最新の経済ニュース・最新株式情報はコロ朝経済ニュース・株式掲示板で!

値上げ力を見よ。


2017年5月28日(日)晴れ
・値上げ力を見よ。脱デフレけん引、カギは「3K」。
約20年にわたりデフレが続いた日本経済。消費者の財布のひもは変わらず固く、日銀の目標とする物価上昇率2%も遠い。
日本企業に共通する課題は少子・高齢化を受けた人手不足と資源など原燃料高。
コスト上昇が企業に値上げを迫る構図がはっきりとした。
こうした中で、「価格戦略に対する経営者の意識が明確に変わってきた」とも。
単なる原材料高の転嫁でなく、機能を一新して値上げする動きが目立っている。
「デフレ知らず」の代表格は自動車。トヨタ <7203> [終値5941円]の「プリウス」は過去20年で
一部改良も含めたモデルチェンジを機にジワリと値上げしたが人気は衰えず。
「高級感に訴える銘柄も有望」と指摘。
株式市場は需要を延ばしながら値上げできる「値上げ力」の高い企業を見極めようとしている。
日経ヴェリタスが、値上げ力の高い企業の共通項調べたところ「環境・健康・高級感」という「3K」がキーワード。

・日経平均が底堅い。26日は反落も終値は1万9686円と再び心理的節目の2万円台に近づいている。
株式市場では6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げがほぼ確実視される。
日経平均が2万円台を回復するには、米金利の上昇を背景にした円安・ドル高の進行などが必要との見方も多い。
日本株の予想PERは14.1倍。一方最高値更新が続く米国は19.3倍、インドも19.8倍に達し、
日本株は今期最高益見込む割に株価に割高感が乏しい。
東証によると、海外勢は5月第3週(15-19日)まで7週連続で日本株を買い増した。
特に5月の第3週は海外勢だけでなく、逆張り傾向が強い個人と信託銀行が小幅ながらもそろって買い越しという異例の展開。
日本株買いが本格化するにはハードルは低くはないが、市場のムードは必ずしも悲観的ではない。

・値上げ力を見よ。価格戦略、手本はプリウス。
値上げ力高い(環境);「環境・健康・高級感」で納得。
トヨタ <7203> [終値5941円]「プリウス」。1977年の初代以降、計3回の全面改良(フルモデルチェンジ)や一部改良通じ、
じりじりと値上げ続く。累計世界販売は400万台超。自動車の場合モデルチェンジの効果大きく。
新型を出すたびに新たな機能付けたり、性能高め付加価値アピールしやすく。
同じ「環境」では低燃費の代名詞とされる軽自動車も価格上昇が続く。
たとえばスズキ <7269> [終値5229円]「アルトX」は車体価格は105万円(税抜き)に達し、10年前より1割強上昇。

・値上げ力を見よ。価格戦略、手本はプリウス。
値上げ力高い(健康);「環境・健康・高級感」で納得。
小売店で春先以降、値下げが相次ぐ中で、値上げが出来ているのが菓子。キーワードは「健康」。
森永製菓 <2201> [終値6450円]動脈硬化防ぐ効果があるとされるポリフェノールを多く含むチョコレート
「カレ・ド・ショコラ」が購買力高く、健康志向の強い中高年層などに受ける。
菓子大手のうち、値上げと販売量の増加を両立できているのは
機能性ヨーグルト「R-1」展開する明治HD <2269> [終値9060円]ぐらいとも。
リンガーハット <8200> [終値2408円]09年に主力の「長崎ちゃんぽん」に使う野菜を全て国産野菜に切り替え。
これまで4割近く値上げしたが「健康志向の高まりで客足は伸びている」という。18年2月期は3期連続の最高益更新うかがう。
花王 <4452> [終値6893円]の「ヘルシア緑茶」のように健康志向にマッチした商品は
1度買ったら終わりでなく、継続買いを見込める点も強み。

・値上げ力を見よ。価格戦略、手本はプリウス。
値上げ力高い(高級感);「環境・健康・高級感」で納得。
高級ホテルの代名詞、帝国ホテル <9706> [終値4320円]は17年3月期に15期ぶりに営業最高益更新。
訪日外国人客の増加背景に値上げが原動力。前期客室単価は3万6500円と約2000円(6%)上昇。
西武HD <9024> [終値2090円]も値上げに意欲。昨年7月に最高級業態の「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」開設。
10万円以上の客室も多く、単価の引き上げに寄与。客単価と稼働率掛け合わせた収益指標「レブパー」は
11年度7092円から16年度は1万1911円と7割近く上がった。
半導体に使うシリコンウエハーで世界首位の信越化学 <4063> [終値9851円]は前期にシリコンウエハーの値上げで増益確保。
厳しい環境でも値上げ力の高い企業は持続的に収益力高めることができる。

・値上げ力を見よ。安売り競争、悩める吉野家。食品業界など「ステルス作戦」も。
値上げ力見劣り。どうすれば消費者に値上げを納得してもらえるか。企業も明確な解を見いだせず、試行錯誤が続く。
ファーストリテイリング <9983> [終値36800円]柳井正会長兼社長は「値上げは考えられない」と断言。
カジュアル衣料「ユニクロ」では15年まで2年連続で値上げに踏み切った結果、一部で客離れ招く。
商品の質やサービスの内容が大きく改善していないのに、投げをすると価格に敏感な消費者は一気に離れてしまう。
このため、食品や外食産業など中心に価格を据え置いたまま、内容量だけ減らす「ステルス値上げ」も少なくない。
新年度に入り、小売業界では値下げの動きが相次ぐ。
イオン <8267> [終値1650.5円]は4月に傘下のスーパーで食品や日用品の最大254品目を値下げ。
値下げ幅は大きいもので10%を超える。
たとえメーカー側が値上げに動いたとしても、
川下に当たる卸や小売りがコストを飲んで販売価格に点火しなければ値上げは浸透しない。

・値上げ力を見よ。
春先以降、小売店舗での値下げばかりが関心が集まるが、実は全体でみると値上がりしたモノやサービスが多い。
消費者物価指数(CPI)を対象品目どとに分解すると、上昇した品目は全体の約6割に達する。
個人や企業のデフレマインドはなお根強いものの、ひとまず物価が下がり続ける状況からは脱しているようだ。
総務省の26日発表した4月のCPIは価格変動の大きい生鮮食品除くベースで前年同月比0.3%上昇。プラスは4カ月連続。
エネルギー価格の持ち直しが物価全体の上昇を支える構図。
CPIの内訳は、調査対象523品目のうち、物価上昇したものは約6割に上り、下落した品目は全体の3割にとどまる。
上昇した品目で目に付くのは、外食関連。特に焼き肉やハンバーがーなどの上層鮮明。
人件費や原材料高を価格に転嫁する構図がうかがえる。
宿泊料も直近1年間ほど上昇が続いている。理由は訪日外国人(インバウンド)客の増加が大きい。

半面最近で下落が目立つのはテレビやパソコンなどの耐久財。安い海外製品に押され、物価を押し下げる一因として大きい。
さらにスマートフォン(スマホ)など携帯電話の通信料や端末価格の下落も最近の顕著な特徴の一つ。

金融緩和による投資や消費拡大の効果に期待するより、
むしろ企業が消費者に受け入れられる形で値上げを進める方が、デフレ脱却の近道になるかもしれない。

・値上げ力を見よ。目利きが選ぶ脱デフレ銘柄。食品からサービス、企業向けまで広がる。

第一化成 <4235> [終値1799円]2016年末比の騰落率 74.0% 高級合成皮革に注力。テスラ車にも採用。
ラウンドワン <4680> [終値11117円]37.9% カラオケやボウリング料の値上げ
森永 <2201> [終値6450円]32.3% 健康志向の高価格帯チョコレート投入
マクドナルド <2702> [終値3900円]27.5% 大型バーガーの投入で客単価上昇。
ポーラHD <4927> [終値3005円]24.6% しわの改善効果うたう美容液を投入
キリンHD <2503> [終値2328.5円]22.5% ビール類の販促費圧縮で実質値上げ。
サイゼリヤ <7581> [終値3120円]18.7% デザートなど注文増で客単価上昇。
ライオン <4912> [終値2236円]16.5% 曲がる機能をつけた高機能歯ブラシ。

・半導体投資ブーム本番 IoT時代到来、関連株が世界的に上昇。
あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代迎え、半導体の需要が急膨張。
日本半導体製造装置協会(SEAJ)22日、4月の日本製半導体製造装置の販売額は8カ月連続で前年同月比上回り、好調さ物語る。
半導体市場は歴史的な好況が続く。
米国の半導体関連株30銘柄で構成するフィラデルフィア半導体(SOX)指数は25日、
1080.75と2000年のIT(情報技術)バブル以来の高値を付けた。
特にメモリー類はサーバーやスマホ向けの引き合い強く、
韓国サムスンや東芝 <6502> [終値258.4円]が高いシェア持つNAND型フラッシュメモリーは昨年半ばから値上がり続く。
そして今年は投資家が飛びつきやすいもう一つのテーマがある。米アップルの「iPhone」の次世代モデルの投入。
新型iPhoneは最先端の半導体を搭載してきている。

・半導体の需要膨張で恩恵。

日本:東京エレク <8035> [終値15805円]昨年末比騰落率43.1%
ディスコ <6146> [終値18690円]32.0% SUMCO <3436> [終値1807円]信越化学 <4063> [終値9851円]8.6%
東芝 <6502> [終値258.4円]▲8.7% 日経平均株価 3.0%

米国:ラム・リサーチ 45.6% アプライドマテリアル 39.5% エヌビディア 29.5%

欧州:STマイクロエレクトロニクス(スイス)36.8% インフォニオンテクノロジーズ(独)19.5%
NXPセミコンダクタ―ズ(蘭)10.1%

アジア:大立光電 26.8% 鴻海精密鉱業 24.7% 台湾積体電路製造(TSMC)14.1%

・米労働省は6/2、5月の米雇用統計発表。
引き続き堅調な雇用環境が確認できれば、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げが確実視されそうだ。
ただ利上げは「年内後2回」とする米連邦準備理事会(FRB)のシナリオに対しては疑問の声も。
注目点は大きく2つ。1つは非農業部門の雇用者増加数。事前予想では約18万人増との見通し。
注目点の2つ目は賃金。失業率は歴史的な低水準に達しているが、賃金上昇のペースは力強さを欠く。
年初からの賃金の平均上昇率は前年同期比2.6%。2%の物価上昇を継続的に達成するには3%台半ばの賃金上昇が必要。
賃金が上昇するなら、利上げを後押しする。
6月に今年2回目の利上げ実施を踏まえ、9月に3回目がある可能性は28%。12月までに3回目があるシナリオでも47%。
賃金・物価の上昇が鈍いままなら年後半の利上げは難しくなる。

・ソニー <6758> [終値4009円]新たな挑戦。
平井一夫社長「(2018年3月期の連結営業利益5000億円の達成は)通過点に過ぎない」と強調。
20年ぶりの最高益更新が視野に入る中、来期以降も5000億円以上の利益水準を確保できれば、ソニーの70年余りの歴史で初に。
夢が大きい分、課題も多岐にわたる。
1つ目は、家庭用ゲーム機「プレステーション(PS)4」手掛けるゲーム事業。
ゲームなどのコンテンツを有料配信するネットワークサービスを強化へ。
2つ目は半導体。画像センサーが波に乗れば「中長期で年1000億円を超える利益を稼げる」との見方もある。
3つ目のポイントは構造改革でようやく黒字化したモバイル事業。
今期は高価格帯と低価格帯に機種を絞る。
復活から持続的成長へと舵をどう切るのか。中期的な布陣をも見据えながら、ソニーは変わろうとしている。

・発掘実力企業:自己資本利益率(ROE)改善(1)ソフトブレーン <4779> [終値519円]
あらゆる企業に存在する営業部門のIT(情報技術)化に取り組む。
企業の慢性的な人手不足を追い風に、効率的な働き方や「デキル営業マン」の働きを共有することで
生産性の高いソフト販売が伸び、2016年12月の自己資本利益率(ROE)は21%と前の期比7ポイント改善。
同社が得意とするのは、営業マンの日々の動きを見える化するシステム。現在4000社強が導入している。
業績好調を受けて、16年12月期に5円の期末配当実施。11年ぶりに復配。今期は2円の増配予定、「ROEはさらに改善する」。

・注目企業ここが知りたい 西武HD <9024> [終値2090円]鉄道補う成長の軸、どう育てるか。
ホテル事業で攻勢強めている。増加する訪日外国人(インバウンド)のなかでも、ターゲットは富裕層に合わせる。
2020年のオリンピック開催に向け、積極投資続ける。
2016年度決算に加え、米投資ファンドサーベラスによる株式の一部売却が株価の追い風に。
5/9、保有する西武HD株の出資比率を発行済み株式数ベースで従来の9.66%から2.35%まで引き下げた。

・アジア事業に注力する企業の株価が上昇。
インドでシェア首位のスズキ <7269> [終値5229円]25日に上場来高値更新。
インドネシアなどで事業拡大するヤクルト本社 <2267> [終値7760円]は月初から22%上げる。

・アジアで稼ぐ企業は株価が大きく上がっている。
ヤクルト本社 <2267> [終値7760円]アジア売上高 25% 昨年末比上昇率 43%
日本ペイントHD <4612> [終値4245円]63% 33% スズキ <7269> [終値5229円]44% 27%
ロート <4527> [終値2311円]27% 26% 良品計画 <7453> [終値28330円]30% 24%
資生堂 <4911> [終値3617.0円]20% 22% ナブテスコ <6268> [終値3265円]18% 20%
サカタINX <4633> [終値1716円]19% 19% ユニ・チャーム <8113> [終値2918.0円]43% 14%
日経平均株価 昨年末上昇率 3%

・OUT Look:今週(29~6月2日)の株式相場、日経平均株価は2万円を目前に狭い値動きとなりそうだ。
材料難から売買代金は縮小傾向。
トランプ米政権の行方など海外を中心に不透明要因が多く、上値を追うような展開は期待しづらい。
上場企業(金融除く)の17年3月期の連結決算は減収も、純利益は2年ぶりの過去最高。
円高克服、日本企業は「稼ぐ力」を着実に高めているが、それでも投資家の腰は重い。
米政治はトランプ大統領とロシアの不透明な関係巡る疑惑「ロシアゲート」に揺れている。
米景気についても弱気と強気の見方が交錯。
30日には4月の個人消費支出(PCE)物価指数が公表され、6/2には5月の雇用統計が明らかになる。
仮に弱い数字が出て米景気の先行き不安が強まれば、投資家がさらに慎重になる可能性もある。

・Wall Street:今週の米株式相場は5月の米雇用統計など重要指標の公表が相次ぐ。
米株相場は高値圏で推移する中、米景気の体温を指標で確認する作業が続く見通しだが、下値の不安は限られる。
今週の指標では30日に発表される個人消費支出(PCE)は注目。
6/2、米雇用統計では非農業部門の雇用者増加数は前月比およそ18万人増と前月(21万人増)に続き堅調なペースが続きそう。
29日はメモリアルデーで米市場は休場。

・ランキング:3月期企業の今期経常利益予想をもとに、会社計画比、市場予想が強気の銘柄ランキング
上位には値上げの浸透が期待されている鉄鋼、化学などの素材、IoTの普及で需要が急拡大している半導体関連が多く顔を出す。
1位三菱自 <7211> [終値706円]市場予想と会社予想の経常利益の増減率の差 129.3ポイント
2位任天堂 <7974> [終値33510円]122.4 3位三井造船 <7003> [終値155円]81.7
4位東京製鉄 <5423> [終値904円]40.0 値上げで利幅改善に期待
12位アルプス電気 <6770> [終値3125円]26.9 スマホ部品好調、最高益視野。
22位アドバンテスト <6857> [終値1939円]18.8 半導体検査装置、需要急増。
30位ゼオン <4205> [終値1121円]16.8 ゴム利幅、会社は過小評価と。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち19指数が上昇。
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「株価は割高」との文言が削除されたことを好感。
上位1位週間騰落率韓国2.92% 2位トルコ2.51% 3位ブラジル2.31% 4位インド1.85% 5位香港1.84% 7位米国1.32%
下位25位イタリア▲1.66% 24位ロシア▲1.35% 23位インドネシア▲1.30% 22位南アフリカ▲0.89% 14位日本0.49%

・石油輸出国機構(OPEC)25日の総会で、競技減産の期限の延長を決めた。
米シェール業者は増産の構えを見せる。

シナリオ1:50ドル台巡る攻防。米シェール勢が増産、上値は重く。
米シェール勢の勢いが増し、OPECの減産効果が薄れるような事態になれば今は抑え込んでいる加盟国の不満噴き出す可能性も。

シナリオ2:40ドル割れ。在庫減らず、抜け駆け多発。
米シェールオイルの影響などで高水準の原油在庫が減らず、下げ相場が続く場合に想定されるのがOPEC加盟国の合意破り。
1バレル47ドル前後が定着すれば、減産参加国の『抜け駆け』相次ぐとも。だぶつき感強まり、WTIは40ドル割り込みかねない。

シナリオ3:70ドル超。
原油価格が急騰するリスクシナリオも存在。主な産油国で想定外の供給障害が起きるケース。
引き金を引くのが過激派組織やテロだけとは限らない。
例えば政情が混乱し、大規模な反政府デモが続くベネズエラは経済危機に直面。
事件やトラブルによって原油の精算が止まれば「供給量が突如日量200万バレル減る。この場合1バレル70ドルに急騰も」。
例えば米国とイランの緊張関係が高まり、
「(日量390万バレルを生産する)イランから輸出のすべてが止まれば、1バレル100ドル目指す展開もありうる」との見方も。

(日経ヴェリタス)

日経ヴェリタスを含め、日経新聞、日経産業新聞、日刊工業新聞
そして産経新聞を元証券マンの目でいいとこ取り!?
ディトレード・スイングトレードの種が満載。市場の噂も好評です。
忙しい朝の時間と手間の短縮と費用の縮小に『コロ朝プレミアム』
こちらをクリック http://kabucoro3.toypark.in/index.html
———————————————————————–

株式会社アスリーム
INTERNET MEDIA OF INVESTMENT NEWS
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2-14-5

URL : http://koronoasa.com/
———————————————————————–

記事の続きはコロ朝プレミアムで!

コロ朝プレミアム入会はこちらから