
扉を開いて(2/13号)
- 2011年02月13日
- 株式投資・経済ニュース全般
2010年2月13日(日)はれ
・長年の円高恐怖症卒業へ。3つの常識について考察。
日本経済は輸出依存度が高い:日本の輸出総額の国内総生産(GDP)に対する比率13%。
韓国50%ドイツ41%と比べ低く、先進国の中では米国11%に次ぐ2番目に低い水準。
ドル円相場が円高の指標:「1ドル=何円」だけで一喜一憂するのも問題。日経平均株価最近はウォン相場に連動も多く
国際決済銀行(BIS)算出の通貨ウェートでも米ドルを超え人民元が23%と最大比重に。
円高だと企業収益が悪くなる:常に正しいとは限らず。
法人企業統計の大企業製造業の経常利益の前年同期比の伸び率とドル相場の動き、円高局面こそ増益率高まる傾向。
円高はニッポン株式会社の収益力が回復する兆しとも。
・円高を克服した企業
HOYA <7741> [終値1985円]外貨建ての輸出と輸入を均衡させて為替変動が業績に与える影響を抑える仕組み。
3通貨「コスト通貨バスケット」構築目指す。
デンソー <6902> [終値3095円]研究開発拠点新興国に相次ぎ開設。生産移管だけでなく開発や調達なども現地化。
「地産地消」で為替リスク最小限に。
森精機 <6141> [終値1039円]独ギルデマイスターとの関係強化。ユーロの変動リスク軽減。
円高局面ではギルデから輸入した工作機械を約10%値下げも。
東芝 <6502> [終値509円]輸入企業になる。対ドル1円円高で3億円営業増益要因。
パソコンや液晶テレビなどデジタル製品では海外の電子機器の受託サービス(EMS)積極活用。
・ニトリ <9843> [終値7380円]1ドルにつき1円の円高で年間営業利益約10億円膨らむ。
・円高に強い製造業ランキング。海外売上高比率3割以上の企業対象に日本からの輸出度合い低い順
タチエス <7239> [終値1465円]日本からの輸出度合い4.4% アジア各国で工場新設、人件費や材料費の現地化進める
曙ブレーキ <7238> [終値519円]5.2% ユシロ化 <5013> [終値1388円]5.5% 河西工 <7256> [終値561円]6.4%
・エジプト30年近く強硬体制敷いてきたムバラク政権崩壊。11日NY市場株式、ドル、債券そろって上昇。
3市場の反応は微妙に異なる。トリプル高は世界的マーケットの不確実性増した表れとも。
株式市場は楽観シナリオ。債券、為替市場は悲観シナリオ意識。
・大証取引所 <8697> [終値419500円]新売買システム「J-GATE」14日稼動。注文処理速度これまでの20倍。
「J-GATE導入は個人の先物から現物株への回帰促す」との声も。
・ランキング:3月期末実施予定の配当額で見た配当利回りランキング
1位:信金中央金庫 <8421> [終値171000円]配当利回り3.80% 期末配当金6500円。
優先出資証券で議決権がつかない代わりに配当が高く設定。
2位:みずほFG <8411> [終値167円]3.59% 6円。3位:マックス <6454> [終値1043円]3.45% 36円。
24位:タカラスタンダード <7981> [終値549円]2.37% 13円。
配当利回り高めなのは中長期的な成長期待乏しいことの裏返しとも。
34位:セコム <9735> [終値4075円]2.21% 90円。3年ぶり増配。営業利益は前年同期比ほぼ横ばい。
49位:住友大阪セメント <5232> [終値205円]1.95% 4円。株価低迷も安定配当重視。
・トヨタ <7203> [終値3775円]先週1週間で9%上昇。
2010年4-12月期(9ヶ月累計)の好決算に加え、米大規模リコール(回収・無償修理)問題「シロ決着」の追い風。
出遅れ挽回、巡航速度に入るタイミングが視野に入る。
・第一汽船 <9132> [終値205円]積極投資が財務・収益悪影響及ぼしつつある。
2011年3月期最終黒字15億円(前期は38億円の赤字)と従来予測の4分の1に縮小。
・ベネッセ <9783> [終値3700円]
海外教育事業拡大。主に中国で通信講座の教材販売伸ばす。この事業の売上高94億円と前期比24%増。
・時価総額300億円以上の企業対象、市場予想が会社予想と乖離している企業。
上振れ:日立国際 <6756> [終値734円]かい離率41.9% オークマ <6013> [終値737円]25.6%
前田建 <1824> [終値270円]25.2%
下振れ:船井電 <6839> [終値2683円]▲31.0% 三菱自 <7211> [終値119円]▲23.0%
ルネサスエレク <6723> [終値872円]▲14.5%
・日本化産 <4094> [終値758円]化学業界の萬屋(よろずや)多品種少量で勝負。事業内容独特も株価に重荷。
取引売買高少なく株主構成や買収防衛策も同社株買いにくく割安に。
・「MEMS」(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)微細加工施されている電子部品や機器。
任天堂 <7974> [終値24040円]ゲーム機「Wii」やスマートフォン(高機能携帯電話)に搭載、
自動車の横滑り防止装置(ESC)に使われる。
市場占有率(シェア)トップはスイスのSJマイクロエレクトロニクス。
パナソニック <6752> [終値1097円]角度の変化を測定する角速度センサー、車載用では世界シェアトップ。
セイコーエプソン <6724> [終値1391円]インクジェットプリンター向けのMEMSで高シェア確保。
横河電 <6841> [終値636円]精密に計測できる装置でシェアを急速に拡大。
住友精密 <6355> [終値558円]MEMS製造するにはシリコンや水晶のウエハーを深く掘る必要。シェア約7割誇る。
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・OUT Look:今週の株式相場は上昇一服で値固めの展開か。決算発表一巡、国内材料乏しく。
米国株には一部で高値警戒感もでており、日本株の上値も重そう。
ダウ工業株30種平均9日記録8連騰は2000年以降で5回しかない。米国株リーマン・ショック前の08年6月以来の高値圏。
08年3月比高値接近。昨年夏以降ほぼ一本調子に上げてきたことで短期的な過熱感も。
東証投資主体別売買動向2月第1週まで14週連続買い越し。この間買越額1兆9070億円に。
アジア株テクニカル分析でも調整入り示唆する指標ではじめる。
日銀14、15日の金融政策決定会合で景気判断前進させると見られ、
為替相場が足元で円安に振れていることが株式相場下支えも。
2月物特別清算指数(SQ値)1万561円が一つの節目、SQ値水準維持できるかが相場調整入りするかどうかのカギと。
・Wall Street:今週の米株式相場は上昇の持続力試す展開か。
ムバラク大統領に辞表表明でひとまず不安感収まる。
中東情勢の緊迫は収束したというより「始まったばかり」とみる専門家の見方もでている。
ダウ平均先週末2週連続上昇。
米連邦準備理事会(FRB)16日に前回の米連邦公開市場委員会(FOMC) の議事要旨公表。
同時にFRBの経済見通しに注目。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派38%(前回比+10)弱気派31%(同-1)中立派31%(同-1)
中国利上げなど新興国の金融引き締めを受け、投資家の間で慎重姿勢がやや強まる。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は高安はまちまち。
米経済の回復期待を背景に先進国が概ね堅調の反面、インドなど新興国はインフレ警戒感から軟調展開。
(日経ヴェリタス)
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