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扉を開いて(耐えるか新興国)

2015年12月6日(日)晴れのち曇り

・耐えるか新興国、米利上げ目前、台頭する「ヒップリスク」

 世界中が注目した4日発表の米雇用統計。
 11月の雇用者の伸びは市場予想上回り、米連邦公開市場委員会(FRB)が月内にも利上げするとの見方広がった。
 ドルや米株が買われたが、前日比でむしろドルに対し上昇。市場は冷静に米利上げを迎えつつある。
 新興国経済の地力は、20年前と比べ格段に高まっている。「テールリスク」に至る可能性は小さいとみられている。

 世界経済がいま、直面しているのは、新興国経済が徐々に後退、悪影響がじわじわ世界中に染み出し始めていく姿。
 ブラジルの混乱は通貨安や需要減退通じ、先進国にも影を落とす。

 恐竜の尾で弾き飛ばされるような激しさでなく、世界経済にずしりとのしかかるような新興国リスク。
 その様を「ヒップリスク」にさらされているとの表現も。

・耐えるか新興国、静かに進む危機の構図。
 追跡 資金の流れ 緩和マネー・民間債務がリスク。
 2000年代にはやされたブラジル、ロシア、インド、中国(BRICs)に代表される新興国経済の勃興。
 特にリーマン・ショックで先進国が打撃受けた09年以降は世界経済の成長担うとともに、
 金融緩和であふれたマネーの受け皿になった。
 それが今や「ヒップリスク」の発信源として世界経済の悩みの種に転じている。
 危機はすでにゆっくりと世界に漂い始めている。

 かつて懸念された政府中心とした公的債務と異なり、警戒の対象は民間債務。
 株式時価総額に対する民間債務の度合いは、新興国ブームの真っただ中から2倍近くに増えている。
 世界経済の中で新興国の影響力が高まっていることも、市場関係者が新興国発のリスク警戒する理由。
 主要新興国20か国のGDPは15年見込みで、全世界の3割占める。05年は18%程度。

 中国の減速は資源国などの景気減速を招き、その影響は世界の向上である中国に跳ね返る。
 中国経済と他の新興国との間で、負の共鳴が起きている。

・耐えるか新興国、双子の赤字・政治不信・社会不安
 露呈する弱点、市場が選別。
 「経済の先行きが不透明で、融資が伸びない」マレーシア企業の投資意欲鈍く。
 産油国とあって原油安の直撃受け、通貨安がインフレにつながるサイクルに突入。
 迫るFRBの利上げによるマネーの引き上げ懸念、中国の減速、そして原油など資源価格の暴落。
 新興国経済を噴かしてきたエンジンは燃料失う。そのとき、自力で飛び続けられるか、それとも失速するのか。

 健全性:コロンビア経常収支▲6.17% 財政収支▲0.19% トルコ▲4.53% 1.35% 南アフリカ▲4.32% ▲0.83%
     ブラジル▲4.05% ▲0.35% ペルー▲3.72% ▲0.95% メキシコ▲2.40% ▲1.19%
     日本3.02% ▲5.39%(GDP比、2015年予測。IMFまとめ。)

 政治安定度:ナイジェリア▲2.1 トルコ▲1.1 コロンビア1.1 インド▲1 タイ▲0.9
       日本 1.0(最大2.5(安定)〜▲2.5(不安定)で指数化)

・耐えるか新興国、成長の推進力は旺盛な個人消費。輸出産品の多様化も狙う。
 新興国の持続的な成長に欠かせないのは消費中心とした内需。
 人口増加は消費を担う中間層に厚みを加える。インドは25年時点の人口が14億6千万人と、世界最大になる見込み。
 新興国経済の弱点として挙げられてきたのが外貨を獲得する産業分野が限られ、環境の変化に脆弱なこと。
 これを克服しようと、自由貿易協定(FTA)通じて新たな輸出の柱を育てようとする国も多い。

 潜在力:ハンガリー2015年の人口 0.10億人 2025年の人口0.09億人 変動率▲3.7%
     ポーランド0.39億人 0.38億人 ▲1.8% ロシア1.43億人 1.41億人 ▲1.6%
     日本1.27億人 1.23億人 ▲2.9%(国連まとめ。) 

 輸出力:ナイジェリア主な自由貿易協定の締結数合計4 南アフリカ8 アルゼンチン10 ブラジル10 インド15
     日本16(日本貿易振興機構の資料)

・耐えるか新興国、新興国への投資のトレンド
 足元停滞、投信の資金流出続く。PBRなお魅力、反発時の狙い目は指数連動型。
 今夏の中国株ショックや新興国通貨安を背景に、日本の個人投資家の新興国投資は足元停滞。
 投資のプロは逆風下でも冷静に機会うかがう。
 「指数連動型商品」は信託報酬など保有コストが比較的安く、反発局面での利益享受しやすい面がある。
 投信に加え、上場投資信託(ETF)でも品ぞろえされている。
 成長を取り込むことが目的なら、新興国に進出している先進国企業を投資対象にした投信という手も。

・耐えるか新興国、成長率、ブームに比べ鈍化。
 目前に迫る米利上げ。「新興国通貨への一時的な影響は避けられないかもしれない」とみる市場関係者は多い。
 ただ通貨安は経済委回復のチャンスにもなり得るという指摘も。
 IMFが10月に改定した世界経済見通しでは、新興国の成長率が15年の4.0%から16年は4.5%に回復。
 ベトナムやフィリピン、インドネシアはそれ以降5〜6%程度の経済成長率維持すると。
 ロシアやブラジル、ハンガリーなどの成長率は2%程度にとどまり、アジア諸国とは濃淡の差も。

・世界のマーケットが欧米の金融政策巡る思惑に振り回された。
 欧州中央銀行(ECB)が3日に決めた追加の金融緩和が予想下回り、米ダウ工業株30種平均や4日の日経平均株価が急落。
 外為市場ではユーロ高が進む。
 堅調な米雇用統計やドラギECB総裁の追加緩和を示唆する発言が伝わると株式相場は急反発。
 15、16日に控えた米連邦公開市場委員会(FOMC)まで神経質な展開とも。
 米雇用統計などを受けたシカゴ日経平均先物は1万9710円まで上昇、
 「週明けに日本株の底が抜ける事態は避けられそう」。
 FOMC後の市場の反応や、利上げペースへの言及などを慎重に見定める必要がありそう。

・与党は12/10めどに、2016年度の税制改正大綱まとめる。
 目玉は現在32.11%の法人実効税率を29.97%に引き下げる方針で利益を出してる企業には中長期的に負担軽減に。
 市販薬を一定以上購入した人の税負担軽減や、訪日客への免税対象の拡大といった改正も。
 株式市場では、医薬品やドラッグストア、観光といった関連産業に恩恵が広がりそう。

・米連邦準備理事会(FRB)が15〜16日開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で、
 9年半ぶりの利上げに踏み切る公算大きくなってきた。
 金融市場の関心は早くも「利上げ後」に移り始めている。
 金融市場にとっては悪材料になりかねない利上げだが、雇用統計発表後に米株価は急伸。
 10月の前回FOMC以降、市場は12月の利上げ織り込みつつあり、その方向性が固まったことが好感された。
 むしろ不透明感が強いのは利上げ後の政策運営。焦点の一つは、利上げ後の引き締めペース。
 もう一つは「政策金利の天井」。前回の利上げ局面のように5%台までFF金利が上がるとの見方は少ない。
 
・発掘実力企業:ネット社会を支える(24)エン・ジャパン <4849> [終値4040円]
 「エン転職」など求人広告サイト運営主力。人材紹介ビジネスも手掛けるほか、アジア中心に海外展開も加速。
 国内の人手不足背景に業績は回復基調。旺盛な求人需要は広告出稿数の増加に結び付く。
 株式配分では30%の配当性向目安とする。
 今期配当予想は33円で配当性向は25%にとどまるため、業績が順調に推移すれば、増配に踏み切る可能性も。

・会社がわかる 特集バンダイナムコHD <7832> [終値2748円]人気キャラクターの権利ビジネス拡充。
 自社で版権持つ機動戦士ガンダムのほか、妖怪ウォッチのように他社のキャラクターの関連商品が収益支える。
 高価な商品を買い集める「大人買い」の広がりも追い風。
 キャラクターの多重活用と並び、成長戦略に位置付けるのが海外。海外転換にも意欲見せる。

・東京株式市場で相場の手詰まり感強まってきた。
 先週(11/30〜12/4)の日経平均株価は高値圏でもみ合ったあとに急反落、週間で7週ぶりの下落に。
 投資家の資金は株価の出遅れた銘柄や材料の出た中小型株に向かい、時価総額の大きい主力株には買いが続かない。
 日経平均が2万円台定着するには、米国景気の力強い回復や企業業績の増益基調が確認される必要も。
 東証規模別株価指数「小型」は10月末から12/4までに3.4%上昇したのに対し、「大型」の上昇は0.45%にとどまる。
 11月下旬以降、両者の差が開く。出遅れ銘柄の買い戻しも目立つ。

 先週の騰落率(日経500種採用)

 サンケン <6707> [終値515円]先週の騰落率9.8% 8/25から前週末(12/4)までの騰落率7.3%
 タカタ <7312> [終値911円]7.3% ▲30.9% アルバック <6728> [終値3360円]6.8% 74.6%
 ハウス食品 <2810> [終値2331円]5.9% 5.9% ルネサス <6723> [終値839円]5.5% 23.8%
 ダイハツ <7262> [終値1657円]5.5% 9.3% 東芝テック <6588> [終値384円]5.2% ▲10.1%

・4日ウイーンで開かれた石油輸出機構(OPEC)総会で、減産が見送られた。
 過剰供給が続くことが嫌気され、
 米指標WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は同日、1バレル39.97ドルと前日比1.11ドル下げた。
 懸念は米連邦公開市場委員会(FOMC)、利上げ観測強まり、利上げはドル高が進み、原油安になりやすい。
 イラン原油の輸出再開となれば1日100万バレル超の供給過剰続くことになる。
 市場には一段の原油安へ警戒感が漂う。

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は2万円へ戻り試す展開か。
 米雇用統計が市場予想を上回り、日経平均先物は上昇。翌週に米連邦公開市場委員会(FOMC)控える中、
 国内指標などの改善でどこまで投資家心理が上向くかがカギを握る。
 今週の相場のヤマ場は経済指標の発表が相次ぐ週前半。
 8日7-9月期の国内総生産(GDP)改定値。速報値は2期連続のマイナスも、プラス修正されるとの見方も。
 9日には10月の機械受注、10日に法人企業景気予測調査控え、足踏み続く国内景気の回復を確認できれば押し上げ要因。
 円安・ドル高に連れて、電機株など輸出関連銘柄に買いが入りやすくなりそう。
 与党が10日まとめる税制改正大綱も注目。一方、注意したいのが8日の11月中国貿易統計。
 中国経済の減速懸念強める内容となれば、鉄鋼や海運、商社などの中国関連銘柄が売られる場面も。

・Wall Street:今週の米株式相場は神経質な展開か。
 先週末発表の11月の米雇用統計では予想以上に堅調な雇用情勢が確から認され、好感した買いが入りやすそうだ。
 15〜16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)控え、投資家は大きな取引しずらいとみられる。
 今週の統計では消費関連の指標に注目が集まりそう。
 11日、11月の小売売上高について、市場では前月比0.3%増と、10月(0.1%増)増加率が高まると見込まれている。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち21指数が下落。

上昇1位上海週間騰落率2.6%(14年末比騰落率9.0%)2位香港0.8%(▲5.8%)3位米国0.3%(0.1%)4位台湾0.0%(▲9.8%)
下位25位ギリシャ▲6.5%(▲26.5%)24位ロシア▲5.2%(2.7%)23位ドイツ▲4.8%(9.7%)13位日本▲1.9%(11.8%)

 2014年末比騰落利率 1位アルゼンチン52.4% 2位日本11.8% 3位フランス10.3% 4位ドイツ9.7% 
 5位上海9.0% 6位ベトナム4.8%
 
 最下位ギリシャ▲26.5% 24位インドネシア▲13.7% 23位トルコ▲13.4% 22位タイ▲11.0% 21位台湾▲9.8%
 21位ブラジル▲9.3%

(日経ヴェリタス)

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