
扉を開いて(外モノ運用、総点検)
- 2015年09月13日
- 株式投資・経済ニュース全般
2015年9月13日(日)曇り時々晴れ
・外モノ運用、総点検 米利上げ前、新興国通貨にも異変。
投信をはじめ株や債券への直接投資、外貨預金など日本の個人投資家は「外モノ運用」拡大してきた。
日本の家計の外貨建て金融資産は15年3月末で約68兆円と過去最高記録。
外貨建ての運用には常に為替変動リスクがある。
高い利回りで人気集めたレアル建て資産、この1年でレアルは対円で3割以上も下落。
ドルに次ぐ、人気の豪ドルも下落幅は1割超、為替差損が発生する状況も。
一方、ドルは円に対し1年で1割強上昇。ドル建て資産は為替変動の観点からは差益が出やすかった。
今こそ、日本の個人投資家も自分の外モノ運用の偏りを見直すタイミングに。
・外モノ運用、総点検 高利回り人気、落とし穴。
「ハイイールド債」「米国のREIT」要注意。個人マネーが流入した3つの外貨資産の状況と対応策チェック。
米ハイイールド債(低格付けの社債)にバブル懸念:相場の変調のあおり受け始めている。
債務不履行(デフォルト)のリスクが高い分、利回りが高いのがハイイールド債の特徴。
海外のハイイールド債に投資する投信残高は2015年7月時点でおよそ5兆4000億円、
米金融危機前の07年末比2.7倍に拡大。指数は09年以降一時は2倍超の水準に上昇。
最近は15年5月ピークに伸び悩み。時価総額も約3倍の1兆1000億ドル強に膨らんだが頭打ち。
09年初めに20%近くあった平均利回りも14年には一時5%台まで低下、今は再び上昇傾向。
きっかけは原油相場の暴落。米ハイイールド債の発行残高のうち、エネルギー産業を占める比率は15%前後。
ハイイールド債投信多く持つ個人投資家の場合、戻り局面でポジション調整の好機ととらえるべきとも。
米REIT、利上げ警戒:日本の個人投資家は米不動産投資信託(REIT)で運用する投信にも多くの資金投じている。
2009年以降、米REITに流れ込んだ日本の投信マネーの総額は約6兆3000億円。逆流すると相場の混乱がありそう。
15年に入ってから米REIT指数は約1割の下落に転じている。米利上げ観測が主因。
金利が上昇するとREITの資金調達コストは高まる。利回り商品としてのREITの相対的な魅力も低下する。
今後日本の個人投資家は米利上げに伴う一段の相場調整に備えるのが賢明と。
利上げ後も米国の不動産市況が堅調なら再投資の機会がありそう。
高金利国投信、為替・中国原則響く:ブラジル・豪関連に不透明感。
2010年から12年ごろにかけて、高金利狙う個人の外貨資産運用でブーム巻き起こした通貨は
オーストラリアドルとブラジルレアル。
日本の家計が持つ豪州とブラジル関連の投資信託の合計は8月末で7兆円弱と根強い人気。
ただ両国の経済は中国と深く結びついており、中国の景気減速や米金利上げ観測で通貨の下落傾向に拍車。
一部では「いったんポートフォリオから外すことも選択肢」との声も。
・外モノ運用、総点検 投資先に加え「時間」を分散。リスク抑制、積み立て型も一手。
個人は「資産価格が下落したからといって、積み立て投資からいりてはいけない」。
株価指数への投資なら個別企業の破たんなどの影響は小さく、投資が続けられなくなるリスクはほとんどない。
しかし、投資をやめてしまうと挽回の機会は永遠に失われる。
個人は人生設計に合わせた長い時間軸で成果上げるというスタンスで臨める。
・先週の日経平均株価は8日に7か月ぶりの安値に沈み、9日には21年7か月ぶりの上げ幅記録すりなど乱高下。
米国が利上げするかどうかや中国景気の先行きなど、不透明要素の多さから取引を手控える長期投資家が増加、
短期投資家の影響度が高まり、変動率(ボラティリティー)の高い相場展開となっている。
週間では472円(3%)の上昇。その前の週は1344円(7%)の下落で、週間ベースでも変動の大きな状態続く。
短期筋の代表例はCTA(商品投資顧問)と呼ばれる海外投資家。
「CTAは相場の流れに追随するようにポジションを積み増す傾向が強い」
いったん市場で買戻しの動きが出ると、それに乗じたCTAの買いが広がる。
一方、11日が株価指数先物・オプション9月物特別清算指数(SQ)算出日だったことで
損失限定や利益角栄のための持ち高手じまう動きも多かった。
相場の予想変動率の高さ映す「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」は
11日も31.70と「警戒水準」である20を上回る状態が続いた。
今週は日銀 <8301> [終値46000円]の金融政策決定会合が開かれるほか、
18日未明には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が判明する。
・注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)が16〜17日に開かれる。
雇用情勢など米国の経済情勢で見ればいつ利上げしてもよい状態だが、
中国の景気減速発端とした株式相場の混乱から市場の観測は10月以降に後退、
イエレン議長の決断を世界が固唾ののんで見守る。
・日本政府観光局16日、8月の訪日客数発表。中国人の動向に注目集まる。
今のところ8月の訪日客数も増加とみられるが、対人民元で円高進めば、影響が出てきそう。
・米アップルが9日、新スマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)6s」シリーズ発表。
日本電産 <6594> [終値8853円]村田製作所 <6981> [終値16450円]ソニー <6758> [終値3179.5円]
アルプス電気 <6770> [終値3540円]などが主要部品の供給元と推測。
今回の目玉機能は、指で画面を押す圧力の強弱感じる新機能「3Dタッチ」。
日本電産がこの中核となる「ハプティック(触覚)デバイス」という振動デバイス供給と。
・会社がわかる 特集チムニー <3178> [終値2699円]業態転換急ぐ。
和洋中のメニューを満遍なくそろえた総合居酒屋に客離れの逆風が吹く中、
地域の名産や競合店にはない食材で特徴出す店づくり進める。
・発掘実力企業:ネット社会を支える() <> [終値円]
・日経平均株価が乱高下。9日に21年7か月ぶりに上げ幅記録、値動きが数百円にのぼる日も相次ぐ。
振れ幅を大きくさせる2つの要因が浮かび上がる。
1つは、不透明感が強まり、市場関係者の相場見通しが混とんとしてきたこと。
年末までの日経平均株価見通しも。1万4000円から2万3000円まで大きく散らばる。
ミョウジョウ・アセット・マネジメント菊池真氏「中国景気悪化などに伴う消費減が東南アジア経済などの
重荷となり、国内企業の業績を押し下げる」として、日経平均株価は1万4000円まで下げるとみる。
大和住銀投信投資顧問の門司総一郎氏は目標株価引き下げたものの
「株価は企業業績の堅調さを踏まえると割安感が強い」と指摘、2万3000円まで上げるとみる。
米国では、民間エコノミストの経済成長率見通しが開くと、予想変動率示すVIX指数が高まりやすい。
2つ目は値動きが指数より大きいレバレッジ型ETF(上場投資信託)の存在。
日経レバレッジ <1570> [終値13970円]は顧客からの新規設定があれば、
それ以上の買いを日経平均先物に入れることで日経平均の2倍の値動き実現する。
先物の商いが膨らむと、先物が主導する形で現物株の値動きにも影響与える。
今週は日米の中央銀行の重要イベントを控え落ち着きのない相場となりそうで、再び振れ幅も拡大しそう。
・不動産投資信託(REIT)相場の下落が鮮明。
東証REIT指数は8日に1年4か月ぶりの安値水準に沈み、10日の取引時間中に節目の1500を割り込む場面も。
株式相場の急落受け、リスク回避姿勢の強めた投資家が売却に動いている。
中国経済の不安から世界同時株安となった8月後半以降、REIT相場も下落が目立つ。
指数は昨年末比17%安い水準。公募増資が多く、投資口の需給が緩んでいたこともREIT相場下落の一因。
・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は16〜17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた動きが
最大の焦点になる。市場では利上げ見送りとの観測優勢。
利上げに踏み切ればリスク回避の動き広がり、日本株は大きく調整する可能性も。
一大イベント前までは様子見で方向感が定まらない動きとなりそう。
「Fedウォッチ」では、9月利上げを見込む割合は4分の1程度。
市場が織り込んでない局面で利上げが決まれば、世界的に株圧力が強まりそう。
イベントを控え中長期の投資かはリスク取りにくく、
海外ヘッジファンドなどに振り回されやすい状況が続いている。
本格的に長期マネーが市場に戻ってくるのは大型連休明けの28日の週からになりそう。
・Wall Street:今週の米株式相場は16〜17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)にらんだ神経質な展開。
利上げ決めるかはどうかは五分五分。いずれにしても、FOMC後に発表される声明文に加え、
記者会見でのイエレン議長の発言内容がこれまで以上に精査されるのは間違いない。
米株相場は不安定な値動きが続きそうだ。
・ランキング:日経中国関連株50で下落率が大きかった主な企業。鉄鋼や機械、電機などが下落率の上位に入った。
1位JFDHD <5411> [終値1840.0円]騰落率▲36.8% 鋼材市況悪化の懸念強まる。
2位日本精工 <6471> [終値1336円]▲32.1% 3位三菱電機 <6503> [終値1150.5円]▲31.7%
10位ダイキン <6367> [終値6925円]▲26.2% エアコン需要減速を嫌気。
花王 <4452> [終値5235.0円]▲10.9% 高級おむつ好調。
セブン&アイ <3382> [終値5018.0円]▲2.9% 中国減速、影響は限定的。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち16指数が上昇。
上昇1位週間騰落率ギリシャ4.2%(14年末比騰落率▲18.4%)2位台湾3.8%(▲10.8%)3位香港3.2%(▲8.9%)
4位韓国2.9%(1.3%)5位日本2.7%(4.7%)6位米国2.1%(▲7.8%)
下位25位トルコ▲2.2%(▲16.8%)24位フィリピン▲2.0%(▲4.4%)23位インドネシア▲1.2%(▲16.6%)
22位スペイン▲0.9%(▲5.3%)21位ノルウェー▲0.7%(▲1.3%)
2014年末比騰落利率 1位アルゼンチン26.9% 2位フランス6.5% 3位日本4.7% 4位ベトナム3.9%
5位ドイツ3.2% 6位韓国1.3%
最下位ギリシャ▲18.4% 24位トルコ▲16.8% 23位インドネシア▲16.6%
22位台湾▲10.8% 21位香港▲8.9% 21位タイ▲7.7%
・アベクロ相場第2幕、待ち受ける試練。
為替:弱まる円売り圧力、成長の主役交代へ。
円安主導の景気回復が一巡しつつある中、企業の成長投資や消費へのバトンタッチが焦点。
株:けん引役の海外勢、企業の変化注目。
安倍政権が主導したガバナンス(企業統治)改革などが目に見える成果を出していると評価。
企業業績の回復や国内の政治の安定、ガバナンス改革や株主配分の強化といった投資テーマの豊富さが
資金呼び込み、世界的な流動性相場で各国の株価が水準を切り下げる中でも、日本株は突出した上昇演じた。
ただ海外勢の買いの手は無条件に続くものではない。海外勢は6月以降3か月連続の売り越し、
8月には現物株と先物合計で2.5兆円と08年の金融危機以降で最大の売越額記録。
世界の株式相場が揺さぶられる中、日本株への次の投資機会うかがう投資家の関心は政策の効果の実現に向かう。
海外勢の買いが再び勢いを取り戻すためには、企業の変化がカギとなる。
政策:デフレ心理払しょくへ。追加緩和も焦点。
「アベノミクスはまだ危うい状況にある。成功の可能性は五分五分」
米プリンストン大クルーグマン名誉教授が警告。「GDPが期待外れで、昨年4月の消費増税が間違いだった」。
デフレマインドからの脱却を確実にするために「早期の追加緩和が必要」との指摘は多い。
・日本郵政グループ3社の上場に向けたカウントダウン始まった。
東京証券取引所 <8697> [終値3655円]10日、日本郵政 <6178> かんぽ生命 <7181> ゆうちょ銀行 <7182>
3社の上場承認。11月4日同時上場。3社合わせた時価総額13兆円超える。
「貯蓄から投資」を象徴する大型イベントになるのか、
それとも需給の悪化引き起こし、株式相場の停滞招くのか。市場は固唾をのんで見守る。
現時点で想定している1株当たりの価格は、日本郵政は1350円、ゆうちょ銀1400円、かんぽ生命2150円。
10/8に始まるブックビルディング期間に3社の株式の抽選申し込み受け付ける。
(日経ヴェリタス)
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