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扉を開いて(熱風 日本株の新力学)

2015年3月8日(日)雨のち曇り

・熱風、日本株の新力学 緩和マネーの向かう先
 「My stock is bond(私の株は債券である)」バンクオブアメリカ・メリルリンチが1月のレポート。
 金利が日欧中心にほぼ消滅する中、債券を買うように利回り株に投資する傾向を指摘。

 野村証券 <8604> [終値724.0円]試算、安定的に配当得られるヘルスケア・生活用品業界に投資する
 世界の代表的ファンド50本の運用資産残高は、昨年半ばから3割増、20兆円に。
 
 日本市場も例外ではなく、食品株の一部は理論では説明できない水準なのに上昇止まらず。 
 明治HD <2269> [終値14740円]2014年半ばに20倍だったPER(株価収益率)は約40倍に。配当利回り足元で0.5%台に低下。
 それでも国債利回り(10年物で0.4%前後)より高く、資金の流入続く。
 株価の変動が小さく、安定配当見込める医薬や食品、日用品などには「利回り難民」とも呼ぶべき投資家の買いが集まる。
 株式市場に債券の代替物を求める投資家のすそ野も広がっている。

 利回り難民の新たなターゲットは、「クオリテキー株」。
 業績堅調で自己資本比率が高く、配当など株主還元増やす余力が大きい銘柄。
 たとえば浜松ホトニクス <6965> [終値6990円]自己資本比率78%と高く、業績も好調。株価日経平均株価上回る上昇率。

 もう一つのキーワード「モメンタム効果」。モメンタムは「勢い」といった意味。高値を付けた銘柄がさらに上昇する傾向。

・熱風、日本株の新力学 「利回り難民」が動かす。
 15年ぶりの高値圏が続く日本株。主役は債券の低い利回りから逃げ出した「利回り難民」。

 新力学その1:ディフェンシブ株、債券の代わりに購入。
 今年に入って日経平均株価は9%上昇。通常、相場全体が上昇する局面では電機や自動車、機械など景気敏感株が買われる。
 ところが年初来の業種別日経平均の上昇率トップは医薬品で28%、同様にディフェンシブ株の鉄道は15%、食品は14%上昇。
 ディフェンシブ優位の傾向は米国や欧州でも顕著。「世界的な超低金利政策が投資家の行動を変えたとも。」

 株価の変動率(ボラティリティー)が小さく、値動きが堅調な銘柄。東証1部時価総額5000億円以上対象。

 ローソン <2651> [終値8070円]株価変動率(年率換算)13.6% 年初来株価騰落率2.0%
 サントリBF <2587> [終値4930円]13.6% 9.5% 東ガス <9531> [終値740.1円]15.6% 4.8%
 NTTドコモ <9437> [終値2241.5円]15.9% 18.1% JR西日本 <9021> [終値6857円]17.0% 11.3% 

・熱風、日本株の新力学
 新力学その2:上昇株さらに上がる。押し目待ってもも来ず。
 過去に上がった株ほど下がり、下がった株ほど上がるという「平均回帰」の現象。
 日本株は長くこうした相場展開続いてきたが、ここへきて「株価が平均回帰しなくなっている」との声も。 
 代わりに顕著なのが、買われていた株がその後も上がり続ける「モメンタム」効果。
 市場では割高な銘柄はさらに割高に、割安な銘柄はそのまま放置される「二極化」が生じている。

 今年に入って上場来高値更新した銘柄は高PERが目立つ。東証1部時価総額5000億円以上対象。

 空港ビル <9706> [終値6010円]上場来高値日付 3/3 予想PER85.6倍 年初来株価騰落率16.9%
 OLC <4661> [終値35700円]3/6 44.2倍 19.9% 大陽日酸 <4091> [終値1784円]3/3 38.6倍 25.1%
 シスメックス <6869> [終値6290円]2/27 52.3倍 8.0% カルビー <2229> [終値4855円]3/6 48.6倍 7.6%
 明治HD <2269> [終値14740円]3/6 40.9倍 25.2% エムスリー <2413> [終値2655円]3/3 95.4倍 22.5%

・熱風、日本株の新力学
 新力学その3:カネ余り企業に注目 株主還元を先回り。

 「高クオリティー」銘柄に資金が流入。直近自己資本比率40%以上、今来期予想ROE(自己資本利益率)8%以上、
 時価総額3000億円以上かつ直前5期のネットキャッシュフローが黒字の企業抽出。

 科研薬 <4521> [終値3645円]年初来の株価騰落率(日経平均株価対比)47.3% 予想PER28.2倍 自己資本比率64.0%
 大塚商会 <4766> [終値199円]23.2% 20.2倍 53.4% 参天薬 <4536> [終値8330円]20.0% 35.3倍 78.2%
 HOYA <7741> [終値5099.0円]15.5% 23.2倍 76.2% シマノ <7309> [終値18960円]12.4% 33.2倍 83.2%
 ホトニクス <6965> [終値6990円]12.2% 34.5倍 78.1% ホシザキ <6465> [終値6930円]10.0% 29.5倍 63.5%

・熱風、日本株の新力学 外国人 狙いは内需株。 
 TOPIX先物 リーマン危機後初の月1兆円台。TOPIX先物2/6から今月3日まで、横ばいの2/23はさみ16連勝。
 「年金マネーなど長期マネーが入っている」との声。
 
 年明け以降の大量報告書、外国人の買いでやはり目につくのがエーザイ <4523> [終値6923円]
 塩野義 <4507> [終値3895円]などディフェンシブ系。
 小野薬 <4528> [終値14070円]などのように予想PER(株価収益率)100倍超える銘柄にも買いが入る。

 賃金交渉ではベースアップが実施される見通しで、消費関連にも外国人投資家の関心が強い。
 訪日外国人客増で収益拡大が見込まれる鉄道などのインバウンド銘柄にも買いが目立つ。

 東証取引所5日発表、2月第4週(2/23〜27日)投資部門別売買状況、海外投資家の買越額は2682億円、
 前週(1538億円)から拡大。3週連続の買い越し。13年には15兆円も買い越した海外投資マネー。
 日本株の持続的な相場上昇のカギを握るのは間違いない。

・ドル買い一段と加速。6日ニューヨーク市場で円に対し、一時1ドル=121円台と3ヵ月ぶりの円安・ドル高水準。
 2月の米雇用統計受け、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ意識したドル買いが進んでいる。
 3/17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBを利上げに向けたメッセージ発信するとの観測があったため。 
 
・北陸新幹線、株価も走らす。経済効果200億円超、小売りや物流に潤い。
 富山県と石川県に本社がある企業の株価は上昇が目立つ。

 クスリのアオキ <3398> [終値8710円]株価上昇率(2014年3/14から15年3/6まで)206%
 大和 <8247> [終値290円]169% トナミHD <9070> [終値460円]142% 三谷産業 <8285> [終値437円]125%
 日本抵抗器 <6977> [終値210円]100% ダイト <4577> [終値2794円]87% ウイルHD <7831> [終値202円]79%

・米労働省6日発表、2月分雇用統計(速報値)は、景気動向敏感に反応する
 非農業部門雇用者数、前月比29万5000人増、米労働市場の回復ぶり鮮明に映し出した。
 ただ米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ論が先走って市場の金利予想が跳ねることへの警戒感広がっている。
 最大の懸念材料は物価。ここ数ヶ月、インフレ率のうち変動の大きいエネルギーや食料品除く物価指数の下落ペースが速い。
 ドル高と原油安による物価押し下げ効果がじわり出てきたとの見立て。

・バフェット哲学 次の50年へ。株主の手紙 2015
 例年と異なるのは今年を1つの節目と位置付け、同氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイの将来に多くの分量割く。
 後継者は謙虚で強い人。余剰利益いずれ配当も。投資家には「歴史に学べ」と訴えた。

 バークシャー保有する主な株式 ウェルズ・ファーゴ(商業銀行)保有残高の価値3兆1804億円
 コカ・コーラ(飲料)2兆265億円 アメリカン・エキスプレス(金融)1兆6927億円 IBM(ITサービス)1兆4818億円
 ウォルマート(小売り)6978億円 P&G(日用品)5619億円 USバンコープ(地方銀行)5226億円

・発掘実力企業:地方の有力企業(1)シノケングループ <8909> [終値1226円]
 昨年2月に建設会社買収、マンション自前で施工する体制で昨年来の人手不足、人件費高騰問題乗り切る。
 周辺サービスの充実が販売拡大に結び付く好循環生む。2015年12月期売上高500億円、純利益33億円とともの過去最高更新。

 「大家」向け周辺サービス、
 賃貸管理や家賃滞納保証、入居者向けの保険など一括してそろえ、売上高の2割を不動産販売以外の事業が占める。

 近年注目は高齢者向け事業。12年介護関連会社買収、介護事業に参入。
 自社管理する物件の空き部屋を高齢者向けに改装する「高齢者安心サポート付賃貸住宅」。

・会社がわかる 特集燃料電池車(FCV)トヨタ <7203> [終値8190円]先行。2代目は2020年メド。
 初代ミライ723万円。これでも赤字も、国の補助金引いた実質価格は約520万円と一般高級車並みになる。
 2代目は補助金なしで500万円台目指す。

 国内勢ではホンダ <7267> [終値4068.5円]が15年度中に発売予定。コンセプト車公開。
 日産自 <7201> [終値1248.0円]17年にも発売計画、開発急ピッチで進めている。

 広がる裾野産業、勢力図変える。

 「水素の活用は第2の産業革命」岩谷産業 <8088> [終値802円]牧野明次会長は意気込む。
 産業用水素で国内シェア6割以上握る大手。同社はFCV普及の最大のポイントとなる水素ステーション設置の旗を振る。 
 セブン&アイ <3382> [終値4668.0円]傘下のセブン-イレブン・ジャパンとも提携、
 コンビニエンスストアとの併設店舗も、17年度までに20店開設する。
 2月には豊田通商 <8015> [終値3240円]大陽酸素 <4091> [終値1784円]と共同で、
 移動用ステーションを運営する新会社設立。

 JXHD <5020> [終値489.6円]販売価格1キロ1000円。あえて採算度外視の価格設定。
 15年度末までに東京、愛知、大阪圏中心に40ヵ所整備する計画。

 三井住友FG <8316> [終値4813.5円]3月末に移動式ステーションのリース開始。
 水素ビジネスに関する研究開発や、設備投資対象した低利融資も手掛ける。成長産業に投融資し、将来の収益機会探る。

 神戸鋼 <5406> [終値232円]
 ミライの発電装置「スタック」に内蔵する板状の部品用に、表面をカーボンで覆った特殊チタン圧延材納入。 

 新日鉄住金 <5401> [終値325.0円]水素ステーション向けに、強度従来の2倍に高めたステンレス鋼開発。

 ミライに採用された炭素繊維手掛ける東レ <3402> [終値1034.0円]。
 炭素繊維の活用はFVCに限ったことではないが、FCVの航続距離や燃費が注目されるなか、
 車両軽量化に貢献する炭素繊維の役割は大きい。

・外国人買いに売り向かう個人。逆張り姿勢で買い場待ち。
 東京株式市場で外国人と個人の相場観の「対立」が鮮明になっている。
 外国人は2月だけで現物株と先物を合計2兆円買い越し、個人は1月第3週から現物株を2兆円売り越し。
 外国人は流動性の高い先物買いでいち早く日本株高についていく体制を固めた後、
 証券会社を相手にした「先物売り・現物買い」取引で、現物株に交換しているよう。
 外国人が強気に転じた理由の一つが公的資金の動き。2/25に国家公務員共済組合連合会が国内株比率の引き上げ公表。
 年金マネーの力も加わり、円安に頼らずに日本株が上昇するなか、海外勢も無視できなくなってきた。
 ここに売り向かっているのが個人。
 その象徴が、上場投資信託(ETF)の日経レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [終値15430円]の残高急減。
 個人が強気だと残高が増える傾向があり「個人の心理をはかるリトマス試験紙」として注目も。
 日経レバレッジの残高は1/23から3/6までに約3000億円減。
 一方、指数との逆の値動きをする日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 <1571> [終値2451円]の残高は急増。 個人が上昇局面でも買いに転じるかどうかが、2015年の最大の注目点。
 外国人と個人の「根競べ」の行方が日経平均株価2万円までの時間軸を決めるかもしれない。

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万9000円前後の水準で荒い値動きになる可能性。
 好調な内容だった米雇用統計受けて円安進んだ半面、利上げ意識され米国株は下落。
 13日に株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(SQ)算出控え、利益確定売りが上値抑えるとの見方がある。
 一方、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和マネー流出への期待もある。
 先週の日経平均株価は週間で173円(0.9%)上昇。「日経平均株価の動きはドイツDAX指数との連動性高まっている」とも。
 日本株の需給環境は引き続き良好に推移しそう。一方、短期的な調整を懸念する声も。
 予想PER(株価収益率)は日経平均構成銘柄の平均で17倍台に上昇したうえ、
 海外投資家の先物買いが目立つ東証株価指数(TOPIX)では18倍近くに上がった。

 今週は2月の景気ウォッチャー調査(9日)や1-3月期の法人企業景気予測調査(12日)といった
 国内の景況感に関する指標の発表が相次ぐ。

・Wall Street:今週の米株式相場はやや上値が重い展開となるか。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週17〜18日に控え、様子見ムードが広がり、積極的な売買は手控えられる可能性も。
 経済統計では12日、2月の小売売上高が注目。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち14指数が上昇。

上昇1位アルゼンチン週間騰落率3.4%(13年末比騰落率84.2%)2位フィリピン1.7%(33.5%)3位韓国1.4%(0.1%)6位日本0.9%(16.4%)
下位25位トルコ▲4.6%(18.4%)24位ギリシャ▲3.4%(▲26.9%)23位ブラジル▲3.1%(▲3.0%)22位香港▲2.7%(3.7%)19位米国▲1.5%(7.7%)

 2013年末比騰落利率 1位アルゼンチン84.2% 2位上海53.2% 3位インド39.1% 4位フィリピン33.5% 5位インドネシア29.0% 
 最下位ロシア▲37.4% 24位ギリシャ▲26.9% 23位ブラジル▲3.0% 22位韓国0.1% 21位英国2.4% 20位香港3.7% 

・中国「7%」本当の怖さ。5日開幕した全国人民代表大会。今年の成長目標を「7%前後」とする方針が決まった。
 政府が目指すのは軟着陸だが、行く手には多くのリスクが待ち受ける。

 地方債務問題。報告では財政赤字の対国内総生産(GDP)比率の目標が2.3%と14年目標の2.1%から0.2ポイント引き上げる。
 国の財政悪化に歯止めをかけるためにも、地方の歳出にはブレーキかける必要がある。
 先行き不透明なのは不動産開発も同じ。
 回復の兆しがあった住宅価格は1月に70都市の価格が平均で前月比0.46%下がり、下落率は5ヵ月ぶりに拡大。

 中国経済支える不動産と公共事業という双璧がそろって揺れているのが、今の中国の実情。
 勢い期待がかかるのが個人消費だが、こちらも怪しい。習指導部の「倹約令」が影響、かつての熱気はない。
 「身の丈消費」が新常態。中国の春節(旧正月)の連休期間中(2/18〜24日)
 小売売上高は前年同期比11%増も伸び率05年以来で最低。14年(13.3%増)から一段と減速。

 地方政府に広がる緊縮財政モード 中欧マネ―の穴埋め不透明。
 「身の丈」に回帰する消費。倹約令、自動車や高級ホテル直撃。 
 不動産、綻ぶ金融錬金術、相次ぐデフォルト(債務不履行)、当局は「裏ルート」潰し。

 中国がくしゃみすれば世界が風邪をひく。
 豪州や中南米、中国依存が打撃。縮む需要、商品相場下落に拍車も。
 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が海外リスクの筆頭に挙げたのは中国。リスクは顕在化するのか。
 それとも中国の減速を米国などがカバーするのか。
 はっきりしているのは、世界経済は綱渡りが続くということだ。(日経ヴェリタス)

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