
扉を開いて(2011.6.12号)
- 2011年06月12日
- 株式投資・経済ニュース全般
2010年月日(日)くもり
・2020年新エネルギーの風景。キーワードは「グリッドパリティ」
グリッドパリティ=再生エネルギーが本格的に普及するには発電コストが火力や原子力並みに下がらなくてはならず、
この状態をグリッドパリティと呼ぶ。
大型風力の発電コストは1キロワット10円台前半に。2020年前後に液化天然ガス(LNG)火力(約8円)と同水準へ。
太陽光発電も直近40円前後、30年に7円に低減するシナリオ描く。
原発1キロワット5-6円も使用済み燃料の再処理費用や回収コスト入れると10円超とも。
・風力発電:国内における開発余地19億キロワットと太陽光発電1億5000キロワット、地熱発電1400万キロワットを群を抜く余地。
稼働率20〜30%と太陽光発電12%程度を上回る。再生エネルギーの主役に最も近い存在と。洋上風力への期待強い。
風力発電機はデンマーク・ヴェスタスやGEが世界大手。
洋上風力発電技術ではヴェスタスやシーメンスなど欧州勢強く、
三菱重工 <7011> [終値394円]富士重工 <7270> [終値571円]可変速制御技術や歯車交換不必要の「ギアレス」技術で追上げ図る。
・太陽光発電:風力の対抗馬。メガソーラー設置も進む。海外では大型プロジェクト相次ぐ。
弱点は夜間発電できず、曇天や雨天では発電量落ち込む。平均稼働率12%程度。広大な土地も必要。太陽熱発電も研究進む。
・地熱発電・バイオマス発電:再生可能エネルギーのダークホース的存在。
地熱は天候の影響受けず稼働率は70%と高い。地熱発電機、富士電機 <6504> [終値243円]三菱重工 <7011> [終値394円]
東芝 <6502> [終値410円]の3社で世界シェア7割強。
バイオマスは廃材などの安定調達するための収集・運搬の仕組みつくりでコスト高も。
住友重機 <6302> [終値551円]「循環型流動層ボイラー」設備手掛ける。
・再生エネルギー今後の課題:2008年水力を除くと発電量全体に占める割合3%以下。存在感薄く。
再生エネルギー普及のため電力料金引き上げ受け入れられるか。割高な電力嫌い企業日本から出ていく懸念も。
・投資家が注目する再生エネルギー:風力が有望との見方目立つ。
ブルームバーグ・ファイナンス2011年1-3月期世界の再生エネルギーへの新規設備投資額257億ドル(約2兆円)。
分野別では風力74%占め、太陽光(14%)を大きく引き離す。
「国内では再生可能エネルギーの普及には時間がかかる」とみて電力不足解消へ節電分野を見ることも。
・個人が再生可能エネルギーに投資するには:便利なのは公募投資信託。
5月末時点1年間の騰落率(分配金含む)多くで運用成績はプラスに。
・バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長、7日ズバリ「米経済見通し」4月後半以降各種経済指標が失速。局面の変化後初の議長発言
結論は直近の景気のもたつきを認めつつ、一時的な動きで大きな流れは変わらないとの見方。
市場反応した言葉「いらいらするほど遅い(frustation giy slow)」と「金融政策は万能薬ではない」との表現。
市場は金融政策への期待を冷まし、QE3けん制するシグナルと受け止める。
・今週14日小売売上高、16日住宅着工など景気の先行き占う経済指標は目白押し。市場心理は一段と冷え込みかねず。
・20日、ユーロ圏財務担当会合控え、ギリシャへの追加支援の議論大詰め。
ギリシャ資金繰り助ける手段として浮上しているのが欧州連合(EU)による追加融資と債務再編を含む展開の何らかの負担。
国民反発、進まぬ改革。
・自動車部品各社、2012年3月期設備投資積極化。
完成車メーカーのモデルチェンジなど新車投入に対応した新工場建設や製品開発欠かせず。
ケーヒン <7251> [終値1622円]前期比3割増150億円強。
ホンダ <7267> [終値2985円]主力モデル「シビック」4月モデルチェンジ、6月「フィットシャトル」投入。
トヨタ <7203> [終値3300円]系関東自 <7223> [終値606円]今期投資額3.3倍の250億円。新モデルや新型車の生産準備の投資。
スタンレー電 <6923> [終値1323円]
今期投資額前期比1割増300億円と過去最高水準。米国や新興国をターゲットに拡販狙う。日系メーカー向けの生産に対応。
小糸 <7276> [終値1227円]
前期比2割増200億円超の設備投資額。インドネシア工場4月稼働、米国アラバマ州の建設中の工場が12年初め稼働。
KYB <7242> [終値540円]
前期比3.4倍138億円。ショックアブソーバーの性能試験する自動車走行コース完成。データ蓄積して提案力高める。
・収益上振れ企業候補:市場予想と会社予想との開き。
川船 <9107> [終値265円]かい離率104.8% 2012年営業利益市場予想122億円、会社予想60億円。
大和工 <5444> [終値2430円]かい離率65.3% 市場予想99億円、会社予想60億円。
オークマ <6103> [終値265円]かい離率62.9% 市場予想114億円、会社予想70億円。
アルパイン <6816> [終値1091円]かい離率50.0% 市場予想75億円、会社予想50億円。
日立国際 <6756> [終値642円]かい離率49.3% 市場予想104億円、会社予想70億円。
・収益下振れ企業候補:市場予想と会社予想との開き。
プロミス <8574> [終値581円]かい離率▲50.0% 市場予想96億円、会社予想220億円。
シャープ <6753> [終値723円]かい離率▲36.2% 市場予想619億円、会社予想970億円。
船井電 <6839> [終値2311円]かい離率▲24.0% 市場予想60億円、会社予想80億円。
TBS <9401> [終値939円]かい離率▲24.0% 市場予想62億円、会社予想82億円。
博報堂 <2433> [終値4095円]かい離率▲22.4% 市場予想111億円、会社予想144億円。
・「会社がわかる」特集 アサヒビール <2502> [終値1597円]
「スーパードライ」が稼ぐ潤沢なキャッシュフローを使って次の成長分野を一刻も早く開拓へ。
アサヒを保有株の価値の変動で自身の株も動く「投資会社」「ビールファンド」ととらえる市場関係者も。
海外M&A(買収・合併)の選択肢は食品・飲料ビジネスの幅を広げるか、
アンハイザーブッシュ・インブエなどのようにビール特価で世界でシェア高めるか大きく2つ。
・次世代ハードディスク駆動装置(HDD)の登場で恩恵を受ける企業:
TDK <6762> [終値4330円]次世代HDD向けの開発で先行、サンプル出荷。磁気ヘッド世界唯一の外販メーカー。
TDKと共同でメディア開発を取組んでいる昭和電工 <4004> [終値166円]高密度記録に適したメディア材料開発。
ニッパツ <5991> [終値775円]磁気ヘッドの位置を一定に保つサスペンションで世界シェア45%占める。
日本電産 <6594> [終値7270円]HDD向け精密モーターで世界シェア8割。
HOYA <7741> [終値1721円]HDD向けガラス基板で世界シェア首位。
メディアの富士電機 <6504> [終値243円]モーターのミネベア <6479> [終値389円]
ガラス基板のコニカミノルタ <4902> [終値652円]半導体でルネサスエレク <6723> [終値722円]
東芝 <6502> [終値410円]フラッシュメモリー搭載「ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)」と次世代HDD両方手掛ける。
・ランキング:5/2終値起点とした株価騰落率ランキング。小売りやネット関連企業、自動車部品メーカーが上位。
1位 三晃金 <1972> [終値374円]株価騰落率61.9% 太陽電池備えた屋根を施工。
2位 タクマ <6013> [終値436円]45.3%
ごみ処理プラントやバイオマス(生物資源)発電装置が主力製品。処理プラントの需要高まるとの見方。
3位 シップヘルスケア <3360> [終値1481円]42.8%
東日本大震災で多くの病院被災。医療介護施設復旧に補正予算計上。今期後半受注増予想。
19位 日本電産トーソク <7728> [終値888円]20.2% 海外生産で震災の影響少なく。底固い収益力が評価に。
20位 日本ケミコン <6997> [終値502円]20.1%
震災以降下げきつかったものの、業績見通し発表で市場予想上回り、主力工場再開で悲観論後退。
・OUT Look:今週の株式相場は下振れ懸念強まる展開か。
震災で寸断されたサプライチェーン(供給網)が想定以上に回復、相場下支えも、米国経済の減速、ギリシャ問題も緊迫感増す。
14日閣議決定される見通しの東電 <9501> [終値190円]支援法案も国会成立不透明。
市場では日経平均株価は9000円割り込むとの予想は少ない。
米国経済に対する投資家の期待値が大幅に下がり、ポジティブサプライズが出やすい地合いとも。
・Wall Street:今週の米株式相場は不安定な動きか。今秋は重要指標が相次ぐ。
投資家の不安を和らげ、株価の下げ基調に歯止めがかかる材料が出るか焦点。
5月の小売売上高、鉱工業生産指数、住宅着工件数、地区連銀の景況感指数など。
14日にはバーナンキ議長の講演予定。FRB幹部の発言も関心集まる。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派29%(前回比+12)弱気派34%(同-24)中立派37%(同+12)
政治混迷や原発事故で巨額賠償抱える東電 <9501> [終値190円]の支援問題など不透明感ぬぐえず様子見ムード強い。
・国際商品価格の騰勢再び目立つ。トウモロコシ期近ベースで最高益更新。
ニューヨーク市場の原油OPEC総会で生産枠引き上げ見送られ急伸。
金もドル安受けて高値圏で推移。買い材料多く投資マネー戻り始めている可能性も。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は米国で景気失速懸念広がったのをきっかけに投資家がリスク取りにくくなり、
ギリシャやスペインなど財政問題が警戒されている欧州市場の下落が目立った。アジア株も下落。
・プロが注目する株価シグナル。知られざる4つの尺度。
ED倍率:新興(Emerging)国の株価指数を先進(Developed)国の指数で割って求める。
(参照サイト・http://www.msci.com/)
10日時点新興国2047、先進国4381、倍率「0.47」
倍率が上昇してきている時新興国の株式へ投資マネーが向かい、収益率が先進国を上回っていることを示す。
足元は米景気の先行き不透明感強まり、倍率は上向き。
ブラックスワン指数:確率的にはめったに起きないが起きてしまうと極めて大きな損失につながる「想定外」のリスクの大小を示す
(参照サイト・http://www.cboe.com/micro/skew/introduction.aspx 上で「Time Series」)
米シカゴ・オプション取引所(CBOE)算出、今年2月から公表SKEW指数。
ロシア危機のさなか1998年10月指数高値。住宅バブル崩壊への懸念高まった2006年3月にも高値。
今年1-2月北アフリカ・中東情勢緊迫時135付近まで上昇、足元は120付近で相場クラッシュ予想するプロは多くなく。
CAPE:株価の割安感を示す指数。PER(株価収益率)の変形バージョン。
(参照サイト・米S&P500種の場合 http://www.ecom.yale.edw~shiller/data.htmlで「Excel filexls」)
1株利益の過去5-10年程度に平均値で株価を割る。長期スパンで企業の収益力を判断。
大震災の影響で2012年3月期予想1株利益公表できない企業ありPER算出できず。CAPE有効に。
日経配当指数:日経新聞社2010年4月から公表。
(参照サイト・http://www.tse.or.jp/market/dividend/index.html)
合わせて参考になるのが「配当指数先物」東証とシンガポール取引所(SGX)がそれぞれ金融商品として上場。
欧米の機関投資家などが売買。増配傾向か減配傾向か目れる指標。 (日経ヴェリタス)
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