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扉を開いて(1/9号)

2010年1月10日(月)はれ

・投資心理を科学する。行動ファイナンス注目、5つの「心の揺れ」や「心理のワナ」

 傷つきたくない症候群:
 (Q)コイン投げの「表」「裏」を当てる賭け、外れたら1万円払うとしたら
 当たりの場合の賞金はいくらならこの賭けに乗るか?
 (A)一般的な答えは2万〜2万5000円。つまり「損失」と「利益」を比べた場合、損は利益の2倍強の重みを持つ。
 同じ額の利益と損失とで心理的インパクトが大きく異なる。
 「利益」の額1→2に倍増しても投資家の満足度はそれ程増えず、逆に1→0に減ると満足度は急減。
 利益を1→2に伸ばすより、早めに利益を確定して1→0となるリスクを避けたい心理働く。
 損失額がある一定水準を超えると苦痛量は増えず痛みに慣れてくる。

 「もう・まだ」症候群:
 (Q)5人きょうだいで「末っ子だけが女の子」と「5人全て男」の可能性はどちらが高いか?
 (A)可能性はどちらも「2分の1」の5乗で同じ。「5人きょうだいで全部男は珍しい」と直感的に答え多く。
 プロと呼ばれるような投資家など相場に一方向の傾向(モメンタム)が見られる時に
 逆方向への相場反転予想する傾向強い。
 一般投資家は最近の傾向をそのまま単純に延長して推進する傾向。
 プロは「まだ」なのに「もう」と思いがち。アマは「もう」なのに「まだ」と思う傾向がある。

 江戸っ子症候群:
 (Q)投資信託、どちらが好成績?
 1.3年間にわたり毎月25円の分配金が得られた投信、基準価格は1割下落。
 2.分配金ゼロの投信、基準価格は3年前に購入した時と変わらず。
 (A)1.では2つの勘定合計した運用成績はマイナスも、2.の方が劣ってるような錯覚。思わぬ利益は浪費がちに。

 群れたがり症候群:
 (Q)A社の株式に注目。どちらの情報を重視するか?
 1.自分で財務諸表を分析したら有利子負債の多さが気になった。
 2.著名アナリストが事業の成長性を強調。
 (A)株式投資は「美人投票」(自分が美しいと思う人ではなく、大多数が美人と思う人)と
 影響力をもつ著名人の見通しは自分の判断より正しいと思い込む人は多い。
 群集心理にかられた横並びの投資は個人にもプロの機関投資家にも見られる。
 行動ファイナンスで言うハーディング(群れ)。ハーディングはバブルを引き起こす要因でもある。
 「自分が美しいと思う」投資先かどうかを確認する必要もある。

 思い込み症候群:
 (Q)質問に答え、正解だと思う確率(自信があれば100%)も挙げてください。
 1.日本で最も大きい大仏は?
 2.面積が最も小さい都道府県は?
 3.キューリー夫人がノーベル賞を受賞した理由は?
 (A)1.牛久大仏(茨城県)2.香川県 3.放射能の研究とラジウム及びポロニウム発見。
 1.で奈良や鎌倉の大仏を。2では東京都や大阪府、3.で1つしか答えなかった人も多く。
 自信満々で間違えた人。人は自分で思う以上に自信過剰の傾向がある。
 過度の楽観主義「オレが選んだJAL株は上場廃止になるわけがない」といった根拠のない相場観で引き時誤る。
 支配の錯覚は目の前で起きている出来事を自分がコントロールできると思い込む。
 「サイコロ振って1の目を出す」というゲームで他人より自分が振る方が何故かその確率は高いと感じてしまう。
 なじみの銘柄を過大評価しがちも自信過剰の一断面。
 「良く知ってる会社」と「投資リターンが高い会社」は同じではないが「よく知ってるから大丈夫」と思い込む。
 成功体験がある人ほど危ない傾向も。

・売り時を迷わないために。

 売却の心構え4か条(JPモルガンアセット鈴木英典室長)
 1.買う時にどこで売るかを考える。
 2.売るメドが立たない時は買わない。
 3.勝とうと思わず、負けまいと思う。
 4.最高のタイミングを捉えるのはほぼ無理なので最悪のタイミングでの取引を避けるようにする。

 著名投資家ジム・ロジャーズ氏、売り時を苦労するのは「買う時の事前勉強が足りな買った証拠」
 逆説的には「売り時」に悩まない最上の策は「買い時」を間違えないことかもしれない。

・日本経済新聞社三大都市圏の個人対象「第7回日経金融機関ランキング」調査、
 顧客満足度ソニー銀行4年連続首位。2位住信SBIネット銀行(前回2位)3位大垣共立銀 <8361> [終値289円](7位)
 4位りそな銀 <8308> [終値523円](12位)5位埼玉りそな(13位)

・ファーストリテイリング <9983> [終値12330円]2011年株式相場で週間で4.6%安。
 「ユニクロ」12月既存店売上高前年同月比15.5%減が切っ掛け。今期業績に黄信号。注目の9-11月期決算の発表は13日。
 第1四半期は減益だが会社計画は上回る内容になった公算は大きい。

・環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)日本参加するとどんな影響。TPPの特徴、多国間、貿易だけでなく経済全般の自由化
 参加しなかった場合、TPP加盟国の市場で日本の輸出企業が不利な条件に置かれる可能性高い。
 TPPには農産物の輸入価格を引き下げる効果。参加すれば食品メーカーは原料コスト削減の恩恵受ける公算。
 反面加工食品の輸入増えることも。
 日清粉 <2002> [終値1049円]日本粉 <2001> [終値405円]輸入小麦粉との競争に直面へ。
 日本の農業は壊滅するとの意見、
 農作物の生産減少額4兆1000億円程度に達し、食料自給率現在の40%から14%に落ち込む試算も。
 日本の農畜産物の安全性や品質は外国の富裕層中心に評価と競争力は十分との見方も。

・2010年8月末から1月7日まで株価上昇ランキング:
 高機能携帯電話(スマートフォン)や電気自動車関連、機械など設備投資関連が上位。

 1位JVCケンウッド <6632> [終値467円]上昇率126.7%。

 2位高岳製作所 <6621> [終値488円]82.8% 「材料株としての色彩強く、個人の物色今月一杯」との見方も。

 3位アルプス電気 <6770> [終値1009円]74.3% スマートフォン用タッチパネル手掛ける。

 7位KYB <7242> [終値658円]70.9% 収益の急回復が株価上昇の主因。2011年3月期の連結純利益136億円と過去最高。

 19位日東電工 <6988> [終値4090円]51.8% 
 スマートフォン(多機能携帯電話)のタッチパネル関連製品、業績の中期的に伸びるとの期待集めている。

 22位東邦亜鉛 <5707> [終値443円]50.2% 豪鉱山会社CBHリソーシズを2010年9月に完全子会社化契機に株価上昇基調へ

 40位飯田産業 <8880> [終値910円]44.4% 
 主力事業の戸建ての住宅の分譲が好調。11/26に2011年4月期の連結業績予想を上方修正。

・OUT Look:今週の株式相場は強含みの展開が続きそう。
 米雇用情勢の改善織り込んできただけで週前半にいったん利益確定売りが膨らむ可能性も。
 米国中心とする世界的な景気回復への期待感は根強く、日本株の大幅な調整を懸念する向きは少ない。
 信用取引に伴う需要もじわり改善。
 個人の基本姿勢、いまのところ押し目を待って買いたい、戻ったら売りたい、といった処。
 米国投資信託の資金流出入をみると昨年5月から流出超続く株式型で12月第4週(20日〜)に流入超への反転。34週ぶり。
 こうした流れ日本にも波及期待も。 

・Wall Street:今週の米株式相場は買い材料が乏しい中、上値の重い展開に。
 足元では高値警戒感から相場は勢いを失いつつある。
 ダウ工業株30種平均先週97ドル(0.8%)高1万1674ドルと6週連続で上昇。
 7日雇用統計非農業部門雇用者数予想した回る前月比10万3000人増にとどまるものの相場小動きに。
 経済指標は14日発表の集中日、12月の小売売上高と米鉱工業生産が小幅改善。
 1月の米消費態度指数はガソリン価格上昇の影響が心配され、株価への悪材料の可能性もある。 

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派63%(前回比+20)弱気派18%(同-17)中立派20%(同-2)
 強気派6割超は2010年11/19(64%)以来。
 米雇用情勢の改善受けて円安・ドル高進み、日本の輸出関連株上昇と見込む機関投資家増加。

・日米欧、気を引き締める材料は4-6月期に集中。

 米政府の債務残高3月末にも上限14兆2900億ドルに達する。
 上限引き上げなどとデフォルト(債務不履行)になり、経済に壊滅的な打撃及ぶ。
 米連邦準備理事会(FRB)量的緩和第2弾(QE2)は6月末で期限を迎える。

 欧州、スペインで4月、ポルトガルでは4月と6月に国債の大量入札。年明けの入札不調ぶりからポルトガルが危ない。
 ギリシャでは債務リストラが取り沙汰される。アイルランドは3月にも総選挙。

 日本国債の格下げ問題。S&Pが見直しに入ったのが2010年1月、見直し発表から実際の格下げまで期間平均で1年半。
 今年の6月は潮時。
 菅政権、今のままなら4月の統一地方選は惨敗と。
 6月までに社会保障・税の一体改革と環太平洋戦略的経済連携協定参加を決断すると首相言明「政治生命を賭ける」と。

・世界市場往来:2010年最初の取引となった先週の世界の株式相場は、
 金融緩和の継続や景気回復への期待背景に日米欧の先進主要国が軒並み上昇。
 新興国では中国やブラジルは堅調もインドやインドネシアは金融引き締め警戒で下落。

・バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長「市場は景気回復をはやしているが、油断はまだ禁物」とメッセージ。
 「失業率が正常な水準に戻るには4-5年はかかる」7日の米上院議会証言で慎重な発言繰り返した。

・米バロンズ:毎年恒例行事のように日本株の魅力上昇。
 日本株は割安で円安やデフレ解消などの好材料があれば値上がり見込め、毎年この時期、投資関係者は日本株の魅力語る
 米ゴールドマン・サックス、日経平均株価の目標水準昨年12月末の1万0229円より17%高い1万2,000円に設定。
 円相場12月下旬の1ドル=81円から90円に円安進むと予想。
 世界中の投資家が日本株買い増す中、国内個人投資家は売り越し。(日経ヴェリタス)

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