
扉を開いて(緩和に頼らぬ投資術)
- 2014年05月04日
- 株式投資・経済ニュース全般
2013年5月4日(日)晴れのち曇り 連休2日目
・緩和に頼らぬ投資術 決算で見えた、上振れ力秘めた銘柄。
日経平均株価は2日、1万4457円で取引終え、ここ3ヶ月ほど続く1万4000〜1万5000円程度の狭いレンジ内の動きから抜け出せず。
だが、こう着相場の起点となった2月初め比、東証約1800銘柄のうち約850銘柄が値上がり。水面下で冷静な銘柄選別進む。
「競争力の高まり」「株主還元の積極姿勢」。買われる銘柄の理由はさまざま。一方、放置される銘柄には「金融緩和で押し上げられてきた」と。
富士通 <6702> [終値659円]2014年3月期決算で自信。今期純利益見通しは市場予想(920億円)大幅に上回る1250億円。4年ぶりの高値水準。
マツダ <7261> [終値469円]今期2期連続の最高益を狙うと同時に配当も実質2倍に増やす計画、株価2日に約2週間ぶりの高値。
NTTドコモ <9437> [終値1645円]最大5000育円の自社取得枠の設定が材料視、株価大きく上昇。
野村HD <8604> [終値629円]「緩和マネーによる株式売買の活発化」連想、昨年5月下旬比7割上昇も足元では同1割強高まで伸び悩み。
安川電機 <6506> [終値1155円]前期大幅増益はほとんど円安効果。2014年3月期決算発表後株価は8ヵ月ぶり安値圏に沈む。
「米国はいずれ金融緩和に幕を引き、長期金利は上昇に向かうはず。その際にどんな銘柄が有利になるのか調べてほしい」との依頼、
セイコーエプソン <6724> [終値3340円]日本ガイシ <5333> [終値1977円]国際石油帝石 <1605> [終値1501円]抽出。
・緩和に頼らぬ投資術 勝ちグセ・負けグセ見極め。中銀マネーが株価を支える構図は、世界的に変わりつつある。
今回の決算発表では「個別企業の競争力」に着目。大きな軸は「今期業績見通し」。
企業にとっては見通し「堅め」にしたくなる誘因が多く、実質を見極める作業がいつも以上に重要になっている。
過去をさかのぼれば上方修正の多い「勝ちグセ銘柄」と下方修正の多い「負けグセ銘柄」が見えてくる。
業績予想修正した回数(会社側予想比)
上方修正:「16回」トヨタ <7203> [終値5631円]「12回」国際石油帝石 <1605> [終値1501円]「11回」相鉄HD <9003> [終値366円]
テレ朝日 <9409> [終値1793円]富士重工 <7270> [終値2713円]東急 <9005> [終値645円]デンソー <6902> [終値4628円]
「10回」ケーヒン <7251> [終値1487円]日立国際 <6756> [終値1169円]KYB <7242> [終値436円]新明和 <7224> [終値950円]
トヨタ紡織 <3116> [終値1055円]東京ガス <9531> [終値537円]日本ペイント <4612> [終値1622円]
下方修正:「10回」太平金 <5541> [終値458円]資生堂 <4911> [終値1815円]東京製鉄 <5423> [終値503円]
「9回」郵船 <9101> [終値289円]ヤマハ <7951> [終値1535円]第一汽船 <9132> [終値97円]任天堂 <7974> [終値10970円]
コスモ石 <5007> [終値196円]ラウンドワン <4680> [終値745円]
「8回」太陽誘電 <6976> [終値1270円]三菱ガス化 <4182> [終値587円]商船三井 <9104> [終値354円]
ソニー <6758> [終値1800円]小糸 <7276> [終値2224円]ミツミ <6767> [終値689円]戸田建 <1860> [終値357円]
・緩和に頼らぬ投資術 会社予想、期末にかけ上振れ。過去10年で7勝3敗
2014年度予想も現時点では「保守的」にみえる。日銀企業短期経済観測調査(短観)、大企業は14年度の経常利益を2.3%の減益で計画。
・緩和に頼らぬ投資術 日銀「異次元緩和」直前(2013年4/3)と比べた騰落率。東証1部上場の時価総額上位200社ランキング。
上昇率上位:エプソン <6724> [終値3340円]4.0倍 ルネサスエレク <6723> [終値759円]3.3倍 日本電産 <6594> [終値5920円]2.2倍
日本ガイシ <5333> [終値1977円]2.0倍 清水建 <1803> [終値580円]92.1% 富士重工 <7270> [終値2713円]87.4%
下落率上位:ニコン <7731> [終値1622円]▲23.9% 小田急 <9007> [終値894円]▲18.5% 日東電工 <6988> [終値4664円]▲17.5%
クラレ <3405> [終値1162円]▲15.1% 近鉄 <9041> [終値361円]▲14.9% 京急 <9006> [終値844円]▲14.4%
・米株式市場でダウ工業株30種平均、4/30に4ヵ月ぶりに最高値更新。米企業の「稼ぐ力」がダウ平均を高値圏へ押し上げた。
ダウ平均は昨年12/31に最高値(1万6576ドル)付けた後、アルゼンチンなどで通貨が大幅下落した「新興国ショック」に直面。
2月上旬には一時、高値から1000ドル以上調整。新興国市場が落ち着き取り戻した2月下旬に反転。いち早くS&P500種株価指数最高値に戻る。
ハイテク関連が多いナスダック総合指数も3/5に高値を付けた。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が株高の流れ変える。
緩和マネーがいずれ縮小に向かうことを市場は思い知った。このころから相場のけん引役が「グロース(成長)株」から「バリュー(割安)」へ。
構成銘柄に割安株が多いダウ平均は、4月上旬に3日連続で取引時間中に昨年末の高値更新する場面も。
決算発表進むにつれ3〜4%の増益が確実に。決算も終盤に迎え市場は再び材料難に直面。ナスダック指数の軟調な動きも続く。
・4月の米雇用統計、非農業部門の雇用者数の増加幅、前月比28万8千人と市場予測(20万人程度)を大きく上回った。
雇用増加を通した消費の拡大が米景気の自律回復ピッチ速めるとの期待が米株式市場では広がるが、
寒波で手控えられていた需要が足元の景気を底上げしているに過ぎないとの見方も。
失業率も改善著しい。4月は6.3%と前月から0.4ポイント低下。働く意思を持つ人口の割合示す労働参加率下がって失業者数が減った面も。
製造業の景況指数も4月は改善。「4-6月の企業投資は底堅い」と。在庫投資が復調し成長率が高まるとの見方もある。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は4/30声明で消費が「加速する」と判断し、景気認識を引き上げ、
反動需要がなくなれば、夏場にかけ再び景気息切れする恐れも。
・ウクライナ経済急減速。昨年後半回復基調示していた実質国内総生産(GDP)の伸び率は今年1-3月期にマイナスに落ち込む。
ヤヌコビッチ前政権の崩壊や同国南部クリミア半島のロシア編入決定もたらした政情不安が主因。
同国政府高官は4/30、今年の成長率が3月政府見通し(マイナス3%)より悪化する可能性に言及。
英バークレイズは成長率マイナス4%に落ち込むと読む。安定成長を実現するまでの道のりは遠く。
・会社がわかる 特集ヒューリック <3003> [終値1333円]不動産開発、都心シフトの勝算。
もともと旧富士銀行(現在のみずほ銀行 <8411> [終値204円])系の不動産管理会社。
最大の武器は駅前一等地に立地する銀行支店擁する自社ビル。これまで一等地オフィスビルを13年までに33棟建て替え。
今後3年間で最大16棟程度建て替える。総投資額約400億円。容積率緩和措置適用され、高層化に出来る。建設前から約6割増へ。
保有物件のテコ入れで業績伸ばした同社、建て替え一巡すれば業績は頭打ちになりかねず。そこで成長に向けた手も打ち始めた。
1つが自社開発物件の開発。昨年大成建 <1801> [終値474円]などと御茶ノ水空シティ(東京・千代田)開業。
虎の門で15年、有楽町エリアでも17年の感性に向け、開発計画が進む。
さらに「高齢者向け」「観光」「環境」の3つからなる「3K」ビジネスの展開。
高齢者向け進展。自社保有の土地に老人ホーム建て、運用は専業業者に任せるスタイル。
病院関連も開拓し、高齢者事業資産全体の現7%から10%まで伸ばす。
一段の株価上昇を目指すには「さらなるM&Aが必要」との見方は根強い。
・先週出そろった証券会社の2014年3月期決算は好決算。08年のリーマン・ショック後の低迷脱し、「証券復活」印象付けた1年に。
もっとも市場に楽観ムードはない。野村 <8604> [終値629円]大和 <8601> [終値787円]の株価は先週、年初来安値付けた。
細り始めた株式売買代金が、投資家に証券業界の収益の先行きに疑念抱かせる。
相場の行方が読みにくいとして、各社とも今期の業績予想は開示していない。参考は日本取引所グループ(JPX)<8697> [終値2150円]。
同社15年3月期業績予想の前提となる現物株の売買代金1日あたり2兆1000億円と、前期比約3割減と予想。純利益210億円と同30%減少見通し。
追い風の吹かない状況下でどう稼ぐか。今期の収益は各社の真の実力をはっきりと映し出すことになりそう。
・新興国の株式相場の堅調ぶりが際立ってきた。年初からの株価指数の上昇率はインドネシアで約14%、インドも約8%に上る。
約10%下落の日経平均株価とは対照的。追い風は市場に広がる「リスクオン」の流れ。経済基盤はなお脆弱なため株高には危うさも付きまとう。
政治的な不透明感が和らいでいることも、マネーを吸い寄せる材料に。新興国の通貨安も株価にはプラスに働く。
・米景気の「雪解け」が鮮明。
2日発表4月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数の伸びが前月比28万8000人増と市場予想(約21万人増)を大きく上回った。
円相場も一時1ドル=103円台と約3週間ぶりの円安・ドル高水準に。
ただ1ドル=105円を下回るような明確な方向感を持つ円安相場がすぐに復活するとの期待する声はほとんど聞こえてこない。
背景は、米国の低インフレの長期化リスク。FRBが早期利上げに動く気配はない。
日米金利差拡大という円安シナリオの主力エンジンに火がつくにはまだ時間がかかる。
・OUT Look:今週の株式相場はこう着感の強い展開になりそう。日経平均株価は1万4500円を挟む展開を予想する声が多い。
前週の日経平均株価は28円(0.2%)高とわずかに反発、週間の値幅は270円ほどに限られた。
東証1部の売買代金は昨年の5〜7割にとどまる日が多く、「アベノミクス相場は賞味期限切れ」との嘆き節も。
チャート上は日経平均株価の値動きが徐々に狭まっており、いずれ値動きが明確になる「三角持合い」に近づいている。
5月に決算を迎えるヘッジファンドの動向が気になる。昨年5/23の1143円もの急落劇は記憶に新しいが、2012年も5月は月間で1000円近い下げ記録。
「セル・イン・メイ」再来の可能性は意識しておいた方が良さそう。
・Wall Street:今週の米株式相場はウクライナ情勢と米景気動向を見ながらの神経質な展開か。
ダウ工業株30種平均は先週に最高値更新、週末にかけては地政学リスクが相場の頭を押さえる展開。ダウは週間で0.9%上昇。
5日は4月の米サプライマネージメント協会(ISM)非製造業景況感指数などは注目材料。
英製薬アストラゼネカへの買収提案を拒否されたファイザーの動向注視する市場関係者は多い。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派50% (前回比+8)弱気派20%(同-3)中立派30%(同+5)
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち19指数が上昇。
上昇1位トルコ週間騰落率5.3%(13年末比騰落率10.9%)2位アルゼンチン3.4%(25.8%)3位ノルウェー3.2%(6.1%)13位米国0.9%(▲0.4%)
下位25位オーストラリア▲1.4%(1.6%)24位インド▲1.3%(5.8%)23位インドネシア▲1.2%(13.2%)22位韓国▲0.6%(▲2.6%)18位日本0.2%(▲11.3%)
2013年末比騰落利率 1位アルゼンチン25.8% 2位ベトナム・フィリピン14.5% 4位インドネシア13.2% 5位トルコ10.9% 6位タイ9.5%
最下位ロシア▲20.4% 24位日本▲11.3% 23位香港▲4.5% 22位上海▲4.2% 21位韓国▲2.6% 20位米国▲0.4%
・米国の投資信託へのマネーの流れ、今年は4月末までの債券ファンドへの純資金流入額が約480億ドル。株式ファンドへは約530億ドルと変わりなく。
昨年は株式に2000億ドルが流れ込み、債券へは370億ドルにとどまる。株高と債券高の併存に。
今年のマネーの変化は、先進国では低金利が想定以上に長期化すると見極める投資家が増えてきたということ。
・発掘実力企業:海外に挑む(9)日本電子 <6951> [終値388円]電子顕微鏡で世界シェアトップ。特に「透過型」高性能タイプで5割超のシェア。
核磁気共鳴装置(NMR)がもう一つの強み。電子顕微鏡とNMRの両方手掛けるのは世界で日本電子のみ。
16年3月期には営業利益65億円目指す。予想PER(株価収益率)8倍台、海外事業の成否が株価上昇のカギを握る。
・パナソニック <6752> [終値1118円]6年ぶりに「実質無借金」となる見通し。資産売却や運転資本圧縮などの取り組み急いだことが寄与。
2012年3月末9620億円のマイナスが14年3月末476億円のマイナスに縮小。15年3月期にはプラスに転じる公算大きい。
今後は積み上げた資金の活用策が焦点。市場の関心は米テスラ・モーターズの巨大電池工場構想「ギガファクトリー」に参加するかどうか。
投資には数百億円以上必要、失敗すれば「プラズマパネル工場の二の舞い」に。
・こんなところに日本製品。意外な「日本発」が人気集めている。「隠れた日本初の大ヒット」探る。
現地の需要にマッチ:
カネカ <4118> [終値605円]アクリル系合成繊維「カネカロン」。
アフリカの女性多彩なヘアスタイル楽しむためにかつらや付け毛愛用。シェア5割以上占める。1980年にアフリカに進出。
小林製薬 <4967> [終値6370円]全米を襲った寒波で売上げ伸ばした使い捨てカイロ。
米ウォールマートなど大手小売りチェーンでの販売決まると、他の大手小売りでも取り扱われるようになった。
アジアで人気は解熱鎮痛用品「熱さまシート」の赤ちゃん用。特にタイやシンガポールなどでは人気集める。
日本駐車場開発 <2353> [終値116円]タイ・バンコクで大企業オーナーなどに利用広がっているのが同社「VIP向け駐車場」。
日本の技術力が圧倒:
ニホンフラッシュ <7820> [終値1853円]中国ウイグル自治区の都市ウルムチ、中国最大不動産会社万科集団(広東省)が
3000戸規模のマンション分譲進める。都内高層タワーマンション10棟分に匹敵。各世帯に室内ドア供給。注文に即応。
OKI <6703> [終値213円]中国では現金決済が中心で、現金の振込や引き出しにATM使う。
「紙幣還流型」のATMはOKIと日立 <6501> [終値752円]の子会社が市場を2分。
フマキラー <4998> [終値294円]インドネシアでは1年通じて蚊が発生、殺虫剤への耐性は日本の5倍。殺傷力高める蚊取り線香活躍。
海外で活躍・新展開:
壱番屋 <7630> [終値4185円]中国はじめ東南アジアではデートや商談に利用する「おしゃれな場所」として幅広い年齢層が来店。
日本での客単価は850円、中国やタイでも700円台と大差なく。海外店雄数アジア中心に120に。
サカタのタネ <1377> [終値1440円]トルコキキョウ「ピッコロ」が欧州中心に売れている。利便性高めた戦略で生産者増え、海外シェア伸ばす。
蛇の目ミシン <6445> [終値82円]日本のミシンがロシアや欧州で売れる。
年間販売数約200万台、このうち9割上が海外販売。販売先は100ヵ国・地域に及ぶ。(日経ヴェリタス)
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株式会社アスリーム
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