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扉を開いて(巨鯨マネーの威力)

2015年3月22日(日)曇り時々晴れ

・巨鯨マネーの威力 広がる指数運用、株価形成に異変。
 日経平均株価が15年ぶりの高値更新、ひときわ輝きを示した銘柄、オリエンタルランド <4661> [終値37145円]。
 上場来高値連日で更新。年初からの株価上昇率は3割超。値上げしても落ちない集客力で業績好調。株主還元も積極的。
 カギを握るのは「MSCIジャパン最小分散」指数に連動した買い。
 OLCの組み入れ比率は1.9%と約150銘柄のうち、エーザイ <4523> [終値7248円]に次ぎ2番目。 
 この最小分散指数が注目され始めたのは昨年夏、
 約19兆円の資産持つ地方公務員共済組合連合会(地共連)が同指数の採用打ち出す。
 武田 <4502> [終値6339円]花王 <4452> [終値6006円]など他の攻勢銘柄も大きく上げた。
 個々の企業の収益力や成長性を見て銘柄を選びぬくのではなく、指数に連動する銘柄を根こそぎ買う。
 こうした「パッシブ運用」が今、株式市場を席巻。
 137兆円の運用資産持つ年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は昨年末で19.8%の株式の比率を25%に高める方針。
 うち9割がパッシブ型の運用が占める。地共連含む3つの共済年金も20日、GOIFと同様に株式比率を25%に高めると発表。

 指数連動の運用拡大は世界的現象。モーニングスター調べ14年、
 米国で4200億ドル(50兆円)強の資金が指数連動のパッシブ型ファンドに流れ込む。
 個別銘柄に選別投資する「アクティブ型」の実に9倍。背景には新興国含め世界中で年金マネーの存在感が増していること。
 巨額の資金を個別銘柄で運用するのは容易ではなく、指数連動の運用の方が透明性高く説明しやすい。

・巨鯨マネーの威力 年金が導く総パッシブ化。
 著名投資家ウォーレンバフェット氏昨年妻への遺言として
 「現金のうち10%を米国の短期国債に、90%をS&p500種株価指数に連動する低コストのインデックスファンド
 (私はバンガードを薦める)に投じれば、高い手数料を取るファンドマネージャーより長期で優れた運用成績をあげられる」
 米バンガード社は1976年、
 市場平均に連動した成績を目指すインデックス型投資信託を世界で初めて個人に発売した「パッシブ運用の権化」。
 バンガードの躍進は「パッシブ旋風」の象徴。
 指数連動運用中心とする上場投資信託(ETF)の資産残高は14年末2兆7800億ドルと、5年前から2.4倍に増加。
 世界の運用会社が年金基金や個人などに代わって運用する資金のうち、
 パッシブ運用比率が12年に11%、20年には22%まで高まるとの予測も。
 
 理由の一つは世界の年金マネーの膨張。
 20年に世界の運用会社が受託する年金基金の資産規模が12年より7割多い56.5兆ドルに達すると見る。
 日本も、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の14年3月末の日本株運用に占めるパッシブの比率は87.7%と、
 12年3月末から9ポイント上昇。株式の組み入れ比率が拡大するにつれて、コストの低いパッシブが増える傾向にある。

 個人マネーにも変化の兆し。「コストに見合ったリターンを考えると、
 投資家が指数連動の運用を好むという世界的な潮流は続く」。個人投資家もそれを前提にした対応が必要になりそう。

・巨鯨マネーの威力 スマートベータ銘柄、株高目立つ。定量分析のみで選別、地銀など世界から資金。
 東証1部時価総額1兆円以上、昨年4月から足元までみると、
 アクティブ型ファンドよりも、スマートベータ型ファンドが保有している銘柄の方がリターン大きい傾向。
 アクティブ型ファンドが保有する銘柄の株価がさえないのは、
 全国建設厚生年金基金は2月、80億円分のアクティブ運用解約などが背景とも。

 日本ぺ <4612> [終値4625円]220%超 明治HD <2269> [終値14780円]140%超 OLC <4661> [終値371145円]130%超

・巨鯨マネーの威力 それでも生き残る先鋭的アクティブ 有望株発掘・投資先と対話に価値。
 パッシブ運用の奔流の中、生き残るのは先鋭的なアクティブ投資だけとの声も。

・日経平均株価が2万円目前、20日には1万9560円22銭付け、2000年4月以来、15年ぶりの高値となった。
 相場を押し上げている主役は海外勢。
 米国の早期利上げ観測の後退や日本企業の改善姿勢受け、海外マネーは一段と日本に向かいやすくなっている。
 東証3月第2週(9-13日)の投資主体別売買動向(東京・名古屋2市場 1、2部と新興企業向け市場の合計)
 海外投資家5週連続買い越し(3062億円)3ヵ月ぶりの高水準。

・3月期決算企業の配当や株主優待の権利が得られる最終売買日を26日に迎える。この日を過ぎると「配当落ち」。
 27日の配当落ちで日経平均株価は110円程度下がる計算。
 例年権利付き最終売買日直前は、配当の権利得る目的で配当利回りが高い銘柄が買われやすくなる。
 過去の高配当利回り銘柄の値動きや市場全体チ比べた投資成果、権利付き最終売買日の1日前に投資成果がピーク。
 その後は配当落ちの影響から、しばらく株価がさえない傾向続く。
 ただ今年は世界的な金利低下が続く中で、高配当利回り株が買われ続けている。

 外国人持ち株比率が高く、現預金が厚い企業が注目。
 アサツーDK <9747> [終値3415円]外国人持ち株比率65.7% 現預金327億円
 ファナック <6954> [終値27340円]64.1% 8087億円 ミスミG <9962> [終値5010円]59.5% 500億円
 SMC <6273> [終値36470円]59.3% 4347億円 任天堂 <7974> [終値17845円]58.5% 5639億円
 THK <6481> [終値3235円]56.0% 1408億円 東洋水 <2875> [終値4630円]51.8% 628億円

・米連邦準備理事会(FRB)連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、利上げに「忍耐強くなれる」との一節を市場予想通り削除。
 利上げの引き金に指をかけた形も、
 米国の成長率や政策金利見通しが大幅に下方修正されたのを受け、市場ではむしろ利上げ時期遅れるとの観測広がる。
 声明について市場では感嘆の声が上がった。
 最速6月の利上げを初めて表明する一方で、同時に改定した中期経済予測では景気・物価見通しを大幅に引き上げている。
 2つを合わせて浮かび上がるのは「事実上のゼロ金利は予想より長期化」という市場の期待形成への働きかけ。
 「忍耐強くを削除したからと言って、(利上げを)辛抱できなくなったわけではない」とクギを指すことを忘れず。

・任天堂 <7974> [終値17845円]DeNA <2432> [終値2099円]17日、
 スマートフォン(スマホ)ゲーム事業で資本・業務提携。両社の株価急騰。発表後3日で任天堂27%、DeNA49%上昇。
 双方の思惑には微妙なずれ、同床異夢のまま終わる恐れも。今回の提携はいわば「負け組連合」の起死回生の策。
 任天堂は提携と同時に新型ゲーム機を16年に発表。「家庭用ゲーム機への情熱を持ち続ける照明」(岩田社長)。
 スマホゲームを呼び水に、利用者を家庭用ゲーム機に引き込む戦略描く。
 DeNAはスマホゲームの利用者獲得進め、課金収入増やすのが主な目的。
 ヒットを生み出せるかが、提携の成否握る焦点となる。

・発掘実力企業:地方の有力企業(3)トスネット <4754> [終値1128円]東日本大震災の復興需要追い風。
 震災から4年、住宅再建など復興が本格化。2015年9月期連結業績は売上高、純利益ともに前期に続き過去最高更新見込み。
 好業績のけん引役は交通誘導警備。課題は人材の確保。

・会社がわかる 特集富士フイルム <4901> [終値4251.5円]
 利益成長と株主配分の拡充による自己資本利益率(ROE)重視の経営方針打ち出す。
 けん引役は医薬品事業などヘルスケア分野。写真フィルムで培った技術の活用など通じ、相乗効果も上がり始めている。

・日経平均株価20日、2000年4/14以来、約15年ぶり高値更新。
 週間では6週連続の上昇と、アベノミクス初期の12年末〜13年初(12週連続)以来の長さに。
 良好な需給、海外勢による積極的な買いがその一つ。買い手の中心は中長期でマネーを運用する投資家。
 もう一つは公的マネ―。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)中心とする
 「年金マネーは国債などの債券から株を含むリスク資産へのシフト続けている」。
 いったん株価が下がれば、年間約3兆円目標とする日銀のETF買いも相場支える。
 これまで海外勢が買いに回り、個人投資家が売りに回るという構図が、変化の兆し。
 市場関係者が注目するのはマネ―・リザーブ・ファンド。純資産残高が2月に11兆2852億円と過去最大規模に積み上がった。
 SBI証券藤本誠之シニアマーケットアナリスト「個人も何も買わないわけにはいかない。
 日経平均株価が2万円超えるような展開になれば、しびれを切らして買いを入れてくる」と。

 上昇ピッチは緩やかになりそう。高値警戒感が理由の一つ。米早期利上げ観測後退の影響も見極めがいる。
 気になるのはドル相場の行方。一段高となり米企業業績のさらなる悪化を招くようだと米議会も黙ってはいない。
 12年以降、日本株はドル高と歩調合せて上昇続けてきただけに、ドル独歩高に修正入れば、日本株相場の前提も崩れかねず。

・米国指標WTI (ウエスト・テキサス・インターミディエート)1バレル42ドル台まで下げる場面も。
 足元でシェールオイルの増産に歯止めかからず、在庫は過去最高の水準に。
 原油相場は振れ幅の大きい展開、金融市場にも影響を及ぼしている。

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は2万円を視野にじり高の展開か。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)受け、米国の層きり下観測は後退。
 市場の関心は米金融政策から、前向きな材料が多い日本の景気回復や企業業績に移る。
 今週は23日に2月の米中古住宅販売など発表。注目は国内の消費動向示す27日の家計調査。
 市場では過熱感指摘する声も。日経平均株価は先週までで6週連続の上昇に。「いったん調整する動きも出てきそう」と。
 26日が配当権利付き最終売買日、権利取り狙った動きも。
 配当落ちで日経平均は110円程度下がる計算。株価が下落しやすい権利落ちの日でも上昇すると、
 その年の年間の相場が強くなるという「経験則」が市場にある。
 2013年、14年とも権利落ち日に上昇し、年間でも上昇したと。

 カギは日経平均と25日移動平均との上方乖離率。20日時点約4%。かい離率は縮小傾向で、26日には2%台に縮む。
 週後半から買いやすくなるとの声も。

・Wall Street:今週の米株式相場では、ダウ工業株30種平均やナスダック総合指数が最高値更新するかが焦点。
 最高値までダウは161ドル(0.9%)、ナスダックは約22ポイント(0.4%)に迫る。
 24日、2月の米消費者物価指数は、前月比0.2%上昇と1月の同0.7%低下から改善期待。
 27日、2014年10-12月期米国内総生産(GDP 確定値)発表。年率換算前期比2.4%増と改定値(2.2%増)から小幅上昇修正へ。
 23日フィッシャーFRB副議長、27日イエレンFRB議長が金融政策について講演。

・ランキング:業績好調なのに割安感のある銘柄。東証1部、時価総額1000億円以上、営業利益・最終利益がともに増益予想。
 株価純資産倍率(PBR)の低い順にランキング。

 1位日本製紙 <3863> [終値1889円]PBR0.52倍 予想PER8.4倍 配当利回り2.65% 円安や需要低迷警戒

 2位石油資源開発 <1662> [終値3825円]0.52倍 6.2倍 1.31% 3位双日 <2768> [終値195円]0.53倍 7.4倍 2.56%

 4位エディオン <2730> [終値926円]0.66倍 17.6倍 2.16% 昨夏の天候不順が重荷に。

 16位大日本印刷 <7912> [終値1235.0円]0.85倍 30.6倍 2.59% 海外向け包装材が好調。 

 20位フジクラ <5803> [終値546円]0.88倍 15.5倍 1.28% 利益配分の拡充好感。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち21指数が上昇。

上昇1位アルゼンチン週間騰落率11.1%(13年末比騰落率111.2%)2位トルコ7.7%(21.7%)3位上海7.2%(71.0%)12位米2.1%(9.4%)
下位25位ギリシャ▲3.3%(▲36.0%)24位ベトナム▲1.8%(14.0%)23位インド▲0.8%(33.5%)22位タイ▲0.8%(17.8%)15位日本1.6%(20.1%)

 2013年末比騰落利率 1位アルゼンチン111.2% 2位上海71.0% 3位インド33.5% 4位フィリピン32.7% 5位インドネシア27.3% 
 最下位ロシア▲40.2% 24位ギリシャ▲36.0% 23位ブラジル0.9% 22位韓国1.3% 21位英国4.1% 20位香港4.6%  

・トップアナリストが描く飛躍シナリオ

 総合1位みずほ証券渡辺英克氏 賃上げが消費刺激、相場の足腰強く。「医療の高度化」と「社会の高齢化」テーマ。
 エムスリー <2413> [終値2632円]2004年上場直後から注目。

・トップアナリスト注目銘柄 

 産業用電子機器:山崎雅也氏(5年連続)東芝 <6502> [終値506.5円]三菱電機 <6503> [終値1461.5円]

 家電・AV機器:片山栄一氏(4年連続)
 ソニー <6758> [終値3359.5円]カシオ <6952> [終値2307円]パナソニック <6752> [終値1567.5円]

 電子部品:佐渡拓実氏(7年連続)村田製作所 <6981> [終値17340円]日本電産 <6594> [終値7930円]

 自動車:バークレイズ証券吉田達生氏 ホンダ <7267> [終値4116.5円]

 自動車部品:松本邦裕氏(6年連続)ブリヂストン <5108> [終値4806.5円]デンソー <6902> [終値5718.0円]

 医薬品・ヘルスケア:渡辺英克氏(2年連続)エムスリー <2413> [終値2632円]

 化学・繊維:竹内忍氏 日本ぺ <4612> [終値4625円]関西ぺ <4613> [終値2303円]
 積水化 <4204> [終値1584円]東ソー <4062> [終値2057円]

 ガラス・紙パ・その他素材:桑原明貴子氏 日本製紙 <3863> [終値1889円]王子HD <3861> [終値508円]

 鉄鋼・非鉄:山口敦氏(14年連続)新日鉄住金 <5401> [終値311.2円]三菱マテリアル <5711> [終値399円]

 機械:斉藤克史氏 SMC <4273> [終値36470円]キーエンス <6861> [終値68000円]

 精密機械・半導体製造装置:中名生正弘氏(4年連続)トプコン <7732> [終値3010円]

 造船・プラント:大内卓氏(4年連続)三菱重工 <7011> [終値687.7円]川崎重工 <7012> [終値625円]

 食品:高木直実氏(6年連続)明治HD <2269> [終値14780円]味の素 <2802> [終値2673.5円]

 銀行:野崎浩成氏(11年連続)三菱UFJ <8306> [終値790.0円]

 証券・保険・その他金融:村木正雄氏(8年連続)
 東京海上HD <8766> [終値4589.0円]損保ジャパン日本興亜 <8630> [終値3865.0円]

 小売り(大型店):高橋俊雄氏(2年連続)セブン&アイ <3382> [終値5097.0円]

 小売り(専門店・アパレル):小場啓司氏(13年連続)青山商事 <8219> [終値3910円]

 商社:五百旗頭治郎氏(4年連続)三菱商事 <8058> [終値2437.5円]

 建設:水谷敏也氏(3年連続)清水建 <1803> [終値819円]

 住宅・不動産:沖野登史彦氏(13年連続)三井不 <8801> [終値3553.5円]
 三菱地所 <8802> [終値2926.5円]住友不 <8830> [終値4348.0円]NTT都市開発 <8933> [終値1240円]

 電力・ガス・石油:新家法昌氏(2年連続)
 東ガス <9531> [終値762.2円]Jパワー <9513> [終値3915円]JXHD <5020> [終値478.5円]

 運輸・倉庫:姫野良太氏(2年連続)郵船 <9101> [終値386円]ヤマトHD <9064> [終値2853.0円]
 JAL <9201> [終値3890円]ANAHD <9202> [終値337.6円]

 通信:増野大作氏(2年連続)
 KDDI <9433> [終値8278円]NTT <9432> [終値7388円]ソフトバンク <9984> [終値7068円]

 放送・広告:岩佐慎介氏(3年連続)
 電通 <4324> [終値5390円]リクルートHD <6098> [終値3915円]日本テレビ <9404> [終値2121円]

 インターネットゲーム:小山武史氏 スクエニHD <9684> [終値2518円]任天堂 <7974> [終値17845円]

 ビジネスソリューション:菊池悟氏 NTTデータ <9613> [終値5330円]

 レジャー・アミューズメント:森田正司氏 OLC <4661> [終値37145円]

 中・小型株:渡辺真理子氏(3年連続)コシダカHD <2157> [終値2145円](日経ヴェリタス)

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