
日本株ルネサンス
- 2017年11月12日
- 日経ヴェリタス
2017年11月12日(日)晴れ
・日本株ルネサンス 26年ぶり高値、始まるPER革命
日経平均株価の値動きは9、10日と不安定になったが、米ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
「好調な世界経済や企業業績などファンダメンタルズ(経済の基礎条件)は変わっていない」と
日本株の一段の積み増しを視野に入れる。
日経平均は9日取引時間中に一時2万3000円の大台超えた。1992年1月以来、約26年ぶりの水準。
最高値更新続ける欧米株の一方で万年・負け組だった日本株。
その26年ぶりの高値更新はデフレ脱却が成長期待を押し上げる日本株ルネサンス(再生)の始まりを告げる。
・日本株ルネサンス 26年ぶり高値、始まるPER革命
株高の原動力は海外勢の買い。「日本企業はアジアの成長を取り組んでいる」と評価も。
ソニー <6758> [終値5252円]トヨタ <7203> [終値7108円]など主力企業の業績上方修正が相次ぎ、
強気ムード広がる。
企業業績を支える海外経済も良好、米運用会社クオンティティティブ・マネジメント・アソシエイツ最高経営責任者(CEO)
「世界景気はあと2~3年程度は改善基調が続くとみており、その間は日本株含む世界の株式をオーバーウエイトに」。
日本株のもう一つの優位性は、割安感。
米ダウ工業株30種平均の予想PER(株価収益率)は約19倍。日経平均採用銘柄の予想PERは10日時点で15倍。
「米国の投資家が米国株以外の(割安な)資産に資金を移そうとする流れが日本株に及んでいる」と見る。
・日本株ルネサンス 急落の場面も。
日本の賃金上昇に火が付けば脱デフレが現実味を帯び、日本株のバリエーション(投資尺度)を押し上げる可能性がある。
リスクもある。欧米の金融政策の正常化に動く。
米連邦準備理事会(FRB)次期議長のパウエル氏は緩やかな金融引き締めというイエレン路線を踏襲する見通し。
とはいえ金融引き締めは過去何度も市場の混乱を招いてきた。
日経平均は9月末から2325円上昇。急ピッチな上昇に投資家からは警戒感も浮上。
9日は大量の株価指数先物売りで日経平均が急落する場面があった。
クレディ・スイス証券牧野淳株式本部長「相場の地合いは崩れていない」。
株価が下落した銘柄を拾う押し目買いが海外の長期投資家から途切れなく続いている。
世界の株式市場から取り残されてきた日本株。その原因だったデフレから抜け出し、ステージが変わる兆しが出てきた。
・日本株ルネサンス デフレ脱却が切り札に。
日経平均採用銘柄の予想PERは10日時点で15.0倍。日経平均は9月末比11%上昇したが、PERは15倍前後でほとんど変化なく。
企業業績の上方修正が相次ぎ、株価算出のもう一つの基準である1株利益の水準が高まったから。
とはいえ1株利益の上振れには一定の限界がある。日経平均が次の節目である3万円を目指すには、PERの上昇が不可欠だ。
その切り札となるのが「デフレ脱却」だ。
アセットマネジメントOne柏原延行チーフは「企業が人やモノへの投資を増やしており、デフレ脱却の兆しが出始めた」と
PERの上昇を背景にした株高見込む。
日本株のPERはバブル期に50倍超えた。
持ち合い株と株・不動産の含み益を根拠にした異常な水準だった。
一方、デフレ懸念がPERを押し下げる時代も終わりを迎えている。
・日本株ルネサンス 年初来の株価上昇率
日経平均株価 18.7% 予想PER(株価収益率)15.0倍
米ダウ工業株30種平均 18.5% 18.6倍
独DAX指数 14%台 14.7倍 上海総合指数 10%台 14.8倍 英FTSE100指数 3%台 15.0倍
・日本株ルネサンス 成長期待 どこまで高まる。
日経平均株価がついに1996年のバブル後高値を抜く。
見えてくるのは、世界で稼ぐ強靭さを身につけた企業と、
デフレ脱却に向かう日本経済を再評価しようとする海外投資家の姿。
米大手運用会社ブラックロック日本運用チーム率いる福島毅(CIO)氏は日経平均株価の乱高下を経た10日も冷静。
「日本企業の利益成長は力強く、質も良い。自己資本利益率(ROE)の向上も伴っている」。
日経平均は9月末から1割強、2300円以上上昇したが「他の国に比べ相対的に割安」との結論。
・日本株ルネサンス 成長期待 どこまで高まる。
海外勢が競って日本株を買うようになった理由が3つ。
1.総選挙で与党が大勝、経済政策への期待が高まった。
2.世界同時成長の恩恵受ける企業の利益成長。
3.戦後2番目の景気拡大局面が続き、求人倍率や賃金動向に日本経済に脱デフレの証拠が現れ始めた。
・日本株ルネサンス 成長期待 どこまで高まる。
良好な企業業績と脱デフレへの期待は、日本株の投資尺度への見方を変えつつある。
PER(株価収益率)は利益の成長だけでなく、投資家の期待映し出す。期待値が高いほどPERは高まる。
期待値が高まり、PERが切り上がると株価にどう影響するのか。
日本電産 <6594> [終値16205円]の例を見る。
期初に公表した今期の予想1株利益は421.44円。PERは夏まで25~28倍台で、株価は1万1000円台で推移していた。
株価は1万3000円台まで上昇。10月下旬には今期通期見通しを小幅に上昇修正し、1株利益は432.32円と期初比で3%増に。
ただ市場では早くもさらに業績が上振れるだろうとの期待が高まっている。
将来の成長への期待を映し、9日、予想PERは37倍台に上昇。株価は上場来高値の1万6550円をつけた。
・日本株ルネサンス 成長期待 どこまで高まる。
株式市場では、より長期の視点に立った強気派も顕れ始めた。
マネックス証券の松本大社長は「19年3月末までに3万円」を掲げる。
広木隆チーフ・ストラテジストは今期と来期の増益率を織り込めば、
日経平均採用銘柄の予想1株利益は18年度中に1700円を超える可能性があるという。
予想PERが17倍まで上昇すれば計算上は2万8900円が視野に入る。
脱デフレを伴う株価の上昇に今のところ乗り切れず、売り向かってきた個人投資家の動向も一つの鍵となる。
・日本株ルネサンス 米金利上昇などリスクも
投資家の期待を映してPERが切り上がり、日本株が一段高となるシナリオにはリスクもある。
1つが金利上昇リスクだ。10日の米債券市場では長期金利が2.4%と、10月下旬以来の水準まで上昇。
PERの上昇は株式の益利回り低下を意味する。
金利が上昇して債券利回りの魅力が増せば、相対的に株式投資の魅力が下がる。
これまで日米欧の大規模金融緩和で金利は低位に抑えられてきたが、
米連邦準備理事会(FRB)が薦める利上げ動向によっては米金利上昇に弾みが付く可能性がある。
米金利上昇が米国株の調整につながればリスク許容度の低下した海外投資家が日本株売りに宇号可能性がある。
・日本株ルネサンス 米国の死角。
低金利と共に「適温相場(ゴルディロックス)」形成する経済の世界同時成長を引っ張る米経済にも死角がある。
先週には米トランプ政権が公約してきた法人減税の実施が1年先送りになる可能性が浮上。
減税効果に対する市場の期待がしぼみ、米国株が下落した場面があった。
米経済が変調きたせば、外需を取り込んで成長する日本の主力企業にもマイナスの影響は避けられない。
・日本株ルネサンス 【純利益】雌伏の時を超え、復活した稼ぐ力
日経平均株価が最高値3万8915円をつけた1989年末の東証1部の時価総額は590兆円だった。
失われた20年の間に相次ぐ危機を乗り越え、時価総額は670兆円を超えた。
構造改革進めて、稼ぐ力を高めた上場企業は今期、2期連続の最高益見込む。
ほぼ4社に1社が最高益組のなかに、32年ぶりのモロゾフ <2217> [終値7380円]、
28年ぶりの立川ブラインド <7989> [終値1295円]など長い雌伏の時を超えて復活した会社もある。
・日本株ルネサンス 【純利益】雌伏の時を超え、復活した稼ぐ力
32年ぶり最高益更新 モロゾフ <2217> [終値7380円] PER18.1倍
28年ぶり 立川ブラインド <7989> [終値1295円] 12.9倍 大建工 <7905> [終値2953円]12.7倍
27年ぶり 不二家 <2211> [終値2662円]4.1倍 コクヨ <7984> [終値2111円]17.9倍
21年ぶり 京三 <6742> [終値692円]13.5倍
16年ぶり ※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://info.koronoasa.com/
・日本株ルネサンス 【時価総額】上場来高値が続々、たやまぬ進化に評価。
歴史的な株高を支えているのは高い競争力を発揮し、投資家から高い評価を受けてきた銘柄。
直近で上場来高値を付けた企業を見ると、
世界シェアや抜きんでた技術を持ち、値上げやM&A(合併・買収)といった手法で中長期の成長を実現した銘柄が並ぶ。
キーエンス <6861> [終値67820円]ダイキン工 <6367> [終値13085円]日本電産 <6594> [終値16205円]など
25年前と比べて時価総額を10倍以上に増やした企業も含まれる。
・日本株ルネサンス 中堅企業も独自技術で伸びる。
キーワードは自動車のIT化・ニッチ・半導体。
1つ目は「自動車のIT化」。
システナ <2317> [終値3715円]主力は車載用ディスプレー向けのシステム開発。
今期はこの主力事業に加え、ブレーキ制御などのシステムの受注も拡大。
日進工具 <6157> [終値2424円]自動車のIT化の恩恵受ける。
同社の扱う金型の製造などに使う切削工具の一種「エンドミル」。同社はエンドミルのうち、直径6ミリ以下の製品に特化。
自動車に搭載されるセンサーなどの電子部品が増えるのに伴い、より繊細な加工ができる1ミリ以下のエンドミル需要増。
・日本株ルネサンス 中堅企業も独自技術で伸びる。
キーワードは自動車のIT化・ニッチ・半導体。
2つ目は「ニッチに強い」。
WDB]HD <2475> [終値2709円]理経の研究職の派遣事業に強み。
18年3月期は人手不足背景に製薬企業や大学、独立行政法人向け需要が旺盛。
自動車大手の無資格検査問題が話題の中、エスペック <6859> [終値2606円]株の騰勢が強まっている。
同社は湿度や温度などの条件を変えて耐久性などを調べる「環境試験器」と呼ばれる機械で世界で3割、
日本では6割のシェア握る。
18年3月期は電気自動車(EV)や自動運転などに使う部品や車体の検査向けに需要好調、11年ぶりに最高益を更新へ。
中国にアフターサポートや生産の拠点を置いている点も評価が高い。
・日本株ルネサンス 中堅企業も独自技術で伸びる。
キーワードは自動車のIT化・ニッチ・半導体。
3つ目は「半導体関連」。
大型株でも半導体製造装置の東京エレク <8035> [終値22610円]をはじめ、好業績の企業が目白押し。
タキロンシーアイ <4215> [終値831円]有機ELや液晶の製造装置向けの工業用プレート部材が好調、
18年3月期連結純利益は前期比2.2倍、60億円見込む。
日本バルカー <7995> [終値2646円]半導体製造装置に利用されるシール材が伸びている。
3次元(3D)のNAND型フラッシュメモリーの増産に向けた設備投資が背景にある。
カナデン <8081> [終値1345円]ファクトリーオートメーション(FA)部門がけん引役となる。
液晶や半導体製造装置向けの駆動制御機器が伸びる。
・日本株ルネサンス 中堅企業の中に「お金持ち企業」も多い。
ロコンド <3558> [終値1936円]靴や衣料品の電子商取引(EC)事業手掛ける。
総資産に占める手元流動性(現預金と有価証券の合計)の割合は7割近くに達する。
閲覧ソフト手掛けるデジタルアーツ <2326> [終値4650円]も総資産の半分以上が手元流動性。
・日本株ルネサンス 中堅企業も独自技術で伸びる。
キーワードは自動車のIT化・ニッチ・半導体。
自動運転関連
システナ <2317> [終値3715円]自動運転やロボット向けにシステム伸びる。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://info.koronoasa.com/
ニッチ系
WDBHD <2475> [終値2709円]理系研究職の派遣
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://info.koronoasa.com/
半導体・FA関連
タキロンシーアイ <4215> [終値831円]半導体製造装置向け部材がけん引
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://kabushiki.koronoasa.com/
・日本株ルネサンス 小さな「お金持ち」には株式還元への期待も。
(時価総額1000億円未満で手元流動性が総資産の半分以上占める主な企業)
ストライク <6196> [終値5080円]総資産の占める手元流動性の割合 92% M&A(合併・買収)仲介
弁護士ドットコム <6027> [終値1384円]68% 法律サイトの運営
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://info.koronoasa.com/
・トヨタ <7203> [終値7108円]株が反転基調。8日には一時1年9カ月ぶり高値の7312円まで上昇。
買い材料は2018年3月期業績予想の上方修正だけではない。
革新的な技術や事業者指す「ゲームチェンジャー」目指す姿勢を鮮明にしたから。
電気自動車(EV)の性能を一変させる「全固体電池」を20年代前半に実用化すると発表。
「航続距離を飛躍的に伸ばすゲームチェンジャーとなりうる」と強調。
クルマ産業の構造改革での勝ち残りは現金創出力をどこまで高められるかがカギとなる。
・投資テーマを斬る デフレ株 「売れる値上げ」で好決算
企業には原料価格の上昇や運送費の高騰、労働力不足による人件費の上昇が襲いかかる。
利益を圧迫する三重苦をいかに克服するか。
好決算企業の背景には「売れる値上げ」を実現する仕組みがあり、投資家の注目度が高まっている。
値上げしても好業績が見込まれる企業。
明朗会計型:リンガーハット <8200> [終値2495円]食材厳選。リピーター獲得、4期連続最高益見通し。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://kabushiki.koronoasa.com/
高付加価値型:キッコーマン <2801> [終値3965円]密閉ペットボトルのしょうゆ好調。18年3月期は経常最高益へ。
明治HD <2269> [終値9790円]高単価商品の販売伸び、」今期経常利益は10%増。
需給ひっ迫型:※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://info.koronoasa.com/
・投資テーマを斬る デフレ株 今後値上げが業績に影響する企業。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/koroasamembers/
・東京株式市場で日本株への期待値が上がっている。
25年10カ月ぶりの高値を付けた日経平均株価は10日まで3日続落したが、
相場の上昇トレンドが崩れたとの意見はほとんど聞かれない。
一方、※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://info.koronoasa.com/
・サウジアラビアの政情や中東の緊張に懸念が高まり、供給減の思惑から買いが膨らんだ。
石油輸出国機構(OPEC)が協調減産を再延長するとの観測が強まる中、思わぬ地政学リスクが一段と相場を押し上げた。
今月30日にはOPEC総会が控える。ここでは減産延長が正式に決まるとの期待先行して相場が上がっただけに
「曖昧な総会になれば価格を押し下げる」のは避けられない。
・OUT Look:今週(13~17日)の株式相場、日経平均株価は上下に大きく振れる展開になりそう。
足元の※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://kabushiki.koronoasa.com/
・Wall Street:今週の米株式相場は高値圏でのもみ合いが見込まれる。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/koroasamembers/
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち10指数が上昇。
欧米で上げ一服が目立った。半面、ロシアなど資源国株の一角やアジアの主要株は上昇。
上位1位ロシア週間騰落率4.27% 2位ベトナム2.90% 3位香港1.81% 4位中国1.81% 5位豪州1.23% 8位日本0.63%
下位25位ドイツ▲2.61% 24位フランス▲249% 23位ブラジル▲2.37% 22位トルコ▲2.11% 12位米国▲0.50%
・株高背景にリゾート会員権は高価格帯中心に売れ行き好調。
低迷していたゴルフ会員権相場にも、ようやく底入れの兆しが出始めている。
国内の高級ホテルなどが訪日外国人でにぎわう中、
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