 2018年11月25日
- 日経ヴェリタス
2018年11月25日(日)晴れ
・されど上場 もまれて企業は強くなる。
高が上場企業、されど上場企業。
魅力ある上場市場づくりに向けた課題を探る。
・されど上場 もまれて企業は強くなる。
世界的なカネ余り背景に未公開市場が拡大中。
有望ベンチャーには大企業やベンチャーキャピタル(VC)、ファンドが群がり、
2018年1-9月の世界ベンチャー投資額は1500億ドル強(約17兆円)と前年同期比25%伸び、通年で過去最高の勢い。
対照的に上場企業は振るわない。
株価は低迷、今もPBR(株価純資産倍率)が解散価値を示す1倍を下回る企業が全体の4割強に達する。
米企業の2割弱に比べ圧倒的に高い。
・されど上場 もまれて企業は強くなる。
日経ヴェリタスが全上場企業対象、
1970年以降、新株発行を伴う資金調達(エクティファイナンス)を1度も実施していない企業が全体の2割近くあった。
新規上場組の間でも、「上場で知名度高めれば十分」との声も。
株を上場して投資家からリスクマネーを集め、さらなる成長目指す。
上場市場が果たしてきた基本的な役割が今、揺らいでいる。
上場した企業は成長資金を取る場として活用しなくなり、
有望ベンチャーは規制の緩い未公開市場に走り、必ずしも上場を選ばなくなった。
・されど上場 もまれて企業は強くなる。
未公開企業にとって上場のハードルはいくつかある。
1つは上場コスト。1億~数億円とされ、単に知名度を上げるだけなら負担は軽くない。
もう1つは機関投資家、海外など幅広い株主との対話が必要になり、その要求水準も高まったこと。
社外取締役の導入などガバナンス(企業統治)対応も重く。
・されど上場 もまれて企業は強くなる。
上場企業という立場をうまく活用すれば、非上場より高い成長を実現できる。
例えばリクルートHD <6098> [終値2921.0円]は上場を機に海外企業を買収し成長力を大きく高めた。
「親子上場」に賛否はあるがソフトバンクグループ(SBG)<9984> [終値8787円]のように上場の利点をフル活用し、
上場後24年で時価総額を50倍にした例もある。
・されど上場 「上場=成長」は幻想か?
有望なベンチャー企業の上場離れが進んでいる。世界的なカネ余りを追い風に未公開株市場は活況。
日経ヴェリタス調べ、金融除く上場企業3565社のうち、1970年以降に増資や新株予約権付社債(転換社債=CB)などの、
エクイテイファイナンスを1度も実施していない企業が600社近く(2割弱)あった。
実に5社に1社近くが成長のための資金調達を「放棄」している計算で、機能不全は明らかに。
・されど上場 「上場=成長」は幻想か?
新規株式公開(IPO)も件数は増勢だが「小粒化」が鮮明。
東証によると今年に入りIPOで公募増資した企業は10月までに63社、調達額は1424億円。
1社平均で22億円の計算だが、ユニコーン企業として注目集めた
メルカリ <4385> [終値2750円]とMTG <7806> [終値6650円]の2社だけで調達額は887億円と約6割占める。
この2社除くと平均調達額は8億円にとどまる。
新規上場の中心も成長期待の高いIT系の銘柄より不動産や製造業など伝統的な業種が目立つ。
・されど上場 「上場=成長」は幻想か?
上場市場予想とは対照的に未公開市場は活況に沸く。
スタートアップ企業が18年1-6月に調達した額は判明分だけで1732億円で、1社の平均調達額は3億円を超える。
6年前の約3倍に。
「事業会社のM&A意欲も高い。投資先のエグジット(出口)はIPOにこだわらない。」と、
ベンチャーキャピタル(VC)大手、ジャフコ <8595> [終値4160円]三好啓介取締役は話す。
・されど上場 「上場=成長」は幻想か?
「器」である上場市場の魅力を高める取り組み始まる。
東証は現物株市場の区分見直しの検討。
現在東証1部、2部、マザーズ、ジャスダックと4つある市場の再編について外部有識者による懇談会で議論。
膨れ上がる東証1部企業の位置付けも焦点。1部上場企業は2100社超と他の3市場合計(約1500社)より多い。
1部企業入りすれば東証株価指数(TOPIX)に連動した買いが機関投資家から入るようになる利点もあり、
1部入り望む企業は多い。
しかし企業が1部昇格で安心して成長志向がトーンダウンする「1部上場ゴール」の事例も指摘される。
退出や市場変更のルールを厳格化する等して上場の質を高める改革が不可欠。
リスクマネーの供給を受ける以上、企業経営者も上場後の成長シナリオをきちんと描く姿勢が改めて求められる。
・されど上場 米、進む新陳代謝「選択肢」広く
米国の株式市場では上場数が1990年代後半のピーク時から半減。
ところが公的年金など大手機関投資家から上場数の減少を心配する声はあまり聞かれない。
未公開株への投資増やし、ハイテク株もこれまでの運用成績を押し上げてきた。
「新陳代謝」も進み、時価総額が同期比、3.7倍に拡大したものも大きい。
一方、企業側にとっても未公開株市場の拡大で選択肢が広がり、上場は必ずしも最終目標ではなくなりつつある。
今後、大型上場が続けば年金基金など早くから未公開株に資金投じていた投資家はうるおい、
そのお金は再び上場株や未公開株投資に回る。
未公開市場の発達が成長企業を育てる土壌となり、上場市場では株主ガバナンスが企業の新陳代謝を促す。
・ゴーンショック余波どこまで
日産自 <7201> [終値961.5円]元会長カルロス・ゴーン容疑者(64)東京地検特捜部に逮捕。
市場が見つめる3つの焦点。
第1の焦点:企業統治の改革
自動運転やシェアリングサービスなど新たな技術やサービスが台頭する中で、
企業統治に時間を割かれれば成長戦略で他社に出遅れる。
第2の焦点:捜査の行方
トップ不正の解明に時間がかかれば、日産ブランド価値をそれだけ傷つけることに。
日産の有報の虚偽記載が長く続いたことや、内部管理体制に問題があるなど理由に、
日本取引所グループ(JPX)<8697> [終値2067円]の自主規制法人が投資判断に重大な影響があるとすれば、
日産株が、上場廃止の恐れがある「特設注意市場(特注)銘柄」に指定される可能性もある。
第3の焦点:日仏3社連合
日産・ルノー・三菱自 <7211> [終値674円]の3社連合の行方が焦点。
「扇の要」だったゴーン氏を失い、関係性の見直しが迫られる。
今後、経営の独立を求める日産に対し、ルノーが持ち株会社形式での経営統合を迫るとの見方も多い。
現状維持か、経営統合か、独立か。
・ゴーンショック余波どこまで
ゴーン元会長にかけられた不正行為の疑い
1.報酬の過少記載
株価連動型報酬など5年間で計約50億円分を有価証券報告書に虚偽記載
2.投資資金の私的流用
ベンチャー投資名目で設立の海外子会社が高級住宅を取得
3.経費の不正支出
家族旅行や飲食費などの費用、数千万円を日産が負担
・発見中小型成長株 クイック <4318> [終値1447円]専門性の高い職種の人材紹介に強みを持つ。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
【ここにすごさ】
1.看護師・MRなど専門職向けに強み
2.リクルーター育成などコンサル拡充
3.欧米や中国でも日系企業サポート
・会社分析 投資テーマを斬る 自動運転 ゲームチェンジャー現れるか
自動運転の部品や技術に関連する主な銘柄
【センサー】
ソニー <6758> [終値5690円]相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサー技術を車載カメラに応用。ボッシュと技術提携。
デンソー <6902> [終値5137円]ミリ波レーダー、画像センサーを開発。半導体など対象範囲拡大中。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
【半導体】
インテル(米)画像処理技術に強いモービルアイを買収
エヌビディア(米)GPU大手。歩行者や周囲を把握する画像認識に強い。深層学習に対応。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
【ソフトウエア】
富士ソフト <9749> [終値4995円]車載関連ソフトを開発
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
【交通系情報サービス】
三菱電機 <6503> [終値1407.5円]準天頂衛星通じ、国内の全高速道路の3次元地図作製。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・為替 3段階で学ぶ
政治、経済、地政学リスク。全ての情報を映す外国為替市場。
【HOP】まずは経済情勢掴む。経常黒字やデフレは円高/低金利は円安
【STEP】高値・安値を破る瞬間狙う。チャートを読もう。
【JUMP】不安定、相場変動しやすく。新興国通貨、高金利でも高リスク。
・不二製油 <2607> [終値3740円]19日、本業務用チョコレート大手、ブロマーチョコレートカンパニー(イリノイ州)買収。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・MARKETS STOCK
米テック株の下げを受け、日本でも同様の業種の株価が下げている。
日経平均株価が直近高値を付けた8日からみると、
電子商取引(Eコマース)や人工知能(AI)、フィンテック関連では3割近く下げた銘柄もある。
足の速い個人やヘッジファンドの売りが膨らんだようと。
ただ週末には買い戻しが広がり、底入れの期待もある。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・Eコマースやフィンテック関連銘柄に売りが膨らんだ。
Eコマース:ZOZO <3092> [終値2389円]21日までの騰落率(8日比)▲16.7%
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
ネット・AI:サインポスト <3996> [終値4290円]▲23.3%
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フィンテック・仮想通貨:リミックス <3825> [終値518円]▲35.1%
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・MARKETS STOCK COMMODITY
原油価格が下げ止まらない。
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は23日、
1バレル50ドル台まで下がり、2017年10月以来1年1カ月ぶりの安値を付けた。
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・MARKETS STOCK 仮想通貨
インターネット上の仮想通貨ビットコインは軟調。
情報サイトコインディスクによるとドル建て価格は日本時間20日時点で1ビットコイン=5000ドルを割り込む。
同22日昼時点でも4500ドル台と年初来安値圏で取引されている。
・MARKETS STOCK COMMODITY
・MARKETS STOCK 仮想通貨
インターネット上の仮想通貨ビットコインの堅調な値動きが続いている。
情報サイトコインディスクによるとドル建て価格は日本時間20日時点で1ビットコイン=7400ドル程度
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち3指数が上昇。
上位1位フィリピン週間騰落率3.63% 2位ポーランド2.77% 3位ベトナム2.20% 4位インドネシア▲0.10% 5位日本▲0.1%
下位25位米国▲1.44% 24位中国▲3.72% 23位南アフリカ▲2.87% 22位メキシコ▲2.78% 21位ブラジル▲2.58%
日経ヴェリタスを含め、日経新聞、日経産業新聞、日刊工業新聞
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