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扉を開いて(世界市場 危機モード)

2016年2月14日(日)雨のち晴れ 暖かく

・世界市場 危機モード マネー逆回転、円高・株安どこまで。
 日銀 <8301> [終値35150円]追加緩和「バズーカ2」打ち出したのが2014年10月。
 その前の相場水準である1ドル115円、日経平均株価1万6000円は、
 アベノミクスの効果示すため政府・日銀が是が非でも守りたい一線だった。
 黒田総裁はマイナス金利の導入という賭けにも打って出た。だが「防波堤」はあっさり崩れた。

・世界市場 危機モード 今回の市場動揺の原因は二つ。
 一つは欧州要因。
 ドイツ銀行が過去発行した債券の利払い巡る不透明感が浮上、欧州のみならず世界で銀行株が崩れた。 
 中国経済の減速と資源安に加え「信用不安」というリスクが新たに浮上。
 もう一つは米国要因。
 「経済が下振れすれば利上げペースも減速するのが適当」。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長10日の議会証言。
  市場は3月の追加利上げはないと受け止め。米景気に黄信号がともったと感じた。
 マネーは、リスク回避へ雪崩を打った。

・世界市場 危機モード 
 中国が人民元を切り下げた15年8月に比べ、日経平均は約3割、米ダウ工業株30種平均は1割下げた。
 約半年で株価が4割下落したリーマン・ショックほうふつとさせる。
 市場は警戒から危機モードへと移った。

・世界市場 危機モード 
 日本にとって今回の動乱相場は「外部要因」でもある。
 だが、株安・円高に歯止めがかからなければ、実体経済に跳ね返る。
 三菱UFJFG <8306> [終値446.2円]の保有株は15年末時点で5兆7000億円を超え、評価益は3兆円に迫っていた。
 株価指数の値動き基に推計すれば、評価益が1兆円規模で失われてる可能性もある。
 資本が目減りすれば、割に合わない貸し出しの絞り込みを検討せざるを得ない。

・世界市場 危機モード 円高が輸出企業の業績むしばむ。
 富士重工 <7270> [終値3472円]16年3月期の為替前提は1ドル120円
 「今期はほぼ為替予約済み」だが、17年3月期は影響でそう。
 同社では1円の円高が100億円近くの減益要因になるため、今の為替相場が続けば1000億円規模の減益要因になる。
 みずほ証券試算、為替相場が1ドル120円から110円に振れた場合、東証1部企業の1株利益は6%目減り。
 
・世界市場 危機モード 今後の焦点。
 今月下旬に開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議。
 麻生太郎副総理・財務相は12日、「政策協調について検討進めたい」と。
 だがそこで何も期待できないとなると、中央銀行の「神通力」の限界が見透かされる。
 完全崩壊を阻止できるかの瀬戸際。

・世界市場 危機モード 防波堤決壊、押し寄せる不安。
 アベノミクスの「防波堤」だった1ドル115円、日経平均1万6000円の水準が破られた。
 円相場は一時1ドル110円台、日経平均株価は1万5000円割れまで押し戻された。
 企業業績への期待もしぼみ、東証1部の平均PER(株価収益率)は昨年末の17倍弱から13倍台へ急低下。
 市場混乱が実体経済に「負の連鎖」もたらす懸念が市場を覆う。

・世界市場 危機モード 「負の連鎖」が警戒される経路はいくつも。
 まず1つ目は、円高・株安による金融機関の財務への打撃。
 大手金融機関の含み益がゼロになる株価水準は推計で日経平均6000〜9600円前後で、余力はある。
 ただ地銀や中堅生保などでは影響が大きくなるところもある。
 2つ目の経路はマイナス金利の副作用。
 「マイナス金利は大手行で0.2〜2.1%、地銀では5%程度まで16年度の経常利益押し下げる」と試算。
 3つ目は、景況感の悪化が賃上げに水を差し、デフレ脱却の流れを止めてしまうこと。
 株価が映す景気の先行きが暗ければ、企業は固定費の増加につながるベースアップ(ベア)に慎重になりがち。

 アベノミクス相場での円相場と日経平均の関係をグラフで描くと、1円の円高が日経平均を240円弱押し下げる。
 1ドル112円台は日経平均1万7000円近辺にあたり、株安はやや行き過ぎとみることもできる。
 ただひとたび負の連鎖に陥ってしまうと、為替と株の関係も崩れてしまう可能性がある。

・世界市場 危機モード 国債代替、株なら「ニューソブリン」
 安全資産としての国債にも運用益が見込めなくなる中、
 市場で注目され始めたのが「ニューソブリン(新たな国債)」と呼ばれる銘柄。
 ニューソブリン銘柄になりうる条件として、「大型・高クオリティー・高格付け・安定配当成長」を挙げる。
 
 ニューソブリン銘柄の例。
 キヤノン <7751> [終値2986.0円]武田 <4502> [終値5087円]大阪ガス <9532> [終値415.9円]
 NTT <9432> [終値4606円]アークス <9948> [終値2037円]福山通運 <9075> [終値508円]
 ファミリーマート <8028> [終値5620円]高砂熱学 <1969> [終値1440円]アサヒ <2502> [終値3328.0円]

・世界市場 危機モード イエレン発言で円高加速、3月利上げ見送り強く示唆。
 利上げ・マイナス金利も排除せず。
 12月に利上げに踏み切ってからわずか2か月。
 金融引き締めどころか、混乱する金融市場を前に、利上げやマイナス金利について異例の言及。
 米国は追加利上げでなく、緩和に動く、というシナリオも市場は見極めようとしている。

・世界市場 危機モード 市場は「105円」を意識。購買力平価の適正水準
 高低差、実に11円。2月の円の対ドル相場は現時点で、
 1か月の値動きとしてはリーマン・ショック直後で16円動きた2008年10月以来の大きさに。
 円高の背景には、中国減速や原油安で投資家のリスク回避広がり、円売りの持ち高が巻き戻されている面がある。
 羅針盤失った円相場は今後どう動くのか。市場では「105円」という水準が意識され始めた。
 市場関係者のよりどころは購買力平価による適正水準。
 世界銀行によると、購買力平価を基にした円相場は14年時点で105円27銭。
 円安・ドル高シナリオが無いのなら、購買力平価に回帰していくのではないかとの民式が広がり始めた。
 急速な円高による過熱感意識され、政府・日銀による円売り介入への警戒感もある。
 半面、欧州の銀行経営への懸念などは織り込み切れていないとの見方もある。
 円高のタネはまだ残る。
 
・世界市場 危機モード 傷つく金融セクター新たな火種。欧州発の高リスク債が問題化。
 今回の市場動揺のきっかけの一つは、欧州での金融業界で起こった信用不安。
 直接の引き金は、企業分析手掛ける米調査会社8日午前(ロンドン時間)レポート。
 「ドイツ銀行のメルトダウン(溶解)」と題するレポートで、
 ドイツ銀行が過去発行した高リスクの債権の利払いが困難になる可能性指摘。
 ドイツ銀だけでなく不良債権問題への懸念が根強い南欧の金融機関にも売りが広がり、
 イタリア・ウニクレディトやスペイン・サンタンデールのAT1債(中核的自己資本(ティア1)に参入できないティア1)
 の利回り急上昇、自己資本の厚いスイスや英国の金融機関も売られた。
 これらの債券の「売り手」として影がちらつくのが、産油国などの政府系ファンド(SWF)。
 年初から銀行株安と原油安が同時進行したことからも、SWFの売りが一因と考えれば符丁が合う。

・長期金利が乱高下。指標となる新発10年物国債利回り9日の東京市場で史上初のマイナスに沈んだが、12日一転急上昇。
 激しい相場変動の背景は、「実際に日銀のマイナス金利が始まる16日まで、債券相場の『居所』がわかりづらい」と。
 マイナス金利政策は債券市場参加者にとっても文字通り未体験ゾーン。
 長期金利については3/1に財務省が実施する10年物国債入札までは変動率の高い状況が続くとの見方が多い。

・世界的に株価下落が続く中、三菱地所 <8802> [終値 1974.5円]など不動産株がしぶとさ見せる。
 マイナス金利導入発表された前日1/28比、日経平均株価が2/12まで12%強の下落した一方、地所の株価は8%の下落率。
 計算上は不動産の時価評価額が膨らむことが一因。

 三井不 <8801> [終値2268.5円]三菱地所、住友不 <8830> [終値2674.5円]の足元の業績は好調。
 2015年4-12月期の連結経常利益はいずれも過去最高益更新。開発したマンションなど販売好調。

・発掘実力企業:ニッチで稼ぐ(5)イー・ギャランティ <8771> [終値2205円]顧客は中小や中堅企業。
 彼らが抱える売掛債権の保証をする。
 第一中央汽船が2015年9月、資源価格下落のあおりで民事再生法適用申請した際、
 船舶関連企業と取引のある企業が次々と顧客になった。
 最近は鉄鋼関連の卸会社などが新たな顧客に加わっている。
 「先行きへの不安が膨らむほど、保証の需要は高まる」ため投資家の注目度は高い。

・ソフトバンク <9984> [終値4164円]12日一時4133円と2013年3月以来の安値に沈む。
 15年4-12月期連結決算営業利益が前年同期比18%増と好調も、市場は売りで反応。
 孫正義社長は米事業立て直しに自信も投資家との距離は縮まらず。
 米スプリント事業「反転の兆しが明確に見えてきた。これから稼ぎ頭になる」と強調。

・会社がわかる 特集東京エレク <8035> [終値6135円]半導体装置で国内最大手。
 同業世界最大手との統合頓挫、単独での生き残り策求められている。
 スマートフォン(スマホ)とあらゆるものがネットでつながるインターネット・オブ・シングス(IoT)という
 2大テーマ、二兎追う考え。
 中期経営計画「10年後に利益水準やシェアで業界トップになることを最終目標」。

・マイナス金利の余波。金融機関の収益圧迫される懸念広がる。
 総資産に対する現金預け金の比率(15年末時点)。

 1位セブン銀 <8410> [終値427円]70% ATM利用手数料で稼ぐ。
 2位三井住友トラスト <8309> [終値291.9円]23.6% りそなHD <8308> [終値377.1円]23.0%
 4位ゆうちょ銀 <7182> [終値1173円]21.9% 5位三井住友FG <8316> [終値2859.5円]21.2%
 6位スルガ銀 <8358> [終値1747円]20.8% 7位東邦銀 <8346> [終値310円]20.3%
 9位みずほFG <8411> [終値155.2円]19.1% 11位三菱UFJFG <8306> [終値446.2円]17.1%

・日本株の下落止まらず。先週は欧州の信用不安が浮上、原油安と中国要因と相まって投資家心理が一段と悪化。
 急ピッチな円高で2016年度の業績見通しにも警戒感が広がる。
 市場を覆う悲観ムードを吹き飛ばすだけの材料は期待しにくく、相場反転には時間がかかりそう。
 日経平均株価は週間で1866円(11%)下落、12日の終値は約1年4か月ぶりの安値になった。

・日経平均株価は日経平均採用銘柄の週間騰落率ランキング
 下落率大きかった銘柄 素材・輸出株の下げきつく。

 1位太平洋セメント <5233> [終値220円]週間騰落率▲28.8% 9日に16年3月期業績見通し下方修正。
 2位DOWA <5714> [終値560円]▲28.4% 3位旭硝子 <5201> [終値525円]▲26.6%
 4位三菱マテリアル <5711> [終値279円]5位野村HD <8604> [終値446.6円]▲22.7%

 上昇、ないしは下落率が小さかった銘柄

 1位京セラ <6971> [終値4690円]0.3% 2位東邦亜鉛 <5707> [終値243円]0.0%
 3位サッポロHD <2501> [終値520円]▲0.8% 4位日本製紙 <3863> [終値1076円]▲1.1%

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は下値不安の強い状況が続きそう。
 先週末の米国市場で日経平均先物が1万5400円台まで切り返し、市場では「底値は近い」との声は増えている。
 一方、さらなる相場の反転につながるような好材料は見当たらない。
 円高や原油安が続けば、
 2014年10月末に日銀が追加緩和に踏み切る直前の安値(1万4532円51銭)下回る展開も考えられる。
 今週は中国株相場も注目点。春節(旧正月)の大型連休に伴う上海市場の休場が終わり、15日に取引が再開される。
 休場中の世界の株式相場下落反映、上海総合指数は週初から大幅に下落するリスクがある。
 取引時間帯が重なる日本市場でも、投資家心理の悪化につながり株価を押し下げかねない。
 15日は15年10-12月期の実質国内総生産(GDP)速報値発表にも注目。市場予想は前年比年率0.7〜0.%程度のマイナス。
 今週は欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が欧州議会で証言する予定。

・Wall Street:今週の米株式相場は消費関連など米景気指標にらみながら、
 市場の混乱で大幅下落した局面からの戻り試す展開か。
 各指標で米消費の底堅さが確認されると米景気の低迷というシナリオが後退し、過度な不安心理が払しょくされそう。
 今週は17日に1月の住宅着工件数が公表。
 19日には1月の消費者物価が発表。市場予想では食品・エネルギー除くコア指数では上昇基調が持続するとみられる。
 米連邦準備理事会(FRB)関連では17日に1月会合の議事要旨公表予定。

・ランキング:配当利回りと時価総額に注目した「東証配当フォーカス100」採用銘柄について
 今年に入ってからの株価騰落率ランキング。
 上位には食品や通信などの内需関連企業のほか、不動産投信(REIT)が目立つ。

 1位ジャパンリアルエステイト投資法人 <8952> [終値594000円]騰落率1.2% 予想配当利回り2.72% 
 東京都心に保有する物件の賃料改善に期待高まる。

 2位大東建託 <1878> [終値14155円]1.0% 2.82% 相続税対策に伴い賃貸アパート建設の需要強く、追い風。

 3位NTTドコモ <9437> [終値2495.0円]0.4% 2.81% 来期も増配の公算大きく。

 8位キヤノンマーケティング <8060> [終値1840円]▲3.0% 2.45% 増配期待が株価を下支え。

 15位JT <2914> [終値4125円]▲7.7% 3.10% 主力のたばこ値上げ、収益増期待。 

 34位日本電気硝子 <5214> [終値515円]▲16.0% 3.11% 中期計画の株主還元策好感。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち
 春節(旧正月)で休場となった上海、台湾、ベトナムの3市場除くすべてで下落。

上位1位アルゼンチン週間騰落率▲1.1%(15年末比騰落率▲3.4%)2位米国▲1.4%(▲8.3%)
 3位フィリピン▲1.6%(▲4.3%)4位インドネシア▲1.8%(2.6%)
下位22位日本▲11.1%(▲21.4%)21位ギリシャ▲9.8%(▲28.0%)20位ノルウェー▲7.3%(▲13.4%)
 19位スペイン▲6.8%(▲17.0%)18位インド▲6.6%(▲12.0%)

2015年末比騰落利率 1位インドネシア2.6% 2位タイ▲0.9% 3位トルコ▲1.1% 4位アルゼンチン▲3.4% 
 5位フィリピン▲4.3% 6位カナダ▲4.8%
 
 最下位ギリシャ▲28.0% 24位日本▲21.4% 23位スペイン▲17.0% 22位ドイツ▲16.5% 21位香港▲16.4%
 21位フランス▲13.8%

・マイナス金利の余波。あなたのお金 どう守る。
 マイナス金利時代の資産防衛術を考える。

 住宅ローン借り換え、恩恵大きく。コスト意識徹底、ポイント還元も活用。
 地銀のネット専用定期や個人向け社債。
 金や不動産投資信託(REIT)、代替投資に脚光。株なら配当利回りの高さに注目。

 投信・学資保険の購入慎重に。危機に備え家計の債務圧縮も。
 成長狙い長期投資の種蒔き。「時間分散」でコツコツ投資。

(日経ヴェリタス)

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