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扉を開いて(2011.10.2号)

2011年10月2日(日)くもり

・日本の自動車業界昨年稼いだ貿易黒字約12兆円、日本全体の貿易黒字6兆6346億円を上回る。
 自動車輸出台数年間360万台近辺に貿易収支の損益分岐点。
 
 トヨタ <7203> [終値2688円]日産 <7201> [終値693円]ホンダ <7267> [終値2299円]の大手3社が
 国内生産(昨年540万台)の約2割海外シフトするだけで日本は貿易赤字国に転換に。

・円高対策7か条。
 
 1.海外生産の拡大(外部への生産委託も含む)
 2.海外から原材料・部品調達を増やす。
 3.製品の円建て販売を増やす。(競争力の高い製品の場合)
 4.海外で販売すり製品の値上げ。(競争力の高い製品の場合) 
 5.為替予約の強化。
 6.外貨建て債権・債務の相殺。
 7.円高を生かした海外企業買収。

・生産・販売の最適地を求め、海外へ次々飛び出している企業と取り残される国。
 国内総生産(GDP)と企業の経営利益の推移を比較すると1985年のプラザ合意前後から両者はかい離し始め、
 2000年あたりからはほぼ企業の伸びがGDPの伸びを上回っている。
 国の台所は火の車でも、民間企業の現在預金残高は3月末に200兆円超え過去最高記録。

・本来国の信用力は国内企業より高いはずも、米格付け会社ムーディーズによれば、武田薬 <4502> [終値3600円]
 キヤノン <7751> [終値3550円]NTT <9432> [終値3730円]NTTドコモ <9437> [終値141700円]
 JR東日本 <9020> [終値4710円]の格付けは日本国債(Aa3)を上回る。

・今週の欧州市場はギリシャ支援の行方や金融政策を巡って神経質な展開が続きそう。
 欧州金融安定基金(EFSF)の規模拡大など新たな対策が取りざたされ、市場には不安と期待が交錯。
 欧州中央銀行(ECB)のトルシェ総裁が任期最後の理事会でどのような手を打つかも焦点。

・ギリシャでは9/29から欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の
 「トロイカ」による財政赤字削減案への審議が始まった。
 審査結果は3日までにまとまる見通し。ギリシャは2日に臨時閣議開き、トロイカの審査内容や要求を受け入れることとなる。

・今週7日、9月の雇用統計発表。8月の統計では前月比の雇用者数の伸びがゼロにとどまる。
 民間部門の雇用者増を確認できればひとまず安心感広がりそう。景気後退(リセッション)への懸念打ち消せるかは微妙。
 9月の雇用者数増の民間予測平均(9/30時点)は前月比6万人前後増。
 前月は米通信大手ベライゾンによる4万5000人規模のストライキがマイナス要因。スト決着でその分プラスに。
 
・アジアの株式相場が下落基調。香港や台湾、韓国、シンガポール、インドネシア、フィリピンなども26日に年初来安値更新。
 最近の相場の動きは各国の経済状態を反映せず、欧米投資家が利益の出やすい市場で換金売り加速しているためと。
 インドネシア、フィリピンとも26日安値付けた後7%戻し、年初からの下げも4%台にとどまる。

・特集:激変する通貨勢力図。リスク回避志向の強まりでドルに資金が回帰する一方、
 新興国・資源国通貨から一斉に資金が引き揚げ始めた。
 9月の実効為替レート、ユーロは軟調とはいえ下落率はブラジルレアル(11.5%)韓国ウォン(6.3%)に比べて小さく。

・株価下落が生命保険各社の経営に打撃与えている。9月末時点で国内主要9生保のうち、三井生命保険が含み損に転落。
 住友生命、富国生命が含み損抱えている公算。

・日本郵船 <9101> [終値211円]商三井 <9104> [終値300円]川崎汽船 <9107> [終値163円]の株価は
 バルチック海運指数(BDI)と連動する傾向が強いが、8月中旬ごろから値動きのかい離が目立ってきた。
 BDIは2010年末をやや上回る水準も郵船は年初来で4割安、商三井と川船は5割安に沈む。

・会社がわかる 特集 日本板硝子 <5202> [終値175円]
 海外売上高比率74%で連結有形固定資産の78%は日本以外。従業員の8割が外国人。
 買収で膨らんだ有利子負債の削減や人員削減といった守りのリストラがようやく一段落し、再び大きな勝負処迎える。
 今期から3年間の投資額は最大で1200億円(前期まで3年間で900億円弱)の計画。
 「高付加価値」「新興国」というより成長が期待できるターゲットを深掘りする内容に変わりそう。 

・金相場急落。指標となるニューヨーク先物の中心である2011年10月物9/26時間外で一時1530ドル台まで下落。
 9/6高値1923ドルからの下落率は20%に。
 過去の経験則から金の底値探る。
 金はここ10年近い上昇相場で何度か急落。下落率はいずれも2-3割前後と今回の局面とほぼ同程度。
 概ねドル安局面で資金流入し高値を付け、ドル高に転じると金が下げるパターン目立つ。
 リーマン・ショック直後08年9-12月の下落局面、ドル買い・金売りが加速。当時の下落率25%を当てはめると1440ドル前後に。
 ニューヨーク市場のファンド筋の買越額に変化もヒント。リーマン・ショック時08年9月は7月のピークから8割少ない水準。
 今回も直近のピークだった8月上旬に比べると4割減少。現在市場に残る買いポジションが少ないため売りは出にくい。
 調整経れば上昇に向かいやすい。
 ただ相場が元の水準に回復するには長い時間も。06年春には1年以上、09年冬は6ヶ月以上。
 リーマン・ショック直後には4ヶ月余りで回復。

・海外投資家の日本株売りが続く。東京証券取引所まとめ。
 売り越し9月第3週まで9週連続と2009年1-3月の記録に並び、この間売越額1兆8400億円超に達する。
 欧州債務不安からヘッジファンドが顧客の解約に伴う換金売り出しているとみられ、相場の重荷に。
 売越額9月2週、3週と縮小。相場の底入れへの期待も一部浮上。
 

・OUT Look:今週の株式相場は再び下値を探る場面がありそう。
 欧州危機の解決には時間がかかるとして積極的に戻りを試そうとする投資家少なく。
 今週から下期入りも市場は視界不良のまま。日経平均8400〜8800円前後で弱含みそう。
 先週日経平均株価は140円(1.6%)上昇。配当落ち考慮すると200円強上昇。
 市場の不安心理を如実に映しているのがドイツ株価指数オプションの動き。
 ドイツ版恐怖指数(VDAX指数)9/30時点47.05と8月急上昇以降高止まり。市場「警戒モード」解除していない。
 今週6日欧州中央銀行(ECB)理事会注視。

・Wall Street:今週の米株式相場はもみ合いとなりそう。7日発表の9月の雇用統計など重要材料相次ぐ。
 欧州で6日公表欧州中央銀行(ECB)や英中銀イングランド銀行の金融政策判断に対する関心も高い。
 4日にはバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が証言に立つ。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派43%(前回比+2)弱気派37%(同-6)中立派20%(同+4)
 先週の日経平均株価は週間で1.6%上昇。欧米株堅調に推移する中、日本株も買い戻された。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場はドイツやフランスなど欧州で反発。
 ドイツ連邦議会(下院)が欧州金融安定基金(EFSF)機能強化を承認。売り方の買戻し広がった。
 一方欧州向けの輸出減速が懸念される中国やタイ、ベトナム、などの一部のアジア株は続落。

・30代以下男性の消費傾向が変化。

 東急不 <8815> [終値281円]傘下東急ハンズ(東京・渋谷)女性向け化粧品コーナーに男性向けコーナー併設。

 マンダム <4917> [終値2311円]制汗剤や洗顔料の売れ行き良く、
 7月末2012年3月期の連結営業利益前期比約9%増62億円(従来予想は3%減55億円)に上方修正。

 ファミリーマート <8028> [終値2968円]男性のデザートへの潜在需要いち早く注目。
 「男のスイーツ」シリーズから「俺のスイーツ」シリーズに刷新。

 江崎グリコ <2206> [終値996円]事務所用の置き菓子「オフィスグリコ」で男性のお菓子需要取り込んでいる。
 「店頭までは買いにいかないがあれば食べる男性多い」と推測。

 セブン&アイ <3382> [終値2189円]グループ
 赤ちゃん本舗(大阪市)のアンケートでは8割以上のパパが育児に積極的に参加。

・ブラジルレアル型の投資信託から個人マネーが流出している。
 ブラジルが9月から政策金利に引き下げたのをきっかけにレアル相場急落。9月解約殺到。654億円の流出超に転じた。
 運用成績は悪化。
 一方、豪ドル型は好調で9月は約1600億円流入。

・ランキング:2011年度上半期(4-9月)「売買回転率」ランキング

 1位東電 <9501> [終値240円]売買回転率8.623回 原発事故に伴う賠償負担に対する正極支援の枠組み迷走。株価乱高下。

 2位ラウンドワン <4680> [終値565円]8.087回 好業績に注目した買いが集まる。 

 3位不動テトラ <1813> [終値162円]7.486回 復興需要への期待の高まりで買いが集中。

 6位レオパレス21 <8848> [終値171円]5.377回 赤字前年同期から大幅に縮小。個人投資家の買を呼ぶ。

 10位タクマ <6013> [終値323円]4.134回 東日本大震災被災地の復興に伴って主力のごみ焼却プラントの需要に期待。

 23位東京製綱 <5981> [終値169円]1.975回 再生可能エネルギー銘柄として注目集める。 

 31位住友軽金属 <5738> [終値69円]1.795回 6月公募増資実施、買収の具体策も表示されず失望売り誘う。(日経ヴェリタス)

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