【扉を開いて】次のMBO マネー熱視線
- 2024年01月14日
- 日経ヴェリタス
2023年1月14日(日)はれ
・次のMBO マネー熱視線 株主構成やPBRで占う リスクも目配り
「これまで30以上の日本企業とMBO(経営陣が参加する買収)を実施してきたが、
今がいちばん相談が多い」。ベインキャピタルの杉本勇次・日本代表はこう打ち明ける。
MBOが株式市場でのバズワードになっている。
M&A助言のレコフによると、23年発表のMBOによる非上場化案件は計1.4兆円と過去最大となった。
・次のMBO マネー熱視線 株主構成やPBRで占う リスクも目配り
「MBOラッシュ」の要因の1つが、東京証券取引所による市場改革だ。
22年に抜本的に市場区分を再編し、23年には
「資本コストや株価を意識した経営」を要請。特に後者の効果は絶大で、
「企業経営者の中には、PBR(株価純資産倍率)を1倍以上に持っていけるアイデアがなく、
自分の経営に限界を感じて非公開化を検討し始める方もいる」(KPMG FASの石井秀幸執行役員)。
・次のMBO マネー熱視線 株主構成やPBRで占う リスクも目配り
「上場していても常に株主からのプレッシャーを受ける時代で、
『上場=ゴール』ではない。いい意味で企業にとって選択肢が増えたのではないか」と話す。
大正製薬HD <4581> [終値8618円]などが立て直しに成功すれば、
非上場化による事業成長は日本でも今後は「普通」の選択肢になる可能性がある。
・次のMBO マネー熱視線 株主構成やPBRで占う リスクも目配り
投資家目線でもMBOへの注目は俄然高まる。「お客さんの間でMBOの話題がかなり増えている」。
一般にMBOは「プレミアム」が上乗せされた価格で買い付けが実施されるため、
発表直後は株価が上昇するケースが大半だ。
難易度は高いが、タイミングによっては個人も大きなリターンが得られる好機と言える。
・次のMBO マネー熱視線 株主構成やPBRで占う リスクも目配り
それでは、どんな企業がMBO予備軍になるのか。
日経ヴェリタスは創業者持ち株比率やPBR、上場来高値比の株価下落率などの指標に条件を設定し、
有力候補となる銘柄群を抽出した。
東証スタンダード市場に上場する中小型銘柄や、業績が振るわないIT関連などが該当した。
・次のMBO マネー熱視線 株安・オーナー企業に注目
「MBO予備軍」はどのような銘柄か。
日経ヴェリタスは東証上場企業を対象に、
創業者持ち株比率やPBR(株価純資産倍率)などの条件を設定し有力銘柄を抽出。
スタンダード市場に上場する中小型銘柄や、業績が振るわないIT(情報技術)関連などが多く該当。
抽出にあたり、まず創業者持ち株比率は15%以上を条件とした。
続いて「PBRが1.5倍以下」「足元の株価が上場来高値比で8割以下」
「上場来高値をつけたのが20年以前」を条件とした。
このほか、「18年以前に上場」「時価総額は100億円以上1兆円以下」なども抽出条件とした。
・次のMBO マネー熱視線 MBO、スタンダード上場投資信託(ETF)・IT企業などが「予備軍」
ゴールドクエスト <8871> [終値2273円]PER0.6倍
上場来高値比株価騰落率▲68% 時価総額822億円 不動産・住宅
ファーストブラザーズ <3454> [終値1032円]0.6倍 ▲42% 147億円 投資
カナレ電気 <5819> [終値1623円]0.6倍 ▲42% 109億円 製鉄・金属製品
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・次のMBO マネー熱視線 株安・オーナー企業に注目
株式投資に詳しい公認会計士の足立武志氏は「MBO銘柄をぴたりと的中させるのは難しい。
保有銘柄にMBOがあればラッキー、くらいの心持ちでいるべきだ」と指摘する。
MBOによる投資利益を狙って割安な銘柄に投資しても、
投資指標面で割安な銘柄が一向に値上がりしない「バリュートラップ」にはまる可能性もある。
「ホームラン狙い」の投資手法であるとの認識を持つことは欠かせない。
・次のMBO マネー熱視線 発表後の株価を注視 TOB価格超えや「不成立」のリスクも
上場企業がMBOを発表した場合、株主にとってはプレミアムをつけて株を売却する大きなチャンスだ。
保有銘柄がMBOしたという個人投資家の喜びの声はしばしばネット上でも見受けられる。
だが、まだ一件落着ではない。
以前はMBOが発表されると、その後の株価はTOB価格にさや寄せして上場廃止を迎える、
というのがお決まりのパターンだった。
最近はそれが崩れつつある。
株価がTOB価格を超えたり、ときにはそのまま不成立になったりというケースが出始めた。
TOB期間中の立ち回り方次第によっては、キャピタルゲインの額は一段と膨らみもすればしぼみもする。
・次のMBO マネー熱視線 発表後の株価を注視 TOB価格超えや「不成立」のリスクも
そもそもなぜ、株価はTOB価格を上回るのか。
そこにあるのは「TOB価格が引き上げられるのではないか」という思惑だ。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・次のMBO マネー熱視線 上場廃止銘柄の所得税で申告漏れ 国税庁が注意喚起、「1億円超」も
東証による上場企業への資本効率の改善要請を機にブームとも呼べるほど増えるMBO。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・英金融街シティーが再起動している。
英国の欧州連合(EU)離脱から1月末で4年を迎える中で、
英国内外の金融機関による大型買収や拠点新設といった事業拡大の姿勢が鮮明。
金融史の舞台として長年築き上げた金融サービスの集積と文化力が、にぎわいを支えている。
EU離脱や新型コロナウイルスといったここ10年弱の試練に対して、
過去約2000年にわたり積み重ねた歴史が、シティーの底力を生み出している。
・車載電池の世界最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)が
競合で自動車メーカーでもある比亜迪(BYD)を追う立場になった。
高価なニッケルなどを使わない「リン酸鉄リチウムイオン(LFP)」電池で、
中国市場のシェア首位をBYDに明け渡した。
CATLは新型のLFP電池を投入し、反転攻勢を狙う。
CATLは24年1月に入ってからも、神行超充電池の活用などで
東風汽車集団傘下で高級新エネ車を扱う猛士科技と協業することを発表。
多くの中国車メーカーがCATLに期待を寄せ新型LFP電池を採用する中、
技術力や価格競争力で消費者の評価を得て搭載車種の販売増につなげられるかが試されている。
・世界株サーベイ 仏エアバス [終値149.20EUR]最高値を更新 航空機納入が順調
欧州の航空大手エアバスの株価がじわじわと上昇。
新型コロナウイルスの感染収束で航空機受注が伸びる一方、
一時は部品不足による納入遅れの懸念が強まった。
足元では2023年の年間納入目標を上回ったとの見方が広がり、株価の追い風となっている。
23年12月中旬にはコロナ禍前につけた最高値を上回り、その後も堅調だ。
・銘柄ウオッチ ディー・エヌ・エー <2432> [終値1565.0円]
タクシーアプリ「GO」が上場準備 週間で13%上昇
1/12には1578円まで上昇し、2023年8月以来5カ月ぶりの高値を付けた。
ディー・エヌ・エーが出資するタクシー配車アプリ大手のGO(東京・港)が
上場準備を始めると1/5に発表。
ディーエヌエの投資回収につながるとの期待から買いが集まった。
・銘柄ウオッチ 丸千代山岡家 <3399> [終値4990円]12月のラーメン既存店37%増収 週間で18%上昇
1/10に発表した2023年12月の既存店売上高は前年同月比36.8%増だった。
大幅増収を好感し1/11に株価は急伸。株式分割考慮ベースで上場来高値を更新した。
北海道や関東を中心とした郊外の幹線沿いにラーメン店を展開する。
地方では飲食店の営業終了時間が早まる傾向にあり、
「深夜も営業する同社に客が集まりやすくなっている」(国内証券)との見方もあった。
・銘柄ウオッチ 富士通 <6702> [終値20855円]英郵便の冤罪事件巡り売り 週間で2%下落
英国の郵便局長らが現金を盗んだなどとして起訴された冤罪(えんざい)事件を巡り、
欠陥のある会計システムを提供した富士通への批判が再燃。
英下院委員会が富士通の幹部らに16日の議会で証言するよう要請したことが明らかになり、
業績への影響を懸念した売りが出た。
SMBC日興証券の吉積和孝氏らは11日付のリポートで、
富士通の英国売上高は1000億~2000億円程度と推定。
仮に新規受注が停止した場合でも、富士通全社に与える影響は限定的とみていた。
・銘柄ウオッチ ウエルシアHD <3141> [終値2397.0円]3~11月期営業減益を嫌気 週間で5%下落
1/9発表した2023年3~11月期の連結決算で、営業利益は前年同期比1%減の311億円だった。
会社計画の332億円や、市場予想の324億円(QUICKコンセンサス、23年12月19日時点、7社)を下回り、
嫌気した売りが膨らんだ。
新型コロナ関連の補助金収入がなくなったことも響いた。
・大日本印刷(DNP) <7911> [終値4118円]有機EL部材に注目
株主還元効果が一服、業績期待で株高続く。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・発掘 滋味スゴ銘柄 タチエス <7239> [終値1908円]軽量自動車シート、EV向け進化
自動車向けシートのトップメーカーの一つ。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・未来工業 <7931> [終値3500円]ホワイト職場で株価2倍
ノルマ・残業なしでも生産性高く 働き方と株価の相関を再評価
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・日本株、33年ぶり3万5000円台 「動けぬ日銀」見透かした市場
東京株式市場で日経平均株価が騰勢を強めている。
1/11に前日比608円(1.8%)高の3万5049円と、
1990年2月以来33年11カ月ぶりに3万5000円の大台に乗せた。
前日の米株高と円安進行が追い風になった。
市場では昨年末に高まった日銀の早期正常化観測の後退が買いにつながったとの見方が出ている。
UBSの青木大樹・最高投資責任者は
「東証が進める上場企業の企業統治(ガバナンス)改革への海外勢の関心は引き続き高い」とし、
日経平均は年末に3万7000円程度まで上昇すると予想する。
1/12には5日続伸し、連日でバブル経済崩壊後の高値を更新した。
「動けぬ日銀」を見透かした買いはしばらく途切れそうにない。
・米証券取引委員会(SEC)は1/10、
暗号資産(仮想通貨)ビットコインの現物を運用対象とする上場投資信託(ETF)の上場申請を承認。
ビットコインへの資金流入に弾みがつく可能性がある。
今後はもうひとつの主要仮想通貨のイーサリアムの動向に注目が集まる。
今回のビットコインETFの承認を受けたビットコイン相場の値動きは限定的だった。
すでに前年から噂が出回り、織り込みが進んでいたためとみられる。
一方、イーサリアムは1日で1割超上昇。
次の手掛かりを探している投資家の視線は、すでにこの仮想通貨に移っている。
ETFは取引できる金融商品が単に増えるというだけではない。
次世代インターネット技術「ウェブ3」や次の取引手法への道を開くきっかけになる可能性がある。
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1/7 スマートドライブ (5137)
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