最新の経済ニュース・最新株式情報はコロ朝経済ニュース・株式掲示板で!

扉を開いて(2012.4.8号)

2011年4月9日(月)晴れのち曇り

・国債過剰症候群 増え続ける銀行保有、埋め込まれた爆弾。
 日本国債の債務不履行(デフォルト)に備えたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)保証料3/27底に上昇へ。
 米有力ヘッジファンド創業者カイル・バス氏「日本国債の下落と円安に備えた取引始めた」と公言。
 金融機関保有する日本国債は604兆円、国債発行額の66%。国債急落すれば金融機関には巨額な含み損発生に。
 山陰合同銀 <8381> [終値620円]総資産に占める国債比率27%と上場地方銀行中トップ。
 貸出先がなく、利幅も薄い融資業務、金融機関の貸出金は減り、余った資金が国債に向かう。

・国債過剰症候群、安全神話に忍び寄るリスク
 この先景気が上向き、民間資金需要が回復すると国債に回る資金が細る可能性も。
 日本の経済収支の赤字が将来定着したら国内資金だけで国債消化はおぼつかず。
 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)2月日本の格付け4番目のダブルAマイナスに据え置きも見通し「ネガティブ」に
 格下げの要因の一つは「政府債務が現在のペースで増加すること」「政治の不安定さが最大の格下げ要因」とも。
 可能性低いながらも本国の国債はリスクゼロとのルール見直し機運も。「困るのは金融機関の国債保有多い日本と欧州」と。

・国債保有率(2011年12月末)地方銀行8行が2割超。
 山陰合同銀 <8381> [終値620円]国債保有率27.2% 山梨銀 <8360> [終値350円]26.4% 南都銀 <8367> [終値370円]23.6%
 十八銀 <8396> [終値241円]23.5% 第四銀 <8324> [終値275円]23.2% 七十七銀 <8341> [終値343円]22.7%
 
・日本国債残高755兆円のうち約93%を国内投資家保有。海外投資家の保有比率約7%にとどまる。(2011年12月末)
 3月は国債先物取引の売買シェア、海外勢46%と証券会社の35%上回り、存在感高まる。
 「長期金利1%上昇するケース考えると大手銀行で3.5兆円、地域金融機関で2.8兆円の損失に」

・国際価格の急落にはいつの時代も買われすぎていた国債、需給不安、財政規律への懸念とのキーワード。
 米経済の回復で米国債が売られると米債に投資していた金融機関などが損失の穴埋めで日本国債売ることも。

・円安・株高の流れが変調と。日経平均株価先週395円下落。
 3月米月の雇用統計、非農業部門の雇用者の増加数が市場予想下回り、日経平均先物夜間取引で一時9510円まで下落。
 円相場は対ドルで一時1ドル=81円31銭とほぼ1ヵ月ぶりの円高水準に。日本株の上昇は緒性局面迎えている。
 市場の注目は日米の金融緩和改革の行方。日銀9〜10日に金融政策決定会合開催。

・太陽電池、部材各社の業績暗転。中国メーカーなどとの競争激化、海外では破綻する太陽電池メーカーも出始める。

 リンテック <7966> [終値1530円]2012年3月期太陽電池用バックシートの営業利益前期比7割減8億円程度に。けん引役一転重荷に。

 東レ <3402> [終値608円]バックシートの販売12年3月期下期から減速。先行きも厳しく需要回復には1年ほどかかかるとも。

 帝人 <3401> [終値273円]バックシート関連部門の営業損益が12年3月期の下期に7億円の赤字(前年同期125億円の黒字)に 

 SUMCO <3646> [終値901太陽電池向けでの収益回復難しいと判断し撤退へ。

 フェローテック <6890> [終値732円]太陽電池事業の営業利益は2012年3月期の前の期比2割減。足元受注戻らず。

 トクヤマ <4043> [終値239円]2014年までにマレーシアに総額2000億円投じ、太陽電池用シリコン工場建設。逆張り投資。
 2011年12月末自己資本2400億円に対し2000億円投資。資金手当て11〜14年までに稼ぐキャッシュフローで賄うと。
 13年度増益になれば十分達成と。エクティファイナンスは考えず。

・会社がわかる 特集エイチ・アイ・エス <9603> [終値2683円]格安旅行の先駆け、さらなる「安さ」に挑む。
 今後はシニア層や法人需要の取り込みが必要に。国内線開拓も課題。全日空 <9202> [終値236円]との連携も。
 強固な財務力背景に新分野の開拓に向けた合併・買収(M&A)も選択肢に。
 今後の収益を左右しそうな2010年4月子会社化したハウステンボス(HTB)1992年開業以来初の黒字(11年9月期10億円)と軌道に。

・外国為替市場、金融政策の方向性や金融緩和の度合いの違いで通貨の強弱につながりやすく。
 市場のテーマがファンダメンタルズに(経済の基礎的条件)に移りだす。
 主要通貨の中で買われやすくなってるのが英ポンド。日経通貨インデックスでポンドは3/1以降1.1%上昇。
 英イングランド銀行2月、市場への資金供給枠拡大、景況感の改善受けて当面は追加緩和見送りとの見方優勢。
 一方、市場が金融緩和予想するのはオーストラリア。通貨インデックスで豪ドル2.8%下落。最大の輸出先の中国の景気が減速。
 ブラジルレアルも下落目立つ。利下げ昨年9月以降5会合連続。景気回復鈍化に配慮する姿勢鮮明に。

・金価格が大幅に調整。NY先物市場先週4日、前日比で3%超急落。一時1トロイオンス1613ドルと3ヵ月ぶりの安値に。
 足元1630ドルは2/28年初来高値(1788ドル)の9%下落に。金需要の大きい中国景気鈍化、インドでは金取引にかかる税率引き上げ検討。
 プラチナ相場も軟調。外国為替市場でユーロ売り・ドル買い進めば金は売られやすく。

・OUT Look:今週の株式相場は荒れ模様の展開となる可能性も。
 日経平均株価は先週、週前半から下げが続き、日経平均の25日移動平均線が右肩下がりに転じる。
 米雇用統計の内容も相場の先行き読みづらく。日本企業の業績回復期待は崩れて無く、下値余地は限定的との見方も。
 5日移動平均線と25日移動平均線が売りのサインとされる「デットクロス」形成。
 裁定取引に伴う現物株の買い残、2兆1600億円と東日本大震災当時の水準まで積み上がる。
 今週末は株価指数オプションの特別清算指数(SQ)算出控える。株価の下値メド9500円と調整幅限定的と見る向きも多く。

・Wall Street:今週の米株式相場はもみ合いか。米主要企業の1〜3月期の決算発表始まる。
 米雇用統計受けて週明けの株式市場は失望売り広がる可能性も。4/9バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長講演注目。
 10日に非鉄大手アルコア、12日ネット検索大手グーグル、13日JPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴが決算発表。
 11日地区連銀経済報告(ベージュブック)12日3月卸売物価指数、13日4月の消費者態度指数注目に。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派40%(前回比+3)弱気派31%(同-12)中立派29%(同+9)
 円相場や海外景気がカギと。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は欧州債務危機の再燃や中国経済の先行き不透明感の強まりに加え、
 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表きっかけに米追加金融緩和への期待が後退、リスク資産売却の動き目立つ。

・ランキング:「QUICKコンセンサス」利用2013年3月期増益率ランキング。

 首位住友化 <4005> [終値335円]今期純利益増加率9662.88% 前期採算悪化液晶用材料の回復が原動力。

 2位ヤマハ <7951> [終値825円]2106.24% 海外販売が回復傾向。対ユーロ・対ドルでの円安が寄与。12年3月期V字回復予想。 

 3位パイオニア <6752> [終値713円]1290.24% 車載搭載機事業寄与度高く。13年3月期車載機器事業営業利益前期比2.9倍200億円。

 12位第一三共 <4568> [終値1444円]238.78% 2012年3月期多額の損失計上の反動で13年3月期純利益大幅増。

 33位カネカ <4118> [終値475円]91.00% 化成品の値上げと特別損失の解消で利益水準は大幅に回復。

・不動産投資信託(REIT)にマネー戻ってきた。日銀緩和姿勢を受けて投資家の見方が改善。東証指数一時1000台に回復。
 この活況は売られすぎた反動か、本物の回復か。
 株価に相当する投資口価格で見たREIT全体のPBR(株価純資産倍率)が1倍近くになる水準が1000台に。増資しやすく。
 「増資→良い条件の物件取得→相場上昇→増資」という好循環にも。REIT活況が不動産相場浮上のきっかけになる可能性も。
 海外投資家一番(不動産価格が上昇する)のびしろがあると見るのが東京。世界都市圏の中で東京の人口は最大規模。

・待機児童減らす関連法案国会に提出。保育園や学童保育など子育て支援事業に携わっている企業。

 JPホールディングス <2749> [終値893円]
 現在114ヵ所の保育園を運営。14年3月期までに年20園づつ開設。今後既存の公立保育所を民営化する動き加速と。  

 学研HD <9470> [終値176円]保育事業強化。
 14年9月末まで現在の3倍以上の26園運営し、15年9月期同事業売上高20億円にする計画。

 リソー教育 <4714> [終値5270円]国や自治体などの補助を受けず、高所得者層向け「英才お受験型」託児所強化。
 自宅への送迎サービスも。10年後に50ヵ所、年100億円の売り上げ達成へ。

 JR東日本 <9020> [終値5210円]子育て支援施設に駅ビルや高架下など59ヵ所貸し出し。将来は100ヵ所へ。

 東急 <9005> [終値384円]子会社キッズスペースキャンプ(東京・世田谷区)2006年1号店開設、現在16店展開。 

 京王 <9008> [終値573円]小田急 <9007> [終値761円]も相次ぎ民間学童保育に参入。

 明光ネットワーク <4668> [終値796円]
 学習塾併設した学童保育開く。小学校低学年から顧客囲い込み、高学年以降塾利用へつなげる狙い。

・4月安値で買って1年間保有し「成功」と呼べるのは過去30年で1980年代だけ。
 業種別でも4月の安値で買った場合、5〜6月に売る短期決戦で臨んだ方が良さそう。
 過去30年4月の安値買いリターン、5月末売却4.3%、6月末4.0%、7月末3.8%、12月末2.7%、翌年4月末8.0%に。
 (ただし1982年〜89年までの4月購入の好成績が支えてる形に)
 4月購入翌年4月末売却リターン、80年代24.8%、90年代1.8%、2000年代3.0%、10年代マイナス3.1%。
 業種別では商社(14.7%)不動産(10.6%)精密機器(11.5%)その他金融(11.1%)が4月購入後翌年4月末売却でのリターン2ケタ増。
 36業種中25業種は買った直後の5月末、6月末がリターン多く、月を追うごとに目減りの傾向。(日経ヴェリタス)

———————————————————————–

株式会社アスリーム
INTERNET MEDIA OF INVESTMENT NEWS             
  〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2-14-5      

URL : http://koronoasa.com/
———————————————————————–

記事の続きはコロ朝プレミアムで!

コロ朝プレミアム入会はこちらから