
扉を開いて(2012.10.14号)
- 2012年10月14日
- 株式投資・経済ニュース全般
2011年月日(日)くもり
・「生き金経営」の号砲 グローバルに競う成長投資。
ソフトバンク <9984> [終値2395円]「2兆円はどう調達するのか」「株主を巻き込んだギャンブルでは」
米携帯電話3位スプリント・ネクステルと同5位メトロPCSコミュニケーションの買収。財務悪化懸念から株価17%急落。
「リスク高くても、本気で海外企業の経営権を取りに行くのは評価」とも。
しまむら <8227> [終値8070円]野中正人社長、
豊富な手元資金を使い都市部でスウェーデンへネス&マウリッツ(H&M)などグローバル企業のファッションブランドとの競争に挑む。
東京エレク <8035> [終値3435円]2000億円超の手元資金持ちながら大型M&A(買収・合併)に慎重も変化の兆し。
昨年半導体製造装置10位米ノベラス・システムズの買収巡り、水面下で同5位米ラム・リサーチと争奪戦を繰り広げていた。
・使う経営が株価を上げる。市場が評価する活用上手と高ROE(自己資本利益率)。分析対象余剰資金のある日本企業1200社。
2009年末または上場日終値と比べた11日時点の株価騰落率を同期間の日経平均騰落率との差。
「資金活用型」(49社)資金活用度とROEのいずれも高い。カルビー <2229> [終値6840円]騰落率222%
シスメックス <6869> [終値3610円]71% アステラス <4503> [終値3845円]29% NTTドコモ <9437> [終値122700円]14%
「増配・M&A期待型」(364社)収益力は高いがやや待機資金が多い可能性があり、株主還元の拡大やM&Aによる成長が見込める。
ファナック <6954> [終値12170円]59% 大塚HD <4578> [終値2406円]29% しまむら <8227> [終値8070円]10%
キヤノン <7751> [終値2457円]▲20%
「低投資効率型」(97社)資金活用度は高いが収益力が低い。投資戦略の見直し必要。ヤマトHD <9064> [終値1201円]11%
デンソー <6902> [終値2388円]4% 村田 <6981> [終値3805円]3% スズキ <7269> [終値1624円]▲11%
「割安のワナ型」(690社)資金活用度が低く、集積性も低い。唯一平均PBR(株価純資産倍率)が解散価値の1倍割れ。
過剰な現金→低ROE→低PBRの「バリュートラップ(割安のワナ)」に陥っている可能性。
社数6割占め「生き金経営」に目覚めれば日本株浮上につながると。船井電機 <6839> [終値998円]▲59%
ローム <6963> [終値2490円]▲39% 東京エレク <8035> [終値3435円]▲25% 京セラ <6971> [終値6490円]▲2%
・生かす経営で脱「割安のワナ」指標面で割安感が強くても、経営者が株主重視に目覚めないとk部下の上昇見込めず。
手元資金の有効活用に動き出した企業。
ナガイレーベン <7447> [終値1190円]2005年米運用会社タイヨウ・ファンドから学ぶ。従来30%程度の配当性向05年から50%以上へ。
業績も好調。13年8月期3期連続で過去最高の売上高・営業利益に。04年起点株価騰落率日経平均株価はマイナス25%に対し、25%上昇。
「第2のナガイレーベン」はどこか。
ゼビオ <8281> [終値1511円]13年3月期配当予想35円、5円増配。6期ぶりの増配に。
アルペン <3028> [終値1423円]も12年6月期に上場来初の増配決め、13年6月も5円上乗せ。
グローリー <6457> [終値1776円]ネットキャッシュ上回る約860億円投じて英国同業7月買収。今後グローバル企業として飛躍も。
・「カネ持ち上場子会社」親会社が完全子会社化して上場廃止になるケース目立つ。通常TOB(公開市場買い付け)はプレミアム付く。
キヤノンMJ <8060> [終値1048円]ネットキャッシュ991億円 ROE0.8% PBR0.62倍 親会社キヤノン <7751> [終値2457円]
アルパイン <6816> [終値632円]386億円 3.1% 0.44倍 アルプス <6770> [終値379円]
信越ポリマー <7970> [終値263円]286億円 1.3% 0.35倍 信越化 <4063> [終値4485円]
能美防災 <6744> [終値503円]205億円 3.8% 0.58倍 セコム <9725> [終値3985円]
タカラバイオ <4974> [終値665円]200億円 1.9% 1.92倍 宝HD <2531> [終値573円]
東映アニメ <4816> [終値1835円]125億円 8.1% 0.78倍 東映 <9605> [終値423円]
住友電設 <1949> [終値654円]114億円 9.7% 0.69倍 住友電工 <5802> [終値796円]
東宝不 <8833> [終値413円]91億円 4.5% 0.72倍 東宝 <9602> [終値1368円]
・米国株が下落。ダウ工業株30種平均先週約280ドル(2.1%)下げ、週間ベースの下げ幅は約4ヵ月ぶりの大きさ。
量的緩和第三弾(QE3)決めた9/13以前の水準に逆戻り。米企業7〜9月期決算滑り出しはやや低調に。
米主要500社の7〜9月期の純利益前年同期比3%減る見通し。相場の下支えは米景気の粘り腰。
相場の行方を占ううえで、経営者が事業の先行きをどう見通しているかも注目。
・中国国家統計局18日、7〜9月期国内総生産(GDP)の発表予定。
エコノミスト調査は実質成長率予想平均値(コンセンサス)前年同期比7.5%。4〜6月期の7.6%から低下見通し。7四半期連続の減速と。
株式市場はむしろ景気対策への期待感から買いが先行している。
・今週から日本企業の2012年7〜9月期決算の発表が本格化。
海外景気の減速背景に輸出企業では通期予想の下方修正が相次ぐ公算大きい。
13年3月期の日本企業業績、市場「全体に減益」との見方浮上、日本株相場の重荷になりそう。
・会社がわかる 特集東京ガス <9531> [終値423円]総合エネルギー企業への転換を急ぐ。
ガス火力発電やコージェネレーションシステムの拡大、燃料電池など次世代のエネルギー技術でも主導権握る構え。
東電 <9501> [終値126円]との首都圏決戦に挑む。
足元の株価上昇は震災後のエネルギー政策の転換が追い風、利益成長が期待できるグロース株として評価される局面に。
将来電気料金完全自由化がガスにも及ぶこともリスク要因に。
・すそ野広がるiPS関連 カギ握る企業の株価の反応。
筆頭格タカラバイオ <4974> [終値665円]
iPS細胞研究所にiPS細胞作製に必要なDNA(デオキシリボ核酸)提供。週間で約59%上昇。
9日はジャパン・テッシュ・エンジニアリング <7774> [終値76300円]も一時ストップ高。週間で16%上昇。
iPS細胞を使って人の目の網膜の再生医療を実現するための理化学研究所の研究に参加。
セルシード <7776> [終値763円]細胞シート用いた再生医療手掛け、iPS細胞にも応用できる機材の開発進めている。
島津 <7701> [終値521円]iPS細胞からつくった治療用細胞を培養する装置、
ニコン <7731> [終値1913円]は良質なiPS細胞の選別技術をそれぞれ開発。
川重 <7012> [終値157円]細胞を培養するための培地をロボット使って自動的に交換する製品開発。
日立 <6501> [終値404円]東京女子医科大と共同で再生医療に使うシート状の細胞組織を自動培養する装置を試作、培養に成功。
テルモ <4543> [終値3205円]細胞シートによる心筋再生医療の臨床試験(治験)を世界で初めて開始。
帝人 <3401> [終値173円]脳卒中の後遺症改善する細胞開発する、米ベンチャー・サンバイオ社(カリフォルニア州)に出資。。
旭化成 <3407> [終値413円]テラ <2191> [終値706円]と組み、がん治療向け細胞加工装置の共同開発進める。
富士フイルム <4901> [終値1306円]グループ会社通じジャパン・テッシュ・エンジニアリング <7774> [終値76300円]に出資。
・電子書籍販売専業2社の業績拡大ペースが速まる。背景はスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)やタブレット端末の普及。
読者基盤のある2社にとってコンテンツの拡充が事業の追い風になる可能性がある。
イーブックイニシアティブ <3658> [終値2724円]2012年2〜7月期の単独経常利益前年同期比23%増、2億200万円。
13年1月期通期見通しに対する進捗率は58%に達する。
パピレス <3641> [終値2532円]13年3月期単独経常利益予想は前期比23%増の4億4400万円も足元は想定より強含んでいる。
・世界の株式市場で日本株の低空飛行目立つ。米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第三弾(QE3)に踏み切った9/13から1ヵ月。
この間日経平均株価は4.75%下落(9/12起点)。米国株は0.03%安ながら約4年ぶりの高値圏。
アジアではタイやインドネシアは年初来高値まで駆け上がった国もある。
日本株は昨年来「PBR(株価純資産倍率)0.9倍」が有力な下値抵抗線(現在0.89倍)でここから一段の深押しを予想する向きは減る。
日本株の出遅れは「世界景気の影響受けやすい輸出依存型の経済・産業構造と円相場の高止まりのせい」と。日中関係悪化も重荷。
短期的なテクニカル指標には割安サインも出始める。
「RSI」(相対力指数)30%まで下がると短期的な底値圏示唆するとされるが足元では19%に落ち込む。
急降下の可能性は低いものの、日本株の高度はなかなか上がってこない。
・OUT Look:今週の株式相場は日経平均株価が8500円を挟んだもみ合いか。
先週までに日米欧の主要な株価指数は相場の節目となる水準をいったん割り込み、下落基調に転じる。
日経平均は6/4の年初来安値8295円から上げ下げ繰り返しながらも上昇基調が続いていたが、
先週下値支持していた8700円近辺大きく割り込む。売り圧力が強まっている背景には企業業績への警戒感。
半年前の株高局面に信用取引で買った個人は、含み損抱え決済期日を迎え機敏に動きづらい。
日銀先週までに上場投資信託(ETF)を累計1兆4493億円買っており、上限1兆6000億円にはあと5回分とも。
10月末日銀金融政策決定会合に向け、「購入枠拡大催促する相場にも」
・Wall Street:今週の米株式相場は本格化する7〜9月期企業決算発表見ながらの神経質な展開に。
マクロ経済指標は景気改善示す指標が相次ぐ一方、世界景気の減速観測から企業業績悪化への懸念が市場への暗雲となる。
今週はシティグループ、ゴールドマン・サックスなどの金融大手、IBM、GEなどグローバル企業の決算が目白押し。
9月小売売上高、住宅着工件数、中古住宅販売など主要マクロ指標発表。
2回目の大統領候補討論会も16日開催。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派39%(前回比-8)弱気派27%(同+11)中立派34%(同-3)
国際通貨基金による世界経済見通しの下方修正や相次ぐ米企業の業績悪化で国内企業の業績下振れリスクが意識され弱気派増加に。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は総じて軟調。国際通貨基金(IMF)世界景気見通し下方修正受け、景気減速改めて意識。
中国株は2週連続で上昇。共産党大会を前に景気刺激策や株価支援策が出るとの期待感がある。
上昇1位トルコ週間騰落率3.3%(年初来35.8%)2位ベトナム1.1%(11.7)3位ブラジル1.0%(4.2)4位上海0.9%(▲4.3)
下位25位スペイン▲3.8%(▲10.7)24位日本▲3.7%(0.9)23位アルゼンチン▲34%(▲2.5)22位台湾▲3.3(5.2)
・ウォール街で10月は「ジンクス(縁起の悪いの意)の月」と呼ばれれる。米国株式市場で歴史的な暴落を記録した日が10月に集中。
USAトゥデー電子版「10月の株式市場は急落に耐えられるか?」との記事で1日の株価下落率大きかったワースト10のうち5日分10月に。
だが同記事は「10月全体の株価でみると成績は悪くない」とも指摘。過去20年で10月は1年のうち3番目の好成績。株価平均1.8%上昇。
株価急落引き起こす目下の懸念材料としてイランとイスラエルの戦争勃発挙げる。
金融情報サイト「マーケットウォッチ」のブログも「今月は投資家が恐がるほど悪くならない」との見通し。
9月の株価が上昇すると10月も平均1.8%上がるという過去の統計紹介。
バロンズ電子版、米企業の7〜9月期決算発表が10月の相場における影響に注目。「素晴らしいとは思えず」
10月末は多くの投資信託が決算期迎える。
「ファンドマネージャーはポートフォリオを『お化粧』するため、特に業績の悪い株を売る」。それが急落を招く可能性があると。
(日経ヴェリタス)
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