
扉を開いて(2011.12.11号)
- 2011年12月11日
- 株式投資・経済ニュース全般
2011年12月11日(日)快晴
・9日閉幕、欧州連合(EU)首脳会議の合意受け、イタリア5年物国債利回り再び危険水域の7%突破。
再び荒れる「予兆」と受け止め。止まらない債務危機、危機の構図の底流にあるのは政治と市場との間にある溝が埋まらず。
財政規律の強化策はいずれも中長期的な対策で市場不安鎮める即効性には乏しく。
・「欧州の7日間」EU首脳会議とECBはひとまず危機対策打ち出すも市場関係者の期待値との距離はなお大きく。
・2012年ユーロはどうなるのか?
米プライスウォーターハウスクーパーズ・リポート、重債務国が秩序あるデフォルト(債務不履行)に陥る、
ギリシャが単独でユーロ離脱する、新たな通貨同盟が誕生するなどシナリオが考えられる。
一方フランス資産運用大手アムンディ・グループ幹部は危機沈静化とみる「強気派」
・米連邦準備理事会(FRB)13日、年内最後となる米連邦公開市場委員会(FOMC)開く。
FF金利誘導目標現行0〜0.25%に据え置きとなる公算大きいが、
欧州債務危機が長期戦の様相強める中、FRBも即応態勢続けざるを得ない。
年明けに中期的政策目標導入へ。
・中国上海総合指数9日、2315.270と年初来安値更新。2009年3月以来の低水準に。
人民元相場も先安観が台頭しており、中国景気の減速による「熱銭(ホットマネー)」の流出懸念が現実味帯びている。
・ホンダ <7267> [終値2442円]軽自動車事業の立て直しへ動く。新型軽第一弾「N BOX(エヌボックス)」16日売り出す。
国内販売のテコ入れと国内生産の維持という2つの課題に挑むための戦略車。来年度軽自動車販売台数今年度の2倍の28万台へ。
・東京製鉄 <5423> [終値661円]2012年3月期に3期連続となる単独最終赤字に陥る公算大きく。電炉最大手の苦悩続く。
・2011年、東日本大震災や放射能事故発生などレジャー業界には厳しい環境。
東京ドーム <9681> [終値175円]常磐興産 <9675> [終値80円]東京都競馬 <9672> [終値107円]
よみうりランド <9671> [終値244円]花月園 <9674> [終値27円]中堅5社11年度そろって営業減益、営業赤字に。
・ローソン <2651> [終値4510円]IT(情報技術)活用、利益率高める。2012年2月通期の粗利益率37.6%に達する見通し。
今期連結営業利益が過去最高を更新する下支えに。
・会社がわかる 特集業界分析 人材派遣。人材派遣業界は大きく2つに分かれる。
事務系にテンプHD <2181> [終値732円]パソナグループ <2168> [終値46800円]が大手。
技術者派遣はメイテック <9744> [終値1462円]アルプス技研 <4641> [終値754円]
足元で業績にブレーキがかかるのは技術者系。
日本マニュファクチャリング <2162> [終値48700円]
2010〜11年に中国やマレーシアなどに拠点を持つ日本のEMS(電子製品の製造受託サービス)会社2社買収。
今期海外売上高比率46%(前期35%)に達する見込み。
・国際商品市場で原油の購入需要が予想外に底堅く。
欧州債務危機問題の緊迫化受けて足元で原油価格は弱含むも下振れリスクは大きくないとの見方優勢。
・生命保険会社一時払い終身保険の販売好調。明治安田生命保険、銀行窓販で販売する保険のうち同商品占める割合94%に。
生保にとって高齢富裕層市場開拓も収益低下も。銀行では保険というより資産運用商品に近いと。
5年後解約すると払込み保険料上回り、定期預金よりお得と。
銀行窓販の歴史、まず定額年金保険、次いで変額年金保険、そして今一時払い終身保険、
銀行の営業政策次第で販売量左右される。
・OUT Look:今週の株式相場は上値の重い展開か。
前週末欧州連合(EU)首脳会議では財政規律厳格化と金融安定網の整備で合意進むも、
欧州中央銀行(ECB)を巻き込む南欧支援など抜本策までは打ち出せず。
「リスクオン」の流れ定着にはなお時間も。
年末にかけて国内外ともに手掛ける材料乏しくなる時期でもあり、投資家心理のアヤと世界的なマネーの流れが日本株を左右へ。
欧米投資家の姿勢が強気化弱気かどちらかに振れるか注目。
「世界の景気敏感株」であるアジア株の下振れ懸念に対する警戒感は強い。だが下振れリスク指摘する声は少ない。
日経平均が8000円台半ばを挟んだレンジから抜け出すのは容易ではない。
・Wall Street:今週の米株式相場は米国内の生産・消費・金融政策を巡る動きに関心が向きそう。
欧州危機への対応策を市場は消化しきれておらず、詳細を巡る要人の発言などで相場が乱高下する可能性も。
上向きつつある米景気の動向にも市場の注目集まる。12日米連邦公開市場委員会(FOMC)で文言しだいで市場反応も。
13日、11月の小売売上高、15日鉱工業生産発表。欧州情勢への不透明感と米景気をめぐり好材料とが綱引き演じる展開が予想。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派44%(前回比-10)弱気派24%(同+4)中立派31%(同+5)
緊迫する欧州情勢を受けて投資家心理やや悪化。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は新興国の下落目立つ。
欧州債務危機収束に向けた期待が後退。投資家のリスク回避姿勢強めた。デモ警戒広がったロシア株が大きく下落。
中国株景気減速懸念から年初来安値更新。アジア株も下落。スイス株はしっかり。
・サイバー攻撃対策に取り組んでいる企業。サイバー犯罪の検挙数は増加基調続く。
ラック <3857> [終値564円]
サイバー攻撃に関する助言やシステム構築、運用監視サービスなどを手掛ける。70人の担当者が24時間体制で監視。
トレンドマイクロ <4704> [終値2423円]
サイバー攻撃から企業のサーバーを保護するサービスを強化。19日サーバー改ざん検知ソフト改訂版発売。
NTTデータ <9613> [終値243300円]使い捨てパスワードの認証サービスの販売伸ばす。10月以降例年の1.5倍の水準で推移。
野村総研 <4307> [終値1717円]子会社はサイバー攻撃をシュミレーションし、被害を検証するサービス始める予定。
セコム <9735> [終値3475円]
法人向けサイバー攻撃対策サービス開始。ネットに接続する「入口」と「出口」などで脅威の分析・診断実施。
総合警備保障 <2331> [終値818円]サイバー攻撃の監視サービス強化に取り組む。
・第4次M&A(買収・合併)ブームの中、成否の分かれ目はどこか。過去の失敗かに学べ。
企業、投資銀行、価格算定業者、M&Aには高値掴みのトライアングル構造。相乗効果の発揮の困難さにある。
良い案件に「3つの法則」
法則その1:「イイとこ取り」統合する2社の設備や人材のうち、優れた方を新会社に残し、優れた方にさや寄せする。
法則その2:「布石を生かす」買収した企業を起点に新市場の開拓や次のM&Aにつなげる。
法則その3:「エースを送れ」買収効果を引き出す本気度は人事に表れる。
・ランキング:買い安心感のある高配当利回り銘柄。
1位武田 <4502> [終値3210円]配当利回り5.607% 2位住友商事 <8053> [終値1147円]4.680%
3位三井物産 <8031> [終値1198円]4.591%
10位NTTドコモ <9437> [終値137500円]4.073% スマホ販売競争激化。株価の上値抑える。
17位平和 <6412> [終値1335円]3.745% パチンコ・パチスロ楽しむ人減る。現役でも安定配当目指す。
26位東洋紡 <3101> [終値108円]3.241% 安定配当維持も新しい成長エンジンの育成が課題。
28位住友鉱 <5713> [終値1023円] 3.128%
非鉄市況軟化、電子材料事業の採算も悪化。電子材料事業の収益改善策打ち出せるかが株価を左右。
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株式会社アスリーム
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