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扉を開いて(株と政治と外国人)

2013年3月9日(日)曇り時々晴れ

・株と政治と外国人 「海外保有3割」のインパクト
 日本証券業協会開いた「日本証券サミット」。6日ニューヨーク中心部マンハッタン。海外勢の関心は「政治への期待」1点に。
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革、「国債偏重改め、株式への投資増やす」外国人の要望否定せず。
 外国人投資家の昨年の日本株買越額15兆円超、日本株保有比率年末時点で30%超と過去最高更新。
 アベノミクスの「司令塔」とされる日本経済再生本部。本部長代行塩崎恭久衆議院議員、海外投資家などとの面会に積極的。
 外国人投資家たち、「2年目のアベノミクス」に対する要求度は一段と高まる。

・株と政治と外国人 和魂洋才の市場活性化。
(和魂洋才(わこんようさい)とは、日本古来の精神を大切にしつつ西洋の技術を受け入れ 、両者を調和させ発展させていくという意味)
 政治家や官僚、したたかな対話「外圧」を利用。
 「バイ・マイ・アベノミクス」海外投資家の呼び込みは、成長戦略の一つの柱。
 「対日直接投資に関する有識者懇親会」では、海外勢など主張聞き、法人税引き下げへの論拠着々と積み重ねる。
 外国人投資家・市場関係者求める政策、税制改革、労働市場改革、公的年金改革の3つに集約。

・株と政治と外国人 ヘッジファンド、高ROE(自己資本利益率)銘柄にシフト。主役は「割安」から「成長」へ。
 ROE重視した株価指数JPX日経インデックス400の構成銘柄の動きを「複製」するデリバティブ(金融派生商品)を、
 相対取引で買い求めるヘッジファンド増えている。
 ゴールドマン・サックス証券でも、JPX日経400の構成銘柄のうち時価総額小さく、値動き軽い半数の銘柄を買う一方、株価指数先物空売り。
 先物の空売りで相場全体の下げによる損失をヘッジ(回避)しつつ、高ROE銘柄の上昇狙う戦略。

 米資産運用大手キャピタル・グループ1月末村田製作所 <6981> [終値9776円]2月初めアンリツ <6754> [終値1184円]保有比率上げ。
 両銘柄とも2014年3月期のアナリスト予想ベースのROEは2ケタと米欧企業に引けを取らず、15年3月期はさらに改善する見通し。

 米マサチューセッツ・ファイナンシャル・サービセズ・カンパニー、日本光電 <6849> [終値4115円]
 米ファースト・イーグル・インベストメント・マネージメント、HOYA <7741> [終値3081円]それぞれ買い増し。
 この両銘柄も来期の予想ROEが2ケタで「国際水準」に達している。

 「成長」へと軸足を移す株価形成のロジック。日本経済の一つの将来像を示している可能性がある。

・株と政治と外国人 海外投資家の「買いの条件」を満たしそうな主な銘柄。

 ペプチドリーム <4587> [終値10280円]営業利益率51.8% ROE27.0% PER281.8% 外国人持ち株比率15.7%(半年前比較なし)

 ヤフー <4689> [終値637円]50.6 24.4 28.2 47.5(46.0)カカクコム <2371> [終値1837円]49.1 36.1 42.2 41.5(38.3) 

 M&Aセンター <2127> [終値8020円]47.5 25.0 40.6 33.6(34.9)USS <4732> [終値1423円]47.1 13.7 23.0 38.6(39.2)

 JPX <8697> [終値2553円]40.4 14.3 24.5 35.4(29.3)コロプラ <3668> [終値2815円]40.0 43.8 32.8 7.8(1.9)

 ニューフレア <6256> [終値7810円]39.3 41.0 9.1 11.8(7.6)エムスリ <2413> [終値327500円]33.5 29.0 75.5 36.5(30.5)

・米景気改善期待が市場で広がる。7日発表、2月の米雇用統計で雇用者の増加数が市場の事前予想上回ったため。
 外国為替市場では円安・ドル高進み、一時約1ヵ月半ぶりに1ドル=103円台後半まで円が売られた。
 週明けの日本市場では、米景気の改善期待が円安・株高の材料に。

・ウクライナが招くリスクオフ。
 ウクライナ情勢の混迷は地政学要因だけでなく、ウクライナやロシア経済の失速、エネルギー・穀物価格の上昇といった
 3つのルートで世界に影響が波及する可能性が高い。
 キエフに住む日本企業の駐在員は「市民生活は平穏」と話す。裏ではまだ市場揺るがすリスクくすぶる。

・日銀 <8301> [終値51000円]10、11日に金融政策決定会合開く。今回は「無風」との見方大勢。記者会見発言最大の注目点。
 2月の前回会合は金融市場に不透明感が漂う中、金融政策こそ変更なしも、貸出支援策2倍に拡充する施策打ち出し
 「必要な時には必ず動く」という黒田東彦総裁の印象強めた。

 民間エコノミスト40人予測、約9割の回答者がいずれ追加緩和に踏み切ると見る。
 3月緩和予想2人(5%)「7月ごろ」14人(35%)「4月ごろ」7人(17.5%)「6月ごろ」5人(12.5%)全体の7割強が7月までに追加緩和見込む。

 「次の一手」として市場意識するのは、
 株価指数連動型上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)などリスク性資産の買い入れ拡大、長期国債の市場からの買い増し。
 「追加緩和でも『2倍』のキーワードを使ってくるだろう」「下振れシナリオが顕在化するより先に前倒しで追加緩和に打って出る」と期待

・「住宅価格の上昇を阻止する」5日、中国政府活動報告から10年ぶりにこの言葉が消える。同報告は日本の所信表明演説に当る重要政策発表
 一部都市に住宅価格下落の兆候みられるようになったため。潮目の変化。昨年2割超のペースで上昇してきた中国の住宅市況は曲がり角に。
 中国にとって、住宅価格の上昇は輸出と並ぶ成長の原動力。不動産価格下落は中国が抱える金融リスクを噴出させる恐れも。

・会社がわかる 特集NEC <6701> [終値337円]急ピッチで構造改革進める。IT(情報技術)サービス特化、狙うは海外展開。
 国内400ヵ所の保守拠点持つNECフィールディング <2322> [終値1577円]完全子会社化。
 ITサービスは新規開発から保守・運用へと重点が移りつつある。
 NEC目指すのは「ICT(Informaition and Communication Technology=情報通信技術)で社会貢献する企業」。
 情報・通信機器などの販売から、クラウドなど、情報と通信にかかわる技術を使ったサービスへと軸足移しつつある。
 課題は海外展開。世界最先端を走るネットクラッカーの技術と海外営業網テコに海外の通信会社からの需要開拓。
 ミャンマー郵電公社から受注、スペインの携帯大手テレフォニカとも実証実験進める。
 国際会計基準(IFRS)への以降に対する期待。導入すれば思い年金費用の償却無くなり営業利益年間300億〜400億円上積みされると。

・中小型株の潜在力。個人・海外勢が注目。時価総額が小さい中小型株が脚光。
 好業績が期待できるにもかかわらず、株価水準が割安な企業多いため。
 東証1部一日あたりの売買代金は足元で2兆円前後。1-2月の平均から4000億円強少ない。
 売買が盛り上がり欠く主力株と対照的なのが、ジャスダックやマザーズ、東証2部市場の中小型株。
 先週1週間の売買代金ランキング上位は日本マイクロニクス <6871> [終値8350円]クルーズ <2138> [終値6360円]。

 大口で主力株を長期保有することで有名な米投資会社キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント、
 竹内製作 <6432> [終値2837円]を大量保有。
 米フェデリティ、フジ・コーポ <7605> [終値1930円]の保有比率引き上げ。

・OUT Look:今週の株式相場は上値を試す展開か。
 7日発表2月の米雇用統計は雇用者増加数が市場予想上回ったため、週初は相場が上昇して始まりそう。
 今週は日銀の金融政策決定会合など重要なイベントは相次ぐ。投資家心理が揺れて値動き荒くなる可能性も日経平均1万5000円台半ばと。
 前週日経平均は週間で433円(2.9%)上昇。7日1万5274円と1/29以来の高値、75日移動平均線(1万5275円)に肉薄。
 今秋最大イベントは10-11日金融政策決定会合。
 追加緩和があると見る市場参加者は少数派、追加緩和なしでも株式相場は反応が限られると。
 黒田東彦日銀総裁が景気・物価見通しをどう説明するかが焦点に。
 リスク要因は不透明さを増すウクライナ情勢。週末14日は先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出控える。

・Wall Street:今週の米株式相場はもみ合う展開か。
 先週のダウ工業株30種平均はウクライナ情勢の動向に揺さぶられ、
 100ドル超下落した日もあったが、ウクライナとロシアの武力衝突がひとまず回避されると200ドル超反発、荒っぽい展開見せる。
 今週「天候の影響を解きほぐす1つのカギ」として注目されるのが13日の2月の米小売売上高。
 市場予想は前月比0.2%増と、1月(0.4%減)~の好転見込む。
 ウクライナ情勢に気を配りながら、米景気の実態解明に一喜一憂する展開が続きそう。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派55% (前回比+16)弱気派25%(同-8)中立派20%(同-8)

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち16指数が上昇。

上昇1位インド週間騰落率3.8%(12年末比騰落率12.8%)2位日本2.9%(46.9%)3位ギリシャ2.4%(47.7%)12位米国0.8%(25.6%)
下位25位ロシア▲8.6%(▲24.1%)24位ドイツ▲3.5%(22.8%)23位ブラジル▲1.8%(▲24.1%)22位英国▲1.4%(13.8%)

 2012年度比騰落利率 1位アルゼンチン106.0% 2位ギリシャ47.7% 3位日本46.9% 4位ベトナム40.1% 5位米国25.6% 
 最下位ブラジル・ロシア▲24.1% 23位トルコ▲19.3% 23位上海▲9.3% 22位タイ▲2.6% 21位韓国▲1.1% 20位香港0.0%

・ゲームソフト会社に復活の兆し。ソニー <6758> [終値477円]SCE昨年発売新型ゲーム機「プレイステーション(PS)4」販売好調。
 
 スクウェア・エニックス <9684> [終値2458円]セガサミー <6460> [終値2418円]などソフト販売伸ばす。ネットワーク機能フル活用。
  
 サイバーステップ <3810> [終値1770円]複数の人と共同で妖怪と戦うゲーム。
 ゲーム自体は無料、ゲームが進む中で課金する従来のゲーム専用機ではない方式。5月には米国でもソフト販売始める。

・発掘実力企業:海外に挑む(2)トーセイ <8923> [終値688円]東京圏の中小ビルやマンションの再生事業に強みを持つ不動産会社。
 シンガポール市場上場で海外投資家から取引メンバー入りも。トーセイ運営する私募ファンド出資額に海外投資家占める割合は4割へ。
 株価回復には不動産市況のさらなる改善とともに、海外ビジネスを軌道に乗せることが必要。今期も増益基調。

・アノマリー賢く使う 株価変動の季節性を読み解く。

 1989年12月に東証株価指数(TOPIX)連動型投資信託を買い、リーマン・ショック直後の2008年12月に売ると投資元本は7割減。
 同じ期間、1月に買い6月に売ることを毎年繰り返すと10%近いリターン得る(手数料・税金除く)。
 「デカンショ節効果」(デカンショ(出稼ぎ)デカンショで半年暮らすあとの半年寝て暮らす)との民謡にちなんだアノマリー。
 年前半はなんとなく先行きに楽観的になり、徐々に厳しい現実に直面し慎重になっていく。そんな人間心理も。

 「セル・イン・メイ(5月に株を売れ)」が有名。欧米の格言。これには続きがある。
 「バット・バイ・バック・イン・セントレンジャーズデー」セントレンジャーは秋の英競馬レース。この時期に株を買い戻せと。
 10月末のハロウィーンにちなんで「ハロウィーン効果」とも言われる。
 おおむね年前半に株高、年後半に株安という傾向は、日本含む北半球の市場に共通で、オーストラリアなど南半球の市場では逆になる。

 「1月効果」近年は大型株についてはこのアノマリーが消え、小型株(時価総額下位15%)に残る。
 12月に株価が上がる「掉尾の一振」は逆に大型株に見られ、小型株にはあまり見られず。

 「12ヵ月後リターン効果」も日本の株式市場で観察。各銘柄には上がりやすい月と下がりやすい月があるというアノマリー。
 この10年間アサヒグループ <2502> [終値2814円]6〜8月に株価平均1%前後上昇、キリン <2503> [終値1389円]は2%前後下落。

 「2日新甫は荒れる」「3日新甫はさらに荒れる」という格言。
 2日新甫の月間騰落率は平均0.40%下落、3日新甫は1.12%下落。1日新甫は0.91%上昇。
 1日あたりの株価変動率も、2日新甫の月は顕著な結果でないも、3日新甫の月は1日新甫の約1.5倍。

 「節分天井彼岸底」も有名。
 年初から節分までの日経平均の騰落率は平均3.0%上昇。節分から彼岸までは0.1%下落と変化に乏しいが、彼岸から4月末までは3.4%上昇。
 「節分天井」は微妙も「彼岸底」は残っている。最も今年は逆に。

 「満月・新月は相場の転換点」というアノマリー。2013年初めから日経平均のチャートに重ねると、相場の節目に当る。 

 曜日単位のアノマリー、「月曜日の株安」。東証株価指数(TOPIX)の平均騰落率、月曜日0.07%下落と全曜日の最低。
 ただこの5年間で見ると0.04%下落で、火曜日に下落率首位明け渡す。
 14年は木曜日は9日中8日で日経平均が下落。昨年5/26(1143円安)も木曜日。「魔の木曜日」というアノマリーも生まれる気配も。

(日経ヴェリタス)

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