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扉を開いて(黒田マジック第2幕)

2013年3月23日(日)はれ

・黒田マジック 第2幕は 緩和1年、市場の期待と危うさ。
 国債を大量に買い資金を潤沢に供給する政策は、円安・株高をもたらす。
 黒田東彦総裁19日の講演で「2%の物価安定目標の実現に向けた道筋を順調にたどっている」と述べ、デフレ脱却に手ごたえ示した。
 2012年度は金融政策変更が5回あったが、黒田体制の13年度は「戦力の逐次投入はしない」という方針の下、4/4の異次元緩和のみ。

 民間エコノミストら「日銀ウオッチャー」22人対象にアンケート、
 100点満点で評価(60点を及第店と設定)は平均68点、満点には程遠いが及第点クリア。

 一定の評価を得た異次元緩和も、この先の視界は決して良好ではない。
 物価上昇に寄与した円安は一服、株価も伸び悩む中、追加緩和観測が広がっている。22人のウオッチャーのうち18人が追加緩和予想。

 緩和の副作用は顕在化しつつある。発行される長期国債の7割を日銀が購入で市中の国債が減り、13年度の国債売買高は極端に縮小。
 流動性が乏しい中で市場はちょっとしたことに敏感に反応。
 13日、日銀が長期国債の買い入れオペ(公開市場操作)で残存期間10年超の買い入れ額を減らしたところ債券先物相場急落(金利上昇)。

 強まる追加緩和期待と見えない出口。黒田マジック第2幕は果たしてあるのか。

・黒田マジック 第2幕は 問われる「期待マネジメント」
 黒田東彦日銀総裁脱デフレへの手ごたえ強調。「サプライズは」市場催促。
 追加緩和の実施時期を巡る市場の予想は、4月と7月に集中。
 日銀が四半期に一度、経済と物価の見通し示す「展望リポート」発表するタイミング。政策変更しやすく。

 サプライズを生む追加策、現行国債購入の規模拡大やマネタリーベースの目標を15年3月移行も示すといった政策。
 実現性の大小問わず、どんなサプライズ策があるか。外債購入、円安誘導と海外批判も。
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有する国債を買い入れる。国債を売った分株式や外債などリスク資産への投資増加へ。

・黒田マジック 第2幕は 異次元緩和、前半戦は及第点。融資拡大やリスク資産投資への波及は鈍く。
 今後、評価を大きく左右するのが、異次元緩和終了させる「出口戦略」。出口への通路は「非常に狭い道」になる。
 「財政破たんリスクが高まるので長期国債購入の継続を余儀なくされ、出口は来ない」との声も。
 

・イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長発言が世界の金融市場揺さぶる。
 19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、量的緩和に伴う証券購入の完了から利上げまでの期間について
 「恐らく6ヵ月程度」と言及したため。
 19日ニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が114ドル安、1万6222ドルで取引終える。
 市場の動揺は世界に広がり、20日の日経平均株価は238円安、1万4224円。英FTSE100も一時1%超の下げ、上海総合指数は再び2000割り込む。
 ウクライナ問題が「消化不良」だとしたら、市場は波乱材料を抱え込むことになる。

・日本取引所グループ(JPX)<8697> [終値2348円]傘下東京証券取引所と大阪証券取引所が24日、デリバティブ(金融派生商品)市場を統合。
 統合作業の集大成となる。個人は証拠金を一段と効率よく使えるようになる。
 SBI証券 <8473> [終値1052円]デリバティブ取引に必要な証拠金の相殺サービス始める。

・トルコの先行きに対する警戒広がる。反政府デモが勢い増す中で、30日に実施されるのは統一地方選挙。
 選挙結果次第では政局の混迷が深まることが予想されるため、投資家慎重姿勢強める。
 金融大手のHSBCが3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)を24日発表。景気減速示す経済指標相次ぐ。
 3月分も50割り込めば実体経済の悪化を警戒する見方が台頭するのは確実。リスク回避の動きへとつながりかねない。

・コンビニエンスストア大手3社が業績一段と伸ばす。
 中でもセブン&アイ <3382> [終値3382円]の2014年2月期連結営業利益は前の期比15%増、3400億円程度となり、3期連続で最高益更新。
 業績けん引は国内コンビニ担う主力のセブン-イレブン・ジャパン。支えたのはプライベートブランド(PB=自主企画)のヒット商品。
 店舗で抽出する入れたてコーヒー1杯100円の商品が人気。

・発掘実力企業:海外に挑む(3)アライドアーキテクツ <6081> [終値2252円]
 ソーシャルメディア(SNS)活用したマーケティング支援する事業手掛ける。
 日本で培ったノウハウを生かし、海外の企業との取引拡大に乗り出す。
 主力の国内事業では食品や化粧品、通販など約2500社がサービス活用し、約150万人の利用者抱える。
 今年1月からはドリームインキュベータ <4310> [終値148800円]と組み、ベトナム市場にも参入、
 第一弾としてミニストップ <9946> [終値1544円]とフランチャイズ契約結ぶ現地企業のキャンペーン支援。
 今後は東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国に進出する方針。 

・会社がわかる 特集凸版印 <7911> [終値690円]紙の印刷市場縮小、
 食品・飲料容器、液晶ディスプレー用電子部品など成長見込まれる分野への投資加速、
 2017年3月期に連結営業利益で今期予想比2倍の700億円目指す。
 同社が世界首位のシェアを握る包装材「透明ハイバリアフィルム」。
 ポリエチレンテレフタレート(PET)やナイロンなどに気化させた参加アルミ吹き付け、内容ブルを外気から遮断、乾燥や腐敗防ぐ。
 電子レンジにもかけられる。採用企業増える。現在世界で36兆円ある包装材の市場のうち、瓶と缶がまだ6分の1占める。
 欧米では環境意識の高まりや、輸送コストを削減する目的からここ1、2年で紙パックへの置き換え急速に進んでおり、市場拡大見込まれる。
 年内上場が見込まれるリクルートHD株を320万株保有。上場すれば500億円程度の純資産押し上げ効果。

・続く海外勢の売り 日本株に3つの懸念。中国・消費増税・新興国初のリスク。
 海外投資家が日本株の売りを加速している。
 20日発表の投資部門別売買動向では、3月第2週(10〜14日)の売越額が9700億円強と約26年ぶりの大きさ。
 日経平均が週間で946円安となった3月第2週の売越額9752億円と1987年「ブラックマンデー」以来の水準。
 週間で103円安となった先週(17〜20日)も海外勢の売り優勢との声も。昨年末からの下落率は12%超と米国や欧州の2%前後に比べ下げきつい。

 市場の根底にはいくつかの心配事があるから。

 一つ目は日本経済と関係の深い中国経済に関するリスク。公募社債で初の債務不履行(デフォルト)発生した7日からとりわけ警戒感が強い。
 三菱マテリアル <5711> [終値286円]住友鉱山 <5713> [終値1210円]といった非鉄、商船三井 <9104> [終値382円]など海運、
 大手鉄鋼の下落率の大きさが目を引く。

 二つ目は日本経済の落ち込み。4月の消費増税で個人消費が冷え込み、小売り株はじめとする内需関連企業の業績が低迷するとの見方。

 最後は新興国リスク。リスクオフが広がれば、日本株の上値抑える要因になりうるとも。

・OUT Look:今週の株式相場は1万4000円台半ばでもみ合う展開。
 緊迫するウクライナ情勢や4月の消費増税など国内外に不透明材料があり、投資家は様子見姿勢強めている。
 市場参加者は少なく、相場は短期筋の動向に左右されやすい。先物主導で日経平均乱高下する場面もありそう。
 週初は金融大手HSBCが24日発表する3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)。
 1、2月と2ヵ月連続で好不況の分かれ目である「50」を下回る。3月の市場予測平均は48.7。
 3月第2週(10-14日)外国人は9752億円売り越し。売越額は週間ベースで約26年ぶりの大きさ。
 「日銀の追加緩和の時期を3月と見ていた短期筋が失望して手仕舞い売りに動いた」と。
 業種別日経平均の年初来の騰落率は「その他金融」「証券」「不動産」が下落率上位に並んだ。
 「緩和期待で買われてきた銘柄はしばらく調整局面が続く」とみる。
 26日装着ロボットスーツ「HAL」を開発・製造するサイバーダインがマザーズ市場に上場。
 通株の10倍の議決権持つ種類株発行、発明者の山海嘉之社長の議決権意図的に高めた。市場どう評価するか。

・Wall Street:今週の米株式相場はもみ合う展開か。
 今週は米実質国内総生産(GDP)や住宅指標など米経済動向示す材料が目白押し。
 米景気の回復期待が投資家心理を上向かせることが出来るかが焦点。
 ダウ工業株30種平均は先週237ドル(1.5%)上昇。前週の下げ分の大半取り戻す。ただ、ロシアに対する米欧の制裁への警戒感が根強く。
 27日2013年10-12月期の米GDP(確定値)発表。改定値の2.4%から2.7%程度への改善期待。
 25日S&Pケース&シラー住宅価格指数(主要20都市)前年同期比2ケタ上昇維持する見通し。
 2月の新築一戸建て住宅販売件数は年率換算で前月比5%弱の減少と予想。
 地区連銀総裁の発言も相次ぐ予定。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派45% (前回比0)弱気派25%(同0)中立派30%(同0)

・ランキング:年初から株価を上げた東証1部上場企業ランキング 内需関連、海外不透明感の中逆行高。

 1位東京個別 <4745> [終値450円]騰落率86.7% 積極的なマーケティング奏功、2月末在籍生徒数前年比8%増。

 2位北陸工業 <6364> [終値575円]76.9% 3位エレコム <6750> [終値2059円]56.9% 4位ディップ <2379> [終値1670円]56.4%

 7位アルバック <6728> [終値1876円]35.2% 2月中旬2014年6月期連結業績上方修正。有機EL(エレクトロルミエッセンス)・スマホ追い風

 28位チムニー <3178> [終値1596円]20.5% 2月に1部指定。東証株価指数(TOPIX)組み入れで投資家層広がると買い集まる。 

 36位エムスリー <2413> [終値311500円]18.2% 2013年4-12月期連結純利益過去最高更新。期末配当100円増配好感。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち18指数が上昇。

上昇1位ロシア週間騰落率6.9%(12年末比騰落率▲25.6%)2位アルゼンチン5.9%(113.3%)3位ブラジル5.4%(▲22.3%)11位米国1.5%(24.4%)
下位25位インドネシア▲3.7%(8.9%)24位台湾▲1.3%(11.4%)23位タイ▲0.9%(▲2.3%)21位日本▲0.7%(36.8%)

 2012年度比騰落利率 1位アルゼンチン113.3% 2位ギリシャ46.6% 3位ベトナム45.4% 4位日本36.8% 5位米国24.4% 
 最下位ロシア▲25.6% 24位ブラジル▲22.3% 23位トルコ▲17.4% 22位上海▲9.8% 21位香港▲5.4% 20位韓国▲3.1%

・各業界トップアナリストによる今年の注目銘柄。
 
 産業用電子機器:山崎雅也氏 日立 <6501> [終値728円]三菱電機 <6503> [終値1115円]東芝 <6502> [終値439円]

 家電・AV機器:片岡栄一氏 パナソニック <6752> [終値1133円]ソニー <6758> [終値1757円]

 電子部品:佐渡拓実氏 日本電産 <6594> [終値12220円]村田製作所 <6981> [終値9058円]

 自動車:くぬぎ本将孝氏 マツダ <7261> [終値441円]ホンダ <7267> [終値3536円]

 自動車部品:松本邦裕氏 ブリヂストン <5108> [終値3503円]デンソー <6902> [終値4631円] 

 医薬品・ヘルスケア:渡辺英克氏 
 エムスリー <2413> [終値311500円]朝日インテック <7747> [終値3820円]オリンパス <7733> [終値3140円]

 紙パ・その他素材:岡芹弘幸氏 レンゴー <3941> [終値547円]

 鉄鋼・非鉄:山口敦氏  日立金 <5486> [終値1363円]住友電工 <5802> [終値1433円]

 機械:桜田順司氏 牧野フライス <6135> [終値700円]THK <6481> [終値2130円]ナブテスコ <6268> [終値2312円]

 精密機器・半導体製造装置:中名生正弘氏 トプコン <7732> [終値1492円]

 造船・プラント:大内卓氏 三菱重工 <7011> [終値571円]三井造船 <7003> [終値213円]

 食品:高木直実氏 アサヒ <2502> [終値2695円]サントリーBF <2587> [終値3505円]

 銀行:野崎浩成氏 三菱UFJ <8306> [終値546円]

 証券・保険・その他金融:村木正雄氏 第一生命 <8750> [終値1428円]

 小売り(大型店):高橋俊雄氏 セブン&アイ <3382> [終値3697円]ドンキHD <7532> [終値5070円]良品計画 <7453> [終値8990円]

 小売り(専門店・アパレル):小場啓司氏 島忠 <8174> [終値2185円] 

 商社:五百旗頭治郎氏 三井物産 <8031> [終値1422円]

 建設:水谷敏也氏 大林組 <1802> [終値603円]

 住宅・不動産:沖野登史彦氏 三菱地所 <8802> [終値2308円]

 電力・ガス・石油:新家法晶氏 Jパワー <9513> [終値2942円]東ガス <9531> [終値511円]国際帝石 <1605> [終値1221円]

 運輸・倉庫:姫野良太氏 郵船 <9101> [終値288円]日通 <9062> [終値489円]
 ヤマトHD <9064> [終値2038円]JR東日本 <9020> [終値7161円]JAL <9201> [終値4845円]

 通信:増野大作氏 KDDI <9433> [終値5741円]ソフトバンク <9984> [終値8212円] 

 ビジネスソフト・IT・インターネット:田中秀明氏 NSSOL <2327> [終値2399円]SCSK <9719> [終値2798円]

 レジャー・アミューズメント・その他サービス:森田正司氏 コーエーテクモHD <3635> [終値1232円]

 放送・広告:岩佐慎介氏 電通 <4324> [終値3790円]楽天 <4755> [終値1287円]

 中・小型株:渡辺真理子氏 光通信 <9435> [終値8270円] (日経ヴェリタス)

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