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扉を開いて(2012.7.8号)

2011年7月8日(日)雨

・異変 投信夏の陣 崩れる長期保有の常識

 「高分配神話」の崩壊。投信市場の7割占める毎月分配型では減配相次ぎ6月末合計残高約31兆円と1年前比15%減。
 「新興国通貨」「デリバティブ(金融派生商品) 」「低格付け資産」など高リスク運用で高分配捻出手法も、
 世界的市場心理の悪化に立ち行かなくなりつつある。
 1年前に買った人の投信の分配金のうち、純粋な運用収益に相当する分はわずかに2割、8割が元本払戻金と。

・上半期のヒット商品のキーワード「REIT・安定配当」
 
 大きな値上がり益狙わず、安定した配当収入を見込める試算を重視する傾向強まる。
 1000億円以上の資金を集めたファンドは7本。前年同期の14本から半減。市場全体の流入額約4900億円と前年同期の2割に。
 
 外貨運用の人気、通貨別では「ブラジルレアルの没落」「豪ドル巻き返し」が鮮明に。

 資金流出額2475億円と最大は「グローバル・ソブリン・オープン」。投資対象の先進国債券の運用環境悪化、運用収益低迷。

・個人投資家、投信保有期間試算5月末時点2.37年。保有期間過去10年で最短に。
 利益確定早めにとの投資家心理。「繰り上げ償還付き」投信設定増加。

・円ドル相場のこう着感強まる。欧州情勢が小康状態を保ち、リスク回避を意識した投資家の動き後退。金利差意識した取引もしにくく。
 海外ヘッジファンド中心に注目は「ユーロキャリー」取引。低金利のユーロから豪ドルやカナダドルに資金振り替える投機筋増加。

・中国13日、2012年4-6月期国内総生産(GDP)実質成長率発表。予想平均7.7%でえ09年4-6月期以来3年ぶりに節目の8%下回りそう。
 GDP発表に先行し5日、2ヵ月連続の利下げに踏み切る。積極的金融緩和で景気をてこ入れする姿勢鮮明に。
 外需不振で景気底入れへの期待薄れ始める。

・米主要企業4-6月期決算発表、9日アルコアから始まる。外部環境これまで以上に不透明、米国も雇用回復ペース遅れ個人消費も黄信号灯る。
 市場予測米主要500社の純利益は前年同月比0.6%増まで急減速と。業績に下振れリスク「外需の減速とドル高」に言及した企業95社。
 業種別では原油など資源価格の下落を受けてエネルギー(15%減)や素材(12%減)で大幅減益見込まれる。
 IT(情報技術)も約8%増(前期2ケタ増)にとどまる。
 13日JPモルガン・チェースに関心。
 当初20億ドル(約1600億円)程度としていたデリバティブ(金融派生商品)取引失敗損失がどこまで膨らんでいるか焦点。
 秋材料出尽くしとなれば一旦買いが膨らみそうと。
 インテルやIBM、GSなど決算発表が本格化するのは来週から。

・欧州中央銀行(ECB)夏季休暇シーズン控えて先送りムード。危機対策の総力戦は「秋の陣」に持ち越されそう。
 0.25%の利下げにとどめたことでECBには追加利下げののりしろが出来た。
 米連邦準備理事会(FRB)や日銀と同じ金利水準のゼロ近辺までに2回も利下げできる余地あり。
 欧州景気の後退が鮮明になる9月以降に、金融市場がどう反応するかが次のヤマ場と。

・米月の雇用統計、非農業部門の雇用者数前月比8万人増。4〜6月平均では7万5000人と昨年12〜今年2月の25万人を大きく下回る。
 春先に雇用が大きく伸びた後の失速する「憂鬱の夏」を迎えるのは3年目。
 雇用の減少が消費の冷え込みを招き、さらなる雇用減を引き起こす「負の連鎖」。「人材派遣」は雇用増の業種。

・全日空 <9202> [終値196円]
 7月下旬最大2100億円規模の公募増資に踏み切る。米ボーイング次世代旅客機「787」の導入資金などに充てる。
 日本航空上場前に資本調達にメドを付けようとしたわけとも。市場の信頼得るには明確な成長路線示すこと。

・川崎汽 <9107> [終値131円]2年ぶりの公募増資。最大2億株(発行済み株式数の26%)新規に発行、劣後ローンと合わせ最大586億円調達。
 最大286億円は将来の稼ぎ頭となる船舶投資に充てる方針。コンテナ船事業の収支改善で業績は回復基調に。

・ネクソン <3659> [終値1602円]当面配当せず、M&A(買収・合併)など成長投資優先へ。
 崔承祐社長「成長によって株価を上げ株主に報いたい」「現在の6900億円程度の時価総額では満足できない」と。
 

・会社がわかる 特集AOKIホールディングス <8214> [終値1662円]主力のファッション以外の事業、連結営業利益3割強稼ぐ。
 3〜5年でカラオケ店を現在約130店舗から250店舗へ。複合カフェは約180店舗から300店舗へ増やす計画を掲げる。
 さらなる多角化に向け今後はM&A(買収・合併)も視野に。 
 主力事業紳士服で今後5年ほどで前期末約530店を800〜900店にする方針。
 海外展開で出遅れ、収益源が国内に偏っていることへの懸念が株価の重荷になっている。

・中国景気の減速リスクが日本株の重荷になり始めた。中国人民銀行は5日追加利下げに踏み切り、景気下支え姿勢鮮明に。         先行き不透明感なお強く、中国に収益を依存する企業の株価はさえない値動き続く。
 中国関連の代表格コマツ <6301> [終値1961円]日立建機 <6305> [終値1475円]は小幅安で取引終える。
 投資家のリスク許容度が回復したギリシャ再選挙以後もその波に乗り切れず。
 選挙直前6/15終値と日米欧や新興国の株価指数が軒並み値を持ち直す中、上海総合指数だけは4%安の水準に。

・OUT Look:今週の株式相場は9000円を挟んだ一進一退の展開に。
 日経平均株価は週初は弱めにはじまり、8800円から9200程度の推移か。
 週半ばの日銀金融政策決定会合で思い切った金融緩和策が出れば予想を上回って上昇する可能性も。
 13日には中国4-6月期国内総生産(GDP)発表。
 短期的な相場の過熱感を示す指標も。東証1部騰落レシオ(25日移動平均)132.18%と相場の過熱感示す120%超え。
 先週5日連続で東証1部の売買代金1兆円割り込む。6月初旬から戻り歩調も商い盛り上がらず弱材料に。

・Wall Street:今週の米株式相場は神経質な値動きか。
 4-6月期米主要企業の決算発表が始まり、世界的な景気減速がどう企業業績に影響しているか見極める局面に入る。
 欧州中央銀行(ECB)や中国利下げなど金融緩和ラッシュにもかかわらず米株式相場の上値重く。
 11日米連邦公開市場委員会(FOMC)の6月分議事要旨発表。量的緩和第三弾(QE3)がどこまで議論されていたのか注目。
 9日非鉄大手アルコア、13日米銀大手JPモルガン・チェースの決算発表。
 中国では13日に4-6月期国内総生産(GDP)発表。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派36%(前回比-16)弱気派38%(同+8)中立派27%(同+9)
 日経平均株価はここ1ヵ月で約500円上昇、上値は重いと予想する投資家増え、弱気派や中立派が増えたよう。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は週前半と後半でムード一変。
 6月末欧州連合(EU)首脳会議の結果が好感され小じっかりも、週末にかけて世界経済の減速懸念が強まり下落に転じる市場増加。
 スペインでは6日に長期金利が再び7%台まで一時上昇、IBEX35指数が大幅に下落。ギリシャアテネ総合指数は週間で5%弱下げる。

・ランキング:海外投資家の持ち株比率が10%未満で自己資本利益率(ROE)が高い会社。

 首位フージャースコーポ <8907> [終値60700円]ROE50.55% 海外投資家持ち株比率9.5% 用地仕入れ厳格化など利益持ち直し。

 2位UBIC <2158> [終値6840円]50.31% 5.5% 3位ニューフレア <6256> [終値600000]49.33% 4.9%

 4位ティーガイア <3738> [終値154000円]28.28% 4.7% スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)普及が追い風。

 17位ナガセ <9733> [終値2160円]20.54% 0.0% 創業家が多く株を持ち流動性低いことが原因とも。

 25位岩谷産 <8088> [終値319円]14.82% 7.5% 卸売という業態は海外投資家に理解されにくい。燃料電池車の普及がカギ。 

(日経ヴェリタス)

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