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扉を開いて(乱高下に向き合う)

2015年10月4日(日)はれ

・乱高下に向き合う。高ボラティリティー時代の幕開け。
 先週中国の景気減速示す指標や第一中央汽船 <9132> [終値1円]の破たんなどで、週初の2日間こそ949円下げ、
 週後半は日銀 <8301> [終値43800円]の追加緩和期待などで800円近く上げた。
 方向の定まらない「ジェットコースター相場」が続いている。
 「先進国の金融緩和に支えられ変動率が低いままだった『官製相場』がいったん終わった」との見方広がる。
 中国を震源とした世界経済の減速懸念が強まる一方、米国では年内の利上げが視野に入っている。
 日本株は世界的な「リスクオフ」のさなかにある。
 9月第4週までの7週間で売買の6〜7割占める外国人は合計3兆8000億円売り越し。
 リーマン・ショック直後の09年1〜3月に9週連続で2兆4000億円売り越した時をはるかに上回る。
 
 東証の上場銘柄の売買代金に占める空売りの比率は9/29に43.4%と過去最高記録。
 思わぬ上昇局面では買い戻しの動きが広がりやすく、激しい動きの一因になる。
 高ボラティリティーはリターンをむしばみかねない点には注意が必要。
 「ポートフォリオ全体のリスク量を落としたほうが良い」との指摘も。
 複数の日本株に投資済みなら一部売却、次の上昇局面に備えた待機資金を持つ方法がある。

 ゴールドマン・サックス証券「相場の急変動に強い銘柄」
 富士重工 <7270> [終値4516円]バンダイナムコ <7832> [終値2828円]など
 好業績で財務安定している銘柄高評価。 

・乱高下に向き合う。「高ボラ」連鎖
 世界の株価や商品価格などは相互に影響及ぼし合い変動繰り返している。
 米国株の値動きが大きくなると市場が警戒するほど数値が上がる「VIX指数」は、
 節目の20を上回って推移、高い水準にある。

 相場の高ボラティリティー(変動率)の震源をたどっていくと
 約1年前から原油先物などエネルギー関連で値動きが激しくなり始めたことに行き着く。
 その後次第に中国株、オーストラリアのような資源国株、ドイツや米国、日本など先進国株に伝わっていった。
 中国で起きたバブルの後始末に「少なくとも5年はかかる」。加えて米国の利上げはこれから始まる。
 激しい変動に備えなければならないのは、むしろこれからだ。

・乱高下に向き合う。投資のリスク抑制、どう動く。
 値動きのぶれが大きくなるほど、期待した収益を得られる確率が下がる。
 例えば100万円の資産が50%下落し、その後50%上昇した場合、
 変動率は同じも資産価格は100万円に戻らず、75万円しかならない。
 この傷はボラティリティーが高いほど深くなる。
 
 リスクを抑える手法として代表的なのは、値動きの異なる資産への分散投資。
 だが現在の金融市場のように、様々な資産の価格が同じ方向に動き、
 相関関係が高まっているときは分散の効果が出にくい。
 そんな場合にすぐ実行できるのは、現金の比率高めリスクを抑える方法。
 レオス・キャピタルワークス(東京・千代田)運用する「ひふみ投信」は現金比率を機動的に動かし、
 高ボラティリティー相場のダメージを少なくした。
 その後相場の大きな調整受けて割安になったと判断した銘柄に買いを入れ、現金比率は1ケタ台に戻す。
 現金化がリスク抑える「守り」の役目を果たしただけでなく、次の「攻め」の道具としても機能した。

・乱高下に向き合う。
 変動の激しい相場で重要なのは銘柄選び。
 個人投資家にとって参考になるのは
 ゴールドマン・サックス証券が独自に選び出した「高クオリティ高収益50銘柄」
 実績と予想で見た自己資本利益率(ROE)や売上高営業利益、1株利益の安定度合い、
 株価に対するフリーキャッシュフロー(純現金収支)の利回り、
 現預金と有価証券から有利子負債引いた「ネットキャッシュ」と時価総額の比率などといった
 10に及ぶ指標用いてスコア付けている。

 50銘柄にはキヤノン <7751> [終値3549.0円]JR東海 <9022> [終値19620円]
 ファーストリテイリング <9983> [終値48730円]などが含まれている。
 シマノ <7309> [終値18780円]富士重工 <7270> [終値4516円]は値動き好調。

・乱高下に向き合う。
 高ボラティリティー時代に注目できる銘柄について、野村證券松浦寿雄チーフストラテジストは、
 「今はアナリストがあまりカバーしていない中小型銘柄が堅調」と指摘。
 こうした銘柄は海外投資家の保有比率が低く、相場が急変動しても海外からの売り圧力が比較的小さい傾向。
 チタン最大手大阪チタニウム <5726> [終値3100円]や鉄道工事手がける東鉄工 <1835> [終値2522円]
 海外投資家の保有比率が10%程度、9月以降の下落率はともに2%前後にとどまっている。
 TOPIXが同じ期間に約6%下がったのに比べて底堅い。

 「当面は金融政策や成長戦略などの経済対策に反応しやすい業種に投資妙味がありそうだ」と
 シティグループ証券の飯塚尚巳日本株チーフストラテジストは話す。
 例えば、日銀の追加金融緩和があれば銀行株や不動産株、不動産投資信託(REIT)などが買われやすくなる。
 地方創生で新たな施策が出れば農業やインバウンド関連、中国で景気刺激策が出れば工作機械などに期待持てる。

・乱高下に向き合う。
 国内外の株式相場で高まっているボラティリティー、
 その一因として浮上しているのが、ヘッジファンドなどが採用している投資戦略。
 同戦略に基づく株式や債券など7つの資産の配分比率を簡易的に試算すると、
 ポートフォリオ全体に占める先進国株式の比率は7月上旬には9.8%だったが、9/25には7.6%に下がった。
 2か月間で日本を含む先進国株の保有比率を2割以上減らす必要があったという試算結果。

・乱高下に向き合う。
 日本株相場が不安定な値動きを続ける中、
 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(日経レバ) <1570> [終値13230円]が個人に人気。
 日経レバの売買が増えると間接的に日経平均先物の売買も拡大するため、
 相場全体のボラティリティーを増幅する一因との見方もある。

・乱高下に向き合う。
 国内外の株式相場でボラティリティーが高まると、外国為替市場の円相場の動きにも影響が出る。
 8月以降、中国経済の減速懸念などをきっかけに株式と連動するように為替のボラティリティーは急上昇。
 特に円相場は金融市場の変動が大きくなると上昇しやすい。

・日経平均株価は9/29、大幅下落。前日比714円安の1万6930円と、8か月ぶりに1万7000円を割り込む。
 最も翌日、翌々日には合わせて800円近く上昇するなど落ち着きのない展開に。
 市場全体の先行き不透明感が強まり、負の材料に反応しやすくなっているから。
 市場関係者のわずかな希望は日銀追加緩和への観測。
 
・JT <2914> [終値3593.0円]大型M&A(合併・買収)に市場困惑。
 29日米たばこ大手レイノルズ・アメリカンのブランド「ナチュラル・アメリカン・スピリット」の
 米国外事業を約6000億円で買収すると発表。
 対象事業の収益規模と比べると割高感は否めず、JTの株価は発表後2日間で1割下げた。
 不透明感の根底にあるのは、JTからの情報不足。
 戦略の詳細が明らかになる来年初めまでは、株価の重荷になるとの指摘も出ている。 

・発掘実力企業:ネット社会を支える(16)STUDIOUS <3415> [終値3170円]
 日本初のブランドにこだわる衣料品のセレクトショップ展開する。「アジアのルイ・ヴィトンになる」こと。
 実店舗を展開しつつもネット戦略に強い点で、他のアパレル企業にはない特徴を持つ。

・会社がわかる 特集ペプチドリーム <4587> [終値3025円]東大初バイオベンチャー。
 「成長戦略 第2章」掲げ、新たな成長に向けて動き始めた。
 「特殊ペプチド」と呼ぶ特殊なアミノ酸結合して作るたんぱく質断片を使う新薬開発を手掛け、
 世界の製薬大手と共同研究開発契約を結ぶ。
 日本のバイオベンチャーでは珍しく黒字達成する同社は「世界的な製薬企業」という大きな目標掲げる。
 「新薬開発に欠かせない研究者の増員と、研究施設の新設による体制の強化。
 研究者の採用積極化、来年からは年10人程度ずつ増員。現在研究者は45人、4〜5年で100人体制目指す。」

・相場全体の値動きが荒い中、株式市場で銘柄物色の二極化が進む。
 先週の株式市場で上昇が目立ったのは、小売りやサービス業など非製造業。
 海外の景気不安で輸出や生産の減速懸念が強い製造業に対し。「買える銘柄」として非製造業の存在感高まる。
 
 日経300種平均株価構成銘柄ランキング(9/25終値と10/2終値比較)小売り、サービス上昇、鉄鋼、商社下落。
 
 上昇上位:アコム <8572> [終値645円]上昇率15.2% 雪印メグ <2270> [終値2345円]10.8%
 シチズンHD <7762> [終値865円]9.6% イオン <8267> [終値1959.0円]9.6% 

 下落率上位:JT <2914> [終値3593.0円]下落率13.3% 神戸鋼 <5406> [終値134円]11.3%
 三井物産 <8031> [終値1357.5円]10.8 エーザイ <4523> [終値6874円]9.9%

・世界の金融市場が「グレンコア・ショック」に揺れている。
 先週初めスイス資源大手グレンコア株の急落をきっかけに、株式や商品などリスク資産の価格が軒並み下落。
 投資マネーは安全資産の先進国の債券に向かっている。投資家は悪材料に敏感になっている。
 投資家が懸念するのは、資源安がもたらす関連企業の業績や財務への悪影響。
 リスク回避の動きは、新たな局面を迎える可能性がある。 

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万8000円台を試す展開か。
 米労働省2日発表、9月の雇用統計は市場予想を大幅に下回り、米国経済の先行きに対する不透明感を強めた。
 半面、米連邦準備理事会(FRB)による早期利上げ観測後退、資金引き上げによる新興国懸念が和らぎそう。
 ダウ工業株30種平均は売りが先行、徐々に買い優勢となり反発。
 週明けの日経平均もこの流れを受けて買いが先行する可能性高いが、
 1万8000円台に乗せれば、米国経済の不透明感から積極的には買いづらくなりそう。
 週半ばの6〜7日には日銀の金融政策決定会合控える。
 外国人投資家中心に追加緩和観測は根強い。緩和が無ければノンバンクなど売られそう。
 8日に8月の機械受注と9月の景気ウォッチャー調査発表。
 7日にイオン <8267> [終値159.0円]8日にセブン&アイ <3382> [終値5525円]の3-8月期決算発表。

・Wall Street:今週の米株式相場は不安定な展開に。
 先週末発表の9月の米雇用統計で雇用増加数や賃金上昇率などが予想を下回ったことで、
 市場には景気減速懸念浮上、米連邦準備理事会(FRB)は年内利上げ見送るとの見方が広がった。
 発表が本格化する7〜9月期の米企業決算も、
 商品相場の低迷が素材やエネルギー業界の収益悪化につながると懸念されている。
 8日のアルコア決算は市場の関心が極めて高い。
 今週は地区連銀総裁が相次ぎ講演。8日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨とともに市場は注視。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち13指数が上昇。

上昇1位ブラジル週間騰落率4.9%(14年末比騰落率▲5.9%)2位アルゼンチン4.0%(18.8%)
 3位台湾2.1%(▲10.8%)4位南アフリカ1.6%(3.9%)8位米国1.0%

下位25位ギリシャ▲5.1%(▲22.4%)24位ロシア▲3.0%(▲3.3%)23位タイ▲2.2%(▲10.1%)
 22位ベトナム▲1.4%(3.1%)18位日本▲0.9%(1.6%)

 2014年末比騰落利率 1位アルゼンチン18.8% 2位フランス4.4% 3位南アフリカ3.9% 4位ベトナム3.1% 
 5位韓国2.8% 6位日本1.6%
 
 最下位ギリシャ▲22.4% 24位インドネシア▲19.5% 23位トルコ▲13.2% 22位台湾▲10.8% 
 21位タイ▲10.1% 21位香港▲8.9%

・日本経済新聞社と日経リサーチは共同で、全国117銀行対象に第11回銀行リテール力調査実施。
 店頭サービスや金融商品充実度比較し、順位付けした。

 総合ランキング首位 1位(12)新生銀行 <8303> [終値247円]総合249.7(300点満点)

 2位2(4)三井住友 <8316> [終値4719円]248.2 3位(初登場)イオン銀 <8570> [終値2405円]244.2

 4位(36)スルガ(静岡) <8358> [終値2236円]242.2 みずほ <8411> [終値229.4円]241.4

 下位行 117位(108)北九州(福岡) <8418> [終値1465円]150.6

 116位(77)神奈川(横浜)151.0 115位(63)大光 <8537> [終値228円]155.7

・心の投資術(中)めげる気持ちの動き学ぶ

 行動ファイナンス理論の最も重要な理論に「プロスペクト理論」。
 ある実験によると、損失を被ったときの悲しみは、同額の利益手にしたときの3〜4倍になる。
 相場は常に上下します。
 投資家心理が一斉に弱気に傾いたときは、むしろ売られすぎた株式を購入するチャンスであり、
 悲観に暮れている暇はないとも言えます。
 「人は利益は早く確定させたいが、損失は先送りしたい」もの。
 世界の金融市場は、今後より大きな混乱に見舞われるかもしれません。
 相場の下落に直面したとき、好機ととらえるか、自暴自棄になってしまうのかは、心の動き次第です。

(日経ヴェリタス)

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